スイスで16日まで開催されているジュネーブ国際自動車ショー。話題を呼んでいるのが、米アップルの自動車向けサービス「CarPlay(カープレー)」だ。携帯端末用の基本ソフト(OS)を車載画面に対応させたもので、世界で初めて実際に車両での使い方が公開された。
ショーにあわせて独ダイムラー、ボルボ・カー(スウェーデン)、フェラーリ(イタリア)の欧州高級車3社がそろってカープレー採用を発表した。インターネットで車がつながるとIT(情報技術)と自動車の垣根はますます低くなる。産業や消費者にどんな影響を与えるのか。ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長、ボルボ・カーのホーカン・サムエルソン最高経営責任者(CEO)にそれぞれ話を聞いた。
ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長
■ダイムラー ツェッチェ社長■
――カープレーではソフト利用に制限をかけています。セキュリティーと利便性をどう考えますか。
「制限がなければよりサービスが魅力的になることは考えたが、慎重に物事を進めていきたい。iPad(アイパッド)のように自動車の画面にアイコンがずらり並んでも不便だろう。問題は安全性と利便性の両立であり、我々はより安全性に重きを置いた。今でも探しているアイコンを探しやすいようにできており、運転手は出かける前に駐車場の予約もできる」
――提携相手にグーグルではなくアップルを選びました。
「そうではない。当社はグーグル連合の一員でもある。グーグルは現時点で同様のシステムはなく、当社は今回アップルと協力した。アンドロイドでも似たシステムを準備しており、顧客がiOSとアンドロイドから選べるようにする」
――ITと自動車産業の関係はどうなるのでしょうか。
「自動運転技術そのものは我々の方が進み、けん引している。そのため相当な努力もし、すぐ力関係が変わるとは思っていない。同時にグーグルと互いに協力できる分野もあるだろう。彼ら自身が自動車産業に参入するかどうか見当がつかない。ただ異業種が参入した好例として米テスラ・モーターズがある。当社はテスラの株主であり、親密に協力している。業界が常に新しいアイデアを受け入れ、競争が起きることはよいことだ」
アップル、ボルボ、ダイムラー、フェラーリ、グーグル、メルセデス
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