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中国全人代 経済成長の速度より質重視
3月5日 17時58分

中国全人代 経済成長の速度より質重視
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中国の向こう1年の重要政策を話し合う全人代=全国人民代表大会が5日から始まり、指導部はことしの経済成長率の目標を7%程度に引き下げて、経済成長の速度より質と効率性を重視する方針や、引き続き腐敗撲滅を目指す決意を示しました。
全人代は初日の5日、李克強首相が政府活動報告を行い、ことしの経済成長率の目標を去年より0.5ポイント引き下げて、7%程度とする方針を示しました。
中国は、長年にわたる高成長が深刻な大気汚染を引き起こすなど社会のひずみが噴出しており、政府活動報告では、「新常態」ということばを使って、成長の速度よりも質と効率性を重視する経済への転換を目指す方針を打ち出しました。
これについて、李首相は「わが国の経済発展は新常態に入り、『坂を登り峠を越える』べき重要な段階を迎えた。改革の深化と構造の調整を行わなければ、安定した健全な発展は達成しがたい」と説明しました。
また、国防については、強力な軍隊の建設を推し進めるとしたうえで、「国家の海洋権益を断固として守り、海上の紛争を適切に処理し、海洋強国の目標にまい進していく」と述べ、海洋権益について決して譲歩しないという立場を強調しました。
さらに、李首相は「反腐敗の強い姿勢を保ち、1人の腐敗分子も容認せず、厳しく調査して処罰する」と述べて、幹部の腐敗を撲滅し清廉な政治を目指す決意を改めて示したほか、「暴力テロ活動などに関わる犯罪行為を処罰し、国家と公共の安全を確実に守る」と述べて、社会の安定に向けて強権を振るう習近平路線を印象づけました。
日本との関係については、去年は言及しなかった「中国と日本、韓国によるFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を急ぐ」という方針を表明する一方で、「世界反ファシズム戦争と中国の抗日戦争勝利70年を記念する行事を開催し、国際社会と共に第2次世界大戦の勝利の成果と世界の公平、正義を守る」と述べて、戦後70年に絡めて日本をけん制しました。

「海洋強国をつくるべき」

人民解放軍の代表の1人として全人代に出席した、陸軍の鐘志明中将は記者団に対し、「中国は『海洋大国』だが、まだ『海洋強国』ではない。歴史上、海洋における建設を重視してこなかったので、これを発展させる必要がある。李首相がきょう報告したとおり、われわれは海洋強国をつくるべきだ」と述べました。
また、習近平指導部による軍幹部の汚職摘発が相次いでいることについては、「軍の腐敗はどんなに階級が高かろうが一掃すべきだ。軍隊を作り上げるうえでも、戦闘能力を身につけるうえでも、とても必要なことだ」と述べ、支持する考えを示しました。
別の軍幹部は、国際社会で中国の国防費の増大への懸念が広がっていることについて、「懸念している国があるが、その必要はない。中国は平和発展の道を歩む大国だ」と述べました。

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