世界の誰もが認める美食の国市場にはありとあらゆる食材が所狭しと並びます。
なかでもフランス人が愛してやまないのがその専門店にはハムソーセージからテリーヌパイまで。
フランスの食生活に欠かせないものが揃っています。
今日本では熟成肉ブーム。
それだけでなく食の新たなトレンドシャルキュトリーにも注目が集まっています。
本場の味を求めて連日お客が押し寄せる大人気店です。
主はこの道20年以上フランスでも高く評価されている彼こそは肉を目利きし加工によってその持ち味を最大限に引き出し旨みの花を咲かせます。
そのレシピは伝統的なものから創作メニューまでフランス産に近い大ぶりの鶏を使うローストチキン。
その中に惜しげもなく高級食材のオーブンでじっくり焼き上げればこんがりきつね色のおいしそうなローストチキンの出来上がり。
ホントに丸1匹のはねヨーロッパの伝統料理豚の頭のゼリー寄せ。
ポイントは5種類のハーブを使うこと。
豚の頭は脂が多いんでハーブを入れることによってすごいさわやかになって。
コラーゲンたっぷり女性に大人気です。
フランスの伝統菓子に着想を得たテリーヌ。
ドライ・フルーツの甘みと食感がフォアグラの濃厚な味を引き立てます。
フランス伝統の食文化シャルキュトリーを日本で開花させる肉の匠。
本場で行われた世界大会。
日本代表として挑んだ彼に密着しました。
ジャポン!楠田さんは誰もが憧れる日本でも有数のこの高級住宅地に店を構えています。
その一日がスタート。
と始めたのは商売道具包丁のチェック。
ありがとうございます。
店頭を取りしきるのはまあ事務のお仕事とかはすべて一応私がやるっていうふうに決まってまして。
開店前には必ずショーケースをチェックする楠田さん。
開店と同時に店内に溢れるお客。
ショーケースの中に常時60種類以上並ぶ極上のシャルキュトリーに魅了されずにはいられません。
人気の定番は香川県産の豚肉をしっとりと熟成させた3日間スモークした香り高いフォアグラが入ったテリーヌがあるんですけどそれも楠田さんの仕事場は店のいちばん奥。
ここで一日中肉と向き合いその加工に取り組みます。
この日まず始めたのは…。
使用するのは香川県産の豚のもも肉。
その持ち味を引き出すために創意工夫を施します。
これは楠田さんは肉それぞれの魅力や特性はもちろん動物の習性まで頭に入れているのです。
季節限定の創作メニューに使用するのは…。
ほんの少しカカオの香りをきかせて味に奥行きをプラス。
おいしいバレンタインデーを演出します。
冬の味覚ジビエ。
鳥取産の野生の猪や鹿を使用したテリーヌ。
ジビエと同じ山の味覚干し柿をアクセントに風味よく仕上げています。
日本中のあらゆる肉を使いこなす肉の魔術師楠田さん。
その胸にあるのは肉を愛し大切にする思い。
まず重要なのが素材となる肉選び。
楠田さんがこだわるのは一般的に豚は生後6か月ほどで出荷されますがその段階では成熟前で実は旨みが少ないというのです。
成長段階のものではなくて成熟した親豚は味は優れているのですが筋が多く硬いため下処理が難しく敬遠されがち。
しかし楠田さんはその手間を惜しみません。
身がしっかりしているのでミンチにしてもつなぎを必要とせずまとまりやすいという長所も。
噛んだときに程よい食感と味わいを楽しめるのです。
でそれを自分自身が…。
楠田さんの手によって旨みが花開いた親豚のハンバーグ。
溢れる肉汁がおいしさの証し。
肉の魔術師の技を学ぼうと現在2人の若者が修業に励んでいます。
どこにどういう筋が入ってどれくらいどういうふうに交差してるのかってやっぱり頭に入ってないと。
肉の知識を身につけて初めてその持ち味を引き出せるのです。
トリュフ入りのローストポーク。
焼く前に低温で長時間加熱することで肉をやわらかくし旨みをぎゅっと閉じ込めます。
何を?いつでも準備できてる。
朝って言った?手順に妥協は一切許しません。
魔法を支えているのはこの完璧主義なのです。
肉を極めようとしている楠田さん。
これぞという肉があれば全国どこへでも。
ここに楠田さんが追い求める豚がいます。
きたきた…めっちゃかわいい。
古くから沖縄の文化に深く根ざしてきたアグー。
なかでも今帰仁アグーは沖縄に残る貴重な在来の豚です。
その魅力は?肉の魔術師が惚れ込んだこの豚。
下処理が難しいという難点はありますが張りのある肉に多めの脂が特徴。
しかもその脂は消えるようにすっととけ出すのです。
芦屋に戻って早速新商品の開発に取りかかる楠田さん。
作ろうとしているのは?それをより…。
旨みを花開かせるためにポイントとなるのは今帰仁アグーの特徴である多めの脂と張りのある肉のバランス。
楠田さんが考えた比率は脂の調味料はシンプルにそして。
これがヒハツモドキですね。
同じ気候風土で育まれたものがいちばんよく合うといいます。
それらを豚の腸に詰め暖かいところに吊るして中で熟成するのを待ちます。
翌日香り色硬さをチェックするとすでに熟成十分。
こうして肉によって異なる食べごろを見極めるのも肉の魔術師の腕の見せどころ。
その脂を味に生かしきれているのか?今帰仁アグーの旨みを存分に花開かせた春の新作が完成しました。
この日楠田さんが足を運んだのは京都市内のお寺。
今は亡き父もハムソーセージ職人でした。
まぁ寂しがり屋なんでたまに来ないと…。
父官二さんは味を極めるため安定した独立しました。
しかし同じ道を選んだ楠田さん。
それは高校生の時のこと。
幼い頃から傍らで見てきた父の仕事。
それはヨーロッパでは料理人にも負けない誇り高い職業。
