リッパート駐韓米大使(42)がソウルで襲撃された事件で、韓国政府や与党などの保守派は、北朝鮮に追従する「従北勢力」による事件と断定し、米韓の関係回復に躍起だ。北朝鮮政策をめぐって与野党が対立を深める様相もみせている。シャーマン米国務次官の発言で米韓関係がぎくしゃくしていた時期だったが、米韓の問題は棚上げ状態に。警備体制の不備を含め、韓国政府の責任転嫁ともとれる姿勢が目立っている。
韓国警察は6日、現行犯逮捕した政治団体代表の金基宗(キム・ギジョン)容疑者(54)の容疑を傷害から殺人未遂などに切り替えて逮捕した。
警察によると、金容疑者は1999年〜2007年に計7回訪朝。11年12月には同月死去した金正日総書記の焼香所設置をソウル中心部で試みていたことから、北朝鮮寄りの思想が過激な反米行動につながった可能性について慎重に調べる。
大統領府、政府、与党の6日の合同会議では、「従北勢力」による事件との見方で一致。事件は、北朝鮮政策をめぐって、政争の具となる様相も呈している。