アメリカで生活されていた春樹さんにお聞きしたいのですが、私はアメリカのテレビドラマが好きでよく見ます。そこで知りたいのですが、アメリカ人って特に女性同士ですが何か裏切られたり、お互い誤解があったりして口喧嘩が始まって、傷付くことや言いたいこと散々言った後で「もうあなたとは友達じゃないわ」とか言ってその場を去るのですが、その後に何かがきっかけで誤解が解けたり冷静になってどちらかが「ごめんなさい、私が悪かった」と謝ると大抵謝られた方もすぐ笑顔で謝罪を受け入れて何もなかったように仲直りしているシーンをよく見るのですが、本当にアメリカ人ってあんなにサバサバしているものなんですか?
私だったら絶対そんな簡単には許せないと思います。やはり喧嘩した時に言われたことをひきずる気がします。
いつもそういうシーンを見るたび不思議に思っていました。
実際にアメリカで暮らしてアメリカ人のご友人が多そうな春樹さんの感想をお聞きしたいです。
(ルピィ、女性、31歳、会社員)
そういうのはテレビ・ドラマ(とくにウィステリア・レーン近辺)だからあり得るシチュエーションだと思いますよ。たとえばヒラリー・クリントンとミシェル・オバマが、ある日ホワイトハウスでつかみあいの大げんかをして、翌日「ごめんね、言い過ぎちゃって、ミシェル」「いいえ、私こそ悪かったわ、ヒラリー」なんて言い合って、にこにことハグし合って、すっかり仲良くなりました、なんて光景が想像できますか? あり得ないですよね。そんなの世界どこだって同じようなものです。女性の恨みってけっこう深いですから。こわこわ。
村上春樹拝