そして日本にない奥深い世界がありました。
費用を貯めて帰国後の2004年神戸市内に夫婦2人で切り盛りする小さな店をオープン。
まだシャルキュトリーという言葉がほとんど知られていなかった時代。
苦戦を強いられました。
厳しかったですね。
それが今やお客が押し寄せる人気店に成長。
2店舗を構えるまでになったのです。
6年前に他界した父官二さん。
楠田さんは今でも父の死の直前の言葉が忘れられないといいます。
入院する前でしたね。
で作って出来上がった。
で…「切れ」って言って。
切って食べさせたときに…。
その時に自分はもう…。
すごいやっぱりそれがもう…。
日々たゆまぬ努力を続けて常にいっそうの高みを目指す。
それこそ父がこだわり続けた職人の道。
父のイニシャルKKをあしらったロゴマークは遺志を受け継ぐべく楠田さんの店で使われています。
この日楠田さんが足を運んだのは大阪市内のレストラン。
ミシュランの星を持つシェフ高田裕介さんは楠田さんのシャルキュトリーを支持する1人。
今日届けたのは豚の血を使ったソーセージブーダンノワール。
それを使った人気メニューがあるのです。
ブーダンノワールに竹炭の衣をつけて揚げたオードブル。
高田さんが楠田さんのシャルキュトリーにこだわる理由は?そういうのはあります。
まもなく本場フランスで開かれるシャルキュトリーを使った世界コンクール。
2人で挑むことになりました。
そこはやっぱり制限時間内に決められた材料でシャルキュトリーを含む課題の料理4品を作り味や技術ディスプレーの美しさを競います。
広い厨房を借りて最後の予行演習が行われていました。
楠田さんが主に担当するのは…。
これは鴨のヒレ肉ですね。
そしてその上に?この上に鴨のモモ肉のコンフィを入れたものですね。
でこれ上がフォアグラ。
定番にいかにアレンジを加えるかが勝負。
3種類のパテを包んで一つにするアイデアですが最終的なデザインがなかなか決まりません。
試作も大詰め。
まず中に挟む3つのパテを作った楠田さん。
それにオーブンで火を通したあと3層に重ねてみることに。
最後にほうれんそう入りの生地で包み再びオーブンへ。
複雑な味と食感を作り出そうという狙い。
果たして焼き上がりは?3層になったパテ。
このデザインでいくことに決めました。
しかし世界大会には不安も。
フランス南東部に位置するリヨン。
食通の街とうたわれるほどの食文化で知られます。
大会には地元フランスやアメリカなど…。
初日は料理学校の厨房を使って10時間に及ぶ仕込み作業。
この仕込みが勝敗を大きく左右します。
楠田さん入魂のパテも焼き上がりました。
本会場へ移動しての決戦。
仕上げの調理は2時間。
二人三脚で歩んできた妻美恵さんもはるばる応援に駆けつけました。
楠田さんと高田さん。
日本代表は枯れ山水をイメージした輪島塗の器で勝負。
制限時間ぎりぎりまで使って鴨のパテやマス料理など課題の4品を盛りつけました。
世界各国のライバルたちも趣向をこらしたディスプレーで料理を際立たせます。
味とデザインの総合力で優勝が決まるのです。
果たして楠田さんは大輪の花を咲かせることができるでしょうか?世界大会いよいよ結果発表の時。
(歓声)優勝はシャルキュトリーの本場フランスチームの手に。
楠田さんたち日本代表は惜しくも栄冠を逃しました。
まあでも1週間後。
いつものように仕事場に立つ楠田さん。
亡き父の背中は少し近づいたでしょうか?作り続けるのはたぶん一生作り続けるんじゃないですか。
たぶん死ぬ直前まで作っておきたいです。
たゆまぬ努力を続けて常にいっそうの高みを目指す。
そんなあなたを応援します。
2015/03/07(土) 23:25〜23:55
テレビ大阪1
クロスロード <シャルキュティエ・楠田裕彦>[字]
今、日本で注目されているフランス生まれの食肉加工品「シャルキュトリー」(ソーセージ、ハム、テリーヌ、パテなどの総称)作りの達人・楠田裕彦に密着。
詳細情報
出演者
【ナビゲーター】
原田泰造
番組内容
シャルキュティエの楠田裕彦が登場。シャルキュトリーとは、ソーセージ、ハム、テリーヌ、パテなどの総称。兵庫に2店舗ある専門店「メツゲライクスダ」は、芦屋のマダムからミシュランの星を獲得している一流シェフたちまで多くのファンがいる。今年1月、シャルキュトリーを使った世界大会「インターナショナルケータリングカップ」出場のため本場フランスに乗り込んで奮闘する彼の挑戦を追った。
番組概要
様々な分野で活躍する、毎回一人(一組)の“挑戦し続ける人”を紹介。彼らが新たなる挑戦に取り組む今の姿を追う。挑戦のきっかけになったもの、大切な人との出会い、成功、挫折、それを乗り越える発想のヒントは何からつかんだのか?そして、彼らのゴールとは?新たにどこへ向かおうとしているのか…。そんなクロスロード(人生の重大な岐路)に着目し、チャレンジし続ける人を応援する“応援ドキュメンタリー”。
音楽
【エンディングテーマ】
「クローゼット」
Superfly(ワーナーミュージック・ジャパン)
ホームページ
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ドキュメンタリー/教養 – その他
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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