ガイアの夜明け【世界を駆ける!ニッポンの“医療技術”】 2015.02.24


「GAIA」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
アフリカ大陸の北東部に位置するスーダン。
人口3,800万人。
首都ハルツームでは経済の発展が続いています。
この変わった建物は外国人客向けの高級ホテルです。
活気づくハルツームを離れ南におよそ150キロ。
ここはマハジュウブという村。
およそ8,000人が暮らしています。
あるお宅を訪ねました。
ムハンマドさん一家です。
一家でピーナッツの殻を剥く仕事をして細々と生計を立てています。
ムハンマドさん本来は荷物を運搬する仕事をしていたそうですが…。
しかし村には病院がないといいます。
そんな村にある日1台のワゴン車がやって来ました。
車体には「Japanese」の文字が。
中には携帯型の心電計や血圧計など日本製の医療機器を備えています。
診療にあたるのはこちらのラナ先生。
車の外にはあっという間に村人たちが集まってきました。
早速診療が始まります。
こちらは年配の女性。
歩くのもやっとの状態でやって来ました。
血液検査をしてみると…。
治療が遅れると死につながる危険性があります。
この日は診療を求める村人およそ200人が殺到しました。
現地の州政府が運営しています。
ドクター・カーをつくった会社が沖縄にありました。
アクシオヘリックスというITベンチャーです。
社長はこの人スリランカ人のスハルナンさん。
14年前に会社を立ち上げIT技術を使った医療関連のシステム開発を手がけています。
そして今新しいドクター・カーをつくり途上国に普及させようとしていました。
世界を駆ける日本の医療技術。
その挑戦を追いました。
未知なる国スーダンに届けられた新型のドクター・カー。
大勢の患者を救う驚きの仕組みがあった。
ベトナムには多くの耳の不自由な子供たちが。
日本の技術で音の世界を届ける。
メイドインジャパンの医療機器で子供たちを笑顔にしたい。
世界の国々の医療事情をはかる尺度として人口1万人あたりに医者が何人いるかというデータがあります。
つまり1人の医者がおよそ430人の患者を診ているという計算になります。
この状況で日本は今医師不足と言われています。
しかし世界に目を向けてみると医師の数がもっと少ない国がたくさんあります。
ピンク色で示されている44の国と地域…。
更にこの中から人口1万人あたりの医者の数が1人未満の国を見てみると半分にあたる22もあります。
つまり1人の医者が診る患者の数は1万人以上にのぼります。
こうした圧倒的に医師の数が少ない地域はご覧のようにアフリカを中心とした新興国に集中しています。
そんな医療事情の悪い国に日本の画期的な技術を届けようという動きが始まっています。
ここにアクシオヘリックスという会社があります。
IT系のベンチャー企業で社員は20人。
主にインドの隣スリランカの出身です。
大学で電子工学を学んだあとも日本に残り…。
帰宅したスハルナンさん。
2人の息子が出迎えます。
妻のかおるさんとの4人家族。
以前は東京で暮らしていましたが4年前IT企業を誘致する沖縄県に移ってきました。
ちょうどその頃IT関係の商談でスーダンを訪れたスハルナンさん。
過酷な医療事情を目の当たりにしました。
そこでなんとかスーダンの人たちの命を救いたいとドクター・カーを開発したのです。
神奈川県厚木市のとある工場。
そこにスハルナンさんがやってきました。
ここではトラックにのせるコンテナを客の注文に応じて製造しています。
実はスハルナンさん新しいドクター・カーを作りたいと考えていました。
従来のワゴンタイプでは手狭なためこうしたトラックタイプに変更しようというのです。
トラックにすれば畳四畳ほどの広さを確保できます。
新型ドクター・カーに向けての改装が始まりました。
日本の5倍の広さをもつスーダン。
去年8月スハルナンさんの姿がありました。
向かった先は砂漠地帯にある診療所です。
出迎えてくれたのは女性の医師。
最近地方でもこうした診療所が徐々に建てられているといいます。
