8時16分、外気温26℃。
mixiに登録して本日で丁度一年経ちました。
招待してくれた【ミゲル・トニーJrさん】ありがとう。
当初予定していた「mixi友達100人計画」も現在106名となりました。
一年前はドラゴンゲートのCIMA引退話や、マグナムTOKYOがひっそり引退した事をが日記に記載されていたが、その事で【ミゲル・トニーJrさん】にメールしたら[mixi]に招待された。
今や引退説のあった二人とも復活(マグナムはハッスルに)している。
一年って早いなぁ・・・。
現在【17186アクセス】、あと2814アクセスで20000アクセス。
一日のアクセス平均26名と、マイミクさん1/4が毎日覗きに来ていただいている計算ですが、未だ三割打者になれずに苦戦中です。
本日は会社の棚卸し。
夜は「富野由悠季 監督の講演会」。
富野由悠季 監督は「機動戦士ガンダム」、「海のトリトン」その他を手がけたカリスマとして有名であるが、私が初めてその名前を知ったのが高校1年の時に放送された「機動戦士ガンダム」ではなく、それ以前の中学2年〜3年生の時に放送された「無敵超人ザンボット3」と「無敵鋼人ダイターン3」である。また「ガンダム」よりマイナーな「伝説巨人イデオン」の方が好きなのだ。
まぁ我々世代でも好きな人には堪えられない企画だと思うのだ。
(以上、6/19の日記より転載)
会社から帰宅してから、夕方になって【麗しの細君】に東大阪市の布施まで送ってもらい、そこから【光さん】と一緒に電車で会場に向かう。
講演会場は大阪中之島にある「大阪市中央公会堂」。
会場に到着しても講演会が開催する雰囲気も案内もない。
会場内に入って掲示している本日開催の予定表を見るが、講演会の表示がない。
「おいおいおい」・・・とさすがにあせるが、ランバ・ラルのジオン軍の青い軍服を着用したヒゲ面の巨漢が会場に入場してきたので、講演会自体ははあるようなのでホッとする。
しかし全然案内表示する気配もないので、「大阪市中央公会堂」の受付で尋ねると3Fと案内されたが、本日開催の予定表の受付名が違っていた。
この講演会は東大阪JCの【流星号先輩】に紹介してもらって参加したのだが、先輩の友人の後輩が運営しているレコードショップのイベントだった。なんでも創業10周年を祝してのココのお客さん対照・感謝イベントと云う秘密のマニアック集会だ。
会場はざっと100名の座席のある大学の教室みたいな感じで、大学の講義室でアニメ専科の学生が富野監督の授業をこれから受講するような雰囲気だ。またBGMはオペラに「機動戦士ガンダム」のアムロ脱走後〜ランバラル(グフ)との戦い、エルメスのララァの戦いのテープがリミックスされたマニアックな空間だった。
来ている客層は我々世代(40代)〜20代中程で、アニメおたくだった人が大人になって普通になったような感じか?
何度か案内があったが、富野監督の到着が遅れていて18時過ぎてもなかなか始まらない。
後ろに座った方がどうやら【流星号先輩】の友人らしいようなのでご挨拶させていただく。
この方のおかげで、マニアにしか入れない講演会とチケットが割引価格(\2,500)で購入できたのだ。
【流星号先輩】はアニメファンでも何でもないが、私がアニメ好きだと知っていたからこそ紹介してくれた訳で、やはり人脈は広く作っておくものだと思った。
ところで富野監督が到着を待つ間、会場内でオタクなBGMを聞いていると・・・中学や高校時代にLPレコードに収録された、或いはビデオのない時代にテレビ放送をラジカセで録音した「機動戦士ガンダム」のカセットテープを友達から借りて聴いていた懐かしい時代を突然思い出した。
あぁなんてアニメおたくな空間だろう。
30分過ぎた頃、ついに富野監督が到着して、監督は唐突に話し出した。
大体この講演会の内容がどう云う話なのか情報も少なく先が見えなかったし、テーマはよくわからなかったのだが音楽(或いはアニメ)を目指す人に対してただ音楽好き、アニメ好きだけでその業界に入ったとしても職業として成り立たない。
今や美術学校にはアニメ専科が出来、アニメの勉強が出来るがそこで学べるモノはテクニックであって、そこでいくら上手くなって自分が特別だ、自分はスゴイんだぜと思っても、それは普通の人(凡人)であると断言されました。
「アニメとテクノ(テクニック?)」と云うテーマのようでした?
