Financial Times

レイプ番組がインドの女性蔑視にスポットライト

2015.03.09(月)  Financial Times

(2015年3月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

集団性的暴行で死亡のインド女性、結婚目前に悲劇

2012年の集団レイプ事件を受け、デモ行進する女性たち〔AFPBB News

理学療法を学ぶ若い女性がデリーのバスの中で集団レイプされ、殺害された事件がインドを揺るがしてから9カ月後、ボリウッド映画の人気女優、カルキ・ケクランさんは「Rape : It’s your fault(レイプ:それはあなたの責任)」と題した風刺動画を制作した。

 ケクランさんはブラックユーモアたっぷりの3分半の動画で、女性に対する暴力の増加は都市部の女性とその振る舞いのせいだとする、インドに蔓延する男性優位の態度――インドの公人が公然と表す態度――を嘲笑した。

英BBCのドキュメンタリー番組、インド政府が放映阻止に躍起

 そして今度は、英BBCが2012年の悪名高いレイプ事件で有罪判決を受けた男の1人の男性優越主義的な考え方を暴くドキュメンタリー番組を制作・放送し、インド政府がさらなる放送を阻止しようと躍起になっている。

 英国で3月4日夜に放送された番組「India’s daughter(インドの娘)」の中で、襲撃事件に加担した罪で死刑判決を受けたムケシュ・シン被告は反省の色も見せず、被害女性は夜に外出したり、暴行に抵抗したりすべきでなかったと言って、女性の死の責任を本人のせいにした。

 「レイプについては、男子より女子の方にずっと大きな責任がある」。ニューデリーのティハール刑務所で撮影されたぞっとするようなインタビューで、シン被告は英国人ディレクターのレスリー・ウドウィン氏にこう語った。「まともな若い女は夜9時に出歩いたりしない」

 シン被告は被害女性の死を「事故」と呼び、さらにこう付け加えた。「レイプされている時に女は反撃すべきではない。ただ静かにして、レイプを許せばいいんだ」

 ナレンドラ・モディ首相率いるインド政府は、インドの少女、女性の扱いというデリケートな問題にスポットライトを当てられたことに激怒し、同番組はインドを中傷し、インドの国際的な評判を貶めようとする陰謀だと糾弾した。

 ニューデリー警察は、インドのテレビ局がドキュメンタリー番組やシン被告とのインタビューを放送することを禁じる裁判所命令を得た。シン被告は死刑判決に対して控訴しており、最高裁判所の審理を待っているところだ。また、デリー警察は番組と関連して暫定的な刑事訴訟を起こしたが、まだ逮捕者は出ていない。

 インドの外務省と情報省は、国外での番組放映を阻止す…
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