しかし…。
洗面台はありますが水はきていません。
スーダンは民族や宗教の対立などを背景にそうした影響でインフラの整備が遅れているのです。
スハルナンさんスーダンでもうひとつ確認したいことがありました。
それは最初に開発したドクター・カーに問題点はないかということです。
このドクター・カーで地方の村を回っているちょうどひとりの女の子を診察していました。
口のまわりにできた発疹に悩まされているそうですが…。
地方では専門外の患者も来て処置に困るケースが増えているというのです。
これを聞いたスハルナンさん…。
思わぬ光景に解決のヒントを見つけました。
カギを握るのは…。
女性が手にしているこれです。
やってきたのは日本のITベンチャーの社長スハルナンさん。
ここスーダンに日本の医療機器を積んだ移動型の診療所ドクター・カーを普及させようとしています。
この日砂漠地帯の病院のない村である光景を目にしました。
村人が握っていたのは携帯電話です。
画面を見せてもらうと電波の強さを示すアンテナが4本立っていました。
これを知ったスハルナンさんアイデアを思いつきました。
沖縄那覇市にあるスハルナンさんの会社。
ドクター・カー向けの新しいシステムの開発に乗り出していました。
それはパソコンに患者の身長や体重血圧などの数値を入力。
更にリストからはしか水ぼうそうマラリアなどの病名を選択します。
こうしたカルテの情報を離れた場所にいる人と共有することができるのです。
試しに沖縄と東京スリランカを結んでみます。
これをドクター・カーに積めば地方にいても都市部の病院の医師とカルテを同時に見ることができます。
そして診断や治療のアドバイスを受けられるのです。
去年広場に続々と車が運び込まれてきました。
新しいドクター・カーが完成。
式典でスハルナンさんがスピーチに立ちます。
今回贈られたのは新しいトラック型と従来のワゴン型の合わせて7台。
トラックのコンテナの内部は…。
小さな診療所のようになっています。
そして備えられた医療器具のほとんどが日本のメーカーのものです。
4か月後。
スタッフの訓練が終わりドクター・カーの運用が本格的に始まっていました。
そこにスハルナンさんの姿が。
ドクター・カーが適切に使われているか確かめにきたのです。
このドクター・カーの責任者はたちまち大勢の村人が集まってきました。
こちらは携帯型の心電計。
そして内臓の状態を診ることができる超音波検査器。
どちらも日本製です。
スハルナンさんが気になるのはこのドクター・カーの新機能。
離れた場所にいる専門医と結ぶあの遠隔診療システムです。
現地の携帯電話向けの回線を使います。
そこに女の子が母親に連れられてやって来ました。
高熱が続いているそうです。
ラナ先生早速ハイファちゃんのデータを電子カルテに入力。
都市部にいる専門医とつなぎます。
そして専門医のアドバイスを受けます。
ハイファちゃんは血液検査の結果マラリアに感染していることが判明。
しかし早く発見できたため大事には至りませんでした。
このドクター・カーをスーダンだけでなく他の途上国にも普及させたい。
スハルナンさんはそう考えていました。
一方ベトナムでは多くの耳の不自由な子供たちが…。
日本の技術で救うことができるのか?今日はですね東京は国分寺に来ています。
このあたりに医療器具を扱ったある企業があるということなんですけどもいったいどんな器具なんでしょうか。
ちょっと行ってみましょう。
こちらですね。
あっ何か飾ってありますね。
おおなんかカラフルな…。
補聴器ですかこれは。
へ〜なんか昔の肌色の大きい形のイメージとまったく違いますね。
どうも江口です。
よろしくお願いします。
いろいろありますのでご説明させていただこうと思いますのでどうぞこちらに。
お願いします。
補聴器の歴史になりましてこちらが量産型へ〜すごい。
通常私どもではですねまさに弁当箱ですね。
こちらのほうに来ますと…。
へ〜これまた小さいな。
「極」名前すごいですね。
で私も今補聴器つけてるんですがわかりますでしょうか?全然わからないですね。
これがこちらと同じタイプの補聴器になります。
