(女性)《ごちそうさまでした》
(五月)《ありがとうございました》
(五月)死んだお父さんのレストランは今きっさ10っていう名前の喫茶店になってて。
親戚が経営してるの。
私はそこで5時までアルバイトをしながら図書司書になる勉強を始めようかなぁなんて考えてた。
店に入るなり彼が言ったの。
(村)《あの。
この近くに図書館はありますか?》
(五月)《えっ?》
(五月)そこは私が15分後に向かう場所だった。
彼は東京の旅行代理店に勤めていて北陸新幹線の開業に合わせたツアーの企画で視察に来てたの。
(五月)1回目2回目は仕事のついでに3回目から先は私に会いに来てくれた。
村君はこのちょっとの間に東京の家ときっさ10の間をもう32回も往復したの。
(村)お二人のことは何でも話せる友達だって聞いてます。
言っていいんだよね?
(五月)言わなくていいよ。
(鏡子)えっ?何?何?
(村)言うよ?
(五月)言わなくていいって。
(たま子)何でも話せる友達です。
プロポーズしてます。
(五月)もう。
返事はまだもらってないんですけど。
何で言うかな?もう。
何?何で?たたかない。
(奈々美)じゃあ田中。
(たま子)はい。
(奈々美)私帰るね。
(たま子)はい。
ああ。
後で連絡します。
(奈々美)うん。
(ハイジ)そのポトフ作った人だもんね。
(千佳)うん。
(藍里)っていうかあの彼氏さん。
(藍里)私がこの5年間で目にした中で一番カッコイイです。
(ハイジ)何耳出してんの?人のよ。
備えあれば憂いなしです。
備えっ放しじゃ困りますけど。
(結実)私大器晩成なので恋愛においてはセザンヌタイプです。
(千佳)死後評価されるタイプかもな。
(藍里)ゴッホ。
(結実)死後モテる女ってどうなんですかね?
(ハイジ)とにかくあなたの出る幕じゃないから。
藤村さん幸せそうじゃないの。
(藍里)ですよね。
(結実)ごめんなさい。
もうランチ終わってしまって。
ドリンクでしたら。
アハハ。
(ハイジ)恭平!?
(恭平)おう。
兄ちゃん。
(ハイジ)結婚おめでとう。
(恭平)何で欠席なんだよ?
(ハイジ)あっ。
それは。
(恭平)おじさんもおばさんも隠してやがった。
(ハイジ)だからそういうことよ。
(恭平)絶対出席しろ。
(五月)お母さん?どこにいるの?すごい量?巻き込まれてる?えっ?流されてる?
(たま子)竹下通りじゃない?
(五月)竹下通り?じゃあ待ってて。
勝手に動いちゃ駄目だよ。
駄目だって。
いや。
来れないって。
(通話の切れる音)
(五月)あっ。
切れた。
行ってくる。
(五月)うん。
ごめんね。
(村)ううん。
(たま子)おばちゃん相変わらず?
(五月)昨日から村君ち泊まってるんだけど。
着いて3分でお風呂掃除始めちゃって。
(たま子)ウフフ。
(五月)さっきの話もまだ返事してないんだけど。
式はいつするんだとかうるさくて。
(鏡子)村さんすてきな人じゃん。
(五月)うん。
資格取ろうと思ってやっと動きだしたとこだし。
うん。
(たま子)そっか。
五月ヶ懐かしいなぁ。
あのこと彼に話してないの。
うん。
(五月)会社辞めた理由。
知られたくないの。
うん。
(鏡子)うん。
(五月)あっ。
それってさ村さんのプロポーズに答えてない理由と何か関係あるの?それ以外にないよ。
別れた方がいいんじゃないかって思うときもある。
っていうか昨日も思った。
(ハイジ)お兄ちゃん心の中で祝ってる。
(恭平)だったら二次会はここでやる。
二次会は友達だけだから。
(ハイジ)二次会だってもう決まった場所あるでしょ?
(恭平)それは三次会にしてもらう。
(ハイジ)三次会は四次会にするの?四次会は五次会?
(恭平)もう血のつながった家族は兄ちゃんと俺しかいないんだぞ?
