電子シャッターのデメリット

最新のカメラ、GX7やGM1などに搭載されている電子シャッターにはデメリットもある。この際だからよく確認しておきたい。

電子シャッターのデメリットというか問題点は、高速シャッター撮影時に動体が歪むことだ。中国の高速道路で窓の外を撮影した写真を載せる。
カメラはパナG6、レンズ14-140(新)、1/1600、f5.6の高速シャッター使用。



うっかりメカシャッターに切り替えるのを忘れて電子シャッターで撮影したら、柱が曲がってしまった。その上表示も自動車もすべて右に傾いている。チープな中国製だから傾いているのではなく、これが電子シャッターのデメリットだ。

風景写真だからまだいいが、運動会で短距離走をする子供を写したらどうなることだろう?ちょっと怖いかも。
もっとも、一般の人から歪みが気になるという声を聞いたことがないので、普通は気がつかないのか、それとも実用上は問題ないのかもしれない(一般の人には)。
では、静物撮影ではどうか、簡単に検証してみる。


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表計算ソフトで、線幅1pt、3mm幅、100%黒色の設定で格子を書き、
A4用紙にプリントした。



これを壁に貼って、Panasonic GH3 + 14-140/3.5-5.6(新型)、
85mm付近、自然光で撮影した。

共通の条件

シャッター:電子シャッター
露出:シャッタースピード優先オート
シャッタースピード:1/125
絞り:5.4(相当)
ISO感度:Auto(ISO500)
ホワイトバランス:Auto

いつものようにRAWで撮影してcapture one で現像した。
(Jpeg撮影でもいいんだけどこの手順が癖になっていて)

手ぶれ補正off・三脚使用


手ぶれ補正on・手持撮影


電子シャッターって、動体でなくても歪むんだな。

三脚撮影の方はビシッと直線がでているのに対して、手持ちで手ぶれ補正onの方は直線が曲がっている(写真はクリックで拡大できます)。他のメーカーが電子シャッターを採用しない理由はこれか。これじゃあなあ。
よく見ると曲がっているのは縦線で、横線はまっすぐだ。このことから縦走りシャッターが原因であることが推測される。

手持ち撮影の方がピントが甘いけど、これは近接撮影のため自分がわずかに揺らいで被写界深度から外れてしまったからだと思う。
わずかな歪みだから自然風景をとっている分にはまったく気がつかないだろう。そして広角レンズではそれほど目立たないと思う。たぶん。しかし被写体が建築物なら問題になる。

望遠レンズと手ぶれ補正併用でさらに歪む
同じくGH3+14-140mm(新型)の140mm域で遠方のビルを撮影した。
絞り優先オートで絞りF10、シャッタースピード1/360。
電子シャッター使用。



液晶モニタでこの写真を見たとき、カメラが壊れたんだと思った。
こんな写り方はフィルムなら絶対にしない。
デジタル回路のどこかがイカレたんだろう。
でもそうではなくて、手ぶれ補正をオフにしたら正常に写った。
動体撮影でもないのにこの始末。どうやら、電子シャッターの使用は条件によってはかなり注意を払った方がよいようだ。この結果はGX7でもGMでも同様だ。
面倒な話だ。

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『電子シャッターのデメリット』へのコメント

  1. 名前: 投稿日:2014/05/19(月) 18:07:00 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS:
    こんにちは、有賀さん。
    興味深く読ませていただきました。
    電子シャッターのデメリットはよくわかりました。
    逆に電子シャッターのメリットは、機械式シャッターの1/8000秒のような高速シャッターが、安価に実現可能ということでいいのでしょうか?

  2. 名前:photo_yatra 投稿日:2014/05/19(月) 20:45:00 ID:589fc6ab0

    SECRET: 0
    PASS:
    こんばんは。

    メーカーサイドから見れば、電子シャッターのメリットは製造コストが安いことだと思います。可動部分がないから耐久性も高いかもしれませんね。

    ぼくがメリットだと感じるのは、無音シャッターなので静かな音楽会でも写真を撮りやすいこと、ショックが少ないから手ぶれに強いこと、などです。静粛性は必要なので、当面はパナソニックから離れることができません。

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