LIFE〜夢のカタチ〜/佐々木蔵之介 「京都の人気・女性切り絵アーティスト」 2015.03.07


まるでステンドグラスのようにも見えるこの作品は実は切り絵
繊細な黒い線とやわらかな色彩のグラデーションが見る人を魅了します
特徴的な濃淡を生み出すのは手染めの和紙
独自の作風で切り絵の新たな可能性を広げようとするアーティストがいます
紙が織り成すファンタジックな物語
独創的なその作品作りと新たなチャレンジを追いました
今回は若き切り絵作家の夢のカタチ
京都市下京区五条
西本願寺の参道沿い京都らしい町家が軒を連ねる通りに立つ古い町家をリノベーションした2階建ての建物
1階にはカフェが屋根裏には小さなアトリエがあります
ここで製作活動をしているのが切り絵作家の佐川綾野さん
彼女の作品はいわゆる切り絵のイメージとはちょっと違います
2枚のアクリル板に挟んでフレームに収められた切り絵
繊細な黒い線
このやわらかな色のグラデーションは和紙を使って表現しています
重なり合う線と色が不思議な立体感を生み出しています
そして開いた本のページから物語が飛び出したような独特の図案
そこにはこんな思いが込められています
(佐川)私の切り絵を見て何かあの〜その人なりの物語が生まれたりだとかなんか寄り添えるような作品になったらなって思ってるので私の意思とかこういう意味で作ったからっていうんじゃなくて自由に受け取ってもらいたいなって思ってますね見てる側の人のものになったらいいなと思ってて…
空間を彩るアートとしてだけでなく見る人の心を豊かにする本のような存在になればという佐川さん
物語を書くように描きたいという彼女の作品作りに密着しました
まずは図案作り
本を片手に下絵を描き始めました
(スタッフ)物語を参考にしてるんですか?いやなんか私本のモチーフが多いので本の表情というかそういうのを取り入れるとすごく作品の物語性も雰囲気が出てくるので
ラフができあがるとトレーシングペーパーに写しながら切り出すラインを決めていきます
0.3ミリのペンで描くライン
この細さが佐川さんの繊細な作品を生み出します
描き終わったらいよいよ切り出し
ベースになる黒い紙は「色上質紙」と呼ばれる印刷用の紙の一種
やや光沢があり薄くて切りやすく丈夫で破れにくいのが特徴です
やっぱり薄いほうが切り絵は繊細な描写ができるので薄くて丈夫だとすごい助かります
使うのはデザインカッター1本だけ
極細の刃先で0.3ミリのラインを切り出していきます
切り絵はすべてのラインがつながっていなければ成立しません
ちょっとした刃の滑りで切り落とさないよう細心の注意を払いながら進めていきます
じっと目を凝らすとまっすぐな線に対して刃先を細かく揺らしながら切っています
直線ってすごく単調になりがちなので私はちょっとレトロな雰囲気とかを本の場合は出したいので刃を揺らしながら切ったりとかしていますね強調はさせないですけど気付かない程度にちょっと表情が出さないとって思って
僅か1本の線にも実に繊細な技とこだわりがあります
こうして切り絵の黒いベースができあがれば色付けです
佐川さんの作品の最大の特徴にもなっているのが和紙を駆使した色使い
ぼかしがかかってる和紙がすごくきれいだなと思うのでそのぼかしを生かして切り絵に色付けができたらなって思ってます
全国各地の産地から取り寄せるという手染めの和紙
ストックは500種類以上
ぼかしの模様や色の組み合わせ・厚さなどを合わせればその表現のバリエーションは無限にあります
色んな和紙を重ねてみてその中からイメージにピッタリの部分を選んでいきます
和紙を貼る作業が一番好きです同じぼかし使っても配色によって全然違う作品ができるんですね同じ図案でも悩むんですけどじっくり探したほうがきれいな濃淡とかが見つけやすかったり和紙の意外な顔が伝わるような気がします
使う部分が決まればパーツ1つ1つの型に合わせて切り取ります
そして裏面にのりを付けて貼り付けます
色に染められて少女は一気に生き生きとした表情になりました
線に縁取られた1箇所1箇所の色を選んで切り取っては貼り付けていきます
気に入らなければ剥がしてやり直すこともよくあるそうです
細かい作業を幾度となく繰り返しやっとできあがり
でも作品としてはまだ未完成
もう1つ欠かせない要素があります
やって来たのは大阪・梅田ロフトの額縁売り場
彼女の切り絵は額縁と合わせることで完成します
(佐川)切り出したあとの展示方法とか見方とかそれ込みでの作品…できあがりも考えてるのですごい相談に乗ってもらったりとか額をオーダーで作ったりすることもあるのでそういうのをほんとにいろいろ急に頼んだりとかハハハッ
2枚のアクリル板で挟むという独特の演出
そこから発展させた表現方法もあります
複雑でどこか奥行きを感じさせるこの作品
和紙を何枚も重ねているわけではありません
実は2枚の切り絵が1つの額の前面と背面に入っていて角度によってより一層立体的に見えるよう工夫されているのです
こちらはあえて白一色で描かれた作品
実は光を当てると背後にくっきりと影が浮かび上がります
影そのものを楽しむ作品
佐川さんは見せ方においても切り絵の新たな可能性に挑戦しています
持ちつ持たれつよろしくお願いします
今回仕上げた切り絵はこんなふうに額に収められました
うんいいなと思います額に入るとやっぱりほっとしますねあぁ作品になったっていう気がします
眠る前に本を読んでいた少女がいつしか本の中に迷い込んだ
そんなファンタジーの世界を表現するため和紙は薄くぼかしの淡いものを影が切り絵に重なるように額縁を選びました
やってみたいこととか狙いは結構うまく出たかなと思います誰かがちょっと気に入ってくれたらなって思います
佐川さんは1982年静岡県で生まれました
時計職人だったおじいさんに似たのか小さい頃からもの作りが大好きだったそうです
切り絵を初めて作ったのは中学生の時でした
久しぶりに静岡の実家へ帰省する佐川さんに同行させてもらうことにしました
ただいまあっおかえり〜どうしたん?
