曽野綾子氏、抗議した南ア大使とニュース番組で論戦
2015年3月6日23時9分 スポーツ報知
作家・曽野綾子氏(83)のコラムをめぐり、「アパルトヘイト(人種隔離政策)を容認した」と抗議した南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使が6日夜、BSフジの「LIVE プライムニュース」で曽野氏と共演し、議論を戦わせた。
曽野氏は産経新聞の連載コラムで「労働力不足と移民」と題し、「20~30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、移住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」と書いていた。
これに対し、ペコ大使は「アパルトヘイトを許容し、美化した」として、同14日に産経新聞社宛に抗議文を提出。NPO法人「アフリカ日本協議会」も同社や曽野氏に撤回を求める要望書を出したが、曽野氏は撤回の意向はないと明言していた。
番組内でペコ大使は、「今でも(南アは)アパルトヘイトの傷とともに生きているし、傷はまだ癒えていない。あの時代を思い起こさせるものを提案されたことを残念に思います」と主張。これに対し、曽野氏は「区別と差別は違う。(たとえば南アで)クサヤの干物を食べたくなっても、アパート中から文句が出るので食べられないでしょうね。でも、日本人村があって、そこに住めば安心してクサヤが食べられるなら、私はそこに住むと思うんです。ですから区別はする方がいい」と持論を展開した。
2人は、騒動後に既に南ア大使館で面会。ペコ大使は、意見こそ違うものの「曽野さんは素晴らしい方。友情を育てていきたいと思っております」とも話しており、議論は穏やかな雰囲気の中で行われた。