認知症キャンペーン「認知症 わたしたちにできること」 2015.02.24


はい、つかまって。
あなたの家族がもし認知症になったとしたら…。
7年前から認知症の両親の介護を続けている女性がいます。
誰にも悩みを打ち明けられず一人で苦しみを抱え込んでいました。
認知症は今、誰にとってもひと事ではありません。
2025年認知症の人の数はおよそ700万人に達し高齢者の5人に1人が認知症の時代を迎えると予測されています。
こうした中、地域で支え合う新しい動きも始まっています。
認知症カフェ。
認知症の人や介護する家族専門家や地域の人が集まり語り合う場です。
1と言ったら…。
(一同)1!放送90年のことしNHKでは認知症への理解を深めるキャンペーンを行っています。
私たちに何ができるのか。
一緒に考えていきましょう。
生字幕放送でお伝えします
こんばんは。
山本哲也です。
ことし58歳。
私が将来、認知症になったらどうなるのかなと考えると不安になるときがあります。
これは私だけではないと思います。
きょうは、認知症についてひと事ではなく自分のこととして皆さん、一緒に考えていきましょう。
先ほどの映像で地域の人たちが認知症について話し合う認知症カフェというのがありました。
このスタジオも認知症カフェ「どーも」です。
私がそこのますたーということになっております。
いらっしゃいませ。
来ましたで。
どうも、いらっしゃいませ。
綾戸さん、風見さんようそこいらっしゃいました。
よろしくお願いします。
綾戸さんは認知症のお母さんを介護してらっしゃる。
ど真ん中ですね。
風見さんはお父さんの介護をこれまでされてきたということですね。
一昨年の暮れに父は他界したんですけどやはり、それまで認知症と診断されてから11年間、ずっと要介護の生活でしたね。
きょうはいろいろお話、聞かせてくださいね。
きょうの放送は生放送でお伝えしております。
視聴者の皆さんからのご意見を今、募集しています。
塚原さん。
塚原愛です。
皆さんの認知症に関する疑問・悩み・支え合うヒントなどを募集しています。
実はすでに、こんなにたくさん届いています。
番組のホームページからメールでお送りください。
夜遅いですので番号のお間違えのないようお願いいたします。
皆さんから、たくさんの声お待ちしております。
きょうは認知症の専門医をお呼びしています。
鳥取大学医学部教授の浦上克哉さんです。
30年近く認知症の方を診ていらっしゃいます。
よろしくお願いします。
きょうは認知症のイロハのイから始めようと思います。
ちなみに、日本に認知症の人は何人ぐらいいるか分かりますか?番組の冒頭でちょっと出たんですけどまだそのときは見てらっしゃらなかったかな。
厚生労働省の推計からご紹介しましょう。
まずね、2012年現在です。
65歳以上の認知症の人462万人。
認知症になるおそれのある人いわゆる認知症予備群が400万人。
合わせて800万人を超えていますね。
これ2012年です。
先月、厚生労働省が新たな推計を発表しました。
団塊の世代が皆さん75歳を超える10年後です。
2025年、どうなるか。
2025年には認知症の人は700万人。
65歳以上の5人に1人が認知症と。
さらに、先ほどの認知症予備群認知症になるおそれのある方を含めますと800万人どころではないということなんです。
浦上さんこれはどうしましょうね。
とても大変な問題だと思います。
皆さんも認知症をとても怖い病気だと思っていらっしゃると思うんですけどもただ、認知症という病気は実は20年も30年もかけてゆっくり悪くなってくる病気でありますので実際には穏やかに進行してくる病気なんですね。
ですから、そういう意味では早期発見することも可能ですし認知症を正しく理解していただくことによっていい経過をたどることができるものですので決して、恐れる必要はないというように考えております。
認知症の基礎的なイロハのイからまいりたいと思います。
認知症と物忘れの違いということなんですけど最近、物忘れがひどくて何をやるにしてもすぐ物忘れしてしまう。
私はもう認知症なのでしょうか。
これはどのように考えますかね?
山本さんも先ほど58歳で少し心配になってきたいうことなんでちょっとお尋ねしますけどもけさ、朝ごはんは何を食べられましたですか?