(ハイジ)私ね自分がゲイだってこと最後まで両親に言えなかったの。
パリでお母さんが死んだこと知ってお葬式にスカートはいて帰ったら親戚に入るなって言われて。
そしたら弟親戚一同の前で言ってくれたの。
お前ら面白くねえ。
お前ら面白くねえから面白い兄ちゃんのことが嫌いなんだろ。
そうはいかねえ。
俺は面白い方が好きだから兄ちゃんが好きだって。
面白い弟でしょ?弟のために最高のウエディングケーキを作ってあげたいの。
よろしくお願いします。
(千佳)よっしゃ。
やるか。
今回は原価率無視して結構ですよ。
私生まれて初めて人の結婚式祝えそうです。
・
(静子)ちょっと!
(結実)あっ。
・
(静子)ねえ?ちょっと!
(結実)えっ?えっ?いや。
ちょっ。
いや。
あっ。
は…はい。
(静子)何でここエレベーターがついてないの?
(結実)あっ!ごめんなさい。
(静子)持って。
はい。
(静電気の音)
(一同)あっ!?痛え。
(静子)大丈夫。
静電気。
(結実)ああ。
(静子)はい。
はい。
持って。
(結実)あっ。
はい。
あっ。
(静子)東京の人ってホントに冷たいわね。
こっちは道に迷ってるってのにさ犬でさえ目そらそうとすんのよ。
・
(五月)お母さん。
(鏡子・たま子)あっ。
おばちゃん。
(静子)鏡子ちゃん。
たま子ちゃん。
(静電気の音)痛っ!
(西脇)土田部長はこの店の担当じゃなくなりました。
来週から別の方がいらっしゃるんでよろしく頼みます。
・
(星野)痛い痛い痛い痛い…!マジ痛い!痛い痛い!
(松木)黄身と白身を分けろって言ったんだよ。
(星野)ああ。
そういうことか。
痛い。
痛い痛い痛い痛い。
マジ。
マジ痛い。
(松木)ほら。
はい。
やれ。
(星野)痛い。
(門司)澤村さん。
松木さん。
(澤村・松木)はい。
(門司)これ今作ったんですけど味見してもらえます?
(澤村)最高です。
(門司)ちょっと酸味が強過ぎると思いませんか?
(松木)あっ。
あっ。
えっと。
クルミのオイルを足したらどうでしょうか?
(門司)いいですねそれ。
これやってみてください。
(松木)あっ。
はい。
(門司)星野。
(星野)はい。
あしたからランチのサラダお前が作れ。
(星野)えっ?お…俺っすか?やれるか?はい。
みんなで力を合わせて頑張ろうな。
(星野)はい!
(静子)あんたいい手つきしてるわね。
うちの3番目の息子んとこに嫁にこない?
(千佳)いや。
(静子)とにかく写真撮りましょう。
ねっ?
(千佳)写真?
(静子)息子に送るからね。
(千佳)あっ。
嫌いです。
嫌い…。
(静子)ちょっとあんたあんた。
ねえ?ちょっとこれ。
(結実)はい。
(静子)押して押して。
(千佳)無理無理無理無理…。
(静子)あっ。
ちょっと待って。
あんたうちの息子の初恋の人に似てるわ。
(結実)似てません。
(静子)うちへいらっしゃい。
奇麗な加賀友禅のお着物着せてあげるわよ。
(千佳)あら。
よかったね。
(結実)いりません。
(静子)福井はいいところよ。
いいところ。
(結実)東京好きなんで。
(静子)福井にはね。
ほら。
あの。
道端三姉妹って有名人がいるでしょ。
あのね。
えー。
カレンもアンジェリカもジェシカもみんな福井県。
それとあの宇野重吉も。
いらっしゃい。
いってらっしゃい。
(結実)絶対嫌です。
(静子)とにかく写真撮りましょ。
(千佳)撮ります。
(結実)絶対嫌です。
嫌です。
(千佳・静子)はい。
はい。
(結実)嫌です。
やめ…やめんか。
(シャッター音)
(五月)ごめんね。
ううん。
(村)ホントすてきなお店ですね。
ありがとうございます。
(五月)私もここで働きたいな。
(静子)これから嫁にいこうっていう人がそんなこと言っちゃ駄目。
(五月)お母さん。
あんまり飲み過ぎるとまた帰りに電車で友達ができるから。
(静子)うーん。
私ね今夜ここに泊めてもらう。
いいでしょ?うん。
(五月)何で?