富野監督は、最近のアニメはある時期から社会に受け入れられてから変わってしまったと云われた。
アニメ好きがずっとアニメ好きの延長で、アニメ製作現場に入るのは自己満足の素人だ。
自分がやりたい事をやっていてもそれはテクニックの自己満足で、自己満足が万人にウケると思うな!、アニメ好きだけの素人がプロの中に入って来ては迷惑だ。
月刊誌「ガンダムエース」誌上企画で監督が対談されている沢山の達人の方と話ていると、いかに自分が、アニメ関係者が他の業界の内容を知らないかと云う事がわかった。アニメ以外何も知らない、アニメ好きだけでアニメ制作現場に入り、他の勉強していないと底が浅いとも云われました。
アニメ専科に行き、練習して上手くなっても、それは普通の人。
天才は勉強する必要ない。行かなくても出来てしまうのが、才能のある人。
例えば天才と云うのは、手塚治虫先生みたいな人で、手塚先生は下書きなしでペン入れする。
ストーリーが計算なしに成り立っているのはスゴイ事だ、手塚先生は下書きなしで話をどんどん進めていたのでスゴかったらしいです。
才能のある人は勉強してスゴクなったり、努力してスゴクなった訳でなく、天才ならばテクニックがなくても、それはあとで付いてくるものだと。
歌舞伎役者か能役者の方か忘れましたが、富野監督が対談された方は、毎日毎日365日舞台に立つために稽古する。
自分一人がしんどい、調子が悪いからと舞台に出られないとは死んでも云えない。それは舞台に関わる全てのスタッフの生活がかかっているから。
これは我々の仕事に落とし込んでも同じ事が云えますね。
富野監督は元々映画会社に入社したかったそうだ。映画会社に入社するには受験する事。しかし最初に筆記試験があるが、それは高学歴の学校を出た人間と競い合わなくては出来ない。または映画会社に強力なコネがなければならない。
その二つがなかった監督は、たまたま学校(日大)3つ先の駅に手塚プロダクションがあったので、面接受けたら受かったけれど、最初大人に対しての映画を作りたかったのに対照が子どもなのでジレンマに陥る。
給料面や仕事面や将来について何も希望も見いだせなく、現状なら結婚も出来ないだろうと悲観していたし、アニメ演出家になって税務署に行っても、自分の仕事が理解されないので苦労していたそうです。
だから今や商業的に成功しているように見えるアニメ産業に対して、かなり屈折していると云うか否定的で具体的な話が実に判りやすかった。
監督の判りやすい話を聴いていると、成る程と自分のわだかまりが昇華した。
それは最近のアニメは面白くないが、CSテレビを導入してからは昔の番組の方が面白いから、地上派を見ずに再放送ばかり見てしまうとか、或いは評判の良い最近の作品を選択して見てしまう事だ。
再放送番組は自分の絶対的信頼があるのを再確認で見て、見たことのない番組は一度か数度見て自分の今の感性に合うか確認して見るから、子ども時代、青年時代、中年になってからの感性である。
ドキュメントドラマやニュース番組ではなく、あくまでもマンガ・アニメの新番組で面白いモノに出会う確立が少なくなるのは当たり前か。
最近のアニメが何で見事に全部面白くないのか、確かに絵が上手いけれど、何か面白くない。それはなんでかな?
