時価一億円の女 2015.02.25


(アナウンス)「お掛けになった電話は現在大変込み合っております」「もうしばらく経ってからお掛け直しください」
(桃木ハナコ)ったく…。
もうどうなってんのよ…。
(桃木春菜)おはよう。
おはよう。
どう?何度やっても同じ。
つながんないよ。
いいから早く食べて。
取れないのかなぁチケット。
小学生の分際でねカリスマモデルだのファッションショーだの世の中どうかしてるわよ。
どうして?かわいいじゃん。
春菜もういい加減にして。
どうせつながんない…。
(電話)はい桃木でございます。
(山岡伸太郎)「ハナコ?」いえ…春菜ですけど。
春菜ちゃん最近どんどん声ママに似てきたなぁ。
失礼ですが?ああごめん。
コスモ生命審査調査部の山岡です。
伸太郎さん。
あっこの前はどうもごちそうさまでした。
春菜まで呼んでいただいて…。
いやぁ…。
なあハナコ函館に飛べるかな?仕事ですか!?ありがとうございます!5日前か函館の立待岬で車の転落事故があって…。
ちょちょっと待ってくださいよ。
ちょっと待ってください…。
「12月7日未明北海道函館の立待岬から乗用車が転落車内から男女の死体」…。
「さすがハナコ話が早い」もう…少しでも臭う記事はスクラップしとけって教えてくれたのは伸太郎さんですよ。
はは…調査資料を送るよ。
被保険者は車を運転していたと見られる男性臼井竜次31歳…。
えっ!?8年前に死亡時1千万で契約してたのに転落事故のたった1か月前に1億に増額してる。
受取人は妻の臼井緑。
えっ?じゃあ一緒に亡くなった女性は?身元不明。

2人の遺体からは薬物など不審な点も見つからず警察は事故だと判断したようです
でも私達の判断基準はそこにはありません
いかなるケースでもまず事故以外の可能性を考えます
保険会社はほんのわずかでも理由を見つけたいのです
無駄に保険金を払わずに済む理由です
時には鬼とも人でなしとも言われます
でもそう言われてナンボの保険調査員なのであります
失礼します。
(竹内光男)ちょっと落ち着いて。
(赤村沙紀)もう一度言ってみな!落ち着いて。
あんたにそれが言えんのかよ!えっ!?言ってみなって言ってんだよ!ちょっと落ち着いてよ。
落ち着いて…。
落ち着いてください。
バカにするのもいい加減に…!あんた黙ってなさいよ!うるさいって言ってんでしょ!ちょっと…。
えっ!?人をなめんのもいい加減にしな!ちょっと落ち着いて…。
あんた達もどうせみんなそう思ってんでしょ?あの…おたくは?あっ…私東京本社からの依頼でまいりました桃木と申します。
(竹内)いやいやどうもどうも。
お待ちしてました。
(竹内)どうぞどうぞ。
あっはい…。
あの…どうなさったんですか?いやいや東京から調査員の方が見えるっていうから一応担当の話も聞いておいたほうがいいと思って呼んだら…。
ええ…!?担当って今の女性がですか?
(竹内)例の立待岬の転落事故で亡くなった臼井竜次さんの担当外交員でした。
じゃあ1か月前の臼井さんの契約内容の変更も彼女が?はい。
死亡時補償1千万を突然1億につり上げました。
赤村沙紀…。

(池浦和枝)どうぞ。
すいません。
今度こそクビにしてくれるんでしょうね?あの女。
ああまあ自分で辞めるって言ってたし。
何か問題が?あの女の取ってくる契約相手全部男。
それはどういう…。
なんも!このあたりじゃ有名な話。
女の武器使って男を骨抜きにして。
なし崩しに判押させるの。
女の武器…。
さっきだって所長がその話に触れた途端だったでしょ?あんなふうに逆上してさ。
後ろめたい事してる証拠。
あのすいません。
(松川征造)うん?ちょこっと伺いたい事ありまして。
はいはい。
えっと私ですね…あれ?何でしょう?あああったあった…。
あの…すいません。
桃木と申します。
保険調査員?はい。
7日の日立待岬から車で転落して亡くなった臼井竜次さんの奥さんのええと…緑さん?昼間はこちらの漁港で働いてらっしゃるって。
今日は来てないなぁ。
子供が熱出したとかで。
ああそうですか…。
保険金の事?はい。
一昨日の葬儀の後緑さんも相当気にしてた。
ちゃんと保険金下りるんだろうかって。
なあ?
