日本人が見落とす、日本アニメの素晴らしさ! 外国人が真似したくてもできない“独特の感覚”とは?
『アニメージュ 2015年 03 月号』(徳間書店)
私は、ルドルフ・グライナーです。日本と世界を研究するドイツ人です。私は、日本と世界の違いやドイツと日本の違いを研究しています。
ドイツ人は、ドイツの文化や民族の誇りを重視するのに対して、フランス人は、他国の文化を取り入れて、自国の文化として発展させることに誇りを持つ「文化の国」です。
フランスの人々は、「ほかの国の文化を取り入れて発展させたのだから、フランスの方が文化的に高い位置にある」という自負を持っています。立場的には、日本とまったく変わりません。日本も中国から多くの文化を取り入れ、真似し、そして、自分の文化として独自に発展させました。明治以降は、欧米各国の文化も取り入れつつ、それらを消化して、日本流の文化にしてしまいました。
今の日本は、文化大革命で文化を捨ててしまった中国よりも、はるかに古い中国や古いインドの文化を持っています。フランスも同じです。日本より歴史は古くありませんが、文化に関してとても器用な面を持ちあわせています。
そして、そのフランスが今取り入れようとしているのが、日本のアニメーション文化なのです。
フランスでは毎年「ジャパン・エキスポ」という、日本のアニメの祭典が行われています。また、パリの街には日本の漫画本を取り扱う本屋も増えています。フランス人の中には「日本の文化をいち早く取り入れたのはフランス人だ」と自慢する人も少なくありません。もちろん、政治的な意図はまったくありません。彼らは、純粋に日本のアニメが好きで、また素晴らしいと感じ、その文化を何とか自分たちの中に取り入れようとしているのです。
では、なぜ日本のアニメはよいのでしょうか?
・複雑なストーリー
まずは複雑で心の奥深くを捉えた内心的な「ストーリー」です。日本のアニメは、常にヒーローが勝って終わるという単純なものではなく、主人公の内面や心理をうまく表現しています。現実に生きる私たちも、主人公の気持ちを理解することができます。そして、現実とかけ離れていない内心描写と、現実とかけ離れた環境設定のギャップは、さまざまな物語を醸成することが可能なのです。
その内心的なストーリーを引き立たせる「表現」も素晴らしいです。日本のアニメは、音楽、そして絵の細部に至るまで、すべてのひとコマひとコマに意味があるのです。また、セリフだけではなく風景でも心情を表現できるのは、日本人の四季を愛し、自然を大切にし、自然とともに生きる日本の高い文化性が影響しているといえるでしょう。
・ファッション性
そして「ファッション性」の高さも評価されています。登場人物たちは、同じ制服を着ていても、何か特徴的なアイテムを身につけさせ、性格を表現します。また、それらのキャラクター服は、基本的に現在の縫製技術で簡単に作れて、コスプレもできます。フランスの高級ファッションデザイナーが作るファッションとは違い、誰でも簡単に作れるアイテムで、個性を出せるのです。
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