今日の『ボクらの時代』は芥川賞作家と新直木賞作家そしてプライベートで仲のいい芸人のお話
(中村)直木賞おめでとうございます。
(西)ありがとうございます。
もうホンマに。
(中村)結果見たとき泣いちゃったからね。
ホント。
テンパっちゃって誰かに伝えなきゃと思って又吉君にメールしたの。
えっそうなん?
(又吉)連絡取り合ってましたもんね。
そしたらねこの人も泣いててね。
えぇーもううれしい。
記者会見もカッコ良かったよ。
いやいやいや。
「とにかく本屋に行って一冊買ってください」「今すごい選手が揃ってます」ってね。
いや選手ですよホントに。
あれやっぱ言ったときはいいこと言うたったみたいな感じがちょっとある?それはない?嫌なやつやな。
2004年にデビューし2作目『さくら』がベストセラーに
翌年発表した『きいろいゾウ』は宮あおいさん向井理さん主演で映画化もされました。
そして
「今ホンマ選手といいたいんですけどすごい作家すごい選手が揃っててみんな全力で小説を書いてて素晴らしい小説を」「皆さんに本屋さんに行ってほしい」
作家生活10周年目となることし直木賞を受賞
さらに受賞作『サラバ!』は現在本屋大賞にもノミネートされ脚光を浴びています
西さんとは同い年…
27歳で『土の中の子供』が芥川賞を受賞
純文学でありながらミステリーの要素を取り入れた野心作『掏摸』は大江健三郎賞に
世界各国で翻訳されベストセラーとなり去年アメリカで文学賞も受賞しました
そんな2人と交流がある…
バラエティー番組やライブで活躍する一方お笑い界きっての読書家として知られています
そしてことし初となる純文学小説『火花』を発表
掲載された文芸誌はすぐに売り切れ創刊以来の大増刷となり話題になりました
直木賞バブルで今すごい色々オファー頂いてこのオファー頂いたの『ボクらの時代』の。
…でこのお二人じゃないと出たくないですって。
そんなこと言ってくれたんですか。
ホンマにホンマに。
逆にスタッフさんとかに僕らどう思われてんねやろうって恐怖感を感じますよね。
ホントだよね。
でもさあらためて思ったけど『M−1』とか『キングオブコント』とかようやったよなって思う。
ようやるよね。
うちらさ待つだけやん。
だって書き上げてるからさ。
そっからじゃあ用意スタートで書いてくださいやったらもう無理やん。
そう。
急に緊張して訳分からんこと言うてもうたらどうしようみたいなのありますよね。
生放送やったら。
生やもんな。
たまにさネタを考えて又吉君に採点してもらうときあるの。
嘘やん。
小説書けや。
何をしとんねん。
中村さんのねピンネタめっちゃおもろいです。
ハハハ!マジで?「それウケますよ」って。
すごいやん。
「誰かにあげていいよ。
又吉君の後輩とか」って言われるんですけど。
結構独特であげるやつがいない。
今日はジャンルを飛び越えて気の合う3人が文学から笑いまで大いに語ります
ちょっとドキドキしてて。
すごく教科書っぽい小説だったらどうしようと思った。
俺も最初はドキドキした。
そんなわけないって思いつつも。
そしたらさまぁ何て素直な…。
泣けてきて。
ハハハ。
昔さ若干酒癖があんまりよくなかったんだよ。
「あのとら何て言ってる?」とか言いだして。
めんどくさいね。
中村さんはなるほどねみたいな。
地獄。
信仰ってあるじゃない何かを信じるって。
予言になってるような部分もあるじゃないですか。
そうね。
びっくりした。
イスラム国の兵士の人たちとかも…。
本をむちゃくちゃ売りたいですよね。
売りたい。
アハハハハ。
中村さんに「又吉君」「スタンドアップコメディーいいよ」っつって。
「一緒に海外行かへんか?」みたいな。
それで2人で?劇場で書いてたフリーペーパーで中村さんのデビュー作を僕が紹介してて会わしていただいたんですよ。
ファンなんやったらみたいな…?僕がめちゃくちゃ好きなんですでランチをしたんですよね。
ランチやったの?はい。
お笑い芸人さんが来るっていうふうに聞いてたからすごいテンション高い人がいると思って。
そうやんな。
ちょっとつらいなと思って行ったら薄暗い場所だったんだけど薄暗い場所に薄暗い人がいるのね。
