<汚染水非公表>相馬沖コウナゴ漁見送り
相馬双葉漁協(相馬市)は6日、今春の相馬沖でのコウナゴ漁の試験操業を当面見送ることを決めた。東京電力福島第1原発2号機で汚染された雨水の外洋流出が発覚し、風評の悪化を懸念した。事実関係をすぐに公表しなかった東電への反発が強く、抗議の意思も込めた。先送り中に放射性物質のモニタリングを重点的に行い、安全性の確認に力を入れる。
見送り方針は6日の会合で決めた。会合には組合員約60人が出席。「試験操業を中止し、情報を隠していた東電に抗議すべきだ」との声の一方で、「こぶしを上げれば、風評被害を助長することにもなってしまう」との意見も出た。
最終的に試験操業の見送りを決め、風評を払拭(ふっしょく)するため、先送りの間、通常よりサンプル数を増やして放射性物質の検査を行うことを確認した。今春の漁は9日に始め、約90隻が出漁を予定していた。
第1原発の建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみ上げ、浄化後に海に放出する計画について、同漁協はいわき市漁協と同様に協議を凍結している。佐藤弘行組合長は「信頼関係が崩れ、いまは進める状態にない」と述べた。
2015年03月07日土曜日