大震災4年:高崎でいわきの高校生フラ披露 続く避難訴え
毎日新聞 2015年03月08日 21時16分(最終更新 03月08日 21時24分)
福島第1原発事故から4年を前に高崎市内で8日、脱原発イベント「力あわせる200万群馬・さよなら原発アクション」が開催され、避難生活を余儀なくされている福島県いわき市の県立いわき総合高校の生徒たちがフラダンスを披露した。「事故を風化させたくない」「県外避難を続ける人を勇気づけたい」。そんな思いが込められた踊りに、惜しみない拍手と歓声が送られた。
舞台に立ったのは同校のフラダンスサークル「アロヒ・ミノ・アカ」の女子生徒5人。ハワイ語で「輝く笑顔」の意味を持つ。
1年の鈴木萌さん(16)は東日本大震災当時、同県大熊町立大野小6年で下校途中に激しい揺れに襲われた。原発事故に追われるように、同県会津若松市まで両親と3人で避難し、高校進学を機にいわき市に移り住んだ。同級生や親戚は県外避難するなど離ればなれになり寂しさも感じるが、「今は周りの友だちがすごくいい人たちなので、私も頑張れる」と笑顔を見せる。
やはり避難生活を送る1年の住吉雛乃さん(16)は「地震直後は単身赴任の父と会えず不安な毎日だった。避難所ではお風呂に入れず、トイレに行くことも大変だった」と振り返る。
この日は「ホール・ニュー・ワールド」など3曲を披露した。住吉さんは「緊張もあったけれど、皆さんのかけ声や笑顔を見て頑張って踊れた」と満足そうに話した。鈴木さんは「多くの人が今も避難生活を続けていることを忘れないでほしい」と付け加えた。【田ノ上達也】