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アベノミクスの実態 給与は25年前に逆戻り、内部留保3倍増

 サラリーマン給与に関する衝撃のリポートが、市場関係者の間で話題になっている。財務省が今月2日に公表した「法人企業統計調査」(14年10-12月期)を受けたリポートで、ニッセイ基礎研究所経済調査室長の斎藤太郎氏が書いた。タイトルは「企業収益好調も、設備投資、人件費の抑制姿勢は変わらず」。要は、企業はかなり儲かっているのに、給与はなかなか上がらない――というリポートだ。

 斎藤太郎氏はこう言う。
「ふつうは業績回復が先行し、その後に人件費は増加していく。ところが、現状ではそうなっていない。14年10-12月期の労働分配率は60.4%。これは1990年代初頭と同じ水準です。企業収益は好調なのに、人件費は25年前並みに抑制されていることになります」

 分配率は90年代後半には70%を超えていたから、約10ポイントも下がったことになる。裏返せば、企業は人件費を抑えることで高収益を確保しているのだ。法人企業統計によると、14年10-12月期の経常利益(全産業)は11.6%伸びたが、人件費は1.0%増にとどまっている。

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