(佐川)いやいや帰ってきたいつまでいれんの?
実家は補聴器と眼鏡を扱う店
両親とお姉さん夫婦で営んでいます
それはそれは…
お父さん営業中だというのにシャッターを下ろして見せてくれました
(スタッフ)すごいねっすごいですよね大っきい実家で気恥ずかしかったんですけどうれしかったです
仕事の合間を縫って家族で昼食
帰る時は必ず佐川さんの好きな食べ物を用意してくれるんだとか
両親ともに忙しく1人で過ごすことも多かったという佐川さん
佐川さんが中学生の時に作った切り絵をお母さんは今も大切に保管しています
そこには驚きの作品が
力強い線と鮮やかな色使い中学生が作ったとは思えない大作です
このころからすでに和紙を使っていました
中学校ぐらい版画を見てで切り絵を始めたっていうか版画を見てすごくぼかしの色とかきれいだなと思って何か作りたいなって思った時に画材屋さんですごくぼかしの利いた和紙があったのでそれを使って切り絵を作ったみたいな感じでこれを見るとあぁ今につながってるんだなって思いますね
(スタッフ)見せられてどうでした?
切り絵がいつしかライフワークになっていました
京都の美術大学を経て切り絵作家として活動を始めたのが10年前のこと
そして去年念願だった自分のアトリエを持つことができました
佐川さんここがとても気に入ってるそうです
実はこの建物シェアオフィスになっているんです
不動産業や建築家・アクセサリー作家などさまざまな職種の人が集まっています
2階の中心にあるのは共有スペース
1人で黙々と作業を進める佐川さんにとってここで仲間たちと過ごすのが心安らぐひととき
徹夜しなきゃって思ってる時にどこかで徹夜してたらちょっと頑張ろうとか思ってやっぱり1人で引きこもってやってるとちょっと疲れるんですけどやっぱ人が誰かいて話とかできるとすごい楽しいです
居心地のいい環境を得て創作活動にもより一層意欲を見せる佐川さん
切り絵で意外なものも作っています
切り絵のアクセサリーにするために作ってるパーツですアクセサリーにすると女性がすごい身に着けやすいので
アクセサリーは切り絵のパーツを樹脂でコーティングして作ります
和紙は樹脂につけるとぼかしの部分が透き通ってキラキラと輝きます
びっくりしてくれますまず「和紙だと思わなかった」って言ってくれますしこれが切り絵だって知ると魔法を見るみたいに見てくれます
アクセサリーパーツを付ければ身に着ける切り絵の完成
佐川さんの願いどおり人に寄り添い暮らしに彩りを与える切り絵になっています
切り絵のイメージを変える佐川さんの作品とその世界観は徐々に注目を集め始めています
大阪市内にあるこちらは雑貨好きに大人気のお店
並んでいるのはオーナーがえりすぐったアーティストの手作り作品です
その中に佐川さんの切り絵がありました
切り絵だからこの作品っていうわけじゃなくて佐川さんの世界観の表現に引き込んでもらえるというか枠にとらわれないで広げていきたい世界っていうのは応援ずっとしていきたいなというふうには思ってます
最近は全国各地から切り絵教室の依頼も入るようになりました
この日は東京の作家仲間のアトリエで開催
皆さん切り絵を作るのは初めてです
和紙の色付けには誰もが夢中に
・あぁ〜きれい紫が…あぁ〜
この日切り絵からたくさんの笑顔が生まれました
切り絵が生活を楽しくするものになればそう願う佐川さんにとって絶好のチャンスが舞い込みました
この日佐川さんは神戸へ
訪ねたのは元町にあるフェリシモ
特に女性に人気の通販会社です
(佐川)はじめましてよろしくお願いします内村です
(佐川)よろしくお願いします
フェリシモでは毎月届くキットで暮らしや趣味をサポートするさまざまなアイテムを手掛けてきました
新商品として切り絵を使った12ヵ月間のキットを作るといいます
その商品開発に佐川さんに協力してほしいと依頼してきたのです
ギリシャ神話をテーマにした切り絵の絵本キット
届いた図案をもとに自分で切り絵を作ると自分だけの絵本が完成するそうです
暮らしを潤す本のような切り絵を作りたい
そう願ってきた佐川さんにとってまたとないチャンスです
誰かの生活の一部に自分のイラストとか自分の絵柄が入り込めるっていうのはすごくうれしいなと思ってそれが一番楽しみですね
毎月5作品12ヵ月で60作品のデザインとサンプル作りを担当します
暮らしに楽しみと彩りを添える切り絵のキット
どんなカタチになるんでしょうか?
