(テーマ音楽)フランス中部ブルゴーニュ地方に小さな丘があります。
その丘の上に延びる1本の道の両側には中世の趣を残す古い町並みが続いています。
ヴェズレーの町です。
丘の上に建つのがサント・マドレーヌ聖堂。
巡礼者が集まる教会として知られています。
10世紀に建設されたサント・マドレーヌ聖堂にはマグダラのマリアの聖遺骨が祭られています。
そのためこの地には精霊が宿ると信じられ聖堂の玄関の扉はイエス・キリストが使徒に啓示を与える精霊降臨の大彫刻で飾られています。
マグダラのマリアはイエスの死と復活を見届けた女性でした。
そのため中世にはその聖遺骨は深い信仰の対象となっていきました。
小高い丘の上に建つサント・マドレーヌ聖堂には全ヨーロッパから信者が集まり聖遺骨に祈りをささげました。
混乱が続いた中世人々の宗教的情熱は聖地巡礼へと向かいました。
十字軍の編制もその一つ。
当時イスラム教徒に支配されていた聖地エルサレムの奪還が試みられました。
エルサレムを追われたといわれるマグダラのマリアは十字軍の騎士の心のよりどころでした。
1146年復活祭の日にサント・マドレーヌ聖堂に集まった数万人の騎士は「神はそれを望みたもう」と口々に叫びこの丘からエルサレムに旅立ったのです。
サント・マドレーヌ聖堂は十字軍だけでなくバチカンやスペインの聖地へ巡礼する出発点ともなりました。
聖堂前の道には聖ヤコブの象徴帆立て貝の文様が埋め込まれています。
聖地巡礼への道を表しているのです。
巡礼者が目指した聖地の一つは聖ヤコブが祭られているスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラでした。
巡礼の町ヴェズレーには巡礼者たちが泊まった宿の跡があります。
歴史建築の専門家ミッシェル・コレットさんが案内してくれたのは民家の地下室でした。
地下は何層にも掘られていました。
造られた当時そのままに残された地下室は今ワイン倉庫になっています。
ヴェズレーのほとんどの家にはこのような地下室があるといいます。
中世には巡礼が殺到したのですべてを民家に泊まらせることが不可能でした。
そこでこのような場所にわらを敷いて50〜100人もの人を泊めたのです。
教会では巡礼に出る若者たちに神の加護と祝福が与えられていました。
現代の巡礼者もヴェズレーから旅立ちます。
2015/03/08(日) 04:25〜04:30
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ヴェズレーの聖堂と丘〜フランス〜」[字]
聖霊が宿る巡礼の町 ▽文化遺産 【語り】江守徹【音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
聖霊が宿る巡礼の町 ▽文化遺産 【語り】江守徹【音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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