ぶりの照り焼き…?朝から変ですかね。
だけど、あと、何を食べたか細かいことは覚えてないですね。
ぶりだけ覚えてる。
そのようなのが実は、単なる物忘れというものなんですね。
食事をしたことはちゃんと覚えているけれどメニューの細かいところまでは覚えていない。
ところが、認知症の物忘れになりますと食べたことを忘れてしまうということになりますので山本さんは大丈夫ですよということで。
認知症ということになると記憶ということと大きく関係しているわけですか。
海馬というこちらに示しているこの海馬という脳組織が記憶をためておく神経が集まっている場所なんですね。
こういった海馬という神経の集まりが萎縮してまいりまして脳萎縮をしてまいりまして私はよく記憶の貯金箱と呼んでいるんですけどこういうのが小さくなりますから昔のことはちゃんと入ってるんだけど新しいことを一生懸命入れようとしても入らない。
そういった状態が認知症の原因であると。
分かるわ、それ。
昔のこと、入ってるって分かる。
どんな症状なんでしょう?
認知症の症状というと徘徊
(はいかい)であるとか暴言・暴力幻覚・妄想といったようなこういった症状が大変有名ですけども実は最も大事なのはこちらの中核症状なんですね。
記憶力が低下する。
理解力・判断力が低下する等のですねこういった中核症状が大事でありまして周辺に書いた症状というのが二次的に起こるものなんですね。
ですからきちっとした対応をしてあげる。
あるいは、いいお薬による治療をするなどでこういった症状を軽減する。
あるいは、抑えることができるということなんですね。
綾戸さんのお母さんはどうなんですか?
最初、脳梗塞で倒れてよくなったんですよ。
それでオーケーやなと思ったときに宅配とぶつかって骨折をしたと。
大たい骨を。
それで、入院したときに病院で虫がはってるねんシーツの上とか。
隣の患者さんがうちの部屋の前で襲いにきてんとかそんなわけないやんと思ってたことがこれに当たるのかな。
そんなことを言いだしたときにまさかと思ってお医者さんに聞くと、骨折から認知症になることはあると。
一時的なものもあるし本当にドアを開けたのか分からない。
風見さんはどうでした?
今から、あとで考えると父も当初からそういうシグナルといいますかサインは出てたと思うんですが僕は逆に、それは物忘れだよきっとって思ってたんですね。
でも、決定的に思ったのは実家、広島なんですけど九州までお友達と出かけて旅行先で先ほどあったように場所がどこで、何をしに来たのか分からなくなって一人でタクシーに乗って帰ってきた。
それを聞いたとき、あ、これは物忘れとか、年では済ませられないことは起きてるなっていうのを感じたときでした。
認知症の種類となるとどうなりますかね。
認知症を起こしてくる病気というのはいくつかありまして、代表的な一番多いのがアルツハイマー型認知症。
レビー小体型認知症脳血管性認知症前頭側頭型認知症というものがあります。
今のお話だけ伺うと風見さんのお父様はアルツハイマー型の可能性が高いのかなと。
そういうふうに診断されましたね。
綾戸さんのお母様だとレビー小体型の可能性があるのかなと思いながら聞かせていただきました。
こうやってお話を伺っていても知らないことが一つ一つほどけていくって感じなんですけど。
今、どんなお便りがきてるんでしょうか。
塚原さん、お願いします。
では、質問ご紹介していきます。
診断を受けさせるにはどうすればいいかと。
最初のご質問のような場合には地域包括支援センターというようなものが地域の自治体にありますのでそういったところに相談をしていただくのが一つかと思います。
それから、もしかかりつけ医の先生がいらっしゃればかかりつけ医の先生に相談をしてそのうえで、専門医に紹介をしていただくというのがいいかと思います。
でも、なかなか病院に連れていきたいんだけれどもお医者さんのところつれていきたいんだけど行かないのよねってこれはどうしましょう?
