18歳選挙権:与野党6党が法案提出 16年参院選目指す
毎日新聞 2015年03月05日 22時07分(最終更新 03月05日 22時53分)
与野党6党は5日、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案を衆院に再提出した。民主党は複数の幹部が同日、法案の早期成立に協力する考えを表明し、今国会で成立する見通しとなった。6月下旬ごろまでに法案が成立すれば、来年夏の参院選から18歳以上による投票が実現することになる。
引き下げの対象となるのは、国政選挙、地方自治体の首長と議会の選挙で、公布から1年経過した選挙に適用される。自民、民主、維新、公明、次世代、生活の6党などが共同提案した。社民、元気、新党改革、無所属クラブの4党・会派も賛成する考えを示している。
法案提出後、自民党の船田元・憲法改正推進本部長は、「来年夏の参院選から18歳投票が実現するのではないかと期待して提出した」と記者団に語った。民主党の蓮舫代表代行は記者会見で「この国会で成立するように最大限努力していく」と表明した。別の民主党幹部も「(国会審議の)カードや人質に取るべき案件ではない」と明言した。ただ、2015年度予算案の成立後は安全保障法制の国会審議が控えており、与野党の駆け引きが激化すれば、法案審議が先送りされる可能性もある。
昨年6月に施行された改正国民投票法は、施行4年後に投票年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げると規定。選挙権についても「速やかに法制上の措置をとる」としていた。選挙権年齢が引き下げられれば、自民党は憲法改正に向け「条件が整った」と主張できる。参院選後の国民投票を見据える自民党が、改憲に向けた動きを加速するのは確実だ。
共産党の志位和夫委員長は記者会見で「憲法改定に持っていこうということで提出された問題があり、国会審議でただした上で態度を決めたい」と語った。
引き下げが実現すれば約240万人の18歳、19歳が選挙権を有することになる。各党とも若者にどうアピールするかの検討に乗り出す。
船田氏は「若者に向けた特別な運動をする必要はある」と強調。公明党の北側一雄副代表は「社会保障や税の問題は世代間公平をどうはかるかということが大きなテーマ」と、若者対策への意欲を語った。民主党はインターネット発信を強化。岡田克也代表が東京都内の高校生、大学生らと交流するイベントも企画している。【阿部亮介、村尾哲】