(由樹)最初は私がプロットを書いて遠野先生が小説に仕上げました。
(坪田)ネット上で拡散されています。
(神崎)駿峰社と遠野リサで川原由樹を名誉毀損による損害賠償請求で提訴することが決まった。
ゴーストライターの疑惑を完全に払拭する。
川原由樹をつぶすために彼女の人格を否定する。
(リサ)精神的に不安定な部分がありました。
思い込みといえば2人で遠野リサを続けましょうと言われました。
(神崎)遠野リサか川原由樹どちらかしか生き残ることはできない。
(男性)注目トピックは何といっても川原由樹さんのゴーストライター発言に決着です。
(由樹)最初は私がプロットを書いて…。
(リポーター)川原由樹さんのご実家前です。
川原由樹さんのことでお話伺えないでしょうか?
(由樹の父)お話しすることはありません。
(リポーター)娘さんのインタビュー動画…。
(操作音)
(リポーター)来ました。
行きましょう。
(リポーター)川原由樹さんの婚約者だった方ですよね?
(リポーター)破談の原因は何だったんですか?
(リポーター)やはり精神的に不安定だったからですか?
(リポーター)ちょっと待ってくださいよ。
(リポーター)付き合ってるときから情緒不安定だったってホントですか?
(リポーター)最後に会ったのはいつごろですか?
(リポーター)もともと思い込みの激しい子だったそうなんですが…。
(男性)川原由樹さんの高校時代の友人にお話を聞いてみたいと思います。
高校時代川原由樹さんはどんな子だったんですか?
(女性)う〜ん…東京に行ってからちょっとおかしくなった気がします。
話してると…。
もしもし。
うん。
ごめんねお母さん。
(小田)裁判には勝っても遠野先生はまだ厳しい状況だと思います。
遠野先生はもう小説なんて書けません。
だからといって今のタイミングで引退発表したらやっぱり書けないんじゃないかと思われるからそれもできないと思うんです。
何が言いたいかというとまだ完全に遠野先生が勝ったとは言えないんじゃないでしょうか。
(真奈美)小田川原さん退院したばっかりなんだから。
(小田)あっすいません。
(真奈美)よかったらスープだけでも。
ありがとうございます。
(神崎)このタイミングで引退を発表するのはどうかな。
やっぱり遠野リサは書けないんじゃないか?そう思われる。
(リサ)言わせないわそんなこと。
(神崎)とにかくタイミングはよく考えよう。
大丈夫。
私には切り札があるから。
切り札?ええ。
(操作音)
(男性)遠野リサさんがいらっしゃいました。
間もなく会見が始まります。
このたびは世間を騒がせ皆さまにご心配をおかけし申し訳ありませんでした。
裁判はやはりお互いを傷つけることでしかなくホントにつらいものでしたがたくさんの励ましのお言葉を頂きました。
支えていただいた皆さまに私が何をできるのかといったらそれはいい作品を発表することだと思います。
でも今私が一番やりたいことやらなければならないことは何か。
そう考えたときにそれは小説を書くことではありませんでした。
私は今家族との時間を大切にしたいと思っています。
息子との時間。
それと母の介護です。
実は母は認知症を患っております。
母は私のことをもう認識できていません。
それでも母は母です。
これからは執筆よりも家族との時間を優先させたいと思っています。
(記者)休養宣言と受け取ってよろしいでしょうか?はい。
(記者)復帰の予定は?それは今は何とも申し上げられません。
あっただ講演などの執筆以外の活動はこれからも続けていきたいと思っています。
(操作音)
私は遠野リサという自分と一生付き合い続ける
遠野リサは皆に称賛され続ける
遠野リサを私の中から消すことなど…
できない
(美鈴)お疲れさまでした。
長い間ありがとうございました。
先生執筆はおやめになっても講演活動などは続けるとおっしゃったじゃないですか。
今までどおりスケジュール調整などは私が。
でも…。
ご迷惑ですか?ううん。
だったら…。
ありがとう。
助かるわ。
(坪田)編集長ほら新しい椅子じゃないですか。
取締役は背もたれ75cmって決まってるんですから。
(神崎)バカみたいな決まりだな。
(坪田)どうです?座り心地。
どうした?介護とか認知症ってホントですか?
(坪田)小田お前…ちょっと何言ってんだよ。
おい。
(神崎)もちろん事実だ。
嘘ばっかりじゃないですか。
川原さんにどれだけひどいことしたか分かってます?ただ小説を書きたいだけの人を何で…何であそこまでたたきのめさなきゃならなかったんですか!
