人類が月面に降り立ち半世紀近くが過ぎた。
今世界各国が熱い視線を注ぐのは…狙うはその天然資源だ。
日本も火星用無人探査機の開発を急ピッチで進めている。
大気が薄い火星。
目的地まで正確に飛び続けるには優れた翼が欠かせない。
そこで紙飛行機だ。
動力のない紙飛行機の飛び方は翼の形状で決まる。
ひたすらまっすぐ飛ぶ紙飛行機が出来れば新たな無人探査機につながる。
だからこよいは紙飛行機対決!昆虫の飛び方を知り尽くすムシ博士。
自力でロケットを打ち上げた天才アイデアマン。
(池田)今度は行きました!究極の紙飛行機。
人類の夢へテークオフ!こんばんは!「超絶凄ワザ!」でございます。
今回は紙飛行機対決です。
遠くまでまっすぐ正確に飛ぶ究極の紙飛行機を作って頂きます。
ちょっとね紙飛行機って聞きますとお遊びっぽい感じもしますけど。
翼の性能。
これが非常に重要になってくるんですね。
飛行機の全てのその原点にこの紙飛行機があると言っても過言ではない。
特に男の子は漏れなく好きですから。
ジュニアさんもそうですか?今日は楽しみですね〜。
1組目。
何でもその男はムシに魅せられているという。
確かに風変わりな研究室だ。
金沢工業大学教授…昆虫やムシなど小さな生物の飛び方を30年近く研究してきた。
彼が開発した小型飛行機はJAXAにも認められた。
火星探査機の開発にも加わるキーパーソンだ。
岡本は根っからのチャレンジャー。
321ゴー!2組目。
北海道の大地に世界が注目する男がいる。
天才アイデアマン…大学で航空力学を専攻し宇宙開発会社を立ち上げた。
89…。
(発射音)なんと!自力でロケットを打ち上げた。
その才能にNASAも注目。
次世代スペースシャトルの開発チームに招かれた。
(発射音)今開発するのはロケットに翼がついた…宇宙から発射地点まで正確に戻る機体を目指している。
絶対に飛ばすぞ。
(一同)オ〜!さあ非常に楽しみな対決でございますがまずはですね岡本さん。
あれふだんからトンボのいろんなものを調べてはるんですか?そうですね。
特に今は昆虫の飛翔に非常に興味があるので。
でも岡本さんの力でなんとかゴキブリだけ飛ばないようにできないですか?
(笑い声)そうですね。
ねえ。
さあ対します北の国からロケット隊植松さん。
やっぱりロケットが好きで?
(植松)はい。
へえ〜。
何なんでしょうその魅力っていうのは。
あんなにひたむきにただ重力に逆らって全力で上に上がっていく機械見た事がないんで。
はあ〜!ロマンがありますね〜。
はあ〜なるほど。
そこに魅力があるんですね。
そんな両者がぶつかり合う舞台をご紹介しましょう。
それがこちらです!名付けまして「2014宇宙の旅」!すごいこれ。
一直線に伸びる全長20メートルのトンネル。
縦横僅か1メートル!天井や壁に当たればアウト!まっすぐ最後まで飛びきった飛行機が勝者となる。
それぐらいの狭さに作っております。
20行ったらほんま奇跡やな。
それでは百万石飛翔隊の紙飛行機作りに迫ります。
最初は飛距離を伸ばす事。
ここに挑みます。
開発初日。
どうすれば飛距離を伸ばす事ができるのか。
その手がかりを探る。
ムシ博士岡本がひらめいた!トンボだ!実はトンボは安定して飛ぶために空気抵抗を減らしている。
その秘密は羽根にあるという。
トンボの羽根の断面。
波の形をしている。
紙でトンボの羽根を再現。
尾翼にする。
こんな翼見た事ない。
これで空気抵抗は減らせるか!?へこんだ部分に注目。
渦が巻いている。
この渦の回転によって空気が翼に沿って流れるようになった。
これはまさに飛行機の流線型の翼が空気抵抗を減らすのと同じ働きだ。
名付けて…見事空気抵抗を抑えきった!早速テスト飛行。
飛距離は?目標の20メートルには届かない。
さあ先生どうする?一方…リーダー植松努。
飛距離を伸ばすため軽量化を目指す。
まずは紙選びだ。
強度があり何より軽い。
そして機体のデザインに取りかかる。
向かったのは…。
いいですね〜!確かにアイデアが湧いてきそう。
