70年談話:「侵略した、と言わせたい」北岡国際大学長

毎日新聞 2015年03月09日 21時36分(最終更新 03月09日 23時00分)

北岡伸一国際大学長
北岡伸一国際大学長

 戦後70年の安倍晋三首相談話を検討する有識者懇談会(21世紀構想懇談会)の座長代理を務める北岡伸一国際大学長は9日、東京都内であったシンポジウムで先の大戦を侵略戦争と位置付けた上で、「私は首相に『日本は侵略した』とぜひ言わせたい」と述べた。北岡氏は、座長の西室泰三日本郵政社長と並ぶ懇談会の中心メンバーで、今回の発言は7月にまとめる懇談会の報告書に影響する可能性がある。

 首相は談話について「歴代内閣の立場を全体として引き継ぐ」とする一方、1995年の村山富市首相談話の「植民地支配と侵略」などの表現を継承するかは明言していない。北岡氏はシンポで「日本が侵略戦争をしたのは明らか」とし、「日本の歴史研究者の99%は『日本は侵略し、悪い戦争をし、多くの中国人を殺して誠に申し訳ない』と言うと思う」と述べた。

 一方、北岡氏は「戦後70年に謝罪が中心に来るかが肝だ、というメディアには違和感を感じる」と指摘。「45年以前、以後の歴史を全部盛り込んだドキュメント(報告)を作る。そこから首相が何を取り上げるかだ」と述べ、談話の内容はあくまで首相が最終判断するとした。【高橋克哉】

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