ダウントン・アビー3 華麗なる英国貴族の館(新番組)(1)<全10回>「挙式前夜」 2015.03.08


20世紀初頭イギリスの貴族クローリー家が住む館ダウントン・アビー。
家督を継ぐはずの相続人を事故で失った伯爵一家。
長女メアリーは新たな後継者となったマシューと恋に落ちます
一方使用人たちの間では…
(アンナ)よろしく。
新参者の従者ベイツとメイドのアンナとの間に恋が芽生えます。
やがて結ばれる2人。
しかし…
(アンナ)奥さんが死んだ。
ベイツは元妻の殺人容疑で逮捕されてしまいます
(ウィリアム)危ない!
(クラークソン)もう夫婦生活は無理かと…。
戦地で重傷を負ったマシューは彼を献身的に支えたラビニアとの結婚を決意します
(マシュー)ラビニアと僕は結婚します。
(ロバート)おおおめでとう。
そしてメアリーも…
(リチャード)私と結婚してほしい。
本当の気持ちを押し殺しお互い別々の道を歩み始めた2人。
そんなやさきラビニアの突然の死。
更にメアリーも破談に…。
失意の中メアリーとマシューの愛は再び燃え上がります。
そしてついに…
これからは共に歩もう。
(メアリー)ハァ…。

(テーマ音楽)
(マシュー・クローリー)シビルは何だって?
(メアリー・クローリー)来られないそうよ。
旅費がないからって。
(ヨーク大主教)トラビス君。
進めてもらえるかね?
(トラビス牧師)ではお二人とももう一度入場から。
皆さんも位置について。
(ロバート・クローリー)出番だ。
(コーラ・クローリー)トラビスがまるで助手のようで気の毒よ。
式を執り行うのが大主教だなんて。
お父様が大主教に頼んだのよ。
私はトラビスでよかったのに。
フム。
それよりシビルを呼ぶ方法がないなんてあんまりだわ。
そうか?私はホッとしている。
ブランソンはいまだにこの州ではうわさの的だからな。
あの男を呼ぶならそれ相応の準備と心構えが必要だ。
(イザベル・クローリー)ロバートは大げさに考え過ぎよ。
ブランソンの事なんて誰も気にしてないわ。
伯爵令嬢と運転手が恋に落ちるなんて村の人たちにとっては大ニュースなんですよ。
だけど実際に起きてしまった事なんだからいいかげん慣れなきゃ。
(ヨーク大主教)トラビス君まだかね?ああお待ちください。
ただいま。
では皆さん始めましょう。

(カーソン)タルトが絶品だったよ。
ごちそうさま。
(パットモア)あのうアンナが家を人に貸すってホントですか?その予定だ。
(トーマス・バロー)アンナが家を持っていられたのが驚きだ。
ベイツが殺人罪に問われて没収されたかと。
彼は裁判の前にアンナに譲渡していたんだ。
俺ならそんなマネ認めない。
君が裁判長じゃなくて本当によかったよ。
どう考えたっておかしい。
だってベイツは殺人犯ですよ。
ハッキリ言っておくがこの屋敷にいる者はみんなベイツさんが無実だと信じているんだ。
もしこの見解に異論があるなら外で食事することをお勧めする。
(イザベル)あなたはロバートに賛成でしょ?
(バイオレット・クローリー)相変わらず何も分かってないのね。
我が家は決してうわさ話の種になどならないわ。
(コーラ)でもシビルの件はすっかりうわさの的になってます。
だから手を打つのよ。
ブランソンがまともな人間だと分かれば世間も興味を失うわ。
彼がまともに振る舞うよう私が何とかします。
たとえ脅迫してでもね。
(イザベル)ブランソンとは挨拶しかした事ないけれど私の印象ではとても興味深い男性よ。
ああまた始まった。
あなたがおっしゃるような「まとも」じゃなくてもここへ来て彼らしく振る舞えばいいんです。
信念を持った人は好きよ。
だから旅費を送るわ。
やめて。
ロバートが知ったらカンカンに怒るわ。
そんなバカなことが!?待て。
私がそちらへ行く。
あした。
いや決めた。
ああそれじゃ。
お父様どうかしたの?いや別に。
何でもない。
(足音)ウン。
どうだった?
(アンナ)用事は済みました。
助っとが来てくれたおかげで。
夕食は?
(ヒューズ)列車の中で食べてきたわ。
それじゃあ座って。
今お茶を。
(ヒューズ)結婚式の方は明日の朝から最終確認を始めることにするわ。
ああ。
ワインは火曜日に届くことになってる。
下僕抜きで乗り切れるかしら?確かにな。
だがなかなか探す時間がなくて。
(オブライエン)だったら私のおいが今ちょうど仕事を探しているんです。
だから…。
オブライエンさん結婚式はもう目の前に迫ってるんだ。
とてもじゃないが若造を教育してる暇はない。
(呼び鈴)奥様がお呼びだ。

(パットモア)何入れてんのよ!
(ため息)別にいいわよ。
主人に聞いてみましょう。
来たわ。
ちょうどよかった。
何だ?
(コーラ)カーソンが下僕を探しててオブライエンに当てが。
おいのアルフレッド・ニュージェントです。
働き者です。
(コーラ)ピッタリだと思わない?ロバート?任せるよ。
それよりあしたロンドンへ行く。
朝早い列車で。
随分急ね。
別荘に泊まるの?いや日帰りで戻ってくる。
(コーラ)何の用事?大したことではないよ。

(アンナ)これで全部よ。
住所録の中身。
(ベイツ)どこで見つけた?机の裏よ。
掃除してたら偶然出てきたの。
きっとヴェラが落としたのね。
これをどうしろと?どういう関係の相手かメモして。
友人親戚仕事仲間商売人…っていうように。
そしたら住所録と一緒にマレー弁護士に送るから。
よくまあこんなことを。
いけない?今は宮殿で国王と食事するよりもあなたを救うほうが大事よ。
何か変わったことは?牢獄の中じゃ何も。
そういえば同房者ができた。
うさんくさいやつだがね。
そう。
母が昔よく言ってたわ。
「余計な敵は作るな」って。
それじゃ次の面会の日までにメモしておいてくれる?これで手がかりがつかめるのか?つかめないかも。
次の手もその次の手もむだ骨に終わるかもしれないわ。
でもいつか必ず糸口を見つけてそれをたどってあなたの無実を証明してみせる。
一瞬でも私を疑うことは?あって当然だ。
ないわ。
太陽の存在と同じくらいあなたを信じてる。