俺幽霊とか見たことないけどもしかしてこれは古くからその建物にいらっしゃるそういう存在なのかって…。
そんなはずないでしょ。
ものすごい最初怖かったら「今日はありがとうございます」って言われたから。
本読んでたら結構何か怖い方なんかなっていうのがあったんで。
シリアスな人来るんちゃうかとか。
僕らが行ったら…僕ら一切テレビも出てなくて僕が一方的に知ってる。
むちゃくちゃ優しくて。
ピースとして売れる前ってこと?全然。
年に1回あるかないかのテレビ出演でめちゃくちゃ緊張して行って全然何もできんくてスベったりしたときとかに中村さんに連絡して「全然駄目でした」「地獄です。
終わりです」みたいな。
そしたら中村さんが「大丈夫だよ。
飲みに行こう」みたいな感じでサシで飲んで「大丈夫だから」っつって。
ホント初めて会った同じ年の作家なんだよ。
そうだね。
20代。
若いときやんな。
お二人が作家になってすぐのころですか?そうね。
もう8年前。
昔さ若干酒癖があんまりよくなかったんだよ西さん。
全然絡んではこないんだけど笑ってるのずっと。
一回西さんが渋谷で絵の作品展をやったときに。
みんなで飲んだよね。
中村さんもいらっしゃって。
そんときも結構西さん飲んでて。
そうそう途中からね。
西さんが動物の絵を描いてた。
干支を描いてたんでしたっけ?そう干支を12個全部。
干支を12描いてて「又吉さんあのとら何て言ってる?」とか言いだして。
めんどくさいね。
めんどくさいね。
僕は「何見てんねんって言ってます」って言ったら西さん一人でケラケラ笑って中村さんはなるほどねみたいな。
地獄。
西さんってさ最初どういう動機?動機は何かもともと大阪で…。
うちホンマ遅くてアルバイトを色々やってて。
情報誌でライターの仕事もしてたのね。
例えばこういうお店来てこのお茶のこと書かなアカンとか。
おいしいねん。
おいしい以外分からへんねん。
どこ産のやつを使ってどんな味でって。
それよりは持ってきてくれはった人がめっちゃ震えてたりとかあるやんたまに。
かたかた…みたいな。
…とかを書きたいねん。
そっちの方が面白いから。
それは情報誌にいらんやん。
情報として。
小説なら書けるもんね。
そう。
25歳ぐらいのときに書いて。
書いたらそれこそうちも楽しい!ってなってそっから。
すごい楽しかった。
今の話俺初めて聞いた。
「ところで何で?」言わない飲んでる最中に。
ない。
確かに僕が落ち込んでるとき以外真面目な話したことないですよね。
そうだっけ?そういうときに聞いたんですよ。
中村さんの作品で暗い人間出てくるじゃないですか。
僕はそれすごい自分共感できる部分なんですけど中村さんは明るいじゃないですか。
何でですか?っていうめっちゃアホな質問を酔うた勢いでしたときに僕の座右の銘になってるんですけど「あのね俺もう暗いことで人に迷惑掛けるのやめようと思ったんだよ」あぁーそれすごい。
あぁー言ったわ。
思い出した。
今思い出した。
極論で僕ホンマ翌日からちょっとだけ変わりましたもんね。
嘘。
暗いことで迷惑掛けることがあるっていう視野が生まれたんで僕に。
でもいいんだよ暗くて。
迷惑掛けたっていいんだよ。
暗さを肯定したいってことを言ってたよね。
でも小説なんか全部暗いからね。
そうそう。
それは人間が人間の体で書いてるかぎり明るいだけの人なんか絶対おらへんやん。
いないですよね。
それはすごいだから寄り添うよね。
向いてるんやろうな。
ものすごい暗い子供だったから。
高校に行けなくなったこともあったし。
しかもそれも別にねいじめとかじゃなくて。
他人がいっぱい集まって机と椅子で座ってる空間って意味分かんなくて。
こんな苦しい所にはいられないと思って。
腰痛くないけど腰痛いって嘘ついて休んだり保健室行ったりして。
そんときにでも太宰治だよね最初に読んだときにみんなが思うようなことつまりここに僕がいるって思っちゃって。
そっからもう小説いっぱいばって読んで。
自分は暗いと思ってたんやろうけど周りはたぶん暗いと思ってへんかったんやろ。
そこはうまいことやってた…?そうかもね。
それもまた太宰に…。
そうね。
それにたぶん疲れたんだろうね。