(西崎哲夫)ああ。
あのご主人の葬儀の後すぐ保険金の事を気にしてたんですか?そりゃそうでしょ。
亡くなった人の事を言うのもアレだけどなんせひどい旦那だったから。
なあ?ああ。
みんな知ってますよ。
ホントひどい奴だったんだから。
昔は中学の教師だったらしいけど今じゃろくに定職にも就かない。
賭け事はするわ女遊びはするわ…。
ああやっぱダメだ…。
よいしょ…。
(西崎)ああクソ…。
あの…自殺の可能性っていうのは?自殺?誰が?あの旦那が?ええ…。
ははは…それはまずあり得ない。
奴はそんな男じゃない。
なあ?ああ。
1千万ぐらいなんだろ?保険金。
それがですね…。
そのぐらいつべこべ言わないでさっさと出してやれよ。
あっ…。
ははは…まあいいや。
ねえおたくさ海釣りとかしてみない?俺んとこね釣り宿もやってるんだよ。
へえおもしろそうですね。
あっこの船じゃないよ。
この船エンジンぶっ壊れてるから。
こんなので沖に出たら帰って来れなくなる。
命懸けだ。
でもさおたく試しに乗ってみる?いえいえ…すいませんでしたお忙しいところ。
いいえ。
ありがとうございました。
そりゃあそうでしょ。
掛けかえて1か月で自殺じゃ保険金が下りない事ぐらい本人も知ってたでしょ。
本人の性格からしても自殺なんかするような人じゃないみたいで。
あっそれから担当だった赤村沙紀っていう外交員。
かなり問題ある人みたい。
地元でも有名で。
一応気をつけたほうがいいかな。
「えっ?」今度の件は事故でも自殺でもない可能性がある。
保険金殺人…?平成6年5月長崎のケース覚えてる?平成6年の長崎…。
あっ!はいはい。
一応今そっちのフロントにその長崎のケースの資料ファクスしといたから。
参考にしてみてくれる?
(チャイム)あっファクス届けてくれたみたい。
じゃあ。
「ああちょっと待って待って」はい?それとそもそもその長崎の件真相をつかみかけた保険調査員が犯人に殺されちゃったのがきっかけで事件が発覚したんだ。
ああ…。
怖い事言わないでくださいよ。
だからねっ?くれぐれも慎重に。
はい。
(チャイム)はーい今行きます!じゃあまた電話しますから。
はい。
お待たせしました。
すいません電話してたもので…。
ちょっとちょっと…。
ねえ…何なんですか。

(チャイム)はい。
はいはい…。
はーい。
桃木ハナコ様あてにファクスが届きましたのでお届けに上がりました。
あっそう。
ありがとう。
失礼します。
桃木ハナコ…のんきな名前。
のんきって…。
へえ〜長崎でこういう事があったんだ。
保険外交員の女が主婦と共謀して保険金目当てにその主婦の夫を事故に見せかけ殺害。
真相をつかみかけた保険調査員が他殺体で発見。
それがきっかけで事件発覚。
どういうつもりですか?それこっちが訊きたい事ね。
私が臼井の奥さんと手を組み保険金詐欺をしようとしている。
そう見てる訳か…。
(携帯電話)わっ!