(坪田)小田よせ!
(小田)編集長!もしかして川原由樹を動画ニュースでしゃべるように唆したのはお前か?何でそんなことした?本当のことだからです。
(神崎)真実を語ることが正義だとでも思ったのか?それで?お前の胸は痛まないのか?彼女は世間に顔をさらすことで人生を懸けた。
その結果全てを失った。
なのにお前は安全な所にいて何も失ってない。
それとも会社を辞める覚悟でもあったか?お前の青臭くて中途半端な正義感が彼女を葬り去ったんだ。
小田。
(小田)編集長の言うとおりだ。
会社辞めたりしないよね?
(尾崎のメッセージ)由樹大丈夫?声を聞きたい。
(通話の切れる音)
(鳥飼)今だから言うが川原由樹がゴーストだと名乗り出たときは生きた心地がしなかったよ。
ハハッ。
申し訳ありませんでした。
(鳥飼)少し休むといい。
いえ休んでも何もすることはありませんし。
何言ってるんだ。
これからはもっといい仕事をしてもらわなきゃならない。
これでゆっくりしてこい。
期待するな。
俺のポケットマネーなんて高が知れてる。
ハハハ。
ありがとうございます。
田浦さんはいつまでここに?ずっとです。
これから先もずっと先生を支えていきます。
そうですか。
(美鈴)ええ。
私と先生は利害のない関係ですから。
どう?母が認知症っていう事実を基に感動的なストーリーを作り上げた上に芝居までやってのけた。
完璧でしょ?よせ。
悪ぶるな。
お疲れさま。
つらかったな。
つらかった?そんな簡単な一言で済ませないで。
人一人殺したようなものよ。
彼女は運が悪かった。
もう彼女の話はやめましょう。
終わったことよ。
鳥飼常務から金一封が出た。
これでお母さんとどこかゆっくりしてきたらどうだ?行かないわ。
お母さん外出厳しいのか?そういうわけじゃないけど母とは出掛けたくない。
じゃあ俺と行くか。
えっ?決まりだ。
行こう。
(元子)最近よく来てくださるのね。
娘とは大違い。
週末にはねどこか外に出てみたいと思ってるの。
(元子)よかったら付き合ってくださる?予定があるから。
何を怖がってるの?いや…。
あっ…。
別に怖がってなんか…。
フッ。
そうね。
これが最後の旅行だからよ。
これで全部おしまい。
自分の母親にも愛されなかった私が…。
誰かに愛されるわけなんかないもの。
(戸の開く音)おかえり。
食べる?
(大樹)遠野リサの母親に会ってみたいんだけど。
えっ?会っても大樹のことたぶん分からないと思う。
いいよ別に。
(女性)こんにちは。
(女性)今日は何ですか?
(女性)えっ…お鍋にしようかなと思って。
(女性)ちょっとほらあの人川原さんじゃない?
(女性)えっ誰?
(女性)ほら遠野リサの。
(女性)あっ週刊誌に載ってた。
(女性)テレビに出てたわ…。
(女性)うん。
見た見た…。
(女性)あの人川原さんですよ。
(女性)あ〜私テレビで見ました。
(女性)何か思い込みが激しいらしいわね。
・
(ドアの開閉音)ただいま。
おかえりなさい。
おいしそう。
今日は外に出てたんですね。
部屋に閉じこもっててもしょうがないので。
食べましょう。
(真奈美)頂きます。
あの…すいませんでした。
僕が動画ニュースで話そうって言ったからこんなことになってしまって…。
でもまた小説書いてください。
本にはできなくてもネットで作品を読んでもらうことだってできますしよりたくさんの人に読んでもらうために色々考えます。
あっもちろんいつかは絶対本作りましょう。
駿峰社なんてあんなくそみたいな会社ですけど辞めたらもっと何もできなくなるからいるしかなくて…。
ホント情けないですけど。
(小田)でもどれだけ時間がかかっても僕は必ず川原さんの本を作ります。
だから小説書いてください。
はい。
(尾崎)遠野さん。
あなたここで何してるの?私を探しに来たの?
