(知寿子)ふん!
(房子)ハハハ…。
どうぞどうぞ。
どうぞ。
(房子)はい。
こちらでございます。
(知子)怒ってるみたいね。
香さんのお母さま。
(弘美)女将の奈緒子さんを呼びつけて話があるって言ったそうよ。
(真知子)どうしたの?香のお母さん?
(佑美)ゆうべ寮の方に来られたときから少し様子がおかしいとは思ってたけど。
(知寿子)《こんな小さな部屋で3人で寝起きしてるの?》
(香)いつものことなのよ。
(佑美)えっ?
(香)子供のころから母は必ず私のやりたいことの邪魔をするの。
(真知子)どういうこと?母親が邪魔するって。
(佑美)あっ。
もしかして香がキャビンアテンダント辞めたこととも関係あるんじゃ…。
(香)うん。
私がキャビンアテンダント辞めたのもそれが理由。
母が事あるごとに会社に来て上司にクレームをつけたせいなの。
(綾)えっ?会社に来てクレームをつけるんですか?そういえば前に勤めてた会社でもそういうことあった。
残業が多いとか休みをちゃんと取らせてもらえないとか。
それで親が文句言いに来るの。
あと上司が叱り過ぎたのが原因で出社拒否になったって怒鳴りこんでくる親もいたくらい。
ほら。
最近よく言われているモンスターペアレンツよ。
人騒がせな親。
ちょっと。
佑美。
(佑美)あっ。
香のお母さまがそうだっていうんじゃないのよ?
(香)ううん。
いいの。
うちの母がまさにそうなの。
海外へのフライトが重なってちょっと体調崩しちゃったことがあったの。
私は大丈夫だって言ってるのに母がシフトに問題があるんじゃないかって会社まで押し掛けてきて文句を言って。
それで私だけ楽なフライトスケジュールになって同僚の人たちともぎくしゃくしだしちゃって。
何か居づらくなっちゃって。
そんなことがあったんだ。
それで辞めたのね?
(香)うん。
結婚もそう。
うまくいきかけても母がデートにまでついてきてそれで相手から断られたりして。
それってさお母さんが子離れできてないんじゃないの?
(香)分かってる。
でも父も海外赴任が多いし私に構ってしまう母のさみしさも分かるのよ。
だからあんまり強いこともなかなか言えなくて。
でもそんなこと言ってたら香いつまでたってもお母さんから離れられないんじゃない?
(佑美)うん。
今回のことだって香に何の相談もせずに勝手に大女将や女将さんに言いたいことがあるだなんて。
ちょっとひどいですね。
(佑美)うん。
あっ。
もしかしてこのまま香を連れて出ていくとか言いだしてるんじゃ…。
えっ?いや。
でもさすがにそこまでは…。
あり得るかもしれない。
(一同)えっ。
(知寿子)大女将。
女将。
私は娘から女将修業だと聞いていたんです。
なのに靴磨きやトイレ掃除などの仲居のような仕事をさせられしかも今どき個室もないような部屋に住まわせられていては母親として娘のことが心配になるのは当然のことではありませんか?
(志乃)はあ…。
(奈緒子)おっしゃることは分かりますが…。
(知寿子)でしたら私の言いたいことお分かりですよね?ここに娘は置いておけません。
女将塾を辞めさせ東京に連れて帰ります。
ですがあのう。
香さんは辞めたいとは一言も。
(知寿子)言えないんです!あの子は優しい子だから何も言えずつらくても耐えていたに違いありません。
かわいそうに…。
(房子)ふん。
やれやれもう。
(増岡)ああ。
どうでしたか?香さんのお母さまの方は?
(房子)どうもこうも。
もう。
(房子)まあ今どきの母親ってのはいったい何考えてんだろうね。
ったくもう。
私には理解できません。
・
(房子)あっ。
お嬢。
こちらにおいででしたか。
(綾)真知子さんたちは?そろそろ客室にお花を飾らないといけないのに。
(房子)それが…。
えっ!?香さんが?
