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シンギュラリティ(技術特異点)の見解。《2045年問題》

シンギュラリティ(技術特異点)は、2045年問題ともいわれ巷で話題になっている。その概要というものは「2045年に人工知能が人の知能を超える」、つまり人工知能が優秀すぎるせいで職を奪われることが問題視されている。

 

私は以前にも同じような記事を書いたが、 JironBachさんから下記のサイトを紹介されたのでもっと詳しく考察していこうと思う。


機械が人間の知性を超える日をどのように迎えるべきか?――AIとBI / 井上智洋 / マクロ経済学 | SYNODOS -シノドス-

そもそもシンギュラリティは「ムーアの法則」により予測される。

ムーアの法則と呼ばれる有名な格言によれば、1つのチップ上の部品数は約2年ごとに倍になるという。

  (量子コンピュータとは何かの58ページより)

ムーアの法則は厳密なものではないので、より正確には「ムーアの観察とムーアの予想」と呼ぶべきだ。この法則は、インテル社の共同創業者ゴートン・E・ムーアが、フェアチャイルド・セミコンダクター社の研究開発部長だった1965年に言及したものだ。彼はICチップに収容できるトランジスターなどの部品の数が、少なくともこれから10年間には年に2倍ずつ増えていくと語った。直接確かめたいなら、ムーアの論文”Cramming More Components Integrated Circuits,"Electronics 38, no.8,April 19,1965を参照のこと。

  (量子コンピュータとは何か の257ページより)

 

チップ上の部品が増えるということは、その分、部品が小さくなるということだ。もし部品が量子レベルまで小型化したら、「量子的不確定性」によりチップ上のものは決定論的にならなくなる。0と1がはっきりしない、それはコンピュータの限界点ともいえる。

しかし、1980年代初め、故リチャード・ファインマンや、ポール・ペ二オフといった何人かの物理学者が、「量子的不確定性」を活用すればかつてない能力を持つ装置を作れるかもしれないと考えはじめた。

それが「量子コンピュータ」である。

量子コンピュータは従来のノイマン型コンピュータとは違い。量子的不確定性を使い並列処理ができる。それは、従来のコンピュータが何千年かかっても解けないような計算でも、数秒といった短い時間で解いてしまうことを意味する。

ネットワークのセキュリティが破られてしまうのである。さらに、量子コンピュータの処理速度なら完全な人工知能を作ることもできるだろう。

 

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ムーアの法則は量子コンピュータを編み出しさらに、完全な人工知能の可能性をしめしている。これはコンピュータの限界点が量子だと推測し、それを回避することを考えたときに生まれる思考である。つまり、技術の進歩を求めようとするなら完全な人工知能ができてしまうのである。

 

量子コンピュータはD-waveという量子コンピュータの先駆けが開発されている。それは従来のコンピュータとの処理能力はあまりかわらなかったが、Googleは量子コンピュータを本格的に開発しようとしている。

 

なぜ、そんなに量子コンピュータにこだわるのかと言うと、1つにはコンピュータセキュリティの素数暗号が破られてしまうからである。それは銀行・ATMのデータをいかに楽に改ざんできてしまうものであるので、誰かが開発する前に開発したいのである。もし、量子コンピュータができてしまったら従来のセキュリティは使えないので「量子暗号」というものが考えられている。

 

これは人間に限ったことではない、完全な人工知能にもあてはまる。完全な人工知能は某国のミサイル発射ボタンを楽にしてオンにできるのである。さらにその人工知能が暴走すると、ネット上のすべてのデータを改ざんなんてこともありえるかもしれない。かのホーキング博士は人工知能の危険さを危惧した。ビル・ゲイツも人工知能の危険さを言っている。

 

コンピュータは感情をもたないからそんなことはありえない。論理的にプログラムされたことをする。という意見がでそうだが、それはロジャーペンローズの「量子脳理論」がある。量子脳理論は人の脳が量子コンピュータに近いものと予測するものである。脳科学者の茂木健一郎もやはり人の意識は、ニューロンの発火という量子レベルのものが関わっていると述べている。

 

人に感情があるように、量子コンピュータをつかって出来た人工知能は感情が生まれるかもしれないのである。もちろん、感情がある人工知能は人間より優秀だ。もし、そんなことがおきたら人間の存在価値がなくなってしまう。人間がチンパンジーを見るように、完全な人工知能は人間をそのようにみるだろう。

 

人間社会は人工知能が創り出す社会にのっとられるのである。これが一番危惧するところ、2045年問題のシンギュラリティ(技術特異点)の問題である。

人は貪欲に新しい技術を求めている。ガラケーからスマートフォンに変わったのはその一例といえよう。だから、コンピュータの限界、現在の人工知能の限界を突き進めようとするなら、この問題は確実におきてしまうのである。

 

では、この問題をどう迎えるかというと、私にはわからない。ホーキング博士は、別の惑星にコロニーをつくるべきであると言っている。この問題に対してその規模の対策は妥当だと私は思う。人工知能を作らないことが一番なのだが、はっきりいってそれは無理だとおもう。では、ホーキング博士の案を推薦すべきなのか。やはり、それは「未来になってみないとわからない」のである。

 

ペンローズの“量子脳”理論―心と意識の科学的基礎をもとめて (ちくま学芸文庫)

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