NHK俳句 題「雲雀(ひばり)」 2015.03.08


それでは皆さんどうぞ良い日曜日お過ごし下さい。
「NHK俳句」第2週の選者は小澤實さんでいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今日の兼題は「雲雀」。
小澤さんの句ですね冒頭の句は。
「墜ちゆかんずる」っていうのはちょっと難しいんですけれども墜ちゆこうとするという意味で春の空を昇っていく雲雀の恍惚とした様子をちょっと逆転して作ってみました。
太陽の方へ墜ちていくという…。
昇っていく事を墜ちていくというふうに詠んでうっとりとした感じが出るかなと思ったんですけどいかがでしょうか。
今日もよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
(チャイム)今日のゲストはこの方です。
朝のチャイムが鳴りました。
私立恵比寿中学の今日も愛の華を咲かせます。
ミラクルマジカルマスコット出席番号6番ぁぃぁぃこと廣田あいかです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
背中をちょっと見せて頂けますか?はい。
6番です。
背番号6が。
ありがとう。
どうぞこちらへ。
ありがとうございます。
改めてご紹介しましょう。
ゲスト私立恵比寿中学の廣田あいかさんです。
どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
小澤さんあいかさんのファンなんだそうですね。
ファンで。
「さく咲く!」に出演された時からファンで楽しみに拝見してました。
ありがとうございます。
「ロボサン」というドラマも見ていてロボットが動くかなというふうに心配しながら見てたんですけど中心になって日常感をうまく醸して出して。
ありがとうございます。
ありがとうございます出て頂いて。
「金八」も繰り返し聴いて。
すごい!あいかさんの声が出るとほっとするんですよね。
とてもファンなんで一緒に俳句について話し合えるのがとても楽しみです。
ありがとうございます。
小澤さんずっと今日興奮してらっしゃって。
興奮してます。
「俳句さく咲く!」であいかさんが作られた俳句で小澤さんが随分注目された句があるんですね。
ご紹介頂けますか?「うさぎの足」から「戦闘機」が現れるというのがびっくりして俳句という短い詩を本当に生かした…。
驚きが込められてますよね。
すごい句だと思うんですけれども。
実際番組内でうさぎを触らせて頂いてそしたらすごいかわいい印象だったのが触るとすごい足の爪がチクチク痛かったのでそれがうまく表現できないかなと思って「うさぎ」とか平仮名多めに作って「戦闘機」っていう言葉が生きるようにどうにかできないかなと詠みました。
「戦闘機」がよく出てきましたよね。
その爪から「戦闘機」という言葉が出てくるっていうのはすばらしいと思います。
ありがとうございます。
とってもいいものをお持ちで。
うわ〜!また後ほどお願いします。
お願いします。
それでは入選句ご紹介してまいります。
まず1番です。
雲雀にとって一番大事な事はまず見つかるなという事だという事をこういうふうに表現してるんですよね。
「雲雀憲法第一条」…もう第二条以下はないかもしれませんけれども強調して表現されてますね。
私自身も雲雀を実際見た事がない気がするのでそれはこの憲法があるからなのかなとか雲雀たちの会話のような感じがしたり片仮名がまた憲法っていう感じがすごいして面白いなと思いました。
よく合ってますよね。
よく気付いて下さいますね。
すばらしいですね。
今度は2番です。
春の空のすばらしさ過ごしやすさを詠んでますね。
「ここよここよ」というふうに誘いかけてくるような感じがするんですよね。
別世界が天上にある感じですね。
3番です。
大きな川をポンポン船が遡っていって河原では揚雲雀が鳴いているという。
音と音との取り合わせですね。
雲雀の音ポンポン船の音何かステレオみたいに感じますね。
違う音がそれぞれに…。
共鳴し合って響き合って。
楽しい句ですね。
4番です。
雲雀が揚がっている空に模型ヒコーキを飛ばそうとしてゴムを巻いている訳ですね。