(静子)だって2人で色々と話すことあるでしょ?ねっ?あるでしょ?あるわよね?
(村)あっ。
はい。
(静子)フフフ。
はい。
頂きましょ。
ウフッ。
あっ。
悪かったな。
えっ?こないだ急に行って急に帰って。
ああああ。
いえ。
全然。
うまかったよ。
えっ?おいしかったですか?俺は自分の腕に自信があるし食材でも勝ってた。
でもどれだけ料理が好きかで負けてた。
おいしかったし悔しかったよ。
ああ。
そうなんだ。
へえー。
でも負けっ放しじゃないよ。
絶対に立て直すから。
門司君が?今は負けてる。
でも最終的に勝つのは負けながら前に進んだやつだから。
うちも前に進みますよ。
これからが2回戦目だからな。
はい。
寒がりのくせによくあんなとこで店やるよな。
猫舌のくせによくシェフやってるよな。
ただいま。
(せき)うん?
(静子)何であんなにいろんな種類のシャンプーがあんの?えっ?ああ。
みんな何か趣味が違うみたいで。
(静子)頭から同じにおい出してるのを家族っていうのよ。
(結実)先生。
確認お願いします。
(静子)うんうん。
まあ。
駄目。
曇ってる。
(千佳)先生。
(静子)うわー。
全部駄目。
(千佳)はい。
(静子)はい。
たまちゃんもやる。
おっ。
はい。
(静子)ほら。
ここ。
(静子)はい。
(一同)いただきます。
(静子)とろろ昆布たくさん入れてね。
(ハイジ)ありがとうございます。
(静子)はい。
はいはい。
うんまーい。
(鏡子)うーん。
(静子)あしたお店何時からなの?あしたはお店休みです。
(静子)あっそう。
うん。
(静子)あっそう?
(一同)ああ。
おおー。
あなたたちもやってみる?
(藍里)できました。
「叫び」です。
(藍里)プリクラで撮った脚です。
(千佳)NOMORE映画泥棒です。
ウーウーウーウーウーウー。
(静子)たま子ちゃんがうちの娘になってくれんのが一番いいんだけどな。
フフフ。
(静子)これからだっていつまでも仕事仕事って感じにはいかないでしょ?いつまでも仕事仕事って感じでいたいです。
(静子)五月もおんなじこと言ってた。
そうですか。
(静子)私は反対したんやよ。
あの子が東京で就職したいって言ったとき。
(静子)もっと反対すればよかった。
もっともっと。
(藍里)ああ。
焦げる。
・
(鏡子・たま子)ただいま。
(ハイジ)おかえりなさい。
(藍里)おかえりなさい。
(鏡子)五月。
来てたの?ああ。
おいしそう。
(藍里)うまーい。
(鏡子)レストルーム。
レストルーム。
(静子)ただいま。
(ハイジ)おかえりなさい。
(五月)私も今日泊めてもらっていい?ああ。
うん。
(静子)何言ってんの?村さんは?
(五月)いいの。
(静子)ケンカでもしたんか?
(五月)してないよ。
(静子)プロポーズは?
(五月)断った。
(静子)何考えてんの?
(五月)何って。
別れてきた。
言ったじゃん。
図書司書の資格取るんだって。
せっかく実家帰ったんだし。
もうしばらくお母さんと過ごしたいし。
(静子)野良犬にかまれただけやないの。
(静子)野良犬にかまれただけやのにいつまでも。
だってまだ痛いんだもん。
ごめん。
やっぱホテルでも取るわ。
五月。
8人でいいんでしたっけ?手作りのシューマイなんですか?
(村)包む料理が好きなんです。
シューマイとかギョーザとか春巻きとか。
へえー。
(村)肉まんってあんまりうちじゃ作らないじゃないですか。
でも結構簡単で。
どうして来たの?
