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» 2015年03月06日 09時54分 UPDATE

「ネットで調べて作った」“バズーカー砲”少年が供述……材料はホームセンターで購入可、誰もが銃を“国内生産”できる時代に (1/4)

武器を完成させていくのが楽しかった――殺傷能力のある空気銃を製造したとして、未成年者として初めて逮捕された少年。「インターネットで調べてつくった」と供述しているという。

[産経新聞]
産経新聞

 武器を完成させていくのが楽しかった−。殺傷能力のある空気銃を製造したとして、未成年者としては全国で初めて逮捕された少年は、そんな趣旨の供述をしたという。兵庫県警少年捜査課などは2月16日、武器等製造法違反(無許可鉄砲製造)と銃刀法違反(所持)容疑で、同県宝塚市の県立高校1年の少年(16)を逮捕した。まるで「バズーカー砲」を思わせる全長約208センチもある空気銃は、約1メートル離れてもスチール缶を撃ち抜けるだけのすさまじい威力があったようだ。少年は「インターネットで調べてつくった」と供述しているが、昨年5月には、神奈川県で3Dプリンターを使って拳銃をつくり、逮捕された元大学職員の男もネットを参考にしていたとされる。誰もが危険で威力のある「銃」を製造できるようになったのだ。専門家は安易な気持ちによる「武器製造」に警鐘を鳴らしている。 (桑村朋)

「大砲のような」大型の空気銃

画像 少年が製造した全長約208センチの空気銃の原材料は身近なところで販売されているものばかりで、兵庫県警の調べに対して「インターネットで調べてつくった」と供述している。誰もが危険で威力のある「銃」を簡単に製造できる時代に突入したのか

 「生徒が自宅で大砲のようなものを持っている」

 平成26年11月、少年が通う県立高校に、ある保護者から連絡があった。少年は自身で製造した空気銃をスマートフォンで撮影し、その画像を同級生の友人に見せびらかしていたという。友人の親が画像を見て、あわてて高校を通じて伊丹署に通報したことをきっかけに、捜査が始まった。

 県警は少年宅を家宅捜索し、空気銃と準空気銃の計3丁を押収した。塩化ビニール製パイプなどを銃口にして、可燃性ガスを爆発させて弾丸を発射させる仕組みだった。

 驚いたことに、空気銃に使われた原材料はすべてホームセンターなど、身近なところで市販されているものばかりだった。弾丸も金属製のボルトを加工したもの。少年の部屋からは試射で弾丸が貫通したスチール缶も見つかった。

 県警が3丁を鑑定した結果、1丁は殺傷能力が認められる全長約208センチの空気銃で、口径は25ミリ。残る2丁は空気銃に準ずる威力を持つ全長が約139センチと118センチの「準空気銃」だった。

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