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 富山県氷見市で2002年に起きた強姦(ごうかん)、強姦未遂事件の犯人とされて約2年間服役し、再審無罪が確定した柳原浩さん(47)が、国や県などに計約1億400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、富山地裁であった。阿多麻子裁判長は県に1966万円の賠償を命じた。国や取り調べを担当した警察官、検察官個人への請求は棄却した。

 事件は02年1、3月に発生。女性2人が自宅で強姦、強姦未遂の被害に遭った。似顔絵をもとにした聞き込みや被害者の供述から浮上した柳原さんが2事件で逮捕・起訴され、富山地裁高岡支部で懲役3年の実刑判決を受けた。出所後の06年、別の強制わいせつ事件で鳥取県警に逮捕された男が犯行を自供。07年1月に富山県警が柳原さんの誤認逮捕を発表し、同10月に再審無罪が確定していた。

 再審では冤罪(えんざい)に至った経緯は解明されなかったため、柳原さんが09年5月、国と県に加え、取り調べ担当の警察官と検察官を提訴。「警察による暴行、脅迫で虚偽の自白を強要された」と主張していた。一方、国と県は暴行や脅迫による自白強要を否定。請求棄却を求めていた。