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【新人記者奮闘す】これが「貧困ビジネス」の実態…「無料・低額宿泊所」劣悪環境と抜け出せぬ仕組み、自治体も“もたれ合い”

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【新人記者奮闘す】
これが「貧困ビジネス」の実態…「無料・低額宿泊所」劣悪環境と抜け出せぬ仕組み、自治体も“もたれ合い”

埼玉県内の無料・低額宿泊施設。外からは一つの部屋を板で仕切って使用している様子がうかがえた(画像を一部修正しています)

 埼玉県内では昨年10月、生活困窮者のための「無料・低額宿泊所」の売上金を隠し、所得税約6300万円を脱税したとして、低額宿泊施設「ユニティー出発(たびだち)」を運営する和合秀典被告=所得税法違反罪で起訴=が逮捕された。記者は、いわゆる「貧困ビジネス」トラブルの被害者を支援する団体が主催した「貧困ビジネスツアー」に参加。宿泊所を訪れ、元居住者の話を聞くことで、改めて貧困ビジネスの仕組みの「巧妙さ」に驚かされた。(さいたま総局 菅野真沙美)

部屋を仕切るベニヤ板

 「ここもそうです」。貧困ビジネス被害者の支援などを行う、弁護士・司法書士・社会福祉士などの有志で構成されている市民団体「反貧困ネットワーク埼玉」の案内で、戸田市内のとある宿泊所の側に車を止めた。

 ツアーで訪れた他の数カ所の宿泊所も同様だが、施設は一見すると普通のアパートに見える。周囲もごく普通の一戸建てや工場が並び、劣悪な環境という印象は全く受けない。

 しかし「あそこから中が見えるでしょう」。そう示され窓に目を向けると、さほど広くないと思われる薄暗い室内を、ベニヤ板のようなもので仕切っている様子がうかがえた。また、ほとんどの部屋にカーテンがかけられておらず、干した衣類が丸見えなのも印象的だった。

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