(尾崎)由樹がどこにいるかご存じないとは思いましたが…。
連絡つかないの?はい。
駿峰社の小田君っていう編集者が知ってるかもしれない。
『エターナルレシピ』読みました。
俺には分かりますから由樹が書いたってこと。
強い絆で結ばれてるから?なのにあなたには彼女から連絡がないのね。
後悔してます。
あのとき力ずくでも由樹をあなたから引き離すべきだった。
失礼するわね。
あなたは由樹にとって神様じゃなくて悪魔だったから。
(小田)失礼ですが川原さんと結婚するはずだった方ですか?はい。
由樹どうしてるかご存じですか?川原さんなら大丈夫です。
大丈夫って…。
小説も書くって言ってくれてますし。
いやちょっと待ってください。
ゆっ由樹を訴えてひどい目に遭わせたのは遠野リサさんとこの会社ですよね?川原さんが小説を発表できるように僕が支えていきます。
(元子)こんにちは。
こんにちは。
大樹よ。
何しに来たんです?理紗との結婚は認めませんよ。
お母さん違うわ。
孫の大樹よ。
あなたみたいな人と一緒になったら理紗が駄目になる。
お帰りください。
外に出て。
帰りなさい。
すぐにここを出てってちょうだい。
出てって出てって。
帰りなさい。
出てって。
すぐに出て。
出なさい!
(戸の開く音)
(元子)二度と来るな!お母さん落ち着いて。
嫌…。
お母さんおか…あっ!お塩!お塩お塩…お塩はどこ?お塩は。
お塩…。
本当だったんだ認知症。
嘘だと思ってたの?最後に確かめたかったから。
最後?この家出るんで。
本気なの?大学は?受験するのよね?しない。
じゃあどうするっていうのよ。
行き先だけは言っていきなさい。
携帯つながるから。
1人でどうやって生きてくのよ。
目的は?あるよ。
何?遠野リサから離れること。
じゃあね遠野リサ。
待ちなさい!無理。
お金もなくてどうするの?1人でやっていけるわけないんだから。
(ドアの開閉音)あっ…。
・
(クラクション)大丈夫?来ないで。
触らないで!送るわ。
乗って。
消えてください。
でも…。
いいから消えて!お願いですから…。
(真奈美)ただいま。
あっおかえりなさい。
(真奈美)はい。
(小田)お団子買ってきました。
あっおいしそうですね。
(真奈美)分かりました。
すぐに向かいます。
品川先生の筆が止まってるって。
ちょっと行ってくる。
あっ小田ゆっくりしてって。
(小田)うん。
ありがとうございます。
小説進んでますか?すっごい楽しみにしてるんで。
ネット小説のサイトに登録するかあとはホームページを作ってそこで発表することもできます。
方法は後で考えましょう。
ごめんなさい。
もう書けません。
えっ?あっ焦らせちゃいました?すいません。
もっと休んだ方がよかったら…。
二度と書きたくないんです。
二度と書きたくないって…。
どうしても思っちゃうんです。
小説なんか書かなければこんなことにならなかったのにって…。
裁判でずたずたにされて親にもつらい思いさせちゃって生まれて初めて死にたいって思いました。
ホントに死んだりできないんですけどもう消えちゃいたいって…。
小説なんか書かなきゃよかった…。
あっ…。
ハァ〜おいしい。
年に一度はこんなふうに2人で過ごせたらいいな。
えっ?どうかな?本気で言ってるの?ああ。
信用してないのか?あっ…。
ハハ。
フフフ。
私母のことが嫌いなの。
あの人は私にとって悪魔。
子供のころから私に呪いをかけ続けた。
大樹にとってはきっと私が悪魔ね。
大樹家を出ていった。
どこで何をするのか何にも教えてくれないの。
なかなか骨のあるやつじゃないか。
男の子はそれぐらいの方がいい。
風呂行ってくる。
早く帰ってきて。
ゆっくり漬かってきて。
・
(足音)・
(ノック)・
(従業員)お客さま。
・
(ノック)・
(従業員)お客さま?・
(ノック)・
(従業員)いらっしゃいませんか?お客さま。
・
(ノック)・
(従業員)お客さま?
(従業員)お客さま調理場から火が出ました。
すぐに避難してください。
・
(警報)あっ…分かりました。
(従業員)こちらへお願いします。
あっこちらへこちらへお願いします。
あっお客さまこちらへお願いします。
いや部屋に…。
(従業員)お部屋のお客さまには全てお声掛けしてますのでどうぞご安心ください。
どうぞこちらへ!こちらへお願いします!あっ!
(警報)
(警報)結構燃えてるから危ないよ!
(男性)下がって下がって。
(男性)まだ消えてない…。
(男性)大丈夫ですから。
もう消えますんで。
大丈夫です大丈夫です。
(男性)安心してください。
大丈夫です。
安心してください。
(神崎)リサ!