(村)うん。
(五月)言ったよね?もう会うのやめようって。
(村)うん。
言ったと思うんだけど。
(村)ハァー。
セーフ。
(五月)ごめん。
大丈夫。
触らないで。
(村)あっ。
五月。
危ないから。
訴訟を起こそうと思ってるの。
前に勤めてた会社の社長を訴えようと思ってるの。
働いてたお店で食中毒があったの。
(結実)お茶お待たせしました。
・
(ドアの閉まる音)
(五月)そのとき頭に浮かんだのはお店のスタッフの顔。
またみんなで楽しく飲みに行きたいな。
またみんなで楽しくバーベキューしたいなって思いながら私社長の指示に従ったの。
村君と一緒にいるときに笑ってるのは嘘じゃないよ。
嘘じゃないけどそうじゃないときもあった。
一緒にご飯食べてて急に思い出して一人でトイレで泣いてたこともあった。
(五月)そういうことだから。
好きだけど村君とは結婚できません。
ご了承ください。
(五月)ごめん。
(五月)肉まん食べよ。
(村)うん。
いただきます。
(村)あのさ。
(五月)うん?
(村)すぐ籍入れよう。
1日も早く結婚しよう。
ああ。
今の話聞いてた?
(村)それは2人で分けよう。
それはまだ僕と五月が知り合う前のことだけど。
今はもう僕と五月の2人のことだから。
そのとき僕はそばにいなくて助けられなかったけど今2人で分けることはできると思うんだよ。
僕に半分下さい。
田中さん。
そこにからしって。
あっ。
からし。
はい。
(村)ハハハ。
どうも。
(村)訴訟も一緒にしよう。
裁判所には一緒に行って2人でその時間を過ごして一緒に帰ろう。
帰り道には何かおいしいもの食べよう。
初めて会ったときにも思ったけど今またもう一度思ったよ。
五月に会えてよかった。
はい。
ねえ?たま子。
ねえ?この人すぐ籍入れようとか言うんだけど。
うん。
(五月)だって私は図書司書に…。
ごゆっくりお召し上がりください。
あっ。
おばちゃん。
どうかしたの?
(静子)うん。
(村)こんばんは。
(静子)こんばんは。
ここに眼鏡忘れてなかった?あっ。
ちょっと待って。
えっ?どんな色?たま子ちゃん。
どうしてこんな店してるの?器量もいいんだしいくらでももらい手はあるでしょうに。
私はお店があるし。
(静子)女が仕事したってろくなことにならないのに。
会社っていうのは男の人たちの場所だもん。
お母さん。
最近はそうでもないですよ。
うちの会社も女性が半分ですけど…。
(静子)その人たちは出世できるの?確かに管理職となると男がぐっと増えますけど。
あんたたちがどう思おうが世間が思ってるの。
女が社会でケガをするのは自分から道路に飛び出していくようなもんだって。
おばちゃん。
それは…。
(静子)それなのに何でもっと広い道に出ようとするの?そんなん傷を広げるようなもんでしょ?私たちが道に出ようとするのは…。
(静子)訴訟なんて許さない。
あんたの見せ物になる姿なんてそんなの見るくらいなら母さん死ぬわ。
(五月)ハァー。
かんだ方よりかまれた方に落ち度があるって思ってんだよ。
ハァー。
でもお母さん傷つけてまで訴訟はできない。
(星野)あっ。
お…お疲れっす。
(土田)おお。
まだいたんだ。
門司君。
元気?元気だよね。
いいや。
ハハハ。
できた。
(結実)こちらもできました。
『アンビリバボー』に出てくる人です。
(藍里)カラコンが大き過ぎる人です。
(千佳)仕事終わりのナースです。
(藍里)やだ。
ナース仕事失敗してるじゃない。
(一同)できた。
(藍里)イェイ。
・
(戸の開く音)・
(静子)福井帰るわ。
あっ。
今五月から連絡あって迎えに来るって。
(静子)みんなによろしく言っといて。
ああ。
ちょっ。
ちょっと待って。
じゃあおばちゃん。
ちょっと待ってて。
おばちゃん。
もう一度五月と話してみて。
(雨木)ああ。
もしもし?雨木ですが。
どうもどうも。
ハハハ。
ええ。
今の人がそうなの?
