伝える極意「ありのままを表現しよう!」 2015.03.06


「男子行けよ!」。
「そうだよ」。
「おれこわい」。
「おれも」。
「なんだよさっきまで強がってたくせに!」。
静岡県下田市立浜崎小学校の6年生は自分たちが経験したことを短い劇寸劇で発表することになりました。
本番まであと2週間。
でもいろんななやみがあるようです。
おもしろくないし…。
そんなみんなに寸劇のやり方を教えてくれるのは俳優の宇梶剛士さん。
19さいのときにデビュー。
以来さまざまな役がらでドラマやえい画に出えんしてきました。
(宇梶)ぼくは劇とかぶたいとかえいぞうとかもちろん俳優っていう仕事をやる中で知っていったのは必要のない人は一人もいない。
宇梶さんの極意を知れば見ている人の心に伝わる寸劇ができるようになりますよ。
伊豆半島の南にある静岡県下田市。
今回寸劇にちょう戦するのは浜崎小学校の6年生30人です。
こんにちは。
(みんな)こんにちは。
失礼いたします。
何この静けさは?宇梶剛士です。
仲よくやろうぜ!
(みんな)オ〜!いい感じ。
じゃあ始めましょう。
しばいっていうのは劇を作ることでどんなことをみんなに伝えたかったのかっていうこと。
そこにはわざわざやるだけの伝えたいものがあるはずなんだよ。
テーマっていうんだそういうのをな。
だからそれぞれにタイトルがあるでしょ。
タイトルに対してテーマをつけてほしいんです。
5つの班に分かれて練習してきた寸劇。
もう一度何を伝えたいかをハッキリさせるためテーマを短い言葉にすることにしました。
この班は運動会のとき5年生とチームを組みむかでリレーでゆう勝を目ざしたことを劇にします。
勝ちたいっていう気持ちはあの劇の中でチームは持ってたんだよね。
仲が悪いと全然勝てないじゃん。
じゃあ勝つためにはどうするべきだった?ケンタ。
協力する。
それをひと言でもふた言でも長くなってもいいから考えてください。
勝てなかったむかでリレー。
この経験から伝えたかったことを見つけるために「どうして?」と自分たちに問いかけ続けました。
短い言葉で表すテーマ。
むかでチームが行き着いたのは「仲よく協力する」です。
ほかの班も決まったようです。
一応これで伝えたいものというのが加わった。
これでわりとハッキリしました。
ここからが新たなスタート。
これにそって台本をもう一回見直そう。
起。
起承。
転。
結。
起承転結ってこれが台本書くときにほねだと思って。
みんなほねあるでしょ?体の中に。
見えないけど。
ほねというのは見えないけれども体をささえてる。
ほねの周りを肉とか皮ふが囲っていて見える。
これが物語だと思って。
だから物語も周りばっかりじゃダメだ。
中にほねがあって初めて歩けるし止まれるしとべるし着地もできる。
これが物語のほね。
起承転結。
例えば運動会。
勝つためにはまず仲よくならないといけない。
勝つって「イイナ〜」でしょ。
結果だ。
こういうことね。
仲がいいことがテーマ。
仲よしっていいってことがテーマだからその反対のシーンを作ってほしいんだ。
伝えたいことを表す物語の結。
これを印象づけるための転には結と反対の場面を作る。
宇梶流物語作りの極意です。
仲よくなることを結としたむかでリレーの劇。
その反対の転としたのは?「バタン!」。
「121212」。
「もう少しでゴールだ」。
「バタン!」。
「もう少しだったのになんでこけるんだよ!」。
「5年生ちゃんとやってよ!」。
「バ〜カ!」。
5年生と6年生が大げんかするシーンを加えました。
一方まだ転をどう作ればいいのかなやんでいるグループがありました。
「あっ!」。
「何何?」。
「どうしたの?」。
「うちのくつがない!」。
くつをなくしてしまった主人公。
友だちはみんないっしょうけんめいさがしてくれます。
でもそれはふざけてのことでした。
自分がかくしていたと主人公が告白したところ…。
「いつまで泣いてるんだよ。
ちょっとこっち向け」。
「アハハハハ!」。
「何笑ってんだよ?」。
「バカじゃないの。
みんな何引っかかってんの?この事けんうちがみんなをこまらすためにやったのさ」。
「おまえふざけんなよ。
もう行こう」。
「あ〜ちょっと待って。
みんなごめんね」。
「知らねえよ」。
「ここで事けんがかい決できましたがマミさんはみんなからの信頼を失いました。
おしまい」。
(はくしゅ)この班のテーマは「悪事を働いても得る物はない」。
これを伝えようと物語を作ったものの転が思いつかず起承結となってしまいました。
そこで宇梶さんは…。
みんなが作ったお話では最後にウソぴょんみたいなことであったらみんながもうどっか行っちゃったわけじゃない。
マミがこの物語で最後一人になったじゃん。
あのときマミどう思ったのかな?そういうのなんて言うの?後悔だよな。
マミが本当になくしたものはなんだよ?そう!そこからまたなんかできること。
こうやったらもっとおもしろいってことをまた考えてこうな。
伝えたいことをもう一度見直すよううながしたのです。
「信頼を取り戻す」。
新たなテーマ結が見つかりました。
すると転が見えてきました。
次の日台本をもとに立ちげいこを始めます。