(パットモア)もう少し小麦粉を足して。
下僕には背が高すぎる。
185cm以上の下僕はいない。
(オブライエン)ならこの子が最初ね。
もう雇われたんだから。
前の仕事は?
(アルフレッド)ホテルで給仕をしていましたが戦争から戻ると人員削減で。
(オブライエン)給仕というのは責任感がないとできない仕事よ。
(ヒューズ)本人に話をさせてくれる?
(オブライエン)どうして?これは裁判?別に面接じゃないでしょ?採用は決定なんだから。
面接ではないが試用期間はまさに裁判といえる。
我々の期待に応えられなければ有罪になる。
全力を尽くします。
ならいいだろう。
(せきばらい)では上へ行って荷ほどきしなさい。
あとは伯母さんが合う制服を探してくれるだろう。
(足音)新婚旅行から帰ってしばらくはうちに泊まっていいそうよ。
それでかまわないでしょ?
(マシュー)そりゃありがたいけど。
お父上が目を光らせてる中で寝室を共にする?ウフッ。
裸の私を抱きかかえていてもきっと父は気にしないわ。
試してみようかな。
ウフン。
ロンドンに行きたいわけじゃないし家族から逃げたいわけでもないが。
距離を置きたいのね?お互いをもっとよく知りたい。
誰にも邪魔されずに2人の仲を深めたいんだ。
この屋敷は広いわ。
ああすてきな屋敷だ。
僕も我が家だと思いたいよ。
でも今はまだ違う。
(新聞売り1)新聞で〜す。
新聞はいかがですか?
(新聞売り2)新聞です。
チャンセリー通りへ。
(運転手)はい。
(車のドアを閉める音)
(車の走り出す音)
(マレー)フロビシャーやカランとも話しましたが管財人でもある私の口から伯爵にお伝えするべきだと思いまして。
どうも深刻そうな口ぶりだな。
深刻そうではなく実際に深刻なんです。
なぜ大金を投資した?伯爵。
お言葉ですが反対を押し切って投資を決めたのはあなたですよ。
それは戦争になればあちこちで線路の拡張が進む。
だから鉄道の株が高騰するのは誰の目にも明らかだった。
実際そうでした。
だがあなたは1社に集中投資した。
カナダのグランド・トランク鉄道に。
それはあそこがイギリス領の主要鉄道だったからだ。
あの時は誰も彼もが「買いだ」と言っていた!やがて来るであろう財政難に備えて私はこの投資に賭けたのだよ!有能だった社長のチャールズ・ヘイズ氏が亡くなってからというもの経営は…。
とにかくグランド・トランク鉄道は間もなく破綻します。
路線はカナディアン・ナショナル鉄道が吸収することになるでしょう。
つまりあの金が消えたと言うのか?残念ながら…。
妻の財産の大部分が?ウーン。
私は諦めん。
これまでダウントンを必死で守ってきたのだ。
これからも守ってみせる。
私の代でこの家を潰すわけにはいかない!こんな事は言いたくありませんが屋敷を維持する資金がなければ手放すしかありません。
でなければあの土地を切り売りするしか…。
それはできない。
何より私には責任があるんだ。
領地で雇用を確保し屋敷を守るのが私の務めだ。
それしかない。
フン。