(携帯電話)余計な話すんじゃないよ。
はい…。
もしもし?どう?そっちは。
どうって…。
(春菜)「やっぱ全然つながんない」えっ?だからカリスマ小学生モデルのファッションショー!チケット予約。
ああ…ごめんね。
ママちょっと今手が離せないっていうか…。
それとさママから何か言ったの?伸太郎さんに。
えっ?何?電話何回もかけてきて。
1人で大丈夫?とか晩ご飯あるのか?とかもううざくて。
ああそれはほら子供が1人で留守番だから心配してくれてるんでしょ。
「私慣れてるんだから。
ママからも言っといて」わかった。
うんじゃあね。
はいバイバイ。
母子家庭でしょ?子供抱えて女一人健気に生きてますってやつか。
あの…何のご用ですか?聞く気あるの?ろくに話も聞こうともせず私がどうしてここに現れたか確かめようともせず110番しようとしたくせに。
だって怖いじゃないですか。
いきなり人の部屋に乗り込んできて!この男は…私が殺した。
えっ?こいつの女房と手を組み事故に見せかけ殺した。
巨額の保険金をだまし取るためにあの長崎の事件と同じような手口で。
ええ…!?そういうふうに話組み立てたんでしょ?このいかにもできの悪そうな頭ん中でさ!できの悪そうって…。
来な!ちょっと…!どうせもう私の評判は耳に入ってるんでしょ?えっ?女の武器使って男だまくらかして保険に加入させて…。
恥知らずの女外交員。
あんただって人の事言えないだろうが。
えっ?子供抱えてパート勤めじゃろくな収入になりません。
だからお願ーい。
時間に縛られず少しでも実入りのいいフリーの調査員のお仕事させてくださいとか言って東京本社の男に泣きついたってとこでしょ?泣きついてなんか…。
したたかな女。
あの…ホントどこ行くんですか?結婚は?えっ?してたの?子供の父親は?逃げられた?それとも死別?関係ないじゃないですかそんな事。
関係ないわよただの興味本位。
降りな。
ああ…。
うう〜寒いねぇ!何なんですか?いいじゃなーい。
ちょっと…。
まあまあまあ…。
まあまあって…。
どこ行くんですか?あれ…留守かなぁ?あっ臼井さん。
(臼井緑)赤村さん…。
こちら先日の立待岬の不慮の事故で亡くなった臼井竜次さんの奥さんの緑さん。
あっどうもはじめまして。
1億!?はい?主人の保険金のお話ですよね?はい。
あの…1千万円じゃないんですか?ですから1か月前に契約内容が変更されてるんです。
嘘…。
知らなかったんですか?赤村さんこれどういう…。
私も早く奥さんにそれを渡して知らせなきゃと思ってたんだけどね。
いろいろごたついちゃってね。
ご主人は突然あんなふうに亡くなっちゃうし亡くなったら亡くなったで余計な調査が入ったりして。
ちょちょっと…ちょっといいですか?あの…ホントにホントに今までご存知なかったんですか?契約内容が変更されてる事。
はい…。
奥さん受取人なんですよ!?そんなの…。
ねえこれ一体どういう事なんですか?・
(ドアの開く音)あっごめん太郎。
目覚めちゃったね。
あっ随分汗かいたね。
これで熱下がるかな。
さあ着替えよう。
バンザイして。
はいバンザイバンザイ。
よいしょ。
すごい汗だね。
はい…背中。
ごめんねママちょっとお客様とお話してるから。
一人で寝てて。
ねっ?大変ねぇ母親って。
(携帯電話)もしもし?何よ。
えっ?そんな事でそっちから掛けてこないでよ。

(木田悟志)おい。
あの…正直に言います。
私主人が死んでくれてホッとしてます。
えっ?外の女に貢いだりギャンブルに使ったりで750万借金があるんです。
750万…。
保険金の1千万円が入れば借金も返せるししばらくは生活も安定するし…。
でも実際は1か月前に1億に…。
だから緑さんは何も知らなかったの!ねえ聞いてよ緑さん。
この人ったらね私とあなたが共謀して保険金殺人計画してたんじゃないかって疑ってんのよ。
1億円を狙って。
そんな…!そんな事私…。
いえあの…私共は常にあらゆる可能性を…。
要は保険金を払わないで済む理由を探してるって事。
っていうか…。
鬼!人でなし!何とでも言ってください。
私1億円なんてそんなとんでもない大金いりません。
えっ?主人が残した借金の清算さえできればあとは息子と2人暮らしていけるんです。
1千万で十分です。
保険金出ないんですか!?いやそれはですね…。
緑さんこの際堂々と1億要求しちゃえばいいの。
でも…。
あんなクズ男の女房になって潰されたあんたの何年間か償ってもらうのに1億くらい当然だってほえまくっちゃえばいいの!あんたはね…時価一億円の女になったんだ。
あの…ご主人と一緒に亡くなった女性に心当たりは?ありません。
関係ないでしょ?そんなの。