何かはやる気持ちを持ちながらゴムを巻いているというところが楽しいですね。
何かこう雲雀と一緒に両方軽いものでしかも空をふわっと飛んでいく景色がすごい浮かんできて楽しいなと思いました。
5番です。
「伊能測量隊」っていうのは?ちょっと耳慣れないんですけれども江戸時代に伊能忠敬という方がいて日本地図を最初に作ったんですよね。
それを実際に測量しながら回っているのが伊能測量隊だった訳ですけれどもずっと進んでるばかりではなくて休んでる事もあってそれを雲雀が見下ろしているっていう。
面白い…「揚ひばり」からここまで想像するっていうのがすごいと思ったんですよね。
すごいですね。
「伊能測量隊」っていうので海辺というか海が出てくるのがまたその言葉から感じるのがすごいなと思いました。
よく気付きましたね。
すごいな〜。
ありがとうございます。
今度は6番です。
これもちょっと難しいです。
難しいですよね。
僕もこれ最初に見た時に辞書を引きましたけれども高い粒子が地球をドーナツ状に取り巻いてる領域という事で相当空の上らしいんですけれども雲雀はとてもそこまでは行けないと思うんですけれどもそう言ってみた面白みがあって。
そのドーナツ状の帯っていう事で雲雀の不思議な飛び方にも想像がつくみたいなそんな楽しさもありますよね。
リズムも五七五をちょっと外した楽しさがありますよね。
「ヴァンアレン帯」エネルギーの高い粒子がこう…特徴なんですね。
今度は7番です。
俳句では「大の字の吾」というのは割と詠まれてありきたりなところがあるんですけどこれは新鮮でしたね。
自分が野原に寝転がっていて雲雀を見つける訳ですけれどもその時に雲雀の方にも私を見つけてくれというふうに訴えかけてるのが楽しいですね。
雲雀に自分のメッセージを伝えてるのが楽しい。
忙しいからあんまり大の字でゴロッてそういう時間なんかないんでしょうねきっとね。
でも疲れて最後寝る前に布団で転がるのは好きなので。
そうですか。
はい。
だからそれと一緒になって幸せな感じがビシビシ伝わってきました今の句で。
うれしいですね。
今度は8番です。
雲雀の飛ぶ野原をSLが進んでいきます。
SLの重さと雲雀の軽快さというものが対比されている。
SLが進むにつれて雲雀が飛び上がってるのも見えてきますね。
輝いてるのが見えてきますね。
SLはやっぱり重いもので雲雀は軽いもので何かすごい…私埼玉県出身なので秩父のSLってすごい想像しやすいんですけどしかも小学校の時の牛乳にSLの絵が描いてあるのがあったりして何かすごい身近な感じがして。
C58っていう型のSL…。
好きなんですよねSL。
はい。
好きなんですけどパレオエクスプレスっていうSLなんですけどすごい情景が浮かんできて想像しやすかったしやっぱりきれいな色がいっぱい浮かんできていいなと思いました。
作者が秩父の方なんで恐らく同じものを想像されてるんでしょうね。
だからすごい親近感も湧いていいなと思いました。
今度は9番です。
これ異色の句でしたね。
今までの雲雀の句というのは遠くから見ているという句が多かったんですけれどもこの句は近くに寄っているというか握りしめているというか自分もまた一つになっているみたいなそんな熱さのある句だと思います。
以上が入選句でした。
特選三句をご紹介する前に「俳人のことば」をご覧下さい。
斎藤夏風さんは家族への深い思いを作品に込める事もありました。
レールを回しておもちゃの電車をそのレールの上で走らせて子どもと遊ぶというのを私の夢の一つにしておりました。
それがそのとおりに子どもができてなった訳なんで会社からの帰りに新橋のガードの上にさしかかった時に電車が駅に入ってカーブしたまんま止まっていました。
その絵が家のおもちゃの電車の走っている風景に重なりまして何か非常にメルヘン的な感覚が湧きましたのでこの句が出来ました。
私の家内の病気になりましたリハビリにこの歌を歌う事がいいという事で私と家内は一緒にこの歌を毎日歌いながら過ごしました。
家内が亡くなるまでこの歌が私の頭にありそして最後まで歌っていた歌でございました。
それでは特選句です。
まず第三席はどちらでしょう?西口梯梧さんの句です。
二席の句です。
本田純子さんの句です。
一席はどちらでしょう?小野豊さんの句です。
命そのものが手づかみにされているような句ですね。