(村人男性)どうも。

(ストララン)レディー・イーディス。
(イーディス・クローリー)ハァ…。
こんにちは。
(ストララン)やあ。
どうしてここに?駅へ行く途中でね。
そう。
いやあ引き止める気は…。
別に何の用事もないから。
そう。
結婚式の準備から逃げてきたの。
式は嫌い?まさか。
結婚式は大好き。
でも衣装やお花やお料理や招待客の話にはもうウンザリなの。
(2人の笑い声)確かに独り者にとってはつらいものだね。
すまない。
余計なことを。
そういえば式にはニューヨークのおばあ様も?来るわ。
ウン。
シビルもこっちに来る?最初は無理だと言ってたけど来られることになったみたい。
お父様はまだ知らないけどけさ手紙が来たの。
きっと喜ぶ。
だといいけど。
(モールズリー)新婚旅行のあとはダウントンですね。
別に住むわけじゃない。
新居が決まるまで泊まるだけさ。
近くで家を探そうと思ってる。
ここは?いや。
でも君とバードさんはここに残って母の世話をしてくれ。
アッ!?マシュー様のお世話は?ご結婚後はやはり専属の従者が必要でしょうし。
君はここで従者も兼務してくれているけれど本来は執事だ。
ダウントンで働けるなら喜んで従者になります。
あの屋敷に住む気はないよ。
実を言うと結婚後は質素に暮らすつもりなんだ。
それに何より母が君を頼りにしてるから。
それはありがたきお言葉です。
(トーマス)お疲れでしょう旦那様。
ロンドンからとんぼ返りでしたから。
用は済んだ。
新しい下僕が入りました。
何!?けさ連絡を受けて飛んできたんですよ。
とても意欲的でとても背が高い。
だがいつ…。
いやいい。
新しい下僕の話だが…。
彼ならもう来てるわ。
何も聞いてないぞ。
話したわ。
ゆうべ私の部屋で。
忘れたの?そうか。
だが今は使用人は増やせない。
状況が変わるまでは。
状況って?結婚式の費用はかなりかかるのか?それはあなたメアリーの式だもの。
まったく。
何ごとも安上がりにはいかん。
緊張するよ。
大丈夫。
能力も意欲もあるんだから。
でも経験はない。
そうですよ。
気にしないで。
あなたはトーマスみたいに傲慢じゃないから気に入られるわ。
何を荒れてる?
(デイジー)まだ私助手にしてもらえないの。
新しいキッチン・メイドを雇ってくれるっていう約束なのに。
言うことを聞かせたきゃ仕事を放棄するんだな。
それってストライキってこと?けど俺の名は出すなよ。
それで手紙には何て?こちらに来るとだけ書いてあったわ。
水曜の夕食前には着くそうよ。
(イザベル)シビル1人だけ?余計なことを言わないで。
ああ自分で。
(アルフレッド)そうですか。
どうぞ。
あなた随分背が高いのね。
恐れ入ります。
竹馬にでも乗ってるのかと思った。
ウフフッ。
ニューヨークのおばあ様は?15日にリバプールに入って式の前日に着くわ。
(バイオレット)あなたのお母様に会えるのが楽しみ。
彼女といるとイギリス人の美徳を思い出せるから。
アメリカ人でしょ?ええそうよ。
ああいい。
自分でやる。
ああ旦那様もですか?ここではみんな自分の分は自分で取り分けるのだ。
何をやってるんだ。
ここはホテルじゃないんだぞ。
(せきばらい)ホテルで働いていたの?はいそうです。
(イザベル)将来有望な新人さんね。
式の準備は完璧?もちろんよ。
カーソンの信念は「備えよ常に」。
それはボーイスカウトの標語だと思うけど?
(コーラ)人手は足りてるの?カーソン。
正直第二下僕もいれば大変助かるのですが。
(マシュー)僕はもっとシンプルに暮らしたいと思っているんですよ。
賛成よ。
使用人は最小限に。
そのようにできればいいのですが…。
(バイオレット)何を言うの。
雇用するのは我々の義務よ。
使用人のいない貴族なんてガラスのハンマーくらい存在価値がないわ。
フン。
フッウフッ。
(トーマス)こうなる予感はしてた。
やっぱりな。
何の話?俺がマシュー様の世話をするハメになった。
勘弁してくれよ。
マシュー様は先のことは考えてないようだ。
モールズリーさんは解雇されるの?私!?いやいやまさか。
私はクローリー夫人のお世話をするよ。
なんせ私は頼られてるんだ。
「不可欠だ」と。
まあね。
みんな「不可欠」よ。
クビになるまでは。
どうでした?アルフレッドはどうやらここをホテルか何かと勘違いしているようだな。
大丈夫じきに慣れるわ。
そうかな。
あらまだいらしたのね。
モールズリーさん。
ああいやお茶だけごちそうになるつもりでしたがついつい長居を。
何をおっしゃるの。
ぜひ食事もしていって。
まだ時間は十分にあるでしょう?いえ先に帰ってマシュー様たちをお出迎えしなくては。
(オブライエン)そりゃそうよね。
「不可欠」なんだし。
スワイヤー氏の弁護士が何の用?電話ではできない話?さあ見当もつかない。
わざわざ会いに来るなんてあなたに遺産でも入るのかしら。
それはない。
そんな事になったら僕としても困るよ。
どうして?・
(イザベル)マシュー!早くして。
運転手も私も凍えそうよ。
フフッ。
式が待ち遠しい?どう思う?僕は式のあとが待ち遠しい。
やだ。
マシューったら。

(イザベル)マシュー!
(キスの音)
(シビル・ブランソン)ああお父様。
(キスの音)教えて。
お金を送ってくださったのはお父様でしょ?金とは?ようこそトム。
歓迎するわ。
(トム・ブランソン)本当なら光栄です。
もちろんよ。
アルフレッド。
ブランソンさんの荷物をお願い。
お茶にしましょう。
ありがとう。
ウン。
ウフッ。
(キスの音)
(コーラ)疲れた?カーソンさん。

(イザベル)チャーカム弁護士はもう帰ったの?ああ。
列車に遅れそうだからって。
母さんに「よろしく」って。
それで何の用だったの?何から話せばいいか…。
もともとスワイヤー氏は自分の遺産を分割しない方針だった。
ラビニアの死後彼は3人の相続人候補を指名した。
で僕が3番目らしい。
それで1番目の候補者は?ラビニアと同じ病でスワイヤー氏より先に亡くなった。
そこでまず2番目の候補者であるクライブ・プルブルック氏の行方を捜すことにした。
遺産って一体いくら?ばく大だ。
正直あんなにあるとは思わなかった。
彼の暮らしぶりからは想像もつかない。
プルブルック氏は幸運ね。
フン。
ところがだ。
スワイヤー氏が亡くなる前プルブルックはインドへ行った。
自分が所有する紅茶畑を見にね。
それで?以来行方不明だ。
調査員が彼の土地をくまなく捜したが…見つからない。
俺は嫌です。
絶対に。
ではカーソンさんがやるしかないわね。
誰が運転手の着替えなど。
彼はもう運転手じゃないのよ。
着替えまでしろとは言わないから最低限のお世話はしてあげて。
今回は珍しくバローさんと意見が合った。
断る。
じゃアルフレッドに頼むわ。
アルフレッド?彼に任せても汚れた靴を外に出すくらいしかできまい!何事も経験よ。
それはアイルランドの伝統かしら?はい?その服装のことだ。
(シビル)違うわおばあ様。
あらだけど旅の初日は着替えないという風習なのかも。
(ブランソン)イブニングは持ってないんです。
タキシードも。
必要ないので。
だが結婚式用のモーニングはあるんだろうな?いいえ持ってません。
(シビル)私たちの生活はこことは違うのよ。
そうらしい。
もう少し下げてくれませんか?こっちで着る服を買って置いておけば?持ち歩かなくて済むわ。
いい考えね。
(ブランソン)悪いが皆さんのために貴族のフリをする気はありません。
それは残念。
いいのよありのままのあなたで。
(マシュー)なあアイルランド情勢は?独立の機運が高まってますよ。
統治法案には賛成?国を分割するなんて考えに賛成できますか?
(イザベル)でも南アイルランドの自治が認められるでしょ?だが依然としてイギリス国王の支配は続く。
君主制は悪か?あなた方はドイツ皇帝の統治を望みますか?
(グラスの割れる音)ウウン。
おい大丈夫か?申し訳ありません。
不注意をおわびします。
そういえばアイルランドの庭園にはいろんな種類があるそうね。
(イーディス)ああそうよ。
ほらあのレディー・ダファリンの庭園を覚えてる?まるで楽園のようだったわ。
みんな彼に厳しい。
お前の知らない事情があるのさ。
あいつの暴言を聞いたか?イギリスや我が国王を侮辱したんだぞ。
旦那様がお怒りにならなかったのが奇跡だ!ブランソンだってきっとつらいはずよ。
これまで仕えていた方たちと肩を並べるなんて。

