声明文
日本ペンクラブ声明「フランスにおけるメディアへのテロ攻撃に強く抗議する」
日本ペンクラブ声明【太平洋戦争開戦の日に当たって】
言論への暴力は絶対に許さない。
特定秘密保護法施行の閣議決定に対する談話
「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見
日本ペンクラブ声明 「集団的自衛権に関わる政府基本方針の決め方は許されない」
日本ペンクラブ声明「児童ポルノ禁止法改正を名目とした言論表現規制に反対します」
私たち日本ペンクラブは、児童ポルノ禁止法改正を名目とした言論表現規制に反対します。
政府は今回の改正に伴い、広範に漫画やアニメ全般を取り締まりの対象とする方針ですが、それは本来守られるべき表現の自由を著しく侵害し、ひいては表現行為やその内容の多様性を失わせるものであります。また、「単純所持」の禁止、販売や流通の関係者にまで及ぶ罰則規定とその厳罰化等は、近年の社会に不穏な影を落としている報道・出版への圧迫を尚一層加速させるものとして、表現活動に携わる私たちに強い危機感を抱かせます。
従来のルールを逸脱した表現物から子どもたちを守ることは、現行法制度によって可能であり、出版業界も自主規制のための取り組みを続けています。肝心の規制基準が曖昧なまま規制対象を一挙に拡大する今回の法改正によって、親が子どもの入浴写真を成長の記録として所持することすらも法に触れかねない社会へと転ずることが、果たして子どもたちに良い影響をもたらすのでしょうか。
自由に開かれているべき子どもたちの未来が言論表現規制によって不条理に抑圧されることがないよう、国会での冷静な議論と、見識ある結論を望みます。
2014年3月17日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎
言論表現委員長 山田健太
「子どもの本」委員長 森絵都
日本ペンクラブ声明「ウクライナにおける平和的話し合い、クリミア・タタール人の安全と言語権の尊重を求める」
日本ペンクラブは国際ペンのウラル・アルタイ・ペン連帯ネットワークの一員として、2012年6月ウクライナのクリミア半島を訪れ、クリミア・タタールの作家と交流した。
クリミア・タタール人は第二次世界大戦中に、ふるさとであるクリミア半島をスターリンにより追われ、苦難の旅の後、ウズベキスタンに定住した。ソ連の崩壊後、クリミア半島への合法的帰還を果たし、同地で少数民族として暮らしている。彼らは帰国後も困難な状況にあり、自らの文化・言語の権利の保障と拡大を求めている。
ウクライナ情勢の緊迫化のなかで、クリミア・タタール人はウクライナのみならず、ウクライナ内のクリミア自治共和国の少数民族としても、再び将来が見えない立場に追い込まれている。
日本ペンクラブは、外部からの軍事的介入・圧力に強く反対し、クリミア・タタール人を含むウクライナ国民自らが、流血ではなく平和的話し合いを行い、多民族の共生をはかるよう切に希望するとともに、クリミア・タタール人の安全と文化・言語権の尊重を強く求める。
2014年3月17日
一般社団法人日本ペンクラブ
国際委員長 佐藤アヤ子
日本ペンクラブ声明 「イリハム・トフティ氏の逮捕・起訴に抗議し、即時釈放を求める」
日本ペンクラブは、中国のウイグル族の研究者で、ウイグル・ペンのメンバーでもあるイリハム・トフティ氏が当局により拘束され、2014年2月25日、国家の分裂活動に従事したとして起訴されたことに驚きを禁じえない。
イリハム・トフティ氏は、ウイグル族の人権擁護に取り組んできたが、独立国家樹立を唱えたことも、暴力やテロに賛同したこともない。
イルハム・トフティ氏の即時釈放と起訴の取り消しを求めるとともに、中国政府自らが署名している国際人権規約や自国の憲法に精神に立ち、表現の自由を尊重することを要望する。
2014年3月17日
一般社団法人日本ペンクラブ
獄中作家委員長 西木正明