演技をし続けてることに疲れてもうたぶんそこでスイッチが急にぱんって切れちゃってあっ学校行けないっていうふうになって。
そのときにだから人間嫌いだったんだけど。
でも考えてみれば自分は人間が書いた小説に救われてるっていうことに気付いて。
こんだけ好きなら書いてみようかと思って書いたら非常にしっくり。
でもねやっぱお笑いも好きで。
うんそうやんな。
笑いってやっぱさ頭の中ややこしいのね。
回路がややこしいんだけど笑いは瞬間的に来てさそこを通り越して気が付くと笑ってるっていうのがある。
嘘がないよね。
そう。
それがすごい救いで。
つらいときとかお笑いのDVDとかすごい役立ってる。
又吉さんはでもうちテレビで拝見してると…。
これは長所でもあんねんで。
圧倒的に浮いてるよね。
いわゆるひな壇ってあるじゃないいろんな方がいらっしゃる。
うちが又吉さんばっかり見てるからかもしれへんねんけど。
誰かが何か言ったときに「ちょっとちょっと」みたいなときの又吉さんちょっと遅いんだよね。
一回遅れるよね。
ワンクッション遅れる。
遅くて何か手探り感すごいし。
MCの方がこっちにいて綾部がこっちにおるときはいいんですよ。
綾部が立ったら僕も立つっていう。
ちょっとややこしいんですけど今人間なら今このときどういう反応をすんのが普通なのかってことを一回考えんと。
それと本来の自分の反応ってやっぱずれがあるから。
テンション低いよね。
いやそんなことないです。
上がるときってある?いやありますあります。
表情で笑えてないかもしれないですけどめっちゃおもろいと思ってていろんなこと。
うわー分かりづらいね。
子供のころ国語の時間で順番に読んでいくじゃないですか。
あれがもうずっと笑ってしまって真面目に読めないんですよ。
なぜ笑うかっていうと文章がやっぱり奇麗だから次に何が起こってもおもろいんですよ。
だから読めば読むほど次こうなるかもこうなるかもの緊張感でめっちゃおもろくて。
こうしたらおもろくなるっていうのがずっとあるから。
へぇー。
それって緊張と緩和ってよくおっしゃるやんお笑い芸人さんの方が。
それをもうそのときから分かってたってことやな体感として。
そうですね。
真面目なのが面白かったんや。
ばー!って笑かす人が面白いわけじゃなかった?そっちも好きなんですよ。
そっちも好きなんや。
それも不思議よね。
子供のころからそうなのはやっぱり顔ですね。
顔。
僕のおじが「直樹…」っつって。
「おじさんいつでもおならがこける」って言って。
子供からしたら別に聞きたくもないし。
聞きたくないね全然聞きたくないよね。
子供やからおならが好きやとおじさん思ってるんですよ。
「ホンマ聞きたい」ってまぁ言いますよね。
気使って。
そこからなんだもうね。
「待てよ」っつって。
「おかしいな」って言って「いつもは出るんだけど」っつって出ぇへんときのおならじゃなくておじさんの頑張ってるその顔ですよね。
なるほど。
徐々に困っていって追い込まれていって。
体勢変えながらの顔とかがめっちゃおもろくて。
ほんで…。
おじさんはまさかそこを笑われてるとは思わへんもんな。
しかもそれってさ別にバカにした笑いじゃないよね。
はい。
すごい小説とも似てて人間が好きなんだよねたぶん。
人間味っていうか。
「人間やな」って思うことを好きなんじゃない?そうですね。
ぐっとくるんですよね。
笑えるし。
そういうさ複雑なものに引かれていくのってさたぶん小説家にいく人もいるよね。
あっそうやなそうやな。
それがお笑いにいったってことだね。
うれしいけどなそんなんでも。
でも文芸誌デビューしたから作家だよ。
いえいえいえ。
ホンマや。
読みましたよ。
面白かったよ。
もううち泣きました。
でも文芸誌デビューしたからもう作家だよ。
又吉さん初となる純文学小説『火花』
芸人の輝きと挫折を描いたこの作品
掲載された文芸誌は創刊以来の大増刷となり今注目されています
何か作者は読者の成れの果てやっていうことを…。
ホントそうじゃない?自分が何をどんなふうに読んできたかがやっぱ出るやん。
出る。
もうあらがい難く。
