Evernote仕事術の表紙がCEOに気にいってもらえたようです

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本を書いていると、何があるかわからないですね。

誤解している人は少ないと思うのですが、一般的な書籍の表紙というものは、著者が決めているわけではありません。

4点ほどの「表紙案」を示され、その中から「気に入ったヤツを選んでね」と言われるのが一般的です。

しかも「これがいい!」と言ったからといってそれが採用されるわけでもありません。

著者がイラストレーターでもあれば違うのかも知れませんが、私は絵がまったく描けません。(たぶんかけても事情はあまり変わらない気がします)。

今回の表紙も、「これがいい!」といったわけではありませんでした。でもEvernoteCEOに気に入ってもらえたからよかったと言えるでしょう。

表紙について今回、出版社さんと意見交換した点といえば「ゾウだけはやめよう!」ということでした。これはウチの妻すらも賛成で、「毎回毎回みどりに灰色のゾウで、あれ見ただけで買わない人が絶対にいるね!」とナイーブに断定されるくらいだったので、意を強くして「ゾウは前面に出さない」で意思統一されました。

ちなみに蛇足ながら、誤解している人が多いので付け加えておくと、タイトルも著者が決めているケースは希です。

にもかかわらずみなさん周知のように、本屋さんで何が目に入ってくるかといえば表紙とタイトルなので、本が売れなかった際の著者の脱力感は大きいのです。

もうけ主義とか、売れればいいわけではないというのは、もちろんそうですが、次のようにイメージして下さい。

あなたが料理人だったとします。食材選びから、調理はもちろん、飾り付けまでえらく手間暇かけても、最後には「重箱詰め職人」(いま適当に考えました)にお渡しする決まりになっている。

お客さんは、重箱のデザインで食べるものを決める。重箱をあけてもそれを食べなければいけないわけではない。しかし全部の重箱をあけて確かめるには、重箱の数が多すぎる。

何がいけなかったのかわからないけれど、あなたが精魂込めて作った料理が収まっている重箱は、誰にも見向きもされなかった。つまりふたが開けられることなく終わった。

Evernote仕事術
Evernote仕事術 佐々木 正悟

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著者:佐々木 正悟
1973年(昭和48年)生まれ。心理学ジャーナリスト。ビジネス書作家。
人を子ども扱いするのは好きではありません。
もっとも語りたくないのは人生哲学です。