(静子)そう。
・
(雨木)あの件よろしくお願いします。
はい。
また連絡します。
どうも。
ああ。
あっ。
おばちゃん。
(静子)ううっ。
おばちゃん?おばちゃん。
ねえ?おばちゃん!おばちゃん!おばちゃん!
(雨木)スタッフ全員集めろ。
(西脇)はい。
(雨木)何でしょう?はい?おばちゃん?
(雨木)何ですか?女の子なのよ。
五月は女の子なのよ。
女の子なのよ。
女の子なんやで。
何だよ?おばちゃん。
(静子)女の子なんやで。
女の子なんやて。
女の子なんよ。
放せ。
(静子)女の子。
女の子…。
放せ。
(静子)うっ。
おばちゃん!
(静子)うっ。
うっ。
あっ。
ああー!おばちゃん。
(静子)ああー!どうした?おばちゃん!おばちゃん!
(静子)ああ!ああー!おばちゃん。
おばちゃん。
(静子)ううー。
(静子)あんな男訴えて何になるん?
(静子)あっ。
痛い。
ああ。
ありがとう。
ハァー。
ありがとう。
何があったんだ?もともと悪いのよ腰は。
年寄りやもん。
おばちゃんは年寄りじゃないよ。
年寄りよ。
あんたたちのことが分からないもの。
裁判やって争ったって傷つくだけよ。
違う?五月はおばちゃんの娘。
五月はおばちゃんのことが大好き。
でも五月とおばちゃんは別の人だよ。
ほっとけって言う…。
痛い。
ああ。
今は五月がしたいようにさせてあげるべきだと思う。
それが争うことなの?逆だと思う。
五月は人を憎んだりして生きていくのが嫌なんだと思う。
許せないって思う自分が許せない。
忘れたいって思うから忘れられない。
苦しんじゃいけないって思うから苦しい。
消えてしまえばいいのにって思えば思うほど自分自身が消えたくなる。
このまんまじゃ五月はそういう思いを一生抱えたまま生きていくことになる。
争うために裁判をするんじゃないんだと思う。
五月はそういう思いを捨てに行くんだと思うよ。
今五月が心からしたいことはきっと心から笑うことだと思う。
(五月)ごめんごめん。
遅くなって。
お母さんは?賄い作ってくれてる。
えっ?お母さん。
何やってんの?
(静子)今日はねお店で結婚パーティーなんやすって。
みんな忙しいやろからね。
(静子)だって堀田さんっていつもあの変なジーパンはいてるじゃない?
(五月)サロペットね。
きっさ10のマスター。
(静子)あの人はね子供のころから変な人だったわよ。
どっかから拾ってきた蛇の皮を自分の机の中にしまってるの。
きっと今でもねお店のどこかに蛇の皮隠してるわよ。
っていうかさお母さんも笑えないよね。
そのセーター。
(静子)何か文句あんの?何でそんな静電気起きるの?昔からあるよね?これ。
(静子)このセーターはねあなたが生まれたときにお父さん買ってきてくれたのよ。
えっ?そんな昔?
(静子)フフッ。
隙間風の入る寒い病院でね。
病院のだけじゃ足りないから夜中に「お父さん。
ねっ?あの。
もう1枚毛布買ってきて」って頼んだのよ。
ほしたらなかったわって言ってこれよ。
しょうがないから着たわよ。
フフフ。
(五月)へえー。
(静子)夜中にね目が覚めちゃって少しカーテン開けたらね雪が降ってたの。
誰が言いだしたのかしらね?雪が降る音って本当にしんしんって聞こえるのよ。
何だか心細くなってきて不安でしかたがないからあんたと話することにしたのよ。
早会いたいね。
お母さんあんたに会うのがとっても楽しみよ。
ウフッ。
あや取りしようね。
ゴム跳びもしようね。
いっぱい遊ぼうね。
待ってるよ。
早会いたいねって。
朝5時59分。
やっと会えたあんたが今こんなに大きくなってここにいる。
自分の行きたいところへ行きなさい。
今度はお母さんが会いに行く。
つらくなったら振り返りなさい。
そこにお母さんが座ってるから。
(五月)うん。
・
(噴く音)
(静子)あっ。
お鍋が噴いとる。
(五月)あっ。
はい。
・
(村)すいません。
お邪魔します。
(五月)遅いよ。
(村)ごめんごめん。
何か包むものってあります?
