福島をずっと見ているTV vol.45「これからも、福島と…」 2015.03.08


「福島をずっと見ているTV」。
今回は東京豊洲にあるホールにやって来ました。
この日福島県主催のイベントが開かれていました。
首都圏の人たちに福島の今を発信しようと企画されたものです。
クリエイティブディレクター箭内道彦さんと内堀雅雄福島県知事です。
拍手でお迎え下さい。
番組MCの箭内道彦さんはイベントのプログラムの一つトークショーに出演。
トークの相手は…とにかく福島県内浜通り中通り会津…それから東京だったり京都だったり福岡だったり宮城だったり…箭内さんはこれまで出会った人たちの思いを胸にこの場に臨んでいました。
震災直後避難所で出会った人たち。
・「IloveyoubabyふくしまIneedyoubabyふくしま」震災から半年後。
箭内さんが実行委員長となって開催された音楽イベントで声をからして歌っていた福島の人たち。
・「Ineedyoubabyふくしま」Iwantyoubaby」震災から2度目の秋。
それまでなかった米の放射性物質の全袋検査に挑んだ自治体と農家。
看護師不足の中それでも新しい命の誕生に寄り添おうと奮闘する産婦人科医院。
20年前の神戸で生まれた歌を福島に置き換え歌い継いでいる小学生たち。
・「傷ついた福島を」・「もとの姿にもどそう」廃炉に向けた作業が続く東京電力福島第一原子力発電所の構内も取材。
(箭内)大変な場所に行くんだって思ってたけど…そんな原発近くの町で取り残された動物の保護を今も続けている人たちにも出会いました。
(猫の鳴き声)この4年福島の人たちのさまざまな思いと向き合ってきた箭内さん。
そして5年目に入る節目の今回。
知事と福島のこれからについて語り合います。
どうなったら復興したっていうふうに言えるんでしょう?福島の復興は素直に考えると東日本大震災あるいは原子力発電所の事故そういったものの…これが一つの大事な復興の姿だと思います。
福島県民の一人一人が「いや〜福島に生まれて住んでよかったね」て言えるそのプライドを取り戻すその闘いでもあると思うんですね。
実は昨日ある仮設住宅に伺ってきました。
本来は1〜2年住むための仮設なんですが申し訳ないんですけども4年住んで頂いてる。
その方と話してまず真っ先に言われるのは「仮設の生活4年続けてるとつらい」。
山に行って山菜とったり自分で畑作業してとった野菜を朝昼晩食べて。
そういう生活が当たり前だったものが全部取っ払われて。
仮設で。
しかも周りも知らない方も結構いる中で3年4年暮らしてる。
これは時間がたてばたつほどますます苦しくなってくる。
それをどう変えていくかというのが行政やっていかないかんなって改めて思ってます。
4年たったって事はいろいろ進んだ事ももちろんあるし少しずつ癒えてくる傷というのもあるんだけど…だから1年目より2年目より3年目より4年目の方が傷の重さというかねそういう方々もまだまだたくさんいらっしゃいますよね。
約12万人の方が今避難生活を福島県の内外で送ってます。
12万人っていうと漢字でいうと4文字ですよね。
何となくそのひとくくりで終わっちゃってて…例えば箭内さんもそう僕もそうあと県民の一人一人の皆さんそうなんですけど1人の人格×12万倍なんですよね。
ところが4文字に圧縮されちゃうとすごく矮小化された感じになってしまっていまひとつ多分聞いてる方が実感湧いてないんじゃないかなという怖さをいつも感じてます。
あと避難されてる方も大変なんですけれど福島県でそのまま住み続けておられる方もいろんな複雑な思い持ってます。
それも180万人とかっていう数字じゃなくて1人×180万倍。
そういうところがなかなか伝わりきれないなっていうのが僕の葛藤でありますね。
震災から4年…福島県会津坂下町。
この町出身の谷津拓郎さんです。
きっかけは原発に近い町から会津に避難してきた人たちとの出会いでした。
仮設住宅の人に仕事を提供したい。
そして地元も盛り上げたい。
考えついたのが会津木綿を使ったものづくりでした。
谷津さんは仮設住宅の人たちに「ストール作りなどの手作業をしませんか」と持ちかけました。
会津若松市の仮設住宅です。
原発のある大熊町の人たちが暮らしています。
30人ほどいるストールの作り手の一人…廣嶋さんの担当は「フリンジ」と呼ばれるストールの端の部分を作る事。
自分がやった事で。
「お手伝いしてくれてありがとう」と言って…今谷津さんと作り手さんたちは自分たちの商品を会津から広く発信していきたいと考えています。
この日東京で開かれたイベントの一角に谷津さんの姿がありました。
自分と作り手さんたちの思いを込めた品を多くの人に知ってもらいたい。
こんにちは〜。
こちらどうぞ。
こんにちは〜。
ご覧下さい。
東北のものづくりを紹介してますので。
頑張っていきます。
二本松市東和地区。
ここにも震災後新しいものを作り出してきた人たちがいます。
農家の関元弘さん。
仲間と共に地元の果物を使ったワインなどを造る会社を立ち上げました。
もともとワイン造りの計画を進めていたところ原発事故が発生。
でも関さんたちはやめませんでした。
最初に造ったのはりんごのお酒。
放射性物質が不検出なのになかなか売れなくなったりんごをお酒としてよみがえらせました。
今後更にいろんな果物を使ってお酒を造っていきたい。
関さんたちの夢は広がっています。
この日そんな関さんのもとを訪ねてきた人たちがいました。
