埼玉県警:女性だけの鑑識班を新設 性犯罪被害者ケア
毎日新聞 2015年03月05日 21時51分(最終更新 03月05日 22時44分)
埼玉県警は5日、本部鑑識課に女性警察官だけで構成する「女性機動鑑識班」を来月新設すると発表した。性犯罪などの鑑識活動で被害に遭った女性の心理的な負担を軽減するのが狙い。全国初の試みで注目されそうだ。
機動鑑識班は、事件現場にいち早く駆け付けて鑑識活動を行うために、常に待機している。同県警の鑑識課には現在、女性が3人いるが当直には加わっていない。今回新たに女性6人で構成する班を設け、24時間3交代制で事件発生に備える。
性犯罪事件の初動捜査では、被害女性から加害者を特定するための遺留物を採取する必要があり、女性警察官が欠かせない。同県警ではこれまで機動鑑識班の出動時に女性が必要な場合、現場を管轄する署に協力を要請。深夜などで署の当直に女性がいない場合は非番の女性を呼び出すこともあったという。同県警は「今回の女性機動鑑識班の新設で、被害者女性への配慮と警察官の職務の効率化が同時に図れる」としている。【山寺香】