宮城県の作者は震災への思いもお持ちなんじゃないでしょうか。
鎮魂の句でもあるような気が致します。
間もなく震災から4年ですもんね。
そうですね。
以上が今週の特選でした。
ご紹介しました入選句とそして佳作の作品はこちらの「NHK俳句」テキストに掲載されます。
俳句作りのためになる情報も参考になさって下さい。
続きまして…ここを変えれば入選していたというあと一歩をクリアーするそのポイントを教えて頂きます。
今日は「や」で切るという事をお話しします。
この句をご覧頂きたいと思います。
のんびりした句ですね。
ローカル線のホームの端から揚雲雀をご覧になってる訳でしょう。
ただ「ホームの端の揚雲雀」というふうに「ホームの端」と「揚雲雀」を「の」でつないでいるのがちょっと違和感があって「ホームの端」は地上にあるし「揚雲雀」は空中天空ですよね。
それを「の」で結んでしまってるのがちょっと残念です。
それで「の」を「や」に変えてみたいと思います。
こうしますと「ホームの端」と「揚雲雀」全く別の世界なんですけれども一つの句の中にすんなりと収まります。
格段に大きな世界になりますよね。
最初私も「や」を使うのにやっぱり合ってるのかなとかすごい不安があったんですけどでも使うようになってから表現の幅が広がったというか一つの句でいろんな場所の場面を同時に詠めるのでそれがすごい楽しくなっちゃってたくさん使うようになりました。
ありがとうございます。
やっぱり「や」とか切れ字大きいって事なんですね。
大きいですね。
使うのは勇気がいるんですよ文語ですから。
でも積極的に使ってほしいと思います。
あいかさんに倣って使ってもらいたいと思いますね。
ではここで投稿のご案内です。
4月からの新年度は選者が替わります。
第2週の選者は星野高士さんです。
ではここで今年度1年間の入選句の中で小澤さんが選ばれました年間大賞に選ばれた作品ご紹介下さい。
加藤いろはさんの作品です。
すばらしい大きな句ですね。
「因幡の白うさぎ」の神話を踏まえている訳ですけれどもその神話を踏まえながら風の出てきた海の波の様子をうまく鮮やかに描き出しましたね。
すばらしい句でした。
加藤さんどうもおめでとうございました。
続きまして小澤さんの年間テーマですね「季語について考えておきたいこと」についてお話を伺います。
今日の「季語について考えておきたいこと」なぜ俳句には季語を詠み込むかという根本のお話をしたいと思います。
季語というものは俳句において挨拶を成り立たせる言葉なんですけれどもこの句をご覧頂きたいと思います。
芭蕉の雲雀の句。
鳴いている雲雀よりも峠の方が上にあってその空に弟子と2人休んでいるというそういう句なんですけれどもこの「雲雀」というのが季語ですね。
季語というのは特別な働きがあるんですね。
それは友達と一緒に過ごしている時にはその友達の事をしかと意識するというそういう働きがあります。
また友達と一緒にいない時にはその友達の事を意識するという働きがあります。
それは唐の詩人白居易という人の「雪月花の時最も君を憶ふ」というその詩から日本人は影響を受けてそういう考えを持つようになってきたと思うんですよね。
季語「雪月花」というのは季語の代表なんですね。
ですから季語というものは友達を意識する言葉。
それで「雲雀」という季語を使うという事は友達と共にいる事を確認するという意味を持ちます。
それが俳句になぜ季語を入れるかという事の答えであるというふうに現在私は考えております。
最初の句も友達っていうふうに言葉入っていなくても思っている一緒にいる。
友達と一緒にいる時間を大事にしている。
雲雀を共に聞いてる事を幸せに思っているという句だと思います。
ここからはまた小澤さんとそしてあいかさんとお話をして頂きますけれども今回一句を作って下さったんですよね。
ご紹介頂けますか?はい。
こちらです。
楽しい句ですね。
「ロボサン」の事も思い出しますけども。
錆びたロボットで大変なんだけれども積極的に窓を開けて春の風を浴びてしっかり生きていこうっていう希望にあふれた句だと思うんですよね。
現代っていう時代はなかなか大変でいろんな事件が起こったりつらい事があったりして大変で錆びたロボットのような時代なんだけれどもそれに負けないっていう前向きの気持ちを感じましたね。