(ブランソン)ええつらいですよ。
(席を立つ音)どうかそのまま。
我々に何かご用でしょうか?皆さんに挨拶がしたくて。
僕は別に昔と変わってませんよ。
お気遣いを。
(アンナ)シビル様とうまくやってる?ああおかげさまで。
ベイツさんの近況は聞いてるよ。
メアリーが教えてくれて。
フン。
それじゃ邪魔してすみません。
わざわざどうもありがとう。
まったく。
偉くなったものね。
「メアリーが教えてくれて」だと?そりゃ今は身内なんですから。
それは関係ない。
旦那様だって私の前ではむやみに呼び捨てにはしないぞ。
上の階の仲間入りをしたのならルールを学ぶべきだ。
あしたはいっそのこと使用人たちも呼んでみんなで一緒に食事をする?フフッ。
彼はいまだにおばあ様を「奥様」と呼んでるわ。
やめさせなきゃ。
(イザベル)できれば堅苦しくない呼び方のほうがいいわねぇ。
「グランサム伯爵夫人」がいい。
私のことは「伯爵」と。
十分堅苦しいと思うけど。
初めの1歩よ。
(コーラ)そういえばノーラン夫人に会ったわ。
疲れたか?弁護士とは会ったの?用件は何だった?それが何とも複雑な話でね。
君の言うとおり遺産の件だった。
あなたに残したの?その話はいいから座って式に招待した人の説明をしてくれ。
頭の中を整理したいんだ。
(パットモア)それが済んだらもう寝な。
寝たいときに寝ます。
何?その態度。
性悪な双子の妹とすり替わった?キッチン・メイドはいつ雇うんですか?そういう約束でしょ?下僕はさっさと雇ったのに。
分かってる。
悪いと思ってるよ。
でもカーソンさんに聞いたらしばらく新人は雇わないって言うんだよ。
下僕は雇ったのに。
あたしだってどういう事情か知らないよ。
そもそも旦那様は反対だったって言うし。
大体今だって「助手」って呼ばれてるし給料だって上がっただろ?でも仕事の中身は変わってない。
そんなの詭弁です。
おやまあ。
辞書でも飲み込んだかね。
ダブリンでは貴族のしがらみなんてないの。
階級なんて誰も意識しない。
私もブランソン夫人としてみんなと同じように質素に暮らしてる。
彼はこっちに来て畏縮してるわ。
窮屈そうよ。
結婚を後悔してない?全くしてない。
トムはとってもすばらしい人よ。
みんなにも分かってほしい。
彼のことをよく知ってもっと尊重するわ。
約束する。
お願い。
部屋に戻るわね。
彼のことをなだめなくちゃ。
ウン。
おやすみなさい。
ああそういえばお母様に聞いたかしら?あしたの夜はグレイ家の人たちが来るの。
アァもしかしてラリーも?あらっ。
トムに警告してね。
ああそれから質素に暮らしてる話はお父様にはないしょにして。
ウフッ。
(ブランソン)グレイ家の人ってどんな人たちなんだ?当主のマートンはメアリーの名付け親よ。
息子のラリーは昔私に好意を持ってた。
で君の方は?持ってなかったはずよ。
実はよく覚えてないの。
何か問題が?別にないけど…。
それよりリポンでイブニングを買いましょ。
お金はある。
これ以上は使えないよ。
分かった。
でもアイルランドの話は控えて。
その方があなた自身のためよ。
君のためじゃないのか?ここまで来て俺を失望させないでくれ。
(キスの音)車を呼ぶ?
(マシュー)母を乗せてった車をまた呼び戻すのは悪いから歩くよ。
雨になるかも。
ぬれて帰る。
ウン。
キスしてくれ。
ねえそのピルボックス氏が見つからなければ遺産はどうなるの?プルブルックだ。
きっと見つかるよ。
でも駄目だったら?その時はどうするか決めないと。
僕たちで。
でも受け取れないよ。
でしょうね。
あなたは優しいから。
(コーラ)どうして1社にお金をつぎ込んだりしたの?無謀でしょ。
私の財産も失ったの?少し。
いや全て。
ほとんど全てだ。
アッ…。
(泣き声)あああなた…。
かわいそうに。
君こそかわいそうで。
フッ。
気にしないで。
私はアメリカ人よ。
たくましいの。
ああ君って人は…。
ありがとう。
(キスの音)でもよかった。
結婚式が挙げられて。
最高の日にしましょうね。
最後に輝かしい思い出を作るのよ。
この屋敷や愛する人たちの姿を胸に刻むの。
やけ酒には早いんじゃないか?飲めば少しは気が晴れるかと。
冗談だろ?ゆうべのようなディナーには耐えられない。
君のほうにも非はあるぞ。
あの場でシン・フェイン党を褒めまくるなんて。
やけになってたんだ。
みんなが僕のことを疎ましく思ってるから。
僕は違うよ。
メアリーもね。
妹が運転手と結婚するのに反対だったのに?ああ見えて彼女は現実主義者だ。
立派な戦士になれる。
おいやめてくれ。
それより屋敷に戻るぞ。
気位の高い妻を持つ者同士助け合うことにしよう。