又吉さんって一切小説を批評的に読んでこらへんかったんやなっていうの思った。
何かさだってさあんだけ読んでたらメソッドは分かるわけやん。
ある程度の枠とか小説ってこうやったらいいとかさ。
実はちょっとドキドキしてて。
すごく教科書っぽい小説だったらどうしようと思った。
俺も最初はドキドキした。
そんなわけないって思いつつもね。
そしたらさまぁ何て素直な真摯な。
あっこの人一切そんな目で小説を読んできはれへんかったんやと思ってまずそこで泣けてきて。
ハハハ。
もう親心ですよね。
そんなふうにだって読んでくれてたんやって。
何ぼでもだって批判的に読めるやん。
何でもできるよね。
なっ。
ホントに素直に小説を受け止めてくださってたんやな。
いや…。
めちゃめちゃ困った顔してる今。
困るよな。
お二人に言われたら困りますし。
小説って全然違いますね他の文章と。
違う?もうむちゃくちゃ集中して何時間もかけて充実して書けたと思ったのに何か3枚ぐらいしか進んでなかったり。
これ何なんやろうと…。
エッセーとかだと10枚20枚書けてるぐらいの感覚やのに。
ネタとかでも。
特殊なとこ使ってるんだと思うよ。
パソコンでこうさ打つでしょ。
あまりにも人間集中し過ぎるとほとんど書いた記憶がなくておなかがめっちゃすくみたいな。
その記憶ないときにさ書いた文章読んでどう思う?「こんなん書いたんや」って感じ?結構驚くだから。
えぇすごいねそれ。
無意識をいかに使えるかって。
一瞬のひらめいたものそれを取っていくと当初の構成とまったく別のものができてもそれでいいっていう。
なるほど。
自分のひらめきの方を信用してやっていくと能力以上のことができるんじゃないかなって。
なるほど。
何かでもさホント数少ないテレビとか出させていただくと。
特に芸人さんたちがいっぱいおるテレビとか出させていただいたことあんねん。
ほんならさ寝られへんねん。
寝たけど結局。
ぎんぎんなんねやん。
あれどうやってみんな抑え…。
あれで切り替えれるん?芸人側から小説はいけるんですけど小説書いてて芸人のとこいくと難しかったですね。
だから途中では絶対書かんようにして書いた後は寝て仕事行くようにして…。
合間とかじゃなくて。
起きて2時間ぐらいすると頭がさえてくるっていうのを聞いたことがあって。
一日のうちで一番頭がさえてる時間を狙う。
えぇー!さえなかったらもうやめる。
いつ書く?いつ書く?うちは決めてない全然。
いつでも書けるように。
テンション的なもの?テンションというか…。
何か真面目やねん。
だから朝書くとか決めちゃうと例えば今日飲んで朝寝て書かれへんかったときとかに「うぅー」ってなんねん「書かれへんかった」って。
マジで?それが嫌やねん。
だからいつでも書けるように最近は外でも書けるように練習して。
パソコンを買ってそういうふうにしてる。
そうじゃないとストレスになる。
へぇー。
でも時期がねまた。
そうね。
『サラバ!』が出させていただいて『教団X』出て『火花』やんか。
同じタイミングでしかも何か僕の中ですごい共通する部分もこの2作ってあって。
西さんの直木賞受賞作『サラバ!』
中村さんの最新作『教団X』
2人が偶然にも共通して書いたのは…
そして出版後イスラム国の事件が世界に衝撃を与えました
確かにすごく共通するものを…勝手にやけども。
それはメールとかしたよな。
絶対そう。
信仰ってあるじゃない何かを信じるって。
でもやっぱり同じ信仰でもこんなに違うものを書くんやねって。
それがねやっぱ面白くてね。
そうですね。
テーマが…同世代同い年だからさテーマが偶然似るときがあるんだけれどそれへのアプローチが全然違うのよ。
特に今回の『教団X』のテーマって予見予言になってるような部分もあるじゃないですか。
そうねちょっとね。
びっくりした。
イスラム国の兵士の人たちとかもいろんな所から集まってくるんだけどまずあそこに集まろうとするのを止めたい。
宗教っていうのは普通人を優しく…安らぎを与えるものなんだけどそういうのを利用してさ人を殺害する方向に誘導する宗教を使ってっていうああいうのがもう許せなくて。
絶対やめてくれっていう思いとかも全部込めてね。