(五月)ない。
(村)じゃあミョウガ切りますね。
(静電気の音)
(村)あっ。
痛っ。
痛っ。
(ハイジ)そう。
お母さんと仲直りできたの。
はい。
私ももうちょっとだけ勇気があったらホントの私知ってもらえたんだけど。
きっと見守っていてくれてますよ。
こんな感じかな。
(男性)さあさあ盛り上がってまいりました。
次の質問いきましょう。
(男性)ああ。
いこう。
(男性)初めてキスした場所は?
(一同)フゥー。
失礼いたします。
(男性)えっ?
(恭平)うちの近くの公園。
(男性)何公園なんでしょうかね?
(千佳)子羊上がります。
(鏡子・結実)はい。
(鏡子)ポワレ上がりました。
(藍里・結実)はい。
よいしょ。
・
(男性)おっと。
際どい質問きました。
(男性)ビストロフー特製ウエディングケーキの登場です。
(恭平)兄ちゃん。
ありがとう。
(一同)すごい。
(恭平)兄ちゃん。
5人で写真撮ろう。
(ハイジ)5人?はい。
いきますよ。
ハイジさん。
もうちょっと中入って。
中中。
はい。
ポーズ。
(シャッター音)
(ハイジ)お願いします。
はい。
こんな仕事をしています。
すてきな仲間がたくさんいます。
・
(恭平)兄ちゃん。
こっちで飲もうよ。
はい。
幸せのお裾分けです。
コーヒー入れるね。
あっ。
(奈々美)先日もお話ししましたが事件が1年以上前であること。
映像や音声の証拠がないこともあって刑事告訴は難しく損害賠償を請求する民事訴訟となります。
(五月)はい。
(奈々美)まず内容証明の通知書を会社と雨木太郎社長に送ります。
これに先方が要求に応じないとなれば訴訟を提起することになるでしょう。
はい。
(奈々美)藤村さんは法廷に立つことになります。
会議室であなたに何があったのかお話ししていただくことになります。
はい。
(奈々美)2人には言わなかったんだけど。
提訴することになったら裁判の勝ち負けとは別にもう一つの効果があるの。
ライクダイニングサービスに対する社会的制裁。
この裁判が公になれば社長も会社も世間からバッシング受けるだろうし幾つかの店はつぶれると思う。
門司君。
おお。
この前はありがとう。
ああ。
おばさんどうした?うん。
元気になって福井に帰ってった。
そっか。
あっ。
ジャーン。
ああ。
青森の天然のヒラメ。
すごーい。
カルパッチョ?かムニエル。
そう。
いい業者見つけたんだ。
絶対に教えないけどな。
見てろよ。
絶対にまた抜き返すから。
うん?今ってちょっと時間ある?こないだ言ってたやつか?あの。
訴えるとか何とか。
うん。
あのね。
門司君。
うん。
雨木社長は私の友達にひどいことをしました。
人としての尊厳を奪うような女性として耐えられないようなつらいこと。
分かる?そのことで彼女は訴訟を起こすことを決めたの。
うん。
でこっからは私個人の正直な気持ちなんだけど。
うん。
門司君にはもっと別のふさわしい店があると思う。
もっと正直に言うと辞めてくれればいいのにって思ってる。
あっ。
ちょっと聞きたいんだけど。
うん。
その裁判とうちの店は関係あるのか?もし裁判で会社が負けたりしたら。
負けなくてもあるよ。
お店が駄目になることがある。
店は関係ないだろ。
シンフォニックは雨木社長が経営してる店だよ。
その友達にひどいことしたのはその社長とかその一部の人間がしたことだろ?一部の人間がしたことは門司君には関係ないの?俺はしてない。
俺は何もしてない。
何で辞めなきゃいけないんだ?何でそんな勝手なこと言うんだ?そう。
「そう」って何だよ?分かったってこと。
何が分かった…。
私ね好きな人ってあんまりできないんだよ。
あんまり好きにならないの。
そう簡単に男の人を好きにならないの。
でもその分一度好きになったら…。
そう簡単に好きじゃなくならない。
なかなか好きじゃなくならないの。
ずっと変わってないの。
だから分かる。