(ベイツ)書き込んだよ。
友人はそんなにいなかった。
あとは商人か知り合い程度だ。
これが何かの役に立つか?ヴェラが何も言わずに自殺したとは思えない。
誰かに自殺願望を打ち明けたはずよ。
だが遺書はなかった。
残念だがな。
なぜ自殺だという確信があるんだ?だってあなたは殺してないし他に考えられないわ。
強盗がわざわざ毒入りのパイを作って食べさせたりする?そんな筋書きありえないでしょ。
だから私が有罪に。
住所録の全員に手紙を書くわ。
ヴェラが生前自殺をほのめかす言葉を言ったり書いたりしてなかったか聞いてみる。
時間がかかるぞ。
いいでしょ?どこか行く予定でもある?本当は僕ね料理人になりたかったんだ。
そっちの方が向いてるよ。
じゃあなれば?男にとっては苦難の道よ。
一流の料理人になるまでには下っ端の間赤ら顔の不機嫌女にこき使われるんだから。
一体誰のことだい?あらそこに居たの。
気が付かなかったわ。
そうみたいね。
母もサラ伯母さんも僕に執事を目指せって言うんだ。
正解よ。
私もこき使う側がいいもの。
赤ら顔の不機嫌女をこき使いたいんだろうね。
どうです?いかがでしょう?いいわ。
完璧よ。
斬新だけど落ち着いてる。
ストラランさんは気に入るかしら?ウン。
彼は年上だけど私はかまわないわ。
あなたも年上のベイツと愛し合ってるし。
理想の生活とは言えませんけど。
そうですね。
結婚して幸せです。
大事なのはそこよ。
年なんか関係ない。
(足音)
(トーマス)今忙しいんだが。
旦那様はまだでしょ?で何の用だ?アルフレッドを一人前にするために力を貸してほしいの。
下僕としてか?従者として。
今ブランソンについてるのよ。
あんなやつ1人で着替えさせればいいんだけど。
とにかく早く昇格できるように仕事を教えて。
どうしてそんなに急ぐ?マシュー様の新しい従者にしてやりたいの。
どこまで欲深いんだ?俺は苦労してここまではい上がった。
知ってるわ。
見てきたもの。
なのにあんたのおいは楽して出世するだと?悪いがそんな甘い話は認められない。
失礼するよ。
(ドアの開閉音)
(男性客)どうもこんばんは。
腹が立つけど病気じゃしかたない。
そうかしら?意志が弱いのよ。
付き添い人として使命を全うしてから倒れるべきでしょう。
代役は誰?考え中だ。
(ラリー)シビルとは幼なじみだ。
だから今夜君が来てるって聞いてワクワクしたよ。
じかに顔を拝めるとはね。
それは一体どういう意味?つまりみんな君と結婚したシビルは永遠にここへは戻らないと思ってた。
意味は分かるだろ?フン。
ああハッキリ分かるよ。
ところでスーツケースを無くしたのか?気の毒にな。
いやスーツケースは無くしてないよ。
人へのマナーもね。
まだ保険の外交員みたいな格好をしているの?ええ珍しく地に足が着いてる人よね。
母上新しいカクテルはいかがですか?いいえ遠慮しておくわ。
宵の口に飲むには刺激的すぎる色だもの。
ねぇそう思わない?カーソン。
同感ですバイオレット様。
やっぱりね。
お目にかかれてうれしいわ。
お元気そうねストラランさん。
お手伝いすることがあればと思ったけど何もなさそうね。
私にも何もさせてくれないの。
助けは要らないって。
どうぞお気遣いなく。
結婚式にはいらっしゃる?もちろんよ!ああ伺っていいなら。
もちろん。
ぜひいらして。
すてきだね。
斬新な髪形だ。
ウフッ。
何をしてるんだ!?何が?皆様お食事のお時間です。
どんな様子?まずいよ。
ブランソン様が酔っぱらってシビル様が困ってる。
1杯しか飲んでないのに変だよ。
きっと景気づけに部屋で飲んでから来たのよ。
ああ…。
(ブランソン)冗談じゃない!何も知らないくせに。
ブラック・アンド・タンズが治安部隊だって?あいつらはただ好き勝手に人を殺す殺人集団にすぎないんだ!黙らせる方法はないの?それがあれば初めから止めていますよ。
マートン卿はアイルランドに興味がおあり?
(マートン)そうですね。
興味がある…。
アイルランドを支配することだろ!みんなそうだ。
なあ君にとっては大事な話だろうが…。
ああ大事だよ。
こういう話は。
何より大事だ。
何かおかしい?別に。
ただアイルランド人は情熱的だなぁと思ってね。
もうやめて。
みんなを困らせないで。
なんで?何が悪い?お行儀が悪かったですか?さては君が仕組んだな?何の話だ?とぼけるな。
彼の飲み物に何か入れるのを見た。
食事の前にね。
ホントなの?ラリー。
なんて卑劣なマネを!おいよせよ。
イーディス。
ただの冗談だ。
君も好きだろ?あきれた言い訳ね。
皆さんグレイさんは私の義理の弟に何か飲ませたのよ。
カクテル?いいえお酒じゃなくきっと薬よ。
シビル。
トムを部屋へ。
それが賢明だ。
(コーラ)トムはひどいいたずらの被害者だったのよ。
これまでの醜態は忘れてあげましょう。
許してもいいけど忘れるのは無理ね。
お前の仕業なのか?何をみんなでそう大騒ぎするんだい?あんな卑しい運転手の事なんかどうでも…。
黙れ。
今すぐ口を閉じろ!息子が申し訳ないことをしました。
ブランソンさん。
式までに回復するといいが。
ええ。
回復してくれよ。
僕の付き添い人になってもらうから。
ブラボー。
よく言ったわ。
ホントにいいの?本気?クローリー家の娘にほれた者同士助け合う約束だろ。
オホッ…。
ありがとうマシュー。
ホントにうれしいわ。

(イーディス)ラリーの悪だくみを暴いてくれてありがとう。
窮地を救ったわね。
私は何も。
救ったのはマシューさ。
いいえ。
あなたよ。
結婚式が終わってからももっとお会いしたいわ。
それは…。
ご迷惑?いやうれしいよ。
年甲斐もなくね。
ウフッ。
イーディスお引き止めするな。

(キスの音)ウフッ。
おやすみなさい。
見送りは済んだよ。
みんなは?部屋に戻ったわ。
では我々も休まないと。
やれやれ。
またうわさの種を提供した。
ええ。
それにしてもマシューは立派だったわね。
ああそうだな。
今は家族で団結しなくては。
娘たちにはいつ話す?メアリーには今話そう。
やめて結婚式の前なのよ。
話さねば。
これは新居を選ぶ際にも関わってくる問題だからな。
新婚旅行の間によく話し合ってもらいたい。
君の母上にも話した方がいいか?いいえ。
絶望のあまり結婚式をぶち壊しかねないから。
フン。
まあ今夜の騒ぎを見せずに済んでよかったな。
母が来ればまた一騒動起きるわ。
う〜ん。
(住所録の写しを手に取る音)
(クレイグ)無駄だよ。
罪を認めないと一生檻の中だぞ。
罪は犯していない。
こんな所に居ても善人面か?実は短気なんだろ?やめとけクレイグ。
それは警告か?ああ。
そうだよ。
警告だ。

