初代の韓国統監を務めた伊藤博文を1909年に暗殺した韓国の独立運動家、安重根の記念館が19日、中国東北部のハルビン駅内(黒竜江省)に開館した。記念館をめぐっては、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が昨年、ハルビン駅内に安の石碑を建立することを習近平国家主席に要請していた。中国は安倍晋三首相の靖国神社参拝などを踏まえ、韓国と連携し歴史問題で日本に圧力をかける狙いとみられる。
中国の国営新華社通信によると、駅の待合室を改造したもので広さは100平方メートル。暗殺に関する資料や写真を展示し、窓からは暗殺現場が直接見える。建設費はハルビン市などが負担。開館式には黒竜江省の孫尭副省長が出席した。入場料は無料で、延べ1000万人が同駅を利用する春節(旧正月)を前に開館した。
中国外務省は16、17日には北京駐在の外国メディアを対象に、遼寧省の九・一八歴史博物館などを回り、かつての日本の残虐行為を宣伝するプレスツアーを実施した。(大連=森安健)
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