やはり認知症というのは自分が物忘れをしているということを忘れてしまって自分はどこも悪くないと思っておられますので認知症だから病院へ行こうとかあまり真っ向からすすめずに例えば、腰が痛いのがよくならないのであればちゃんとしたところで診てもらいましょうというように私はよく、例え話で直球勝負をせずに変化球でやわらかく病院受診をすすめてあげるというのをおすすめしております。
家族が認知症になったら私たちはどう向き合えばいいんでしょうか。
「ハートネットTV」や「あさイチ」で継続的に取材をさせていただいている女性がいらっしゃいます。
実の両親の介護で追い詰められていく中であることがきっかけで気持ちの余裕を取り戻すことができたというんです。
自宅で認知症の両親を介護してきた澁谷史子さん。
母親の明子さんは2008年。
父親の和久さんは2010年に認知症と診断されました。
明子さんは脳血管性認知症。
歩行障害やことばが出にくいなどの症状があります。
そして、和久さんはレビー小体型認知症です。
実際には存在しないものが生々しく見える幻視があるのが特徴です。
自分を育ててくれた父と母が変わっていくつらい現実。
澁谷さんには両親の同時介護という負担が一気にのしかかってきました。
はい、つかまって。
はい、じゃあ、いきます。
母親の明子さんは朝、デイサービスに行くことを嫌がりそのために、自分の予定をキャンセルする日々が続いたこともありました。
夫や子どもの世話も十分にできず教育費の足しにしたいと続けていた週5日のパートも辞めざるをえませんでした。
中でも最も悩んだのが認知症に関する情報不足でした。
いくつかの病院を回りましたが薬は出してくれるものの具体的なアドバイスはありませんでした。
インターネットで情報を集めるしかなかったのです。
不安ばかりが頭をよぎりイラつく日々が続きました。
両親にきつく当たることもあったといいます。
次第に追い詰められていった澁谷さん。
3年前地域の広報誌に載せられていたある情報にふと目が留まりました。
月に一度、開かれる認知症の家族のための交流会です。
わらにもすがる思いで参加した澁谷さん。
実際に介護を続けている人にしか分からない苦労を語り合うことで少し救われたといいます。
本音を打ち明けられたことで少し気持ちに余裕ができた澁谷さん。
両親にも優しく接することができるようになったといいます。
一人で抱え込まないということだと思うんですが澁谷さんは現在はお父さんは施設にいらっしゃってお母さんを自宅で介護されてるということです。
綾戸さんどうご覧になりましたか?
それは、もうせや、せやって画面やのにうなずいてまうわ。
私も一緒や。
でもね、助けたことが私も一つだけあった。
ああいうコミュニティーではなくすし屋さんでそら、あんた頑張ってるのは自己満足やわって言われたときにちょっと、むかってきたんやけどじーっと考えたら当たってなくもないなって。
自己満足イコールエゴもあるやんか。
エゴってあんまり人さんに影響ないやん、あと考えたら。
悪いことばっかり。
やめよう思って。
みんなに分けよう思って。
あれして、これしてってやってるうちにデイサービス覚えて私でないとあかんとこと先生でないとあかんとこと分かってきた。
クールに、はいってやるのは看護婦さんじゃないとあかんわ。
私ははーい!ってやってまうわ。
風見さんは、男性でしょう。
男とすればあんまり、言いたくないという気持ちになりませんでした?
また父の場合は母のほうが先に他界していましたので私は息子ででも、父65歳だったのでまだ体はすごく元気だったんです。
ある日、どうしても…父としては正しいんですよ。
自分の車を運転したいと言いだしたんですね。
免許を持った自分が自分の車を運転するのがどこが悪いんだってことで。
でも、僕は絶対させてはいけないから一度、父を後ろから羽交い締めにして倒したんですね。
そのときすごく不思議な気持ちになって涙が止まらなくなってそのときに僕も一人じゃ無理だって。
かっこつけて僕一人でやっても…。
介護してるからええことっていっちゃうねん。
エゴやねん、こっちは。
浦上さん、やっぱり一人で抱え込まない…誰かに相談するっていうことはすごく必要なことなんですか?
やはり、人に聞いてもらうということはすごく大事なことでやはり、また一方で自分はなんでいい介護ができないんだろうとご自分を責められたりあるいは、なんで自分だけこんな不幸な目にあるんだろうって思われたり、それがやはり先ほどのビデオのように家族の会に出られると同じ境遇の人がいっぱいいるんだということで安心される。
私も鳥取県の家族の会の代表の方によく言われるんですけども家族も第2に患者ですよと。
家族のケアも大事ですよということをよくお伺いします。
介護についても今メール・お便りがきてるようですね。
塚原さん。
続々と届いています。
とても身につまされるお話ですけどどうお聞きになりました?