(イーディス)何だか帽子が変よ。
ちょっとゆがんでない?そんなことないわ。
すてきよ。
全て完璧。
アンナは?すてきだと思います。
(ノック)
(ドアを開ける音)
(シビル)ちょっと待って。
どなた?辛抱強い父親だ。
どうぞ入って。
その服は?旅行用。
どうかしら?高そうだ。
国の借金の倍くらい。
フン。
かまわないでしょ?メアリーを祝福したいので二人きりにしてくれ。
すてき。
行きましょ。
ウン。
(ドアの開閉音)どうぞ祝福して。
もちろん。
だがその前に伝えておきたいことがあるのだ。
旅行から戻るまで待っていたかったがそうもいかなくてな。
嫌な予感がする。
(車の走る音)
(ブランソン)モールズリーさん。
クローリー夫人に呼ばれたんだけど。
はいどうぞ。
あっよかったら…帽子とコートを。
あなたも行くつもり?シバの女王のお迎えに。
ええそのつもり。
あなたも?いいえ。
ディナーの席で会うわ。
レビンソン夫人は立派な方ね。
ダウントンに圧倒されることもないようだし。
あの人は立場を分かっていないだけよ。
(ドアを開ける音)入ってトム。
そう呼んでもいいかしら?
(ブランソン)もちろんです。
どうも奥様。
いえ伯爵夫人。
ここでお会いできてよかった。
ゆうべの醜態をおわびしたくて。
気にしないで。
あなたは何も悪くないわ。
食堂で酔っぱらった人はなにもあなたが初めてではないからね。
でも共和主義者は?それは初めてね。
僕に何かご用ですか?
(イザベル)マシューのモーニングコートを着てみてちょうだい。
モールズリーが直してくれるわ。
ご親切にどうも。
でも礼服はごめんです。
あれは抑圧の象徴のようで性に合わないんです。
言いたいことは以上?はい。
結構。
上着を脱いでちょうだい。
手伝ってあげて。
では失礼します。
(せきばらい)ウエストコートが先じゃない?何してるの?モーニングコートを着せられてる。
無理やり?いいからあなたは口出ししないで。
どうかしら?モールズリー。
う〜ん袖が少々長いようですね。
調整してみましょう。
そうね。
肩も妙ちくりんな位置に。
う〜ん。