(従業員)足元お気を付けてお進みください。
(神崎のせき)
(従業員)お客さま!他に女性客は?
(従業員)こちらの建物にはいらっしゃいません。
(神崎)リサ!リサ!リサ!リサ!おい!
(神崎)リサ。
聞きたいことがある。
逃げなかったのか?もう…疲れた。
先生。
死んでたら楽になれたのに…。
そう思ってる?自分だけ楽になろうとするな!死んだら…。
絶対に許さない。
(泣き声)
(戸の開閉音)
(泣き声)
(司会者)今日は遠野リサさんにお越しいただきました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
(司会者)早速ですが視聴者の方からファクスが届いています。
「遠野先生の大ファンです」「先生の作品はたくさん映画化されていますが小説と違う部分はどう感じるのですか?」ということですが先生は現在大ヒット公開中の映画『エターナルレシピ』の原作者でいらっしゃいます。
こちらが原作の小説です。
いいえ。
これは私が書いた小説ではありません。
(司会者)えっ?この小説は私のアシスタントだった川原由樹さんが書きました。
はい。
すぐテレビつけてください!えっ?
(小田)遠野先生が本当のことしゃべってます!
(操作音)私の名前で出された小説のうち『エターナルレシピ』『あかつき』『ランチの時間』『デキ愛』『不文律』『桃色のポップコーン』『黄昏遊戯』『窓際の席で待っています』は川原由樹さんが書いたものです。
私は真実を話した
ようやく話すことができた
川原由樹さんは私のゴーストライターでした。
私は遠野リサを…
消した
奮ってご応募ください
2015/02/24(火) 21:00〜21:54
関西テレビ1
ゴーストライター #07[字]【私は消えたい…勝利のシナリオの結末】
ゴーストを暴露した由樹(水川あさみ)を社会的に葬ったリサ(中谷美紀)はその罪悪感、息子との不和、母の介護で精神の限界に達していた。
詳細情報
出演者
遠野リサ(女流小説家): 中谷美紀
川原由樹(リサのアシスタント): 水川あさみ
小田颯人(文芸雑誌編集者): 三浦翔平
塚田真奈美(文芸雑誌編集者): 菜々緒
岡野慎也(単行本編集長): 羽場裕一
坪田智行(文芸誌副編集長): 水橋研二
尾崎浩康(由樹の婚約者): 小柳友
遠野大樹(リサの息子): 高杉真宙
●
田浦美鈴(リサの秘書): キムラ緑子
●
出演者2
遠野元子(リサの母親): 江波杏子
鳥飼正義(常務取締役): 石橋凌
神崎雄司(文芸雑誌編集長): 田中哲司
番組内容
ゴーストライター裁判はリサ(中谷美紀)の勝訴に終わり、世間やマスコミからバッシングを受けた由樹(水川あさみ)は心労で倒れ、入院する。
退院した由樹は小田(三浦翔平)に付き添われて真奈美(菜々緒)の部屋に戻る。テレビの情報番組では、レポーターが由樹の実家に押し寄せている映像が流れていた。由樹は、食欲もなく、婚約者だった尾崎(小柳友)からの電話にも出られず…。
一方、リサは引退を決意していた。
番組内容2
神崎(田中哲司)は、このタイミングでの引退発表は余計な臆測をよぶと難色を示すが、リサは“切り札がある”と言い切る。
後日、リサの記者会見が行われることとなった。小田から連絡を受けた由樹は、テレビで会見の様子を見つめる。そして会見が始まった…!
会見の付き添いを終えて編集部に戻ってきた神崎のもとへ小田がやってきた。由樹を傷つけたことを責める小田に、神崎は原因は小田にもあると冷静に返す。
番組内容3
騒動がひと段落すると、神崎は鳥飼(石橋凌)から休暇を与えられた。その休暇を利用して旅行に行かないかという神崎の誘いに、リサは戸惑いながらも了承するが…。
スタッフ
【脚本】
橋部敦子
(『僕のいた時間』『フリーター、家を買う。』『僕の生きる道』シリーズ他)
【編成企画】
増本淳
(『リッチマン、プアウーマン』『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』『大切なことはすべて君が教えてくれた』他)
【プロデュース】
小林宙
(『あすなろ三三七拍子』『遅咲きのヒマワリ』他)
スタッフ2
【演出】
土方政人
(『あすなろ三三七拍子』『謎解きはディナーのあとで』『ジョーカー 許されざる捜査官』他)
【主題歌】
androp「Ghost」
【オープニングテーマ】
三浦大知「Unlock」
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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