シリーズ世界遺産100「ペルシャ式庭園〜イラン〜」 2015.03.09


(テーマ音楽)絶える事なく流れる水。
乾燥した高原地帯では豊富な水があるだけで楽園でした。
イラン歴代の王は乾燥した大地に庭園を造りました。
まるで堅固な砦のようです。
この分厚い壁に囲まれているのがペルシャ式庭園の特徴。
ここは17世紀を迎える頃に造園された…猛暑や砂嵐が頻発するイラン。
自然から身を守り快適な環境を得るために王は外界から遮断された場所をつくって庭園としたのです。
こうした庭園を古いペルシャ語でパイリダエーザと呼びます。
壁で囲まれたという意味です。
これが語源となりパラダイスという言葉が生まれました。
パラダイスには水が欠かせません。
庭園中に池があり水路が張り巡らされています。
王の休憩場所となる建物を中心に水路で四角く区切られているのがペルシャ式庭園です。
効率よく水を流す事で心地よい冷房装置ともなりました。
水が豊かであればあるほど庭園は楽園となります。
しかしここは乾燥地帯。
この水どこから来るのでしょうか?2km以上離れた山の地下水脈が水源です。
そこから地下に水路が引かれました。
この縦穴の下に水が流れています。
地下の水路ならいくら暑くても水が蒸発する事はありません。
おかげで今でも庭園の水はかれる事がないのです。
水は庭園の池に湧き出します。
そして池から延びた水路に分岐され四方へと流れていきます。
水路や噴水は土地の傾斜と水圧を利用したもの。
水が滑らかに流れます。
王は事あるごとに庭園を訪れたといいます。
戦争と権力争いに明け暮れた王には癒やしの場だったのでしょう。
こちらは砂漠の中のオアシス都市…町の中心にあるチェヘルソトゥーン庭園は王が外国の要人をもてなすための迎賓館として造られました。
水が満たされた池に映る柱の数々。
この建物は宮殿と呼ばれるほど豪勢に建てられています。
柱はレバノン杉。
高価な材木をわざわざ輸入しました。
王が客人をもてなした広間。
壁には鏡細工が施されています。
鏡を細かく張った装飾です。
池の水に反射した光が鏡の中で更にきらめきます。
王と客人はここから風景を楽しみました。
庭園中にあふれる水を見せられた客人は王朝の栄華を感じずにはいられなかったでしょう。
王が愛した庭園。
それは厳しい現実世界から隔絶された地上の楽園なのです。
2015/03/09(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ペルシャ式庭園〜イラン〜」[字]

「水が創るパラダイス」▽文化遺産▽乾燥した大地に造られた庭園。地下水路で水を引き込み、土地の傾斜と水圧を利用した庭園内で水が流れるさまは、楽園を思わせる。

詳細情報
番組内容
乾燥したイランの大地に歴代の王は庭園を造った。熱風や砂嵐を防ぐために分厚い壁をめぐらせ、その中に水を巧みにめぐらせるのが特徴だ。こうした庭園は古いペルシャ語で「壁で囲まれた」を意味する「パエリダエーザ」と呼ばれ、これが「パラダイス」の語源となった。遠く離れた場所から地下水路で水を引き込み、土地の傾斜と水圧を利用して庭園内のあちらこちらで水が流れる様は、まさに楽園を思わせる。
出演者
【語り】松平定知

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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