(マーサ・レビンソン)戦争があっても何のその。
ダウントンとクローリー家は健在ね。
コーラ。
お母様会えてうれしいわ。
今のところはね。
ロバートキスしてくれないの?では熱烈なキスを。
(キスの音)ところでこの車は?リバプールで手配したんだけど?ああてっきりアメリカから我が国への贈り物かと思いましたよ。
オッホホッ。
カーソンヒューズさん会わない間に世界は変わったわね。
我々もだいぶ変わりました。
ホント?ハッハッ。
イギリス人も変われるなんてそれは驚きだわ。
ああヒューズさん私のメイドのリードよ。
シビル。
よかったらお産の相談に乗るわよ。
アメリカはそっちの方も進んでるからね。
イーディス。
相変わらず独り?アァ…。
いいの気にしないで。
モダンなアメリカ娘を見習うことね。
ああメアリー。
いとしいメアリー。
さあ結婚式の計画を全部聞かせて。
片っ端から改善してあげる。
一体何のマネ?パットモアさんに聞いて。
(リード)レビンソン夫人のお食事の件で相談したいんだけど。
彼女に言って。
ああはい。
何です?リードさん。
まず朝はヤギのミルクをお出しして。
ヤギのミルク!?そりゃすごい。
それに沸かした水しか飲まない。
ホントに?イギリスではね。
デイジーの仕事よ。
上にお茶を。
ああ今用意するよ。
脂っこいものとカニとウリ科の野菜は避けて。
(マーサ)ねえもう一度説明してくれる?あなたはどういう親戚なの?クローリーさん。
遠い親戚なんですよ。
僕のひいひいおじいさんが3代目伯爵の息子なんです。
アハハッまあ。
紙に書いて一度じっくり検証しなくちゃ。
マシューの名は貴族名鑑にも載っています。
そう。
それじゃ私の亡き夫の財産を彼が受け継ぐのは正当なのかしらね。
エヘェ。
おかしな話ですよね。
ウフッ。
フフッ。
(マーサ)私はちっとも笑えないけど。
でも結婚するんだから同じことでしょ?ねえ花婿にはそろそろお帰りいただかないと。
(コーラ)そうね。
アッ…。
(マーサ)ところであなたがうわさの運転手さん?そうです。
今は彼ジャーナリストなの。
あらまあ。
私の国ではよく耳にする話だけど。
こっちでも立身出世物語はあるのねぇ。
これからはもう監視しなくてもいいのよ。
あしたからは夫婦になるんだし。
まあはしたない。
またあしたね。
ゆっくり休んで。
この家は家族の歴史を見てきたのね。
この先もずっと。
だといいけど。
そういえばあの人は見つかった?パンプキンさん?例の遺産の相続人よ。
ああ弁護士のチャーカムから電報が来ていた。
そう。
「プルブルック氏の死亡を確認した。
死亡日を調査中」。
どういう意味?つまりスワイヤー氏よりあとに亡くなったのであれば遺産は彼の後継者に。
そんなの変よ。
その人に遺産をもらう資格はないわ。
僕にもないさ。
もともと受け取る気もなかったんだからいいじゃないか。
駄目よ。
受け取ってもらう。
状況が変わってしまったの。
実はね…お父様がばく大なお金を失ったのよ。
このままだとダウントンを手放すことに。
なんてことだ。
お気の毒に。
ええ。
でも今あなたにスワイヤー氏の遺産が入れば救われるわ。
君は分かってないんだな。
彼が僕に遺産を残したのは娘の最愛の人だと思ったからだ。
事実でしょ。
だけど…僕は彼女を傷つけ彼女の生きる力を奪った。
そんな僕が遺産をもらってぜいたくに暮らすなんて…。
とてもじゃないができない。
僕がラビニアを死なせたのに。
じゃ彼女への償いのために家族を犠牲にするわけ?何を言うんだ!?家族は大事に決まってるじゃないか。
でも助けてくれないの?お父様に惨めな余生を送らせることになってもかまわないの?私たちは?私たちの子供は?あなたがそんなに冷たい人だとは思わなかった。
おいメアリー。
やめて!どういうことか分かる?もう今までと同じではいられない。
あなたは結局味方じゃないのよ。
私たちの家族でも何でもないわ!・
(メアリーの泣き声)
(ため息)
(アンナ)同じ房の人とはうまくいってる?
(ベイツ)気に食わないが今のところ我慢してるよ。
誰になった?花嫁の付き添い人。
そんなの興味ないでしょ?あるさ。
夢に見るほどだよ。
慌ただしいディナーの準備。
着替えの支度。
銃の手入れ…。
新婚旅行はどこへ?お二人はまずロザムンド様の所で2〜3日過ごす予定なの。
お互いに慣れるため。
ウッフン。
そのあと南フランスへ。
私はロンドンで代わりのメイドを雇って1人で戻ってくるつもり。
メアリー様も承知してくださったわ。
どうしてそんなことを?もちろんあなたのそばに居たいから。
何を言うんだ。
君には私の分も楽しんでもらいたいんだよ。
フランスへ行って観光して思い出を作るんだ。
でもひとつきは会えないわ。
土産話が楽しみだよ。
どうか行ってくれ。
私のために。
遅れるかとヒヤヒヤしたわ。
だけど…。
アアアア〜。
ハハハハァ〜バイオレット〜!フーンフー。
ウッ!あらやだ。
戦争のせいでお互い年を取ったわね!あらそんなことは…。
でも日光の下には出たくないわね。
それで久々の屋敷の感想は?ちっとも変わらない。
相変わらずだけど祝福ムードに水を差す発言は控える事にするわ。
今までに水を差したことある?ところでメアリーのお相手についてあなたはどう思う?私たちの孫と財産をかっさらったわけだけどかまわないの?マシューをよく知れば気に入るはずよ。
フム。
彼は着替えに帰ったの?今夜のディナーには来ないわ。
式の前の晩に花嫁に会うと縁起が悪いでしょ。
ウフッ。
イギリス人ってホントに古いのね。
革命が起きて君主制が地に落ちても新郎新婦は結婚式の前に会えないんでしょうね。
あなた方アメリカ人には伝統の大切さを理解できないわ。
できるわ。
ただそんなものに振り回されないだけ。
歴史と伝統が世界大戦を引き起こしたのよ。
そんなものにしがみつくのはやめたら?
(足音)おばあ様。
こちらでご挨拶してらしたの。
鋭いんだか意地悪いんだか。
人の泣きどころを確実に見つける人ね。
いまいましい。
いや私ではない。
一体どこの誰なのだ?シビルとトムに旅費を送ったのは?
(シビル)誰だっていいじゃない。
おかげで式に出られるのよ。
お父様だったら感激だけど誰であろうとその方に感謝するわ。
(コーラ)そう。
こんなことを言うのは残念だけど私でもないの。
(マーサ)謎解きは大好きよ。
誰かしら?おおかたイザベルだろう。
彼女は世話を焼くのが好きだから。
あとで聞いてみるわ。
実を言うと私なの。
おばあ様が?でも筆跡が違ったわ。
でしょうね。
侍女に書かせたのよ。
彼女悪だくみが生きがいだから。
僕たちのために?そうよ。
シビルとその夫には結婚式に参列してほしかったから。
(シビル)どうして黙ってらしたの?
(バイオレット)ウフッ。
どうしてかしらね。
お心遣いに感謝します。
(マーサ)何とも民主的ね。
どうやらあなたを誤解してたみたいだわ。
いろんな面があるの。
とにかく既にブランソンは…いえトムねあなたは我が家の一員よ。
クローリー家は一致団結しないと。
そのとおりよ。
(コーラ)メアリーどうしたの?別に。
ただ…。
(バイオレット)ちょっとメアリー。
(ドアを開ける音)
(足音)ああ。
よろしくね。
これで最後だから。
そうだろ?デイジー。
デイジーは大丈夫ですか?そりゃもう大いに働いてくれてるよ。
さてと。
次はデザートの確認といこうかね。
いい?デイジー。
(コーラ)気が高ぶってるのね。
挙式前の花嫁にはよくある事よ。
マシューとケンカしてたの?よく分からないけど味方じゃないって彼を責めていたわ。
それが本当だとしたらただ事じゃないわね。
マシューは味方ですよ。
バカげてる。
会ってこよう。
僕が行きます。
僕はマシューの付き添い人ですし。
何!?彼には共感できるんです。
彼も僕もこの家にとってはいわばよそ者ですから。
だがしかし…。
(マーサ)いいじゃない。
式が中止なら出番は無しよ。
ひどいじゃないですか。
何の話?私の抗議を黙殺してる。
ほう!今度は「抗議を黙殺」ときたかい。
まったく大げさなことだね。
一体誰の入れ知恵?トーマスかい?そのう…。
お皿を拭くので布巾をください。
ハッ…ハァ…。
遺産は入らないかもしれません。
お金の問題じゃないの。
彼が父を救おうとしないのが問題なの。
マシュー様にも信念が。
そこなのよ。
家族より自分の信念が大事なの。
そういうことでしょ?でもマシュー様はすてきな男性です。
バスと違って次々と来るわけじゃありません。
(ブラシを置く音)
(ブランソン)難しく考えすぎですよ。
もし実際に金が入ったら?彼女の期待には応えられない。
(ブランソン)妙なものですね。
昔の僕なら屋敷を守るどころか爆破しようとしたかもしれないのに。
今は?お二人は運命の相手だ。
絶対に一緒になるべきです。
これまで悲しい運命に仲を引き裂かれてきたけど今度こそ手放さないで。
だってあなたは…メアリー様以外の人とは幸せになれないんだから。
「メアリー様」はよせ。
何と呼ぼうと。
とにかくこの幸せをみすみす逃すのは大バカ者だ。
フン。
(ノック)
(ドアを開ける音)
(マシュー)ひと言言いたい。
駄目よ帰って。
もう着替えてしまったから。
ひと言だけ。
ドアまで来て。
(ブランソン)お願いします。
彼にチャンスをあげて。
(マシュー)姿は見ないよ。
縁起が悪いですから。
結婚するのであればね。
(マシュー)もちろんするとも。
(足音)なあ入ってもいない金のことでケンカするなんてバカげてるよ。
相続はないかも。
アンナもそう言ってる。
アンナは正しい。
これからも僕らはケンカをするだろう。
金や屋敷の事。
子育てやいろんな事で衝突もするはずだ。
だったら認めましょう。
マシュー私考えたの。
別に頭にきて言ってるわけじゃないのよ。
私たちこれほど大事なことで意見が合わないんだったら結婚を取りやめるべきじゃないかしら?嫌だ。
それはやめる勇気がないから?私は平気よ。
違うよ。
トムと話していて言われたんだ。
僕は君以外の人とは幸せになれないとね。
そのとおりさ。
それに…君だって同じじゃないのかい?キスしてもいい?したいんだ。
とても。
駄目よ。
顔を見たら縁起が悪いわ。
ならお互い目を閉じてすればいいだろ?分かったわ。
ズルしないでね。
おやすみ。
ウン。
ではマシューを迎えに行きます。
見違えたよ。
そうですか?かなり窮屈ですけど。
ブランソン。
アァ…いや…トム。
ゆうべはよく骨を折ってくれたな。
君には感謝する。
2人とも強情だ。
あの様子じゃこれからもケンカが絶えないかも。
アァ…すまない。
めんくらったが当然君にも意見を言う権利はある。
本心ならいいけど。
本心だ。
さあ急げ。
(コーラ)聞きたいことがあれば何でも聞いてちょうだい。
でもあなたはもう…。
十分知ってる。
大丈夫よ。
聞きたいことは何もないわ。
そうね。
愛し合う2人ならこれから何があっても…。
すごく楽しめるわ。
アッハハハッ。
気をつけて。
アンナが腰を抜かす。
これでも私は既婚者ですよ。
(3人の笑い)そろそろ行きましょ。
アンナはどうするの?どうやって教会へ?みんなと馬車で行きます。
では教会で。
私はトムと逃げるようにして一緒になったけどお姉様はみんなに祝福されてる。
すばらしいことよ。
これはすごくロマンチックな結婚だわ。
ありがとう。
ホントに優しい子ね。
(キスの音)愛と地位が同時に手に入る結婚なんて言うことなしね。
フッ。
イーディスは気にしないで。
メアリー。
あなたの幸せを心から祈ってるわ。

