騎馬戦事故、福岡県に2億円賠償命令 福岡地裁「練習義務怠る」 [福岡県]
高校時代の体育祭の騎馬戦で落下して首から下がまひした福岡市の男性(29)と両親が、通っていた県立高校の不十分な安全配慮が事故の原因だとして、県に対し約2億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は3日、県に約2億円の支払いを命じた。
永井裕之裁判長は判決理由で「実戦形式での事前練習はなく、生徒が転落の危険性を認識し、対処する能力を身に付けるのに十分でなかったことは明らか。学校側は生徒に十分な練習をさせる義務があるのに怠った」と述べた。
判決などによると、男性は県立筑前高校(福岡市西区)の3年生だった2003年9月、体育祭の騎馬戦で騎手を務め、地面に落下。首の骨折と診断され、04年7月に身体障害者手帳(1級)の交付を受けた。
騎馬戦は「一騎打ち」方式で行われ、学校側は一つの対決に対し、1人の審判(教員)を付けるなど安全に配慮したと主張したが、永井裁判長は「騎手が落下する方向が急に変わっても審判が危険防止措置をとれるよう、騎馬1組に対し複数の審判を配置する義務があった」として退けた。両親への支払いは認めなかった。
判決を受け、福岡県教育委員会の城戸秀明教育長は「判決内容を慎重に検討し、今後の対応を考えたい」とするコメントを出した。
=2015/03/03付 西日本新聞夕刊=