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原子力規制委 ほかに汚染源ないか徹底調査を
3月4日 20時18分

原子力規制委 ほかに汚染源ないか徹底調査を
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東京電力福島第一原子力発電所で、比較的高い濃度の汚染水が排水路を通って海に流れ出していた問題で、原子力規制委員会は、汚染源がほかにもある可能性があるとして、東京電力に対し、汚染源となりうる場所を徹底的に調べるよう指示しました。
福島第一原発では、先月、2号機の屋上の一部にたまった汚染された雨水が、排水路を通じて港の外の海に流れ出していたことが明らかになりました。
この問題が4日開かれた原子力規制委員会の会合で取り上げられ、東京電力は、再発防止策として、来月上旬までに問題の排水路の水をポンプでくみ上げて港の内側につながる別の排水路に移す対策を取るとともに、来年度中に問題の排水路が港の内側につながるようにルートを変える工事を行う方針を示しました。
これに対して、委員からは、「汚染源はほかにもあるのではないか」とか「見落としているケースがあるのではないか」といった指摘があり、東京電力に対し、ほかに汚染源となりうる場所がないか徹底的に調べるとともに、ほかの排水路などでも同じような問題が起きていないか調べるよう指示しました。
また、東京電力は会合の中で、去年4月以降、問題が公表されなかった原因として、排水路の濃度が上がっているという情報が直接の担当者を除いて共有されていなかったことを明らかにしました。
このため、規制委員会は、「社内の情報共有の問題が社会との情報共有に影響を及ぼしている」として、共有されていないデータがほかにないか詳しく調べるよう指示しました。          

田中委員長「箸の上げ下げまで指導できない」

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、4日の会見で、福島第一原発で汚染水が排水路を通じて海に流れ出ていた問題の責任を問われたのに対し、「放射性物質の濃度が雨のたびに上がっていたという東京電力からの説明が最近までなく遅れを取った。
大きな問題であるより高い濃度の汚染水を凍結して隔離する対策がうまくいかず、時間ばかりかかる状況が続いていたなかで、箸の上げ下げまで技術指導する立場でもないしそこまではできない」と話し、理解を求めました。
そのうえで、汚染水対策を巡って東京電力がたびたび漁業者などの批判を受けていることについて、「汚染水は今後もずっと続く問題なのに、その覚悟ができていない。
もっと率直に漁業者や県民に語りかけなければどうしようもない。
それを避けていることを非常に遺憾に思う」などと述べ、東京電力の地元との対話が不十分だという認識を示しました。

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