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【政治】

独首相 過去の総括 和解の前提 日中韓、関係改善促す

日独首脳会談を前にメルケル首相(左)と握手する安倍首相=9日、首相官邸で

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 ドイツのメルケル首相が九日来日し、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。メルケル首相は共同記者会見で戦後七十年に関し、ドイツが周辺国と和解した経緯に触れ「過去の総括は和解のための前提だ」と指摘した。日本と中国、韓国との歴史認識問題に関する具体的な言及はなかったが、日本と中韓両国との関係改善に期待した発言とみられる。

 メルケル首相は会談で、戦後の周辺国との和解に関し「ナチス時代の行為について透明性を持って検証してきた経緯がある」と述べたが、安倍首相と突っ込んだやりとりは行われなかった。

 会談で安倍首相は、与党が協議を進めている安全保障法制の整備に触れ「(実現すれば)国連平和維持活動(PKO)、後方支援など国際社会の平和と安定に一層の貢献が可能となる」と意義を強調した。

 両首脳は会談で、ウクライナの平和と安定のために、両国が積極的な役割を果たしていくことで一致。両国の国連安全保障理事会常任理事国入りに向けて、インド、ブラジル両国を含めた四カ国で協力を強化していくことも確認した。安倍首相は東日本大震災から四年を迎えることにも触れ、福島県産品の輸入制限を撤廃・緩和するよう協力を求めた。

 メルケル首相の来日は、二〇〇八年の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)以来七年ぶり。

◆「あらゆる努力を」

 ドイツのメルケル首相は九日午前、日本と中国、韓国との間で歴史問題をめぐり緊張が続いていることについて「あらゆる努力を惜しまず、平和的解決策を見いだすべきだ」と述べ、和解に向けた取り組みを促した。東京都内で講演した後の質疑応答で語った。

 東京電力福島第一原発事故後、ドイツが二〇二二年までの「脱原発」を決めた理由については、技術水準の高い日本でも予期しない事故が起こり得ると分かったからだと述べた。

 女性の社会進出にも触れ自身が〇五年にドイツ初の女性首相に就任した当時を振り返り「国内には戸惑いもあっただろうが、一歩踏み出すとそれが当たり前になる」と指摘した。(共同)

 

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