最初のご質問なんですけどやはり熱心に介護をしておられる方が犯人扱いされてしまう。
あなたがとったんでしょと言われてしまうようなことがありますので私たちはできるだけ早めにそういった情報をあなたが熱心に介護をされておられるから犯人扱いされるんですよ。
私は、そうやって犯人扱いされたらかえって勲章をもらったぐらいに思ってくださいというふうに説明をするんですけどそうしないとなんで、こんな苦労して介護してる私が、こんなこと言われなきゃいけないの?って落ち込んでしまわれるということなんですね。
それから、もう一つのご質問のなかなか、ことばが通じないということですけど認知症という病気は言語によるコミュニケーション能力が低下してしまう病気なんですね。
ですからいくら大きな声を出しても意味が分かりませんから私は、外国人さんとコミュニケーションを取るときのように英語がうまくできなければボディーランゲージで、動作で伝えてあげてください。
うち宇宙人や思ってますから。
先ほどお二人もおっしゃったけど一人じゃ抱えきれないやっていうときに介護保険サービスというものがありますけどそれで見ていきますといろいろデイサービスであったりとかそういったものがあるわけですね。
デイサービス、ショートステイ訪問介護とありますけどもこれは、日帰りで食事やレクリエーションなどのサービスを受けられるのがデイサービス。
自宅でホームヘルパーが介護や家事などをしてくれるのが訪問介護。
特別養護老人ホームやグループホームなど施設への入所も介護保険は適用できる。
こういうのもうまく利用するということが必要なんでしょうね。
ご自分だけですべてやってしまおうとするといっぱいいっぱいになってしまいますのでこちらの3つは在宅での生活を支援するサービスでありますしこちらは、施設でサービスをさせていただくような入所を目的としたサービスでございます。
お便りにもありましたけども皆さん、いろんな悩みを抱えていらっしゃるわけなんですけども実は、今こうした認知症の人や家族を地域で支えようという新しい取り組みが始まっているんです。
神奈川県川崎市。
2月4日土橋地区の住宅街の公民館である集いが行われました。
午後1時。
次々と集まってくる町の人々。
1年半前に始まった、この集い。
認知症カフェと呼ばれています。
この日、参加したのは認知症の人や介護する家族医師や介護スタッフなどの専門家。
そして、地域の住民たちなど合わせて81人。
認知症について情報交換しなんでも気軽に相談できる場として注目されています。
参加費は100円。
コーヒーとお茶は飲み放題です。
このカフェの特徴は認知症の人も生き生きと運営に関わっていることです。
やっぱり元気、出ますね。
元気が。
認知症の夫を介護している荒井銀さん、77歳。
介護する家族にとってもカフェは大切な場所。
毎月、必ず夫婦で通っています。
夫の清一さんは70代半ばから物忘れが激しくなりたびたび、財布や鍵をなくすようになりました。
3年前認知症と診断されたのです。
一人で悩んでいた銀さん。
1年前、近所の人に清一さんの症状を話したところカフェに誘われ通うようになりました。
家では、あまり話をせずデイサービスにも行きたがらない清一さんですがこのカフェはお気に入りのようです。
カフェでは長時間、同じ状態が続くとストレスになってしまう認知症の人に配慮して30分ごとにメニューを変えるなど工夫を凝らしています認知症の専門の医師が素朴な疑問に答えるコーナー。
1と言ったら…。
(一同)1!ほかにも地元のフィットネスクラブによる体操タイムやミニコンサートなど参加者全員が楽しく過ごせる雰囲気作りを大切にしています。
地域で支え合う土橋地区のカフェ。
参加している近所の人たちは町なかでも認知症の人やその家族に声をかけるようになったといいます。
時には認知症の人の早期発見につながることもあります。
月に一度、おしゃべりを楽しみ認知症への理解も深まる認知症カフェ。
あなたの町にもあるといいと思いませんか?
綾戸さん、こういうものがあるんですよ。
これ、絶対必要。
私、仕事のせいかもとからの性格のせいか知らんけど道で会うたら、どこの区でもどこの道でもボーダーラインなしにちょっと、おばあちゃん見といてって言うタイプやねん。
郵便局にいって家に傘を取りに行くときに見ておいてっていったり。
郵便局におばあちゃん置いて。
そういうことができる人間とかやってまう人は別だけど普通、一般の人はできないやんか。
そんなときにこういうちゃんと決まっていける場所があるということこれはええことやね。
風見さん、認知症の人も認知症でない人もみんな一緒になってやってるんですね。
見てると皆さん笑顔が出てらっしゃるじゃないですか。
僕も一時、父の顔から笑顔が消えたときがあったんですね。
生きる気力なくしたのかなって思うような。
でも、こうやって笑顔が出てるっていうところがすごいなと今思ったんですけどけど、こういうのどこで情報、どこにいけばこのカフェの存在を知ることができるんですか?