この日切り絵作家・佐川綾野さんのアトリエにフェリシモの内村さんがやって来ました
今回共同開発する商品・切り絵キットの1ヵ月目のベースになる図案を見てもらいます
わりとこう幅が狭い…
(佐川)そうなんですよね実はね
デザインには大いに満足した内村さん
でも佐川さんならではの繊細な線に引っ掛かっているようです
(内村)かなり佐川さんの中では力を抑えてやって頂いてる部分が大いにあると思うんですけどもやっぱりあの〜とてもテーストを大事にしたいところはあるんですけどもあの〜難しい部分をできるだけ排除したいなというのはありますそういう魅力を残しつつ難易度を下げるっていうのが…
デザインとテーストはできるかぎり変えたくない
でも初めての人でも楽しく完成させられるようにギリギリのラインで試作を重ねます
難易度を下げるためラインを許せるかぎり太くしパーツは雰囲気を残して単純化する工夫をしました
何度も切って作ったのでなんか楽しんでくれるものになったらなって思います
そうして1回目の切り絵サンプルが完成
このテーストをベースに毎月5作品を作ることになりました
続いては和紙選び
佐川さんの切り絵の世界観を表現するうえで最も重要な要素です
今回徳島県にあるアワガミファクトリーという会社に協力をお願いすることになりました
1300年の歴史を誇る阿波和紙の手すきはもちろん手染めによる染色も手掛けています
佐川さんは和紙を選ぶためフェリシモのスタッフと工房を訪ねました
実は和紙を染色するところをまだ見たことがないという佐川さん
特別に職人さんの手仕事を見学させてもらえることに
わぁ〜ウフフッあっよく知ってるアコーディオンみたいにね
まず見せてもらったのは大きな和紙を四角く折りたたんで染料につける「板締め」と呼ばれる染色法
初めて見るその様子に佐川さん興味津々
たぶん中のほうに…
染料の温度や和紙にしみこませるタイミングまたその紙の特徴などを計算に入れないとこのぼかしは出せないといいます
こちらは「揉み染め
くしゃっと丸めて染料につけるだけ
簡単そうに見えて非常に難しく経験豊富な職人しかできない熟練の技なんだそうです
(佐川)すごいきれいにまだらになってて白いところもきれいですね思ったのと全然違う染め方でしたすごい色んな手があるのを知らなかったので皆さんにも和紙を使ってもらえる意味とかももっと深く感じたように思います
和紙の魅力を再確認した佐川さん
ますます創作意欲が湧いたようです
キット作りはいよいよ大詰め
毎月の物語のイメージに合うよう色を決めてサンプルを完成させます
小さい頃から親しんできた切り絵と和紙が誰かの暮らしに彩りをもたらすものになるよう思いを込めて
そして迎えた納品の日
(佐川)よろしくお願いします佐川ですこういう色になります
ギリシャ神話をテーマに作った切り絵キットのサンプル
月ごとのテーマ性を出すためにあえて同系色のぼかしでそろえることに
1ヵ月目は神々の王・ゼウスの若き日の物語
神話の神秘的なイメージに合わせたカラーを選びました
安心しましたまず誰かの生活の一部になれたら気軽になれたらいいなって思います
切り絵で作る物語
佐川さんの願いどおり作る人自身の生活を楽しく彩ってくれることでしょう
佐川さんの夢のツヅキは…
突き詰めることをしていきたいですいいものができたらたぶん広く誰かのもとに届くと思うので自分の納得できるものを1つ1つ作っていきたいと思ってます
ギリシャ神話切り絵の絵本キットは5月中旬に発売開始
毎月物語に合わせて切り絵シートと和紙が届き1年後にはオリュンポス12神の物語が完成します
本日はダイアンなり!今日は杭瀬にやって来てます2015/03/07(土) 11:00〜11:30
ABCテレビ1
LIFE〜夢のカタチ〜[字]/佐々木蔵之介 「京都の人気・女性切り絵アーティスト」

人生はいろんな夢でできている…夢追う人の輝く瞬間を佐々木蔵之介の語りで描きます。
今回は「京都の人気・女性切り絵アーティスト」です。

詳細情報
◇番組内容
京都二条城の近くにアトリエを持つ人気の切り絵作家・ayanoさん(本名・佐川綾野さん)。独特のメルヘンチックな作風で人気を呼んでいます。切り絵の概念を超えて新しい表現に挑戦する彼女の奮闘を追います。
◇ナレーション
佐々木蔵之介
◇おしらせ
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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