まぁだから今の時代をその核の部分を書くから結局そういう核って繰り返されていくから同じような事件が後で起こっちゃうっていう流れ。
すごい作家になって思うのがうちホントニュースとかよう見ぃひんかってん。
例えば拉致のこととかもそのご家族の顔つらくて見れなかったの。
どこそこでテロがあって何百人死にましたっていうのとかも嫌やったし。
あと何やいうとそのニュースが入ってきたところでな遠かったんだよね。
何百人っていう固まりが死んだっていうことでしか全然入ってこなくて。
結局関係なかったんやけど。
例えばナイジェリアで昔ジェノサイドがあって隣人が殺し合うようになったっていうのとかもいくらそういうのを勉強しようと思っても覚えられへんねんな。
でもうちと中村君と同い年のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェっていうナイジェリア人の女性作家がいるのね。
私大好きなんだけど。
彼女が書いたのそのことを『半分のぼった黄色い太陽』って。
恐ろしい内戦のさなかにも人間の感情ってあるわけやん。
人間がおんのやって。
何百人が死んだんじゃなくて一人ずつの人生が掛ける何百人が死んだんや。
…っていうことがやっと分かるっていうか。
はいはいはい。
小説を読んで。
それはすごいやっぱり物語じゃないとアカンっていうのはうちはめちゃくちゃ思って小説ってすごい力っていうか可能性がある気がすんねん。
テレビとかだと外側からしか見れないけれどその内側から出てきたものを読んでるからすごく分かる。
だから物語を読むっていうことは何か想像力を働かせるときの手助けになるもんだと思う。
想像力うん分かる。
ニュースとして正確に知らしめはしないかもしれないけど何か自分のものにできる。
私のやったらどうやろうって初めてそこで思うんちゃうかとか。
…なっていうのすごい思う。
なるほど。
だからもし例えば3年ぐらい会わなかったとしても久しぶり感はないと思う。
分かる。
作品をお互い読んでたら。
当たり前やと思いますけど本をむちゃくちゃ売りたいですよね。
売りたい。
アハハハハ。
それはやっぱり重要ですもんね。
直木賞を頂いてすっごいうれしかったのがげすい理由が1個あってそれは上下のセールスがあるからっていうのはホントに正直な気持ちやねん。
あぁ。
もう1個はハードル高いやん読めへん人からしたら。
でも直木っていうことで「おっ」て思って上下巻読んでくれてその子が上下巻読めたってなって最終的にもしかしたらプルーストまで行くかもせぇへんやんか。
そういうのが。
だから2つうれしい。
でもセールスは確かにすごく大切やなって。
それはもうどんどん広まってほしいようん。
すごく世界で今読まれてるじゃないですか。
昔からおっしゃってましたよね。
そうね読まれたいってね。
酔うた勢いで「中村さん夢何ですか?」って聞いたら「世界で読んでもらいたいねぇ」みたいなこと言ってて「それめっちゃいいっすね。
僕もそんなんやりたい」って言ったら中村さんに「又吉君」「スタンドアップコメディーいいよ」っつって。
「一緒に海外行かへんか?」みたいな。
それで2人で?「向いてないと思います」っつって。
この間ねあのね。
人生初めてのアメリカン冗句をアメリカで言わなきゃいけなく…。
そうやんそうやん。
ショーのスピーチでアメリカン冗句入れてくれって言われたわけ。
それアメリカって傲慢よね。
アメリカン冗句入れてくれってすごいな。
『掏摸』っていう本があってねいろんなもん盗むと。
…であのう「まさか僕のね主人公がこんな賞まで取っちゃうとはね」っていうアメリカン冗句を英語で言ったらさめちゃくちゃウケたんだよ。
ハハハハハ。
何でか知らないけど。
よかったなぁ。
あんときさ芸人さんの感覚ってこうなの?とかちょっと思ったりして。
気持ちいいですよねウケたら。
お客さんの反応がダイレクトでしょ。
笑ったかどうかだもん。
怖いよね。
怖い。
ウケへんかったときとかどんなんなの?ウケへんかったときの自分の表情を客席の一番後ろから自分で見てる感覚になっておもろなってくるんです。
アハハハハ。
それ何かちょっと文学的だね。