大学の時に友人が突然アニメの動画(装甲騎兵ボトムズ)を描くようになったからか?、アニメて誰でも描けるのかとガッカリして醒めたせいだけではなく、自分たちの世代がアニメ制作の現場に追い付いたからかとも思った。
その頃の例で云うと「うる星やつら」があります。
前期と後期でアニメスタイルが変わりました。
初期は面白いのだけれど、後期は絵がかなり上手くなるが内容が面白くない。
しかしみんなに支持されているが、私は受け入れられなくなった。
アニメの内容じゃなくてキャラクター個別に立ってきてから私はアニメを見なくなりました。
富野監督は本年で68歳(1941年11月5日生)となりますが、そうは見えなかった。
昔は子ども向けの仕事が嫌だったけれど、子ども向けの仕事でよかったと思われたのは55歳を過ぎてからで、子どもは10歳、11歳、12歳あたりにインプットされたものがいつまでも印象に残るもので、だからガンダムが30年やって来れたと云われました。
講演会が終了して、質疑応答の時間が設けられました。
富野監督作品でも昔の作品と違い最近の作品は、テンポアップし過ぎて、一度見ただけでは訳わかんないと云う濃いマニアの質疑がありました。←(こんなにストレートの云い方ではないが・・・)
その答に富野監督は、一度見てわからないのは昔と比べて演出が下手になったからですと云われた。
昔の作品は対象が子ども向けだから、子どもが見てわかるように作っていたと。
私は見ていませんが、もっと後の作品(「OVERMANキングゲイナー」や「ブレンパワード」)は、スポンサーの顔色窺わなくとも好きな事が出来るようになったから難解になっているような事をおっしゃっていたな。
私は富野監督の「無敵超人ザンボット3」「無敵鋼人ダイターン3」の方がガンダムより好きなんです。
まぁ最初のガンダムは好きですが、「重戦機エルガイム」もリアルタイムで見ていて途中でだんだん訳わかんなくなってきたし、「Zガンダム」も途中から・・・な。
大人向けに、或は自分たちが好きかってに作っていったらこうなるっていう事を監督の口から聴けて、これも収穫だった。自分の演出が下手くそになったと云われたもんな。
漫画家の敬愛する【柳沢きみお先生】が途中で投げるみたいな風に思えました。←違うか?
最後に質疑応答で、「国営マンガ喫茶」と呼ばれる「国立メディア芸術総合センター」(仮称)の事が出たら、監督は本来そんなモノあっちゃならないものだ、文化芸術を国が口出ししてやるものではない。「国立メディア芸術総合センター」に選択されて線引きされたものは所詮マンガはマンガだろうと否定的でした。
私はこの建造物の話がどんどん進んでいるのに、マスコミがそんなに大きく取り上げないし、周りでその話が出来るアニメ仲間って居ないから実際どうなんだと不可解に思っていたので、アニメ関係者から生の意見を聞けてためになりました。
実際講演代金を支払ってもおつりが来るような、近年にない面白い講演会でありましたし、本講演会に来た人が富野監督の話のどの内容に共鳴して、感化されてどのように自分に落とし込まれたか人それぞれだと思いますが、私は・・・
「自分は出来るから他とは違う。だからみんなオレを認めろよとは思わずに、自分は一般人・凡人なのだから、凡人なりに出来る事で毎日精一杯ガンバレよ」
・・・とエールを贈られているように思いました。
講演会終了後、地下鉄難波駅で降りて【光さん】を連れて常連のホルモン焼「かどや」で、彼の明日迎える誕生日を私はペットボトルの緑茶で祝いました。
PS. 富野監督は20数年前に宮崎作品に携わっていたと云われたので、何だったかと思ったら私の生涯アニメのベスト3の(中学・高校・大学時代では第1位ですが、今や1位が決められないので)「未来少年コナン」でした。とみの喜幸(富野監督)が担当した絵コンテが宮崎駿さんが大幅に書き直されているので、「宮崎監督に私の演出を全否定された」と云われていた。
また宮崎駿さんがアニメを作るキッカケとなった【堀田善衛「方丈記私書」】の本を最近やっと読んだが、3ページ目くらいで、宮崎さんがアニメを作ろうと思った根底が理解できた、この人には勝てないなと思われたそうです。
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