【北京・石原聖】中国の李克強首相は５日に行った政府活動報告で、「世界反ファシズム戦争・中国人民抗日戦争勝利７０年を記念する関連事業を開催し、国際社会とともに第二次大戦の勝利の成果と世界の公平、正義を守る」と表明した。

　中国政府は第二次大戦の主要参戦国の指導者や「中国の勝利に貢献した国際的な友人」を招待して軍事パレードを行うと明らかにしており、「抗日戦勝記念日」の９月３日に行われるとみられる。共産党機関紙「人民日報」のウェブサイトは「日本は戦後の国際秩序を覆そうとたくらみ、敗戦国という地位の変更を企てている。中国の軍事的実力を示し、日本を震え上がらせる」などと指摘している。

　李首相は政府活動報告で直接的な対日批判は控えたが、「戦勝７０年」の記念行事開催の方針を示すことで、今年８月に予定される「戦後７０年談話」を念頭に、安倍政権の歴史認識をけん制した形だ。