石川瀬里
2015年3月9日20時34分
総合電機大手「東芝」の記憶媒体の研究データを韓国企業に流出させたとして、不正競争防止法違反(営業秘密開示)の罪に問われた米半導体大手「サンディスク」の元技術者杉田吉隆被告(53)の判決が9日、東京地裁であった。室橋雅仁裁判長は「我が国の重要産業の情報が流出し、社会に与えた衝撃は大きい」として、懲役5年罰金300万円(求刑懲役6年罰金同)を言い渡した。被告側は即日控訴した。
判決によると、サン社の技術者だった杉田被告は2008年1~5月、業務提携先の東芝の工場で、主力製品「NAND型フラッシュメモリー」の研究データをコピー。7月以降、転職先の韓国半導体大手「SKハイニックス」でスライド上映するなどした。
判決は、研究データの流出は「極めて悪質な営業秘密の情報開示だ」と指摘。データは「フラッシュメモリー製品を量産するうえで心臓部に当たる」とした。そのうえで、ハイニックス社が約330億円を東芝に支払う内容の和解が成立していることからも、「東芝が被った損害は莫大(ばくだい)。東芝の競争力も低下しており、結果は重大だ」とした。
裁判で弁護側は、「ハイニックス社から強く情報開示を求められ、断れば雇用を打ち切られるとの不安から開示した」と訴えていたが、判決は「転職先での地位を維持するために自らの意思で開示しており、強い責任と非難を免れない」とした。(石川瀬里)
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