あなたとは駄目なんだって。
真っすぐな線と真っすぐな線って一度重なったら後はもうずっと離れていくだけでしょ。
そういう2人だったんだと思う。
(結実)通ります。
遅くなりました。
(一同)はい。
よいしょ。
(奈々美)「通知書」「株式会社ライクダイニングサービスおよび雨木太郎殿に対し次のとおり請求いたします」「平成25年11月7日午前10時ごろ藤村五月は貴社本社事務所会議室に赴きました」「その席上貴殿は藤村に対し謝るなら服を脱げと命じました」「これは女性の藤村に対し耐え難い精神的苦痛を与える行為を強要するものであり悪質極まりないパワーハラスメントであることが明らかです」「それによって藤村の被った精神的苦痛の大きさは筆舌に尽くし難いものです」「藤村は貴社および貴殿に対し1本件社長命令により藤村の人格および名誉を毀損したことについて貴社および貴殿が連名にて藤村に謝罪する謝罪文を作成し当職に交付すること」「2精神的苦痛に対する慰謝料として金500万円を貴社および貴殿が連帯して藤村の銀行口座に送金する方法により支払うことを要求いたします」「7日以内に上記各要求に応じない場合にはやむなく貴社および貴殿に対する法的措置を講じることとなりますのでご留意ください」「藤村五月代理人弁護士烏森奈々美」
(周太郎)パパ。
パパ。
パパ。
2015/03/05(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>問題のあるレストラン #08[字]【終盤戦…イケメンシェフ引き抜き!?】
「物語は終盤戦!料理バトルも新たな局面へ!」心を動かす人たちが続々と来店…ハッピーウェディング大作戦!ライバル店には亀裂が…イケメンシェフ引き抜き!?
詳細情報
番組内容
たま子(真木よう子)たちの店『ビストロ フー』に、五月(菊池亜希子)がやってきた。五月は、恋人の高村新(風間俊介)と一緒だった。雨木(杉本哲太)による屈辱的なパワハラのせいで会社を辞め、福井の実家に戻っていた五月は、東京の旅行代理店に勤務し、北陸新幹線の開業に合わせたツアーの視察できていた高村と知り合ったのだという。高村は五月にプロポーズしていたが、五月はまだ返事をしていないらしい。
同じころ
番組内容2
ハイジ(安田顕)を訪ねて、彼の弟・恭平(矢野聖人)がやってくる。間もなく結婚する予定の恭平は、親戚から疎まれていることもあって欠席のはがきを出していたハイジを、どうしても結婚式に出席させたいという。式に出ないなら二次会を『フー』でやる、とまで言う恭平の思いを受け止めたハイジは、弟のために最高のウエディングケーキを作ってあげたい、と言って、結実(二階堂ふみ)や千佳(松岡茉優)たちに頭を下げる。
番組内容3
一方、門司(東出昌大)がシェフを務める『シンフォニック表参道』では土田(吹越満)が担当から外されていた。『フー』に負けたことを認め、料理への取り組み方を見直した門司は、みんなで力を合わせて頑張ろう、とスタッフを鼓舞した。
そんな折、たま子たちのもとに、五月の母・静子(藤田弓子)がやってくる。たま子や鏡子(臼田あさ美)たちと楽しいひと時を過ごす静子。五月は、そんな静子にある重大な決意を伝える…。
出演者
真木よう子
東出昌大
二階堂ふみ
高畑充希
菅田将暉
松岡茉優
臼田あさ美
●
YOU
安田顕
●
田山涼成
吹越満
杉本哲太
スタッフ
【脚本】
坂元裕二
【演出】
並木道子
加藤裕将
【主題歌】
きゃりーぱみゅぱみゅ「もんだいガール」(unBORDE/ワーナーミュージック・ジャパン)
【音楽】
出羽良彰
羽深由理
【プロデュース】
清水一幸
【制作】
フジテレビドラマ制作センター
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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