あらちっちゃい。
また次にこちらにございますのが非常にカラフルな補聴器なんですが…。
何か医療機器というか音楽を聞くような楽しさすら感じるような形してますね。
使っていただいてみてよろしいですか?このままで?はいまず…。
あ〜すごいすごい。
どうですか?聞こえてます?聞こえますね。
おおっホントだ。
かなり大きな音で聞こえてると…。
かなり聞こえますね。
確かにサーっていうノイズが今入ってますね。
それをこの部分にボタンがありますので1回押してみてください。
あ…全然いいですね。
でもう1回押してみてください。
元に戻るはずです。
またノイズが入ってる。
またもう1回押してみてください。
あ〜全然言葉の響きがダイレクトでいいですねこっちのほうが。
これは実際汗は大丈夫?やはりこういった補聴器は高齢者の方がつけるということで作られてるわけですか?なるほどそれでこういうカラフルな色にしたりとかしてるわけですか。
3日前に生まれたばかりの赤ちゃん。
これからある検査が始まります。
耳に障害があるかどうかの検査です。
まず頭にセンサーをつけます。
そしてヘッドホンを装着。
(検査の音)流れているのはこの音。
すると脳が音に反応。
聞こえていることを示すパスという表示が出ました。
もしその表示が出ない場合耳が聞こえにくい障害先天性難聴の恐れがあります。
もし難聴とわかっても早めに補聴器などで音を聞かせると会話ができるようになることも多いというのです。
最初はグー!じゃんけんぽい!あいこでしょい!勝った!生まれつき耳が聞こえにくいため他の子に比べ口数も少なかったといいます。
それが補聴器をつけて性格も一変。
練習したの?うん。
佑翔君の補聴器を作っているのがリオン。
国内最大手の補聴器メーカーです。
補聴器は使う人の聞こえる度合いや耳の大きさに対応するため大量生産はできません。
そのため一つひとつ人の手で組み立てられています。
補聴器は周囲に流れる音をマイクで拾いそれをアンプで増幅。
大きくした音をイヤホンを通じて耳に届けるという仕組みになっています。
こちらは高齢者が使用する一般的なタイプで一方今力を入れているのは先天性難聴の子供向け補聴器。
もともとの聴力が弱いため高齢者向けより高い出力が求められそのぶん値段は高くなっています。
障害の認定を受けている場合はリオンは高齢者向けを中心に難聴の子供たちを救いたいとある国に注目していました。
それはベトナム。
1960年代ベトナム戦争で散布された枯れ葉剤。
それが原因とみられるさまざまな障害を持つ子供が生まれました。
影響は子や孫の代まで続き先天性難聴はその一つともいわれています。
リオンの中野渡さんの姿がありました。
訪ねたのは市内にある学校。
ハロー。
手話で授業が行われていました。
実はここはろう学校。
230人の難聴の子供たちが通っています。
音が聞こえないとうまく発声できません。
先生の口の動きを真似しながら発声の仕方を学んでいます。
一方こちらの教室は…。
大きな声が返ってきました。
補聴器をつけています。
この子は補聴器をつけていました。
そしてこの子も。
早くから補聴器をつけるとこのようにうまく発声できるようになるといいます。
(歌声)続いてお遊戯の時間。
ここで中野渡さんあることに気がつきます。
歌っていない子供がいるのです。
見ると補聴器をつけていません。
こちらの女の子も。
なぜ補聴器をつけていないのでしょうか?ここでは重度の難聴の場合補聴器をつけても効果がないと考えられていました。
ここにも歌っていない子供が。
この子も重度の先天性難聴です。
ハノイから車で1時間ほど。
父親と一緒にグエンくんが家に帰ってきました。
一家は両親と祖父母そして2歳年上の姉の6人家族です。
家でも毎日のように声を出す練習をしますがうまく発声できていません。
文字の書き方はお姉さんがつきっきりで教えます。
補聴器メーカー生まれつき耳の不自由な子供に補聴器を普及させたいと考えていました。
やってきたのはハノイ最大のうわぁ小さい!うわぁ。
最新の医療設備を揃えたこの病院。
多い日には1日に400人もの赤ちゃんが生まれるそうです。