関係なくないです!その女性だって亡くなってるんですから…。
身元不明なんでしょ?どうせそのへんでナンパでもされたアホな行きずり女よ。
私は…こう見てる。
『危険な情事』…?たまたま一夜限りのつもりで引っ掛けた行きずりの女が実はとんでもない女だった…。
あの夜遊びのつもりで誘った女が実は恐ろしい女で「私を捨てるなら一緒に死ぬ!」とか言い出して逆上した女はハンドルをつかんだ。
コントロールを失った車はそのまま柵を破りドーン…。
どうよ?どうよって言われても…。
あり得ない話じゃないと思います。
あの人の自業自得なのかも…。
それにしても随分あるのね。
主人が好きでしたから。
もし…もしそういう事だったとしたらどうなんですか?えっ?今赤村さんが言ったような事だったとしたら保険金出ますよね?1千万でいいんです。
ああそれは…。
(チャイム)はい。
西崎さん…。
これ。
そんないいのに。
昨日もいただいたし…。
いいからいいから。
あっどうも昼間は。
いやじゃあ俺帰るから。
ああいいから。
じゃあ帰るか私達は。
はっ?どうも。
寒い…。
ちょっと…ちょっと待ってよ!話まだ途中なのに。
もう十分だろ?緑さんは旦那に掛けられていた1億の保険金の事は知らなかった。
立待岬の件は不慮の事故って事で話はついた。
ついてないと思うんですけど。
よし…。
哲夫さんも何かいろいろ訊かれたの?あの調査員に。
1千万ぐらいすぐ出してやればいいのに。
それで旦那さんの残した借金も返せるんでしょ?うん…。
見たろ?太郎君の体の傷。
はい。
ずっと父親から虐待受けてたんだよ。
あの立待岬で死んだ臼井竜次から。
あんな男死んで当然!赤村さんどうして突然臼井竜次さんに保険契約内容の変更をさせたんですか?私の保険外交員としての実力。
補償額1億の場合月々の掛け金は約22万です。
そうね。
どう見たってあの家庭が月々22万の掛け金払えないのわかると思うんですけど。
そうかしら?あんな契約不自然すぎます。
まるで契約直後に死ぬの見越してたみたいで…。
殺すよマジで。
それ以上言うと。
行きな。
はっ?誰がホテルまで送るっつった?調子に乗んじゃないよ。
そこ左に行って真っすぐ行ったらホテルだから。
ほら沙紀ちゃんだ〜!何よ?おら決めた。
保険に入ってやる。
えっ?入ってやんど。
そんかわり1回させろ。
みんなにそうやってご褒美やってんだろ?おあいにくさま。
私は今日で保険会社辞めたから。
何だって?なら暇だろ。
遊んでやる。
うん?そっちも仲間か?一緒に来いや!離せよ!もう…離せて言ってんだよ!おおコワッ!私のどんな噂話聞いてきたか知らないけど私は今まで契約を取るために男と寝た事なんてただの一度もないから。
何よ…。
(ため息)ちょっと話聞きたいんだけど。
警察…?函館東署の者です。
私が何か?
(橘浩一)ちょっと来てもらえますか?あっちょっと待ってください。
ああっ!ああ公務執行妨害。
ええっ!?はい同行してもらいますよ。
ええっ?ほら行きますよ。
はいはい…。
保険調査員ね。
はい。
函館に来た目的は?ああそれはですねあの…。
これ先ほど撮らせてもらいました。
随分仲よさそうだ。
これは違うんです!12月7日の未明立待岬から車が転落した件。
その事で我々も動いてましてね。
警察は事故って結論出したんじゃないんですか?当初はね。
ところが調べてみると亡くなった臼井竜次さんには1億の保険が掛けられていた。
それもたった1か月前に。
そうなんです。
だから私もその事を調査に…。
私らはね臼井さんの妻緑と保険外交員の赤村沙紀とが共謀して保険金殺人を実行したのではないかと見て内々に再調査してたんですよ。
へえ…。
でしばらく泳がせる事にした。
すると赤村沙紀はホテルに行きあんたと落ち合った。
おっ落ち合った訳じゃ…。
(橘)あんたが彼女を簡単に部屋に招き入れてるのを見てるんですよこっちは!あれは向こうが勝手に…私は初対面なんですよ彼女と!その後向かったのは臼井さんの家だ。
(ため息)初対面でしますかねぇこんな事を。
されちゃったんです。
(ため息)もしかしてあの時彼女刑事さん達が尾行してるの知っててわざと…。
その後家の中で3人で何を話してたんです?何をって…。
1億の保険金を山分けでもする算段ですか?ちょっ…ちょっと何言ってんですか。
緑さんは夫が1億の保険に入ってる事すら知らなかったんですよ。
そんな話信じろっていうの!
(ため息)では仮にあなたが共犯ではないとしましょうか。
しましょうかってもう…。
赤村沙紀と臼井緑が2人で口裏を合わせあんたに嘘をついているという事は考えられないですか?えっ?正直言って今我々にはあの立待岬の件が事故じゃないとするには決め手を欠いている。
物的証