東日本大震災後、被災地で活躍したロケットストーブ。炎が手前から奥に勢いよく吸い込まれていく不思議な燃え方に興味を持った金田寿正さんは、ネットで設計図が公開されているのを知り、ストーブの研究を開始した。
木質ペレットの新たな活用方法を探っていた知財管理士の坂野明日香さんと出会い、〟火遊び〝で消費を拡大させようと意気投合。試作を重ねて誕生したのが、このペレット鋼管ストーブ「ペレコ」だ。 木質ペレットを使うには専用のボイラーやストーブが必要で、利用普及が難しい。そこで鉄工所でも製造できる鋼管2本で作るタイプにたどり着いた。「煙が少なく、火の扱いもラク。美しい炎で調理もできる。どこでも携帯して、火と戯れて!」。
幅125mm、奥行き150mm、高さ625mmと超スリムで、重さもわずか5㎏。効率燃焼で煙も灰も少なく、1回のペレット投入で約30分燃焼する。「建築廃材、小枝や割りばし等の木っ端も燃やせるハイブリッド仕様。普段から火の扱いに慣れておいて、もしもの備えに」と金田さん。坂野さんは、個人の開発研究の成果が知財として認められる活動にも取り組んでいく。
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「ペレコ」
1万8144円(ロケスト工房 http://rocketstove-tk.com)
■「ソトコト」2015年4月号より
(文/久保田真理 写真/松下二郎)
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