診察室では聴覚の検査が行われていました。
日本と同じやり方で3年前に始めました。
ベトナムでも子供の難聴への関心が少しずつ高まりこうした検査をする病院が徐々に増えています。
中野渡さんが次に訪ねたのは民間の先天性の難聴と診断されるとこうしたクリニックに通うそうです。
待合室の棚を見ると補聴器が置いてありました。
ベトナムでは難聴と診断された場合こうしたクリニックで補聴器を購入するのが一般的だそうです。
並んでいたのはリオン製とほぼ同じ価格帯。
リオンでは今後より価格を抑えた製品も考えています。
子供に音を聞かせたい。
親の思いはどこも同じです。
中野渡さんリオンの補聴器を取り出しました。
重い難聴の人向けです。
テスト用の補聴器を試してもらいます。
イットイズオーケーフォーユー。
ベリーハイパワー。
ソ−プリーズビーケアフル。
ハイパワー。
果たして評価は…。
性能のよさと他のメーカーにはない保証が気に入った院長。
販売を前向きに検討してくれることになりました。
サンキューベリーマッチ。
再び中野渡さんが訪ねます。
取り出したのは日本から持ち込んだ補聴器をつけていなかった重い難聴の子供たちを自らの手で検査したいというのです。
じゃあ1人連れて子供を集めます。
なかにはあのグエンくんも。
この検査で少しでも音が聞こえれば補聴器を使える可能性が出てくると中野渡さんは考えたのです。
テスト開始。
果たして反応は…。
補聴器メーカー重い難聴のグエンくんが本当に聞こえないのかどうかテストすることにしました。
反応はあるのか…。
グエンくん反応しました。
もう一度。
また反応しました。
聞こえているようです。
そこで今度は補聴器をつけてみることに。
何か言って。
果たして聞こえるのか。
(手を叩く音)
(拍手)このあとグエンくん補聴器をつけたまま教室に。
いつものお遊戯の時間です。
すると先生の声に合わせ口を動かそうとしています。
更に…。
グエンくんに笑顔が。
リオンでは今後このようなテストを続けながらより多くの難聴の子供たちを救うために補聴器を普及させていきたいと考えています。
十分な医療体制が整っていない砂漠地帯にITを駆使した移動型の診療設備を届ける。
生まれつき耳が聞こえにくい子供たちに対して画期的な補聴器を届ける。
それぞれの国の事情に合わせながら日本の企業が医療分野で貢献しようとしていることが今回の取材でわかりました。
日本で進化していく技術が世界の人たちを救う。
今後も期待していきたいと思います。
2015/02/24(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
ガイアの夜明け【世界を駆ける!ニッポンの“医療技術”】[字]

「医者に会ったことがない」アフリカの無医村…日本が生んだ“移動診療所”が患者たちを救う▽ニッポンの驚きの補聴器…生まれつき耳の聞こえないベトナムの子供たちを救う

詳細情報
番組内容
世界の途上国では各国特有の事情で色々な病気や障害を抱えている人々が多い。アフリカ・スーダンでは内戦の歴史から都市部以外の医療事情が悪く、マラリアのような感染症や糖尿病のような生活習慣病が広がっている。一方、ベトナムでは戦争で使われた枯葉剤の影響からか、先天性の障害を持つ子供がいまだ多く生まれている。こうした状況に対して日本企業の技術が貢献しようとしていた。果たして、世界の患者たちを救えるのか
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】杉本哲太
音楽
【音楽】
新井誠志
【テーマ曲】
◆オープニング曲
 「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)
◆エンディング曲
 「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/

◆公式Twitter

https://twitter.com/gaia_no_yoake

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