でもうち思うけどさ例えば又吉さんがドラマに出られた映画に出られたってやってもそれはもうボケやんな。
何をやっても。
もちろん小説を書かれた。
小説はさ純度100の小説やん。
それは誰が…又吉さんが書いたやつやからって芸人さんが書いたものっていうのじゃないじゃん。
でも小説を書くっていう行為ももう又吉さんにしたらボケやし。
親戚の中でも僕一番おとなしかったからその最強のボケを今長尺で引っ張ってる状態なんですよ。
「何でお前が芸人なんねん」「お前かい!」みたいな。
親戚でもっとおもろい兄ちゃんいっぱいおったのに何で一番おとなしかったお前が芸人やってんねんっていうのでやっぱりみんな笑ってくれてますからね。
だからNSCっていう養成所があるんですけど。
すごい全国から学校でおもろかったって言われた人が集まってくるじゃないですか。
ネタ見せでウケへんかったときのショックがでかくてわりとみんなすぐ辞めていくんですけど残るの僕みたいなタイプなんですよ。
期待してないというかウケることに対して。
オタク気質じゃないですけど取りあえず自分が考えたことやれるのがうれしいっていう。
発露や。
発露の方がでかいってことだよね反応より。
衝動の方がおっきかったっていう。
好きじゃないとね。
これが一番だよね。
作家もまったく同じ。
でもただとにかく「作家もうかるらしいで」で作家なろうって人は絶対思わん方がいいよな。
絶対思わない方がいい。
そんな人は絶対なれないよね。
売れるわけもないし書けるわけもないしっていうのは思う。
そうじゃなくて衝動っていうかそれこそそうやん。
何かもう思い立ったことやりたいっていう気持ちが何かなぁないと。
そう。
それが最初にないと無理。
だからもうどんどん書いていくと思うよ。
楽しみにしてるしこっちも。
いやでもよかったですよねこうやって3人で集まることができて。
ホンマやもうホントにホントにうれしい。
ホントよかった。
ホンマにありがとう。
西さんやっぱさ元のおだんごに戻した方がいいと思うんだよね。
西さん昔よくおだんごされてましたけど。
俺…。
あれ絶対いいよね。
それは何でやめたんですか?何でやめたんだっけ?新聞で何か取材していただいた方が私が言ったことだけじゃなくて自分の思ったことも書かはるのね最後に意見を。
そのときに「『私小説が好き』と言って笑った西さんの頭上でおだんごが揺れた」って書かれてもうめっちゃいじられてるやんって思ってそこで封印したの。
なるほど。
写真も確かにおだんごが揺れてるような写真やってん。
何かもうふわってなっとって。
あれに戻そうよ。
嫌や!おばあちゃんになったらする。
それでは今日も素晴らしい一日を
2015/03/08(日) 07:00〜07:30
関西テレビ1
ボクらの時代[字]
又吉直樹×西加奈子×中村文則
詳細情報
番組内容
これは、毎回、様々なジャンルで活躍する3人が集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトーク番組です。出演していただくのは、学者、デザイナー、ビジネスマン、アーティスト、政治家、教師、映画監督、タレント…。一つのジャンルにとらわれることなく、今、旬で話題の人はもちろん、海外で評価を得ている人、大きな発見・発明を成し遂げた人、日本に感動を与えた人…、と多彩な顔ぶれ。
番組内容2
「日本のトップランナー」であり「先駆者」であり「成功者」でもある彼らが、何を語り、何を想うのかが番組の見どころです。また、この番組では司会者をおかず、あくまでゲスト達の、気負わないトークのみで番組を構成します。ある種、原点回帰とも言うべきシンプルな構成で、ゲストの顔ぶれと興味深いトーク内容を楽しむ番組。
日曜朝のリラックスした時間にフィットする、上質の番組をお届けします!
出演者
又吉直樹
西加奈子
中村文則
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
バラエティ – トークバラエティ
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:23134(0x5A5E)