くらし☆解説「“ホロコースト”を考える」 2015.02.25


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
10時5分です。
ことしは第二次世界大戦の終結から70年。
そしてホロコーストナチス・ドイツによるユダヤ人などの大虐殺の終結から70年の節目の年です。
日本でもホロコーストの歴史を知りその意味を考えようという取り組みが行われています。
出川展恒解説委員です。
このホロコーストということばは学校の授業ですとかアンネ・フランクの日記で私も学んだんですけれども改めて、どういうことだったんでしょうか。
出川⇒ホロコーストはアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツがユダヤ人や少数派の人々に対し組織的に行った大虐殺のことで合わせて600万人といわれる人々が犠牲になりました。
特にユダヤ人に対する差別は過酷を極め、絶滅させることを計画しドイツをはじめヨーロッパで暮らすユダヤ人を各地に建設した収容所に運んで強制的に働かせ最終的にはガス室などで大量に虐殺したのです。
600万人って気が遠くなるような人数ですね。
まさにこの世の地獄です。
このうちおよそ100万人のユダヤ人が犠牲になったとされるポーランド南部のアウシュビッツ強制収容所では収容所が解放されてちょうど70年となる先月27日現在は国立博物館になっている跡地で犠牲者を追悼する式典が行われました。
ホロコーストを考える取り組みは日本でも行われているんでしょうか。
そうなんです、いくつかご紹介します。
まず全国各地の学校や自治体でホロコーストの歴史を伝える活動をしています東京のNPO法人ホロコースト教育資料センターがアウシュビッツ収容所の解放70年に当たる先月27日都内でホロコーストについて考えるイベントを開きました。
大学生など、およそ100人が集まりました。
まずフランス人のクロード・ランズマン監督が今から30年前に制作したドキュメンタリー映画「SHOAHショア」を上映しました。
どういう映画ですか?ショアというのはヘブライ語で絶滅という意味のことばです。
ランズマン監督がホロコーストを実際に体験した人々を世界各地で追跡調査し、その証言を肉声で記録したものです。
今ご覧いただいていますのはランズマン監督が収容所を監督した元ナチスの親衛隊員に、インタビューしている場面です。
収容所から生還した被害者加害者側のナチス関係者そして収容所の近くに暮らす住民からも丹念に聞き取り調査をしました。
延べ350時間に及ぶ膨大な映像記録を編集し4部構成で合計9時間半にまとめた超大作です。
体験者の証言だけで構成されたドキュメンタリー映画でごく普通の善良な市民がホロコーストの悲劇に巻き込まれあるいは加担していく様子が描かれていて発表当時欧米で大きな反響と名声を得ました。
ここまでの作品はなかなかないですからね。
27日のイベントは時間が限られていましたので、第一部だけを上映し、そのあとシンポジウムになりました。
シンポジウムではどんなやり取りになったんでしょうか。
パネリストで広島県福山市にありますホロコースト記念館の大塚信館長はこのように述べました。
教育学が専門の鳥取大学の高橋健司准教授はこのような指摘をしました。
参加者からはこのような意見や感想が出ました。
ホロコーストを単にヨーロッパで昔起きた悲惨な出来事として捉えるのではなく現代社会で起きていることと関連づけて考えるということなんですね。
まさにそういうことです。
このイベントを主催しましたホロコースト教育資料センターの石岡史子代表は次のように話しています。
怖かったね、2度とだめだね、とただ唱えているだけではなかなか平和への力になっていかないんじゃないかと。
なぜ起きたのかというその課程を考えてみることでふと、今の私たちの中にもこういう差別の目ってあるんじゃないかな潜んでるんじゃないかなそういうところに、はっと気付かせてくれるんじゃないかな。
石岡さんは15年前から1つの古いかばんを手に全国の小・中、高校を回って生徒と一緒にホロコーストについて考える訪問授業を行ってきました。
かばんは、これですね。
アウシュビッツ収容所で短い生涯を終えたハンナという13歳の少女が持っていた旅行かばんです。
どういう授業なんでしょうか。
かばんを生徒たちに見せながらハンナの生い立ちや家族、子ども時代の夢強制収容所に運ばれて、ガス室に送られたこと。
家族で1人だけ生き残った兄が今もカナダで暮らしていること。
ハンナという1人の少女について語り合うことで、子どもたちは失われた尊い命への想像力をかきたてることができます。
実際のかばんがあると、より思いを巡らせることができますね。
かばんの中には何が入っていたんだろう、そのときハンナはどんな気持ちだったんだろう大人になったら学校の先生になりたいと話していたハンナ僕たちはそのハンナからいろんなことを教えられている。
子どもたちから、そんな反応が返ってくるそうです。
このかばんは石岡さんが15年前1年だけという約束で借り受けたものなんですけれども去年これまでの教育活動が評価されまして、アウシュビッツの博物館から正式に寄贈を受けました。
石岡さんはことし、このかばんを持って日本全国で1000校目の学校訪問を目指しているということです。
通算で1000校ですか。
熱心に活動されているわけですね。
このあとホロコースト関連で予定されている行事はありますか。
先ほど紹介しましたドキュメンタリー映画「SHOAHショア」です。
ホロコースト70年に合わせて日本で20年ぶりに公開されています。
東京と大阪で、それぞれ来月6日まで。
そのほか名古屋、京都、札幌、仙台、広島など全国13の都市で順次公開される予定です。
映画「SHOAHショア」だけでも全部で9時間半もあります。
ランズマン監督が制作したホロコースト関連の2つの作品も合わせて公開されるということです。
これらをすべて見るには何日もかかりそうですが第1部だけでもご覧になりますとホロコーストを経験した人々の心の動きが伝わってきます。
ホロコーストに関する書物を読むのも歴史を理解し、考えるうえでよい方法だと思います。
歴史、記録、証言、文学作品などさまざまな種類の本が今、書店に並んでいます。
最後にホロコーストを教育の場で活用する意義というのをどういうふうに考えていけばいいんでしょうか。
異なるものを受け入れようとせず間違っていると思っていても見て見ぬふりをしてしまう人間の弱さと向き合って互いに助け合える世の中にしていく。
少し広い意味の平和を考えるうえで、ホロコーストは大変貴重な資料にそして教材になるのではないかと石岡さんは話していました。
今、世界では民族や宗教の違いを理由に差別や偏見、暴力といったものが渦巻いています。
戦後70年戦争について考える機会が増える年です。
当時の境遇にわが身を置いて想像力を働かせてみるそうすることで現在と未来への教訓が見えてくるのではないでしょうか。
そんなふうに思います。
出川展恒解説委員でした。
次回は二村伸解説委員とともにお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
2015/02/25(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「“ホロコースト”を考える」[字]

NHK解説委員…出川展恒,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…出川展恒,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

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