(房子)はい。
そうなればお嬢の一番のライバルがいなくなるということで。
もちろんお嬢にかなう相手ではございませんが。
けどもあそこまで英語が得意だとこれは油断がなりません。
房子さん。
(房子)はい?私たちはライバルだけれどみんな仲間だとも思ってるんですよ。
(知寿子)もう何も心配いりませんよ。
あなたはここを辞めて一緒に東京に帰るのよ。
ホントにこんなことになっていると知っていたらもっと早く連れ戻しに来たのに。
香。
あなたは周りに気を使う子だから何も言いだせなかったんでしょ?お母さん。
そうじゃないの。
私は何も不満なんてないのよ。
(知寿子)何言ってるの?もうこんなところで我慢しなくてもいいの。
東京に帰ったらお母さんがもっといい仕事先見つけてあげますから。
(香)だから…。
(知寿子)そうだ。
ねえ?自宅に近所のお子さんを集めて英語塾を開くっていうのはどうかしらね?そしたらお母さんもあなたを手伝えて毎日張り合いがあるわ。
(香)お母さん…。
(綾)香さんは?
(佑美)それが…。
言い返せないみたいね。
(知寿子)香。
お母さんあなたがいなくなってから一日がどんなに長かったことか。
でもこれからはまた一緒に暮らせるしとても楽しみになってきたわ。
フフフ。
このままじゃ香連れて帰られるんじゃ…。
(佑美)あっ。
ちょっと。
失礼します。
(綾)真知子さん。
(香)真知子。
お母さまにお話があります。
(知寿子)真知子さん。
色々とお世話になりました。
香はこれから東京に連れて帰ることになりましたから。
お母さま。
いえ。
お母さん。
これはお母さんの人生じゃありません。
香の人生です。
はあ?どうか香の好きなようにさせてあげてください。
お願いします。
(知寿子)あなたには関係ないでしょ?他人が何言うの?同じ女将塾の仲間として言わせていただいてるんです。
香はここで女将になるための修業がしたいんです。
そのために塾生みんなで頑張ってるんです。
どうか邪魔しないであげてください。
邪魔?母親の私が娘の邪魔をしているとでも言うの?はい。
娘の人生の邪魔してると思います。
せっかく見つけた女将という夢もお母さんのせいでなくしてしまいます。
あ…あなたね。
ああ。
言い過ぎ。
でもさすが真知子さんかも。
(佑美)うん。
ちょっと。
何してるの?
(綾・佑美)あっ。
・お母さんは娘さんのためにも早く子離れすべきです。
・
(知寿子)何ですって?失礼します。
ちょっと。
真知子さん。
お客さまに対して何てことを。
あのう。
うちの塾生の真知子さんがお母さまに対してとんでもないことを言ってしまい本当に申し訳ございません。
(知寿子)こんなぶしつけな人が娘と同じ塾生だなんて。
断固連れて帰ります。
ますますここには置いておけません。
(香)お母さん。
(知寿子)女将。
仮にも私はここの客。
その客に対してこんな失礼なことを言う人を塾生にしただなんて。
あなたの人を見る目は確かなんですか?そもそも私は女将塾なんて何かおかしい気はしてたんです。
けれどここに来てそれがはっきりと分かりました。
先ほどは大女将もいらっしゃいましたのであえて言いませんでしたけれども要するに体よく仲居代わりに塾生をこき使おうとしているだけじゃありませんか?女将になれるというおいしい餌で釣って。
あのう。
私のことは何と言われようと構いませんが。
けれど今の言葉はちょっとひどいんじゃ…。
真知子さん。
けど…。
旅館も今は人手不足。
女将にするという甘い言葉で誘って仲居の仕事をさせているだけなんでしょ?ちゃんとしたお給料もなしで。
老舗旅館だからと安心したのが大間違いでした。
とんだ詐欺に遭ったようなもんですよ。
(香)もういいかげんにしてよ。
お母さん!女将さんが私たちにどれだけよくしてくれてるか知りもしないでよくもそんなひどいこと。
それにね真知子だって私のホントにいい仲間なの。
それをそんな悪く言うなんて。
私お母さんでも絶対に許せない。
香?私はもう二度とお母さんの言いなりにはなりません!東京へは一人で帰ってください!私は私の意思でかぐらやに残って女将修業続けます!
(志乃)ほうか。
香さんがほんなこと言うたんか?はい。
(志乃)初めてのお嬢さんの反抗や。
お母さまもさぞびっくりされたことやろう。
そのようです。
(志乃)ほれでどうするつもりなんや?もう香さんも立派な大人。
お母さまと離れて自分の人生を生きていきたいのであればそうするのがいいかと。
ほやけどこのままでは母親と娘お互い気まずいままになるね。
ごめんなさい。
私が余計なこと言っちゃったからこんなことに。
いいの。
真知子は私の代わりに思ってることを言ってくれただけ。
けど…。
(香)これでよかったのかもしれない。
母親も子離れできてなかったけど娘の私も親離れできてなかったのかもって。
そのことにやっと気が付いたの。
香。
(香)うん。
(佑美)じゃあお母さんとは東京には戻らないのね?