やがて一つの答えを導き出した。
なんと尾翼を無くすという。
その分機体を軽くでき空気抵抗も減るはず。
植松はそうにらんだ。
いけそうですな。
よし。
機体のほとんどが主翼という常識破りの飛行機だ。
ねらいどおり飛ぶのか。
手作りの発射装置で飛ばす。
いきます。
321。
飛距離15メートル。
百万石飛翔隊と並んだ。
しかし問題が…。
これでは狭いコースの壁に激突してしまう。
さあ出口は見つかるか?百万石飛翔隊飛距離は伸び悩んでいた。
試行錯誤を続ける岡本。
もう後がない。
岡本一か八かの作戦に打って出た。
主翼の横幅をなんと4センチもカット。
浮き上がる力が弱まり失速してしまう恐れはあるが空気抵抗は更に減るはず。
たとえピンチでも奇想天外なアイデアを繰り出す岡本。
学生たちも脱帽だ。
岡本が全てを注ぎ込んだ紙飛行機。
突破口は見えたのか?植松見せたいものがあるという。
無尾翼機ではない…。
なんと尾翼がある!植松はまっすぐ飛ばすため全てを一から見直した。
あんなに追い込まれてもギリギリまで最善の策を追求する。
それが植松の真骨頂だ。
さあまっすぐ飛ぶのか?ではいきます。
321。
よし!まっすぐ飛んだ。
しかし植松は満足しない。
揺れる尾翼。
胴体のゆがみが伝わり左右にブレている。
これをなくせばより遠くまでまっすぐ飛ぶはず。
すぐに修正する。
再びテスト。
321。
見てほしい。
尾翼は…全くブレていない!見事だ!ファンタスティック!しかしこのあと更に驚きの展開が!さあその完成品見せて頂きましょう。
植松さんお願いします。
ケースに納められています。
ええ!全然ちゃいますやん。
完成品ですね?植松さん。
植松さんこうなってきたらさっきの…取材した時とまた形が進化しています。
ええ!全然ちゃいますやん。
(植松)さっきの機体は上に垂直尾翼があったんですけど…。
ありました。
あれがいかにブレないようにするかって事で悩んでたんじゃないですか。
(植松)でもそれがこの大きな主翼の陰に隠れてしまって方向安定が全く出なくなってしまったんですね。
方向を安定させるための尾翼。
しかし下からの風が主翼で遮られまっすぐ飛ばない。
そこで尾翼を下につけ安定してまっすぐ飛びやすくしたのだ。
すごいね。
だからVTRでこれ撮れませんでしたから僕言うときますよ。
凄ワザだ!ありがとうございます。
頂きました。
対する…こちらも更なる改良を施していた。
(岡本)あっここですか?これはちょっと今こういうふうに折れてますがこれタブといいまして全ての部分を触らずにここだけで最終調整をしてるんです。
こいつを起こしたり倒したりする事で全体の調整をとるんですか?
(岡本)はいそうですね。
さあそれではまいりましょう。
「2014宇宙の旅へ」。
植松さんセッティングをお願いします。
(植松)はいいってきます。
チャンスは3回。
さあ北の国からロケット隊の挑戦だ。
いかがですか?今のお気持ちは。
緊張してま〜す。
そこ緊張するでしょう。
すごい嫌です。
改めてやっぱ1メートル1メートルって狭いですよね。
狭くて長いです。
さあ20メートル地点で待ってますんで是非飛ばして頂きたいと思います。
それではお願いします。
いきました。
少し上側か?ああ…。
想定外!5メートルで天上に激突!今のはどういう事やったんでしょうか。
待ち時間の間にきっと尾翼とかが少しゆがんでるんだと思います。
そういう事ですよね。
湿度とかいろんなものがこれもう本当に左右しますから。
植松にプレッシャーがのしかかる。
よし…いきます。
はい。
それではお願いします。
さあ発射された。
これもやや高い滑空ですがかなり距離は伸びています。
ああ…!ああ!くそ…。
飛距離は大幅にアップ。
あともう少しだ。
さあ植松さん仕上がってきましたね。
はいもう一ふんばりです。
ねえ!これがラストチャンス。
植松賭けに出る。
(植松)はいセット完了。
いきますか。
それではお願いします。
ああ!
