2015-03-06
あの「いちえふ」が持ち込まれたのにボツ判断の編集者がいた? どうしてその判断…鈍いのか、逆にポリシーか
先週号です。また「店頭からなくなってから書いてしまうシリーズ」。
読みたい人はバックナンバーのある漫画喫茶どこかで読むか、3巻の発売まで……
「いちえふ」は掲載直後から大大反響を呼んだことはご存知の通り。
自分だって、連載第一回が出てら、即座にtwitterにあふれ出た反響をまとめたぐらいだ。
原発事故跡の作業風景を描く漫画「いちえふ」反響〜作者アカウントなどを中心に - Togetterまとめ http://togetter.com/li/572305 @togetter_jpさんから
だが、今回………2015年13号に掲載された第16話は、2012年末に(被ばく線量の上限となったので)福島での仕事をひとまず終えて戻ってきた作者・竜田一人氏が、この「いちえふ」の第一回を書いて掲載されるまでの話なんだが…
目を疑う光景が描かれていたのだ。
えええええええええええええええええ????? マジ??
むかし、浪曲だったか講談だったか落語だったか「紀伊国屋文左衛門一代記」を聴く機会があった。ご存知の通り彼は、荒天で正月のミカンがまったく産地から輸入されない江戸に、嵐をついて船を出し、高値でミカンを売りさばき財の基礎をつくった。
『沖の暗いのに白帆が見える あれは紀の国 みかん船』
ってやつですね。
で、その浪曲だか講談では、江戸のミカン問屋に、文左衛門が「うちは今、ミカン船到着しましたが…」と売り込むと、この一言で番頭はんは
「逃がすなああっっっ!!!」
と絶叫し、店のものが総出で文左衛門を屋敷に招待、というか拉致する。
「商売相手かドロボウかわかったもんじゃありません」というくだりもあったような…
話が大いにそれたが(笑)、いや、あの時に、「実際に福島の現場で作業を経験した人が、あの水準で漫画を描く」となったら、江戸にようやくやってきたミカン船を逃がさない問屋のように、編集部はとびついて、くらいついて当然とちゃう??
自分のようなシロートでさえ、話を聞いただけで「こりゃ話題になるわ…」と思ったし、実際に漫画を見て「絶対話題になるな」と確信して、実際にそうなったでっしゃろ。
こちらのかきおろし企画は最終的に見送りになったのだから、同じことなのかもしれないが、でもやっぱりこれぐらいテンションが上がって当然だよな。
結果的に「モーニングの連載」はそれ自体が最高の宣伝であり、ヒットの要因でもあったのだから結果はオーライだが、
そりゃ、話題になるがなあ。
そこから逆算しても、上のテンションが低く名刺も渡さない「若い編集者」はなんなんだろう、と思う……
「進撃の巨人」作者に対してみたいに「いちえふじゃなくジャンプを持ってきてくれ」とでも言ったのか(笑)? ※この話は↓を参照
「進撃の巨人」人気、社会現象化をあらためて思う【創作系譜論】 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130712/p2
いやちがったジャンプじゃない(笑)実は作品の中で、ここは「モーニングのライバル誌」と書かれているから、たぶんあすこだろう、と微妙に想像がつかないでもないですがね…。
「進撃の巨人」や「スターウォーズ」「風と共に去りぬ」「アルジャーノンに花束を」「ハリー・ポッター」など、「最初は原稿や企画がどこからも評価されなかった、たらいまわしにあった」伝説のヒット作品は枚挙にいとまがない。そういうのは、分からんでもないんですよ。
「琴となり 下駄となるのも 桐の運」
<林忠崇>http://homepage3.nifty.com/ponpoko-y/kotonoha/k-20.htm
「重版出来!」でも、主人公の編集者は、とある持込原稿が「うちでは難しい」と判断しつつもお世話(他社の紹介)をしたところ、意外なかたちで大ヒットしてへこむ話があった。周囲には「こういうのは相性もあるから」、となぐさめられる。
でも、「いちえふ」はさあ…もっとも低俗というか単純なレベルにおいて「話題作」になることは、やっぱり俺がドシロートすぎて単純なのかもしれないけど、もう確実中の確実だったんじゃないですかねえ。
だが、ここで逆に思う。彼は「これは話題になるかも、売れるかもしれない。だが、敢えて俺の漫画に関するポリシーを貫く!」だったのかも?
自分は実のところ、「めずらしい『体験』を描くエッセイ漫画」は大好きで、このジャンルは総合して日本の一番の諜報機関、民俗学の研究機関だと思っている。当然マンガの質は問わない…のだが、「漫画がただの紹介広報、ガイドブックになっていいのか」的な批判、ポリシーを持っている人がいることは知っている。
また全然そうは思わんけど、いちえふは「フクシマ(片仮名)の現状を隠蔽している」「東電のプロパガンダ」うんぬんという批判をする人もいる。
上の小学…いや、某社の若い編集者は
「これは確かに話題になるだろう。売れるだろう。だが……マンガはこうであるべきではないのではないか!いかに評判作になることが確実でも、俺のマンガのポリシーとは違う!!」ということで突っ返したのではないか、との可能性も思うのだ。
「これは漫画でやるべきことなんでしょうかね?」という問い、自分は「やるべきことです!」と200%の確信で断言したいが、異論を持つ人もいるのだろう。
いやあ、そうでも考えないと「『いちえふ』の原稿が持ち込まれたが、興味を示さないプロのマンガ編集者がいた」という状況が考えられないんですよ。
しかし、あまりの衝撃だったので敢えて書かせていただいた次第。
それとも「政治的問題」の考慮か?次回は3月26日発売!匿名の「忠告」?何かの圧力?
次回は3月26日発売号に載るらしいのだが、巻末ハシラの予告文が不気味…
な、な、なんだなんだなんだ。
- Twitter / @kamezonia
- Twitter / @lobo_marino_r
- Twitter / @shikaichiban
- Twitter / @itohnobuaki
- Twitter / @gryphonjapan
- Twitter / @yakudachi2000
- Twitter / @shimaalexander
- Twitter / @ma9593
- Twitter / @masa_t758
- Twitter / @gryphonjapan
- Twitter / @_mrms_
- Twitter / @Quichan_1
- Twitter / @butsumon
- Twitter / @shyarakusai
- Twitter / @yukiF15SE
- Twitter / @yura_yuki
- Twitter / @hastur_1
- 889 http://gunosy.com/rd/REOyf
- 762 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=e2865be3c3dc7d5dfca1b60500e17c18
- 432 http://b.hatena.ne.jp/
- 296 http://gunosy.com/g/REOyf
- 207 http://www.hatena.ne.jp/
- 155 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=7ed2910a6358c42a7305fae463b19704
- 115 https://www.google.co.jp/
- 98 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=e37837a19ca694985bf872e4488721eb
- 84 http://pipes.yahoo.com/pipes/pipe.info?_id=d1b01f07bcbd9edd1c43efa31d885b11
- 84 http://www.sleipnirstart.com/