(香)うん。
帰らない。
みんなと一緒にここに残って女将修業を続けます。
(綾)でもお母さまあのまま帰って大丈夫かしら?
(綾)お母さまだって娘の香さんの幸せを一番に思ってしたことでしょうし。
もういいの。
お母さんのことは気にしないで。
・失礼します。
白山さまがお帰りだと聞きまして。
はい。
もう私は娘にとって必要ないようですのでこのまま帰ります。
まさか娘からあんな言葉聞くなんて。
《もう二度とお母さんの言いなりにはなりません!》《東京へは一人で帰ってください!》《私は私の意思でかぐらやに残って女将修業続けます!》香さんもつい言ってしまったことだと思います。
優しい子だから今までずっと私に言えなかったんでしょうね。
子供のころからそうでした。
私がカーネーションの花が好きだと知ると庭で育ててくれて。
毎年花を咲かせては母の日にプレゼントしてくれました。
「お母さん。
いつもありがとう」ってカードにも書いてくれて。
なのに…。
あの真知子さんていう方のおっしゃるとおりなんでしょうね。
私は娘の人生の邪魔ばかりしてきたのかもしれない。
母親失格です。
香さん。
はい。
お母さまがお帰りだそうです。
あっ。
はい。
今お部屋で荷物をまとめてらっしゃるんですけどあなたにひとつしてもらいたいことがあるの。
先ほどは本当に申し訳ありませんでした。
お母さまのこと怒らせるようなこと言ってしまって。
いいのよ。
あなたのこと香があんなに一生懸命かばうなんて。
ホントにいい仲間なのね。
お帰りでございますか?ええ。
これは?香さんが生けてくれたんです。
香が?このカーネーションを?はい。
女将。
はい。
ありがとうございます。
この花の見送り。
大事な思い出にさせていただきます。
「よき思い出は心の宝」その宝を一つでも多くつくっていただくことこそ私どものおもてなしの心でございます。
・
(戸の開く音)
(香)どうぞ。
白山さま。
お履き物を。
(知寿子)何も分からず失礼の数々どうかお許しください。
そんな。
私どもこそじゅうぶんなおもてなしもできませんで。
女将。
はい。
娘がいないと生きる張り合いがない。
そんな自分の人生私も改めないといけないのかもしれない。
そう思ってます。
娘のことくれぐれもよろしくお願いします。
はい。
承知いたしました。
では。
(一同)ありがとうございました。
(香)ありがとうございました。
香さん。
(香)はい。
駅までお見送りを。
はい。
いいですね。
母親と娘って。
ああ。
真知子さんはお母さまを早くに亡くされてたわね。
はい。
私にもお母さんがいたらあんなふうに心配してくれるのかな?ちょっとうらやましいです。
そしたら香さんどころじゃないでしょうね。
えっ?真知子さんの心配をするならね。
あっ。
奈緒子さんたら。
まったく。
切りがないっていったらありゃしない。
ひどい!ほうか。
カーネーションの花?はい。
言葉でなくても花一つで通じ合うのが親と子。
うん。
ほやね。
ほやけどよう気が付いたねぇ。
ほれこそ女将に必要なおもてなしの勘や。
はい。
これも大女将がおっしゃっているおもてなしの神様が気付かせてくれたのかもしれません。
ほうかもしれんね。
では私は旅館の方に戻ります。
ご苦労さま。
あっ。
(辰夫)おっ。
ご苦労さん。
どうやら一段落したみたいやな。
うん。
真知子さんがまたやらかして。
(辰夫)うん。
ほれを奈緒子さんがうまくまとめあげたわいね。
(辰夫)ほれやったらお前の思いどおりに事は進んどるやないか。
ほのとおり。
真知子さんを立派な女将に育て上げることが奈緒子さんの新たな女将修業ですさかいね。
うん。
これからもまだまだ真知子さんは何かやらかします。
ほれを奈緒子さんがどう指導してまとめていくか。
ほれもおもてなしの心でもって。
うん。
ますます面白くなりそうや。
大変やな真知子さんも。
奈緒子さんもやけど。
当たり前や。
女将の修業は一生続くもんや。
女将の道に足を踏み入れた以上学ぶべきことは山ほどあります。
ああ。
ホントご苦労なことや。
そしていよいよ大阪からあの団体客がやって参りました
ことしも来るわよ!準備はOK!