(植松)しまった!天井にぶつかってしまいました。
北の国からロケット隊宇宙の旅…ならず。
スピード上げると上にいくのは分かってたんですけれどもここまで上にいくとはちょっと思わなかったので。
はあ〜…だから本当微妙なとこなんですね。
左右のブレは一切なかったですから。
まっすぐは飛んでましたね。
まっすぐ飛んでましたからね。
もう思い切っていけと思いました。
すばらしい飛行を見せて頂きました。
ありがとうございました。
(拍手)さあ百万石飛翔隊の挑戦。
難攻不落の20メートル飛ばせるか?さあ岡本先生どうですか?非常に緊張してます。
さあそれではお願いします。
発射されました。
うわあ!うわあ!あ〜っという間に…。
5メートルで急旋回壁に激突!やはり無理か?ドライバー。
土壇場での微調整が始まった。
台の傾きスピード翼の角度全てを見極める。
(岡本)オッケー。
さあ勝負だ!それではお願いします。
いきましたまっすぐいった!いきましたいきました!もう20メートル越えた!いきました!すげえ!すげえ!いきましたまっすぐいった!いきましたいきました!もう20メートル越えた!いきました!すげえ!百万石飛翔隊20メートル到達しました!宇宙の旅…なった!先生いきましたね!
(岡本)何とかまあ飛行は成功しました。
いやいや冷静すぎますって!20メートルですよ。
あっそうですね。
しかし見事20メートルいきました。
すばらしいです。
(拍手)本当にここに至るまでかなりたくさん作ったのでまあ結構大変でした。
さあ両者の飛行が終わりました。
記録改めて振り返りますと…。
という事で紙飛行機対決勝ったのは百万石飛翔隊の皆さんです。
(拍手)さあ改めて岡本先生いかがですか?いろんなアイデアが…まあ私は今は生物に非常に興味があって特に昆虫に興味があるんですけどそういうのを工学的に応用できるものを考えていきたいなと。
そういうのを取り入れていくともっと飛行機は面白くなるんじゃないかなというふうに考えています。
でもやっぱり僕がうれしかったのは2つ全然違う形になったのがすごくうれしくて…。
そうですよね。
全然違う形でしたよね。
やっぱり正解にいくにはいろんな道があるんだよって事をねこれも示したような気がしますんでね。
道は一本じゃないんでね。
奇跡の大飛行。
未来へ向けて翼は進化し続ける。
お〜すごいですね。
この先生の工作技術に脱帽です。
(岡本)これ面白い。
これもっと面白い。
じゃあみんなの健闘をたたえてせ〜の…よっ!2015/03/05(木) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!「名勝負再び 宇宙に挑め!究極の紙飛行機対決」[字]
長さ20m・縦横1mの極狭トンネルを飛びきる紙飛行機対決。トンボの羽をヒントにした金沢工大とロケット開発会社が、常識破りの翼で奇跡の飛翔を見せる。名勝負の凝縮版
詳細情報
番組内容
紙飛行機の常識を覆し、ひたすらまっすぐ飛ばす対決。舞台は全長20m・縦横1mの極狭トンネル。この超難コースを飛び切る紙飛行機を目指す。名乗りを上げたのは、昆虫や鳥の飛行形態を研究する金沢工大と、NASAも認める天才アイデアマン率いるロケット開発会社。あの名勝負をギュッと凝縮してお伝えする。果たして20mを飛び切る“奇跡”を起こすことはできたのか!?
出演者
【出演】挑戦者…金沢工業大学,植松電機,【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】千葉繁
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
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