(ヒューズ)ほら今日はあなたたちが自動車を独占できるのよ。
すごいでしょ?だからレディーらしくお行儀よくしなきゃ駄目よ。
みんないい?できるわね?
(オブライエン)忘れ物はない?
(少女1)はい。
乗って。
ドレスを汚さないで。
(少女たちの笑い声)ちゃんと座って。
いい?
(車のドアを閉める音)いい子にするんだよ。
(少女たち)行ってきま〜す。
行ってらっしゃい。
しっかり。
(アルフレッド)頑張って。
何か問題はある?いいえ何も。
どうぞお式を楽しんできてください。
私も行きたかった。
何言ってんの?料理の準備があるだろ。
でもお見送りだけならかまわないさ。
それじゃまたあとでな。
(シビル)自分の式みたい。
アンナが戻ってきたら我々も出発します。
ああ。

(アンナ)花嫁ですよ。
どうかしら?カーソン。
すてきですお嬢様。
仲直りしてくれてよかった。
心配したぞ。
とはいえ問題は解決してないの。
彼って頑固で。
だが幸せか?ええ。
お父様は?もちろん幸せだ。
幸せすぎて胸が破裂してしまいそうだよ。
(キスの音)
(教会に流れる調べ)いらしてくださったのね。
どうぞ座って。
でも家族席には…。
家族同然よ。
どうも。
どうも。
(ドアマン)はい。
モールズリー。
おかげさまでいい服に仕上がっているよ。
感謝してる。
ありがとう。
光栄です。
(教会に流れる調べ)なんとも誇らしい日だな。
ヒューズさん。
誇らしいかは別としてあなたが幸せそうでうれしいわ。
次はあなたの番ね。
そう?
(バイオレット)明るい未来を思うと胸が躍るわ。
これから過去とは全く違う未来がやってくるでしょうね。
(歓声)しっかり。
(教会に流れる調べ)来たね。
来てくれるかどうか内心ヒヤヒヤしてた。
ならよかったわ。
分かりやすい女じゃつまらないもの。
フン。
フッ。
ストラランをイーディスに近づけるのは危険じゃないかしら?
(ストララン)私はもう年だ。
もっと未来のある若者を探してくれ。
遺産は無理でしょうね。
誰よりも長生きしそうだもの。
てっきり私は金づるに見られてるんだと思ってた。
2015/03/08(日) 23:15〜00:26
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー3 華麗なる英国貴族の館[新](1)<全10回>「挙式前夜」[二][字][デ]

20世紀初頭、貴族と使用人が繰り広げる愛憎劇を描いた大ヒット英国ドラマ、第3章。メアリーとマシューがついに結婚。幸せの陰で、伯爵家が存続の危機に!

詳細情報
番組内容
1920年春。伯爵家はメアリーとマシューの結婚式の準備に追われていた。アメリカからコーラの母マーサも来る予定だ。そんななか、ロバートは投資の失敗で全財産を失ったと知らされ、衝撃を受ける。一方、マシューのもとに亡き婚約者ラビニアのことで弁護士が訪ねてくる。人手不足を嘆くカーソンに、オブライエンは甥(おい)アルフレッドを推薦。アンナは刑務所のベイツと面会し、亡くなったヴェラの住所録を見つけたと話す。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ…うえだ星子ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】ブライアン・パーシバル
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜

ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
英語
サンプリングレート : 48kHz

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