(テーマ音楽)
(風の音)
音を立て風が吹き荒れます
(風の音)
群馬県のほぼ中央にそびえる…
その麓にある前橋市
冬乾燥した強い風が襲います
(風の音)
上州名物空っ風。
山々から吹き降ろす北西の風です
最大風速が10m以上の日も少なくありません
すごい風だねこれは。
あれが赤城山?ああ。
寒い!あははっ。
いや〜風が強くて…。
(風の音)
昼から夕方にかけてひときわ強くなる風
(風の音)風が強いので乗ったまんまだとちょっとこげないから。
ほぼ毎日降りて。
帰りは向かい風なので。
冬はずっと空っ風すごいんで歩いてます。
行きは自転車で15分。
帰りは歩いて40分かかります
(風の音)
前橋には強い風の中で暮らす昔ながらの知恵が息づいています
古くからの農家が建ち並ぶ…
これ生け垣だよね。
高いなあ。
随分高いこれは生け垣だ。
こんにちは。
お掃除ですか?はい。
いや来てね驚いた。
これ随分高い生け垣ですね。
どのぐらいあるのかね?これ。
7〜8mあるなあ。
もっとあるか?もっとありますね。
何の木?この木は。
これ樫の木です。
樫の木?樹齢何年ぐらい?もう100年近くなるんじゃないですか。
あっそんなに。
このうち出来た時多分植えたもので。
北側の方のうちはこれが無ければもう屋根なんかすぐ飛ばされちゃう。
そんなにすごいんだ。
ひときわ高い生け垣樫ぐねです。
風から家を守るため冬でも葉が落ちない樫の木を植えています
風が吹きつける屋敷の北側や西側。
中には50m以上になるものもあります
高さや幅そして見栄えも競うように植えられています
ああせんていしてるよ。
ねえ。
ああやってやるんだ。
いや〜長いはしごだな。
お仕事中すいません。
はい。
いや〜怖くないですか?えっ?ははっ仕事だからね。
植木職人の石塚健司さん。
40年ほど前から樫ぐねの手入れをなりわいにしています
伸びた枝葉が近所の家に迷惑をかけぬよう年に一度入念に手入れします
はしごは樫ぐねの高さに合わせた手作りです
(石塚)俺が守ってるっていう感じもしますけど。
昔からね職人ですから親方から受け継いでコツコツと毎日同じ作業ですけどやっぱりきれいに仕上がるとうれしいですね。
石塚さんはおよそ30軒のお宅から手入れを任されています
昔ながらのやり方で樫ぐねを手入れする職人。
今では数えるほどになりました
俺にとっちゃ風があるからこれが残ってて仕事になる。
おけ屋がもうかってる植木屋がもうかってると同じで。
俺も体が元気な続くかぎりはやってこうと思ってますけど。
まあ大丈夫でしょう。
頑張ってやりますむち打って。
(笑い声)
畑仕事も風との闘いです
農家の斉藤禎さん。
およそ60アールの畑で小麦を作っています
これは麦踏みです。
専用のローラーで苗を押さえつけていきます
茎や葉を痛めつける事で強風にも負けない丈夫な麦を育てるのです
かつては家族みんなで麦踏みをしていたと言います
1回踏んだらこうやって踏んだらこう隙間がないように。
隙間のないように。
歩くんだけどこうやったらこの隙間また埋めてく感じで。
簡単なように見えるけど。
楽に見えるけどねこれだけの面積やるのは容易じゃないですよ。
押しつける事によって風が吹いても飛ばなくなるんですよ。
そういう効果もあるんだ。
ははぁ。
押しつけて麦そのものを元気にするのと土は飛ばないように。
そうですね。
いわゆる土を固めるんじゃないんだけども。
麦踏みのこの時期斉藤さんが楽しみにしている事があります
(斉藤)どうも〜。
お世話になります。
こんにちは。
今日はどうも。
お世話になります。
ご苦労さまです。
近所の農家で開かれる手打ちうどんを楽しむ集まり
使っているのは地元でとれた小麦です
昔米が貴重だった頃この地域の主食は小麦で作ったうどんでした
この日振る舞われたのは幅の広いうどんと野菜を煮込んだおきりこみ。
群馬の郷土料理です