これ、認知症カフェを運営してるのは自治体とか病院地域包括支援センターなどさまざまなんですけど認知症カフェっていう名前じゃなくてサロンという名前を付けてるところもあるそうでですね。
こういう、どこどこでやっていますよというのは地域包括支援センターに聞くと教えてくれると。
区役所でも分かる?
区役所でも分かるんじゃないんでしょうかね。
今のビデオのような取り組みがとてもいい取り組みであるということが評価されまして新しい国家戦略として出されている新オレンジプランにもこの認知症カフェというのは入ってきておりましてこれが、これから全国的に広がっていくと思います。
ということはかなり広がりはあるんですね。
いいと思いますよ。
私、前、品川区におってんけどそのときは手紙が来るねん。
こういう介護してる人ばっかりのお茶会があんねん。
そういうふうに向こうから手紙がくることもある。
みんな一緒になって近所のおばあちゃんああだよ、こうだよって言える中であの人ちょっと最近調子おかしいね違うねっていうのも分かるっていういろんな機能がありますよね。
見守りっていうか。
父のときも最初とにかく不安なのがこの先、父がどうなっていくのか分からない。
自分では勝手に悪いこと悪いことを考えてしまったりもするんですよ。
でも、先輩といいますか経験のある方の話を聞くとまだ、こういう段階があるんだなっていうふうにちょっと予想がつくだけでもすごく心の荷がちょっと降りたような感じがしたこともあったんですけどね。
それにしても認知症カフェというのはですね認知症のご本人が一生懸命にコーヒーを運んでいらっしゃるのは本当、あれは驚きでもあるしうれしい話でもあるしほほえましいことでもあるんだけど実は認知症の人が認知症になっても自分らしく生きたいと認知症の方自身がみずからの思いを積極的に語り始めているんです。
青山仁さん、54歳。
3年前アルツハイマー型認知症と分かりました。
建設作業員として働いていた青山さんは親方に依頼されたものを取り違えたり何度も失敗が続いたりするようになり仕事を辞めざるをえませんでした。
青山さんは今、都内のデイサービスに通っています。
ここでは認知症になってもできることを大切にしていきたいと考えています。
一日の過ごし方を決めるのも本人です。
青山さん、この日は近所の学童保育で清掃ボランティアをすることにしました。
認知症になっても人生が終わるわけではない。
社会の一員としてともに生きていける。
一人でも多くの人にこのことを伝えたいと青山さんは思っています。
きょうは、青山仁さんと青山さんが通っているデイサービスの代表を務める前田隆行さんにお越しいただきました。
夜遅くなりましたけど本当にありがとうございます。
どうですか、スタジオの雰囲気は。
ずいぶん違うなと…。
青山さんは若くして認知症と診断されたんですけどもその診断を受けたときはどういうお気持ちでしたか?
すごい衝撃でしたよね。
このまま死んじゃったほうがいいのかなぐらいなことはありましたけどね。
幸い、こちらにいる前田さんですとかほかの人たちに恵まれてだんだん、だんだんいいほうへ、いいほうへっていうふうにいくように自分でもそういうふうに考えましたし、やはりほかの人からのとにかく、あまりくよくよしないっていうことですね。
一番考えたのは。
前田さんお隣でずっとご覧になっていて見続けて、青山さんはいろんなご経験をされたんですね。
はい。
青山さんは私たちデイサービスなんですけどそのデイサービスに見学にいらしたときなんかは本当に、表情が暗くて娘さんと一緒に来られたんですが娘さんの後ろを、なんかとぼとぼ歩いてるようなそんな印象でした。
それが、ずいぶんと変わったんですね。
そうなんですよね。
でも、やっぱり誰かがいてくれるっていうのはねやっぱり、いいと思います。
誰かがいてくれるって隣りの前田さんをじーっと見ながらおっしゃってましたけど。
前田さん前田さんたちのなさってるデイサービスっていうのはどう違うんですかこれまでのものとは。
多くのデイサービスと違う点というのはやっぱり青山さんだったりだとか認知症の当事者の方私たちのところメンバーさんといいますけどメンバーさんの思いを実現できる場であって道具であって手段であるとそういったデイサービスを目標としないでデイサービスを利用することで初めて思いの実現に一歩近づくというそんな場所です。
青山さん、子どもたちにすごく人気者みたいなんですけど私も見て驚いたんですけども今、楽しみっていうか何が一番、楽しみですか?
