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シゴトノオト
シゴトがうまくいくヒントがありそう!人気のコノ人に「シゴト」について聞きました
月曜更新
ささきのぞみ1988年2月8日生まれ、秋田県出身。2006年デビュー。08年に映画『ハンサム★スーツ』で女優としてのキャリアをスタートさせ、09年には『天使の恋』で初主演。ドラマ・映画のほか、CMやイメージキャラクターとしても活躍中。3月6日(金)放送の日本テレビスペシャルドラマ『結婚に一番近くて遠い女』に出演。
公式ブログ➡http://www.topcoat.co.jp/sasaki-nozomi/
好きだから悔しい。
悔しいから好きを確認できる。
女優のシゴト、好きで楽しいです
佐々木希について「モデルと女優のハイブリッド」なんて表現を目にする。
キャッチーではあるが、的確ではない。
映画『さいはてにて』で見せる母の表情や、見逃してしまいそうな細かな演技などは、完全に女優のものだ。
カワイイ秋田の女子高生からモデルを経て女優へ。
鮮やかなる転身と変貌と進歩を続ける彼女の本音を聞いた。
3回目の取材&撮影と
自身とシゴトの変遷
『an』登場はトータルで3回目ですよね。よく覚えています。1回目(2009年11月)はシゴトは楽しかったけれど、不安もありました。不必要にメイクを濃くしてカッコつけたり強がっていたことを覚えています。2回目(2013年6月)はシゴトに対していちばん葛藤していた時期でした。
シゴトをたくさんいただきいろいろなジャンルに挑戦したのですが、自分はこれから何を軸にやっていきたいのだろう……と日々考えていました。いろいろな現場で多様なジャンルをこなす毎日は目まぐるしくて、そんな中で器用ではない自分がいちばん何をしたいのか「自分とちゃんと向き合おう」と思い女優業を頑張っていくと決めました。ただ女優をやっていくと決断したときはとても怖かったです……。自信があったわけではないですし、今もできているかどうかはわかりません。ただ楽しめているということだけは胸を張って言えます。「自分で選んだのだから、楽しんで取り組みたい」と思うようになってからは、人の目も気にならなくなりましたし、肩の荷が下りた感覚があります。あのときにしっかり悩んで決断して良かったと思っています。
映画『さいはてにて』
女優としてリアルに挑む
私としては「挑戦」の映画でした。シングルマザーの役は初めてですし、もちろんストーリー展開はありますが激しい起伏はなく、リアルを常に求められるお芝居でした。大げさにならないようなリアクション、ナチュラルに見える演技、それぞれ意識しながら自分と重なる部分を増やしていく感じでしょうか。演じた絵里子の弱さを見せないための強がる気持ちには共感できました。私もそんな時期があったので。子どもは大好きだけど不器用、という部分も似ています。男性に甘えてしまうシーンがあるのですが、その人間臭い部分もイメージができました。小さな共感や似た部分、イメージしやすい感情を膨らませていく作業はとても難しく、すべてを取り入れようと考えていると混乱してしまって……。でもそのときに永作(博美)さんが「自分がいいと思ったことをひとつだけやって、あとは捨てちゃっても大丈夫」と言ってくださったんです。その言葉をいただいて、とても楽になりました。永作さんは女優としてはもちろんですが、人間としても先輩としても尊敬できる女性で、その言葉をいただいたこと、共演できたこと、何度かお酒をご一緒してたくさんの話を聞かせてもらったことが、私の大きな財産になりました。また何かの作品でぜひご一緒したいです。どこまでリアルに表現できたかはわかりませんが、完成したものを観て「女優・佐々木希を見た」という感想を伝えてくださったかたがいました。今までは「かわいかった」「きれいだったよ」という感想が多く、もちろんそれもうれしいのですが、今回は女優として、お芝居についての感想を言っていただけることが増え、本当にうれしかったです。皆さんもぜひ感想を教えてください。
割烹着に巫女に女将!?
佐々木希の将来
これからやりたい役ですか? たくさんありますよ! 割烹着を着て料理を学びつつ料理人とか演じてみたいですね(笑)巫女さんや旅館の女将などもいいですね。和の服装に憧れています。あとは、すっぴんでズボラ女子とかやりたいですね。どこにでもいそうな、だからこそ難しい役に挑戦してみたい気持ちがあります。
願望はいろいろありますが、今はとにかくさまざまな役に挑戦したいです。難しくてできなくて「悔しい」と思うことが多いです。でもある日、それは好きだからこその感情なんだな~と気づいたんです。同時に「悔しい」を抱く時点で「あ、私シゴト好きなんだな」と安心もしました。お芝居のことで悩む時間も増えましたが、それも前向きな悩みだと思っているので、すべて含めて楽しいです。今27歳ですが、最近、歳を取るのが楽しみになってきました。いろんなことに興味を持てるようにもなってきましたし、多くの役に挑戦できる。素敵な30代を目指しながら、とにかく「心」がある女優、人間でいたいと思います。私は人間臭い人が好き、そういう人に魅力を感じるんです。楽しんでシゴトをしつつ、私も人間臭くいることができたらなと思います。
©2015「さいはてにて」製作委員会
佐々木希さんにとってシングルマザーは初めての役柄。チアン・ショウチョン監督と女性同士ならではのタッグで、細かな心の機微を些細な仕草に込めたという。身体の姿勢、表情、所作などに女優・佐々木希としての魂と覚悟が見える意欲作に仕上がっている。
■出演:永作博美、佐々木希 ほか