はいどうぞ。
寒い風で凍えた体を温めてくれます
俺らガキの時はず〜っと足踏み足で毎日足踏みでね。
がに股でさこういう…。
昔ながらの味に舌鼓。
思い出話に花が咲きます
(斉藤)懐かしい味っつうんかな。
うどんとかおきりこみ両方やったがね。
我々が生産した麦なんで大いに味わいたいと思います。
冬場吹き荒れる強い風。
この風を楽しむ人たちがいます
高々と舞い上がる大凧
赤城凧の会のメンバーです。
会員は13人。
農家や会社員など職業はさまざまです
もう作る楽しみと揚げる楽しみ2つあるんですけどね。
揚がった時は最高にうれしいですね。
う〜んやっぱり揚がる時のあの綱の重みはすごいですよね。
自分も行っちゃう感じですよね空へ。
ちょうどいいです風合ってて。
ぴったりいってる。
この会の会長…
(狩野)一般の方はない方がいいでしょうけど我々は風があった方がいいんですよね。
いろんな楽しみ方があって自分で作ったものを自然の中で風と遊ぶってのが凧の面白さじゃないかと思うんですけどね。
狩野さんの自宅にある凧作りの工房です
この辺りでは江戸の頃から大凧揚げが盛んでした
特徴は縦横に加えひし形の骨組みもある事。
上州の強い風に耐えるための工夫です
一時は廃れていた大凧。
しかし狩野さんたちが30年前会を立ち上げ大凧作りに取り組んでいます
これまでに作った大凧は30枚に上ります
なかなかねえ風は気まぐれなんでね。
なかなかピッタリした風が吹いてくれないんですね。
風は生きてるんじゃないんですかね。
凧を作る腕で風に負けないように風を乗り越えなくちゃいけねえと思って。
2月中旬利根川沿いの河川敷で開かれた凧揚げ大会
じゃあ覚えようか。
指を2つ入れて上に向けるでしょう?そしたらここ寄せて一緒に。
輪っか寄せちゃって。
狩野さんは子供たちに手作りの凧を配り揚げ方も教えます
これは紙なんで伸びちゃうんで補修すれば何回でも揚げられるから。
離すよ。
うんいいよ。
ほらこんな速くなったよ。
うわあ!上行ったね。
よそ見してたらあんなに遠くに行っちゃってるよ〜!
この日の目玉は畳25枚分という大凧
50人がかりです
風を見極めながら凧を揚げるタイミングを図ります
はい行くよ〜!
(ホイッスル)
3か月かけて作った自信作でした
失敗だ。
参ったなあ。
どうするかな。
駄目だなあ。
・まあこういう事もあらあな。
この日は風にもてあそばれました。
それでも上州男はめげません
(狩野)風は怖いものですよね。
でもうまく使えば楽しいもんなんですよね。
まあそういう事を考えると当分やめるわけにいかないのかなって。
やりたいと。
(ホイッスル)
風と闘い風と遊びます
(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2015/03/07(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「風に吹かれて〜群馬県 前橋市〜」[字]
上州名物、空っ風。冬、群馬県前橋市には、赤城山からの強い風が吹き荒れる。町には風から家を守る知恵が伝わる。その強い風を楽しもうとする人の姿も。風の町を訪ねる旅。
詳細情報
番組内容
上州名物、空っ風。冬、群馬県前橋市には、赤城山からの強い風が吹き荒れる。町を歩くと目に付くのは、かしぐねと言われる生け垣。風から家を守るためにかしの木が植えられ、その高さは、10mにもなります。手入れするのは、この道40年の植木職人。小麦農家は、風に負けないように、麦を踏みつけ根を張らせることで苗を強くします。町では、たこ揚げを楽しむ姿も。空っ風を受け、たくましく、楽しく生きる人たちに出会う旅です
出演者
【語り】国井雅比古
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:17803(0x458B)