やっぱり、子どもたちと思いっきり遊ぶっていうことかなと思いますね。
子どもたちが本当にじゃれるようにくっついてきますもんね。
勘弁してくれっていうぐらいまで…。
汗びっちょびちょになって帰ることもありますし。
それが、気持ちがいいんですね。
また、あしたも行ってやろうっていうふうになるようになってきました。
それから、自分でもだんだん明るくなってきてるんじゃないかと。
前田さんはどうご覧になってますか?
本当、青山さん当初いらしたときの青山さんと比べると本当に明るくなりました。
少し、ぽっちゃりした感じ。
お太りになったんですか?
最近ダイエット中なんです。
綾戸さん、何かお聞きになりたいことありますか。
普通のおっちゃんやからなんでかなっていう気がずっとしてて。
なんか、おもしろい人気のおっちゃんやなと思って。
人気者やもん。
キャーキャー言われてるし。
分からん。
これが悪うなって顔がぶつぶつできたりとか症状が分からへんやん。
だから、よけい、困るときもあるやろうね。
明るなったのがよろしいな。
これはもう絶対に必要。
一人あかん。
私も一人、嫌やもん。
浦上さん、やっぱりご本人がこうやっていろんな形で声を出されているそれを聞くっていうことっていうのは専門家の方からはどうみますか?
これまでの医療・福祉というのは周囲の方が勝手に決めてしまっていたところがありましてやはりご本人の声を聞いて本当にご本人が望むことを先ほど、前田さんがおっしゃいましたけどもデイサービスでも周りが押しつけるのではなくてご本人のしたいことをさせてあげると。
こういうのが非常にいいんじゃないかなと思いますね。
実は青山さんのように認知症になっても自分らしく生きられる社会をつくろうということで認知症の方自身が発信していく動きこれ、当事者のグループでも結成されているんですけども青山さんも、そのグループのお一人ということなんですがどうですか。
今これだけ明るくなったとおっしゃいましたけど青山さん、改めて皆さんに伝えたいことっていうのはここでありますか?
だから、くよくよしてもしょうがないという明るく、一生懸命、頑張って長生きしましょうと。
そんな感じですかね。
本当にきょうは夜、だんだん11時が近づきましたが夜遅くまでありがとうございました。
いろいろとご一緒に考えてきたんですけどもう一つ、知っておきたいこと気になることがありますよね。
認知症キャンペーンでは認知症の予防についてもお伝えしていきます。
何がポイントなんでしょうか。
去年11月世界の認知症の専門家などが東京に集まり国際会議が開かれました。
新しい治療薬の開発や介護のしかたと並んで大きなテーマとなったのが認知症の予防です。
どうすれば予防することができるのか。
実は認知症は生活習慣と深い関係にあることが分かってきています。
世界の研究によると認知症を増やす危険なものは糖尿病、高血糖、高血圧、肥満。
そして、危険度を下げるものは運動、減塩、禁煙などです。
認知症の予防にとって日頃の生活習慣に気をつけることはとても重要なポイントです。
浦上さん、認知症予防と生活習慣病っていうのは結構関係が深いんですね?