(和代)気を抜くべからず!増岡さん。
(増岡)はい。
皆さんどうしたんですか?今日に限ってあんなに気を引き締めて。
(増岡)ああ。
今に真知子さんにも分かります。
えっ?
(佑美)何か板場の様子がおかしいんだけど。
(香)うん。
いつになく板長までぴりぴりしちゃって。
(綾)どうしたんでしょうね?
(一同)ねえ?
(辰夫)いいな?いつどんな注文にも応じられるようにな。
(一同)はい。
ほやないと勝手に外へ出て食べたりまた持ち込んだりするさかいな。
ほんなことが知れたらかぐらやの名折れや。
(一同)はい。
(哲)材料も多めに揃えてあります。
(辰夫)よし。
いいですか?奈緒子さん。
今回は倍の人数ですさかいね。
はい。
覚悟はできています。
・
(一同)懐かしいな。
変わらん変わらん。
あーっ!ハハハ!お久しぶりです。
また寄らしてもらいましたで。
(白銀)いやぁ。
大女将。
相変わらずりりしいお姿で。
・奈緒子さんもますます若々しくなって。
(前田の妻)ホンマに。
ようこそいらっしゃいませ。
(一同)いらっしゃいませ。
早う部屋に連れてって肩もんでや。
長時間バスに揺られて疲れてしもうたわ。
(知子)はい。
ただ今。
お二階でございます。
(白銀)私はおいしい和菓子とお茶や…。
(丈太郎)いやぁ。
また来さしてもらいましたわ。
よろしく頼んますで。
今回はお話ししたとおり大阪のおっちゃんらも一緒ですわ。
(今井)いや。
毎度!ようこそいらっしゃいませ。
(今井)立派な旅館やないか。
さあお荷物を。
(前田)えらいとこ来たで。
(今井)みんなべっぴんさんやな。
(前田)べっぴんさんや。
お荷物を。
(今井)よかったな。
どうも。
どうも。
(丈太郎)またお世話になります。
はい。
ハァー。
ああっ。
大女将。
しっかりしてください。
はいはい。
大丈夫。
大丈夫。
呼吸を整えて。
呼吸。
はい。
(奈緒子・志乃)フゥー。
フゥー。
吸って。
フゥー。
2015/02/25(水) 13:30〜14:00
関西テレビ1
花嫁のれん #38[字][デ]【出演:羽田美智子 矢田亜希子 野際陽子】
奈緒子(羽田美智子)が東京から帰り、久々の一家団欒も束の間、真知子(矢田亜希子)を巡り奈緒子と志乃(野際陽子)が険悪に!そんな折、あるお客が真知子に一目ぼれ!?
詳細情報
番組内容
『金沢女将塾』での修行の内容を知った塾生・香(広澤草)の母、知寿子(川俣しのぶ)は、娘がしているのは女将修行ではなく体のいい安月給の下働きだと奈緒子(羽田美智子)や志乃(野際陽子)にクレームをつける。ついには、香を東京に連れて帰ると言う知寿子の猛烈な抗議に、奈緒子も志乃もあ然となる。
香は、小さい頃から知寿子は過保護だったと塾生仲間に打ち明ける。
番組内容2
真知子(矢田亜希子)たちは、香がキャビンアテンダントの仕事を辞めたのも、知寿子が会社にまで押しかけて来たことが原因だとも聞かされる。
いますぐ金沢から帰るよう香に迫る知寿子。母に自分の意見を強く言えない香。見かねた真知子は知寿子の部屋へ乗り込んで…。
出演者
神楽奈緒子:羽田美智子
神楽志乃:野際陽子
片瀬真知子:矢田亜希子
宮崎 綾:原田佳奈
白山 香:広澤 草
石野佑美:川村ゆきえ
神楽翔太:草川拓弥
神楽 幸:木村真那月
・
神楽宗佑:津田寛治
小島房子:沢田雅美
神楽辰夫:山本 圭 ほか
スタッフ
原作・脚本:小松江里子
演出:杉村六郎
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
伊藤一尋(テレパック)
沼田通嗣(テレパック)
東田陽介(テレパック)
音楽:富貴晴美
主題歌:東方神起「サクラミチ」(avextrax)
エンディングテーマ:東京カランコロン「夢かウツツか」(avex trax)
制作著作:テレパック
制作:東海テレビ
ご案内
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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