おはよう!
(みんな)おはようございます。
今日は…けいこを始める前まずプロの俳優もやっているワークショップを行います。
後ろ向いてたおれるから拾ってね。
ユウスケ後ろにたおれたら本当に受け止めてね。
受け止めないとけがする。
大けが。
じゃあいきます。
まだまだ。
みんな気持ちそろえてから。
後ろ見ない。
後ろ見ないで「いきます」って言う。
いきます。
「はい」は?はい。
ダメ。
そろってない。
もう一回「いきます」って言って。
いきます。
(みんな)はい。
いいよ。
じゃあ交代。
「いきます」ってちゃんと声。
いきます。
(みんな)はい。
ほら信頼できてないから動いちゃうんだ。
劇はメンバーのだれ一人欠けてもうまくいきません。
全員が気持ちを合わせて1つの空間を作り上げます。
そのために信頼が欠かせません。
いきます。
(みんな)はい。
いよいよしばいのしかたを伝えます。
宇梶さんがたいせつにしていることを自らえんじて見せてくれることになりました。
言って。
どうぞ。
「おい剛士。
あしたおごってやるからカレーいっしょに食べに行こう」。
宇梶流の極意。
それしだいで伝わる印象が変わります。
「カレー食べに行こう」。
「うん!」。
おれたちは仲悪く見える?
(みんな)見えない。
見えないでしょ。
こういうことなんだよ。
ヨウヘイと仲がよくないおれだったら…。
はいスタート。
「おい剛士。
カレーおごってやるからいっしょに食べに行こう」。
なんにもやってないでしょ。
体の向き変えただけでしょ。
向いて「うんうんうん」ってこれだけですごく仲がいいか仲がよくないかっていうことが表げんできるわけ。
「せ〜の!」。
セリフにどう反応すればいいのか。
班ごとに個別指導を行います。
言われたほうが「ちゃんとやれよ!」って言われたら「チェッ!」って。
こうね。
「ちゃんとやれよ!」。
「チェッ!」。
「もう少しだったのになんでこけるんだよ!」。
「5年生ちゃんとやってよ!」。
「バ〜カ!」。
「しょうがないじゃん」。
「6年生が速すぎるからだよ」。
ちょっと待って。
あんたたちうまいよ。
だからオーケーなんだけどせっかくこうやっておされたんだからそれをちゃんと受け止める。
おれのことここぶって。
うん。
もう一回。
いたい!なんで本気でぶつんだよ!…ってやるとすごく強くぶたれた感じする。
ちゃんと受けて。
それぞれの受け方でいいから。
「5年生がちゃんとやればこけないんだよ!」。
そうそう。
…ってな感じ。
こちらは修学旅行の様子を劇にしたグループです。
みんなのつりかわの高さが全部ちがうんだよ。
つりかわって全部同じ高さにあるから。
つりかわ持って。
高さ合わせて。
アラちょっと下げて。
カンタも下げて。
アラももうちょっと下げて。
8時間をこえるレッスンが終わりました。
本番がんばるぞ!
(みんな)オ〜!宇梶流寸劇の極意。
伝えたい結を印象づけるため転で結と反対の場面を考えてみましょう。
セリフへの反応を意識する。
それしだいで伝わる印象が変わります。
となり町の下田市立白浜小学校の6年生たちがやって来ました。
やがて同じ中学に通うことになります。
そこで劇を通して自分たちのことを知ってもらえればと思っています。
(はくしゅ)「1212。
あ〜!」。
「あ〜!」。
「もう少しだったのになんでこけるんだよ!」。
「5年生ちゃんとやってよ!」。
「ごめん。
言いにくいんだけど」。
くつがなくなった事けんを劇にしたグループ。
友だちの信頼を失った主人公。
物語はここから新たなてん開をむかえます。
「なんで?おれたちをだましたんだよ」。
「そうだけどだましたけどすなおに言ってくれたじゃん」。
このままで本当にいいのか…。
「ちょっと声かけてみようかな」。
「え〜っ!」。
「行こうよ」。
考えた末に友だちのほうから歩みよります。
「ねえいっしょに遊ぼう」。
「いいの?」。
「うん」。
「この間はごめんね。
ふざけすぎた」。
「わたしたちもごめんね」。
「わたしたちだってふざけるときあるもんね」。
おたがいがあやまり信頼を取り戻すシーンを作りました。
「ぼくたちはこのようなことを何度もくり返しながら仲よしになりました。
めでたしめでたし。
おしまい」。
(はくしゅ)うまくいってよかったね。
2015/03/06(金) 01:20〜01:35
NHKEテレ1大阪
伝える極意「ありのままを表現しよう!」[解][字]

小学校高学年向け国語・総合的な学習の時間のための番組。子どもたちが文章、話し方、映像などの表現手法に挑戦、自分の考えを伝える「極意」を、表現の達人に学ぶ。

詳細情報
番組内容
宇梶剛士,【語り】小山茉美 〜静岡県で収録〜
出演者
【出演】宇梶剛士,【語り】小山茉美

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
ドキュメンタリー/教養 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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