福島大学の学生です。
ありがとうございます。
いやいやいや…。
(笑い声)学生たちは福島に来てもらいそこに暮らしている人たちと交流してもらうというツアー企画を行っています。
この日はツアーの目的地の一つであるこのワイナリーに打ち合わせに来ていました。
やっぱり自覚を持ってて…。
ツアー企画が始まったのは2012年。
学生たちは参加してくれる人にどんな事を伝えるべきか試行錯誤を重ねてきました。
団体の代表を務めている吉田江里さん。
ツアーを続けていくうちに福島に来て感じてほしいと思う事が増えてきたと言います。
福島県庁にも新しい力が加わっています。
観光交流課の小檜山紀子さんは震災後東京からUターンして県庁に入り2年目。
県職員になる前小檜山さんは観光関連の会社に勤めていました。
今4月から始まる観光キャンペーンを成功させようと県庁内外のさまざまな人たちと一緒に福島の魅力を発信しています。
やっぱりほんとに福島いろんな話がある中でですけど一人一人すごく前を向いて頑張っていこうっていうこういう人たちもどんどんあちこちで生まれてきてる事が僕はとても心強いなと思いますね。
そのとおりですよね。
さっき映像にもあったじゃないですか。
「恩返しもしたい」。
今度はいずれ福島から東北からパワーを皆さんにお返しできる。
そうしていくのも復興の一つの形だと思ってるんですよね。
(箭内)あと僕が思うのは震災から今までそうですね3年ぐらいかな…県民の側はもっと早くこうしてほしいなぜこうならないのかって思うし。
行政の人たちは一人一人ほんとに頑張ってて復興を遅らせようなんて人一人もいなくて。
いないですね。
すごく苦労もされてるし胸も痛められてる。
そんな中でどういうふうにやってこうかって頑張ってる姿を見てるとそろそろ…分かります。
具体的に。
内堀さんが「オール福島」という言葉をよく使われますけどそれは全員が同じ気持ちになれとか全員が右向けと言ったら右向くって事じゃなくてね…福島県のメンバーはもちろん一生懸命頑張ります。
ただ福島だけではなかなか復興が進まない部分もある。
多くの方々にいろんな意味で共感して頂いてそれぞれの立場でできる事例えば福島県の農産物たまに買ってみっかなあるいはたまに1年に1回2年に1回福島に旅行に行ってみようかな自分にできる事をやって頂けるそういう仲間を増やしたい。
これが私の今年のチャレンジです。
だから内堀さんにも今日いろいろエールというかげきを飛ばしたいなと思ってきたのは…みんな「あ〜あの人福島の知事さんでしょ。
あの人いい事ばっかりじゃなくてね福島でまだまだ進んでいない事それをこれからどうしようと考えてるのかそういう事もちゃんと言ってくれる人だよね」って全国の人が…あの〜もちろん世界中そうなんですけどそういう知事になってほしいなと思います。
今箭内さんが言われた事すごく大事な事言われてます。
「4年たって福島こんなに良くなったんです。
これからもこんなに良くなるんです」。
そういう話ももちろん大事なんだけれどやっぱり「まだ今でもこういう厳しい部分あるんです」。
かといって影だけでもないです。
そうなんです。
さっきの若者たちもそうですけどものすごく前に進んで頑張ってくれてるものもある。
あと実は逆説的なんですけど4年たつと結構明るいニュースが増えてきました。
かつ今のままじゃ負けてらんねえ負けてられないので福島もっともっと良くしていかなきゃいけないなと思います。
ほんとに今2人でガチでやっていたのでこれを皆さんが聞いてどう思って頂いたかちょっと心配なところもあるんですがすごく今素直に2人で思いを語り合いましたね。
そうですね。
僕もきっと…知事の台本っていうのがもしあったとするともうちょっときれいな事かっこいい事希望に満ちた事っていう話が増えてくるのかもしれないんですけどでも何かそうじゃない方がよりちゃんと伝わっていくというかねそんなふうに感じています。
トーク終了後のバックステージ。
知事が率直な願いを口にしました。
福島の復興って長い時間かかるんで…「福島をずっと見ているTV」は4月からも月に一度お送りしていきます。
いろいろな人たちの「今」をできるだけたくさん伝えていきたい。
そう思っています。
2015/03/08(日) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
福島をずっと見ているTV vol.45「これからも、福島と…」[字]

今回は、番組MC箭内道彦さんと、福島県知事の内堀雅雄さんとのスペシャル対談!震災から丸4年を迎える今感じていること、そして福島の“これから”について熱く語る!

詳細情報
番組内容
2/19に東京・豊洲で行われた福島県主催のイベントで実現した対談の模様を送る。震災前から副知事を8年勤め、昨秋県知事に当選した内堀知事。震災前から福島を見続けてきた彼の目に、今の福島はどう映り、これからの福島をどうしていくのか…?知事と箭内さんの対談だけではなく、これから“新しい福島”を発信していこうと奮闘する若者たちも取材。震災から丸4年、福島の“これから”について、みなさんも考えてみませんか?
出演者
【ゲスト】福島県知事…内堀雅雄,【司会】箭内道彦,【語り】相沢舞

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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