Ok, this Japanese book about @evernote by @nokiba has a seriously fantastic cover! http://t.co/I48Z88RuHi pic.twitter.com/jD70SgJGkp
— Phil Libin (@plibin) 2015, 3月 5
本を書いていると、何があるかわからないですね。
誤解している人は少ないと思うのですが、一般的な書籍の表紙というものは、著者が決めているわけではありません。
4点ほどの「表紙案」を示され、その中から「気に入ったヤツを選んでね」と言われるのが一般的です。
しかも「これがいい!」と言ったからといってそれが採用されるわけでもありません。
著者がイラストレーターでもあれば違うのかも知れませんが、私は絵がまったく描けません。(たぶんかけても事情はあまり変わらない気がします)。
今回の表紙も、「これがいい!」といったわけではありませんでした。でもEvernoteCEOに気に入ってもらえたからよかったと言えるでしょう。
表紙について今回、出版社さんと意見交換した点といえば「ゾウだけはやめよう!」ということでした。これはウチの妻すらも賛成で、「毎回毎回みどりに灰色のゾウで、あれ見ただけで買わない人が絶対にいるね!」とナイーブに断定されるくらいだったので、意を強くして「ゾウは前面に出さない」で意思統一されました。
ちなみに蛇足ながら、誤解している人が多いので付け加えておくと、タイトルも著者が決めているケースは希です。
にもかかわらずみなさん周知のように、本屋さんで何が目に入ってくるかといえば表紙とタイトルなので、本が売れなかった際の著者の脱力感は大きいのです。
もうけ主義とか、売れればいいわけではないというのは、もちろんそうですが、次のようにイメージして下さい。
あなたが料理人だったとします。食材選びから、調理はもちろん、飾り付けまでえらく手間暇かけても、最後には「重箱詰め職人」(いま適当に考えました)にお渡しする決まりになっている。
お客さんは、重箱のデザインで食べるものを決める。重箱をあけてもそれを食べなければいけないわけではない。しかし全部の重箱をあけて確かめるには、重箱の数が多すぎる。
何がいけなかったのかわからないけれど、あなたが精魂込めて作った料理が収まっている重箱は、誰にも見向きもされなかった。つまりふたが開けられることなく終わった。
Evernote仕事術 | |
佐々木 正悟
東洋経済新報社 2015-02-12 |