最近そういうことがよく分かってまいりまして認知症が発症したりその認知症が進行していく過程で生活習慣というものが非常に大きく影響しているということが分かってまいりました。
その中で日頃の生活のしかた運動の少ない方がなりやすいとかお酒を飲みすぎるとなりやすいですとかそれから、また生活習慣病ですね。
糖尿病などの、そういった生活習慣病をしっかりコントロールすることで発症やあるいは進行を防げるということが分かってまいりました。
今お話ありましたけども運動も認知症の危険度を下げるとみられているんですね。
ここからはですね認知症の予防につながる運動について研究してらっしゃいます国立長寿医療研究センターの島田裕之さんに伺っていきます。
何をどういうふうに運動しましょうか。
運動が非常に認知症の予防に有効であろうということが分かってまいりました。
その中でも、ただ単に運動するだけではなくてですねあることを同時に行うことが非常によさそうだということなんです。
それは頭を使いながら運動していただく。
これが非常によさそうだということです。
こちらは、われわれの研究の成果でございますけれども一年間、そのような運動をしていただきますと今までは、記憶力というのはなかなか上げることができなかったんですね。
ところがこの認知症予防のためのプログラムをやっていただきますとこのように記憶力の向上が期待できるということが科学的に明らかになりました。
今、認知症キャンペーンでもこの予防運動プログラムをご紹介しております。
体操の佐藤弘道さんがやり方を分かりやすく教えてくれますのでそちら、ご覧ください。
最初は「桜」から。
せーの…。
桜。
らくだ。
だるま。
まりも。
森。
一人ではなく、何人かで一緒にするのがおすすめですよ。
だるま。
マントヒヒ。
ひ…?え…そこ、難しいな…。
え、ひ…。
日の出!えっと…デリシャス。
何それ…。
だめ?1日30分、週に3日以上行うのが、おすすめです。
なかなか、できそうでできないんじゃないかなって…。
今の運動はしりとりと、段昇降ですねこれを同時に行っていただいたわけですけれどもきょうは、しりとりではなくて算数をしていただこうと思います。
上り下りしながら!
これをしながらまず、山本さんから順に100から3を引いていってください。
こうやってやればいいんですね。
そろってやるんですね。
やりますよ。
97。
94。
91。
88。
84。
うん?
84から3引いたら81。
78?
74。
74から3を引いたら71。
なんか、いつも全部1ついてるんだけど…。
このように間違えても全然、いいんですね。
でも、間違えても運動は続けていただくというのがコツになります。
ご家庭でやるときにはこのような段ないと思いますので階段でやっていただいても構いませんけども転倒にだけは気をつけていただきたいなと。
認知症の予防運動プログラムはほかのバージョンも実はありましてそれはミニ番組やホームページからの動画でご覧いただけます。
そちらのほう、ぜひ見て、やってみてください。
もう締めにかかってるけど終わるの?
まだ大丈夫。
ファクスきてますかね。
たくさん届いてるんですけどここでファクスとメールの募集を締め切らせていただきます。
では、ご紹介しましょう。
先ほどご出演していただいた青山さんにメッセージです。
ほかにもたくさんいただきました。
皆さんありがとうございました。
最後にひと言ずつ。
綾戸さん、どうでした?
うちのおばあちゃんのことばで締めたいと思います。
車いすに乗って認知になるまで生きたな、おおきに言うてました。
風見さんは?
これからは自分の家族じゃなくてもどこかで認知症と関わり合っていかなくてはいけない時代になると思うのでやっぱり今からいろんなことを知っておくのと知らないのとでは大きく違うなと感じました。
浦上さん。
きょうは本当49分間の短い中でいろんなものをお伝えしたんですけどどうだったですか?
やはり、認知症というのは正しく理解していただくことが何よりも大事ですのできょうは、イロハということでしたけどもきょうの番組を通してまた今後、認知症というものをできるだけ正しく理解していただけるようになればと期待しております。
NHKでは、番組やウェブインターネットを通じていろいろな情報をこれからも発信していきます。
私も、ここに立って思うことはあまりにも認知症について知らないことが多すぎたなという気がしますね。
2015/02/24(火) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
認知症キャンペーン「認知症 わたしたちにできること」[字]

誰にとっても他人事ではない認知症。本人の思いを聞き、介護する家族や地域が支えあうヒントを生放送で伝える。認知症のイロハや予防体操も!ゲスト:綾戸智恵、風見しんご

詳細情報
番組内容
「認知症ってなに?」「どんな症状があらわれるの?」「認知症と診断されたら?」など専門家による「認知症のイロハ」をはじめ、ゲストの介護体験談や地域で支え合う新たな取り組み「認知症カフェ」も紹介。世界的な課題「認知症の予防」にも注目。なりにくい生活習慣や予防体操も解説。さらに認知症の人自身のお話も伺う。認知症について正しく知り、自分のこととして考えるヒントが満載の生放送。【ゲスト】綾戸智恵、風見しんご
出演者
【ゲスト】綾戸智恵,風見しんご,【解説】鳥取大学医学部教授…浦上克哉,国立長寿医療研究センター室長…島田裕之,【司会】山本哲也

ジャンル :
福祉 – 高齢者
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
福祉 – その他

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