ありがとうございます。
やっぱり春の風ってすごい元気がない時も行動してみようとかって思ったりすごい暖かくて生き物も動きたくなるような空気だなと思ってなので錆びたロボットで動けない時の自分も春の風でまた歩いてみようっていう思いを詠みました。
ロボットかわいいですね。
ありがとうございます。
描いちゃいました。
絵もお上手で。
描くのは好きで描いてるんですけどロボットは難しかったです。
でもちゃんと継ぎが当たってるところが面白いですよねロボットに。
ありがとうございます。
「さく咲く!」で本当に活躍頂いたんですけれどもその後は俳句はいかがでしたか?本格的に詠むって事はやっぱりだいぶなくなっちゃったんですけどでも授業とかでやった時は結構誰よりも俳句について勉強させて頂いてたのでテストもすごいちゃんとできましたし友達に教えたりとかもできるぐらいになれたのでそれはすごいうれしかったです。
どんな事を教えてあげたの?でも何かこう一番はやっぱり季語とか探し出したりとかするのもそうですしあと五七五じゃなくて今回もこれは七五五で作ったんですけどそういうふうなやり方とかでやっぱりみんな五七五にとらわれると私もそれだけだと表せないなっていう俳句も自分の中で出てきたりしてそういう時に使いたい言葉が長かったりするとそういうふうにやってみたらとか言えましたね。
かなり上級なアドバイスですねそれは。
1年間の成果がよく出ましたね。
はい。
でも全然1年前とは見方とかも変わったなとは思います。
本当にそれはうれしいですね。
いい先生に習って。
神野紗希さんに習われてよかったですよね。
教えて頂いて…。
紗希先生のアドバイスで印象的な事って残ってますか?私はすごい紗希先生の句を読んで情景とか色がパッて浮かんでくるのがすごいすてきだなといつも思っていてなので先生の句を読んで私も色から探したりするようになりました。
何かこう悲しい時だったらちょっと暗い青っぽい色を入れてみようとか明るい時は黄色っぽい色が浮かぶような言葉をってそういうのを考えてましたね。
斬新ですね。
色っていう事は大事ですよね。
季語には色があるっていう事を言ってるんですけれども色という事を意識してみるというのは面白い事ですね。
これからも若い人たちに俳句を広げていきたいんですけれども何かアドバイスのような事がありますか?何だろう?でもやっぱり本当に触れ合う場所が少ないというだけでみんなやってみたらすごい楽しいものだと思うのでどんどん授業とかでいっぱいみんなとやれたらいいなって思います。
そうですね。
広げていきたいですね。
これからも続けて下さいね。
今日は廣田あいかさんにお越し頂きました。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
小澤さんは4月以降は今度は「俳句さく咲く!」の選者としてご活躍頂く訳なんですけれども抱負をお願い致します。
今まで俳句を知らない人に伝えていくという任務重大なんですけれども楽しくてためになるそういう時間にしていきたいと思います。
またあいかさんのように本当に作ったりとか好きな人が出てくるといいですよね。
そうですね。
本当にどうもありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。
ではこの辺で失礼します。
(きてき)2015/03/08(日) 06:35〜07:00
NHKEテレ1大阪
NHK俳句 題「雲雀(ひばり)」[字]

選者は小澤實さん。ゲストはタレントの廣田あいかさん。初心者向け俳句講座「俳句さく咲く!」に昨年一年間出演し、俳句を学んだあいかさんと季語の意味について考える。

詳細情報
番組内容
選者は小澤實さん。ゲストはタレントの廣田あいかさん。初心者向け俳句講座「俳句さく咲く!」に昨年一年間出演し、俳句を学んだあいかさんと季語の意味について考える。【司会】桜井洋子アナウンサー
出演者
【出演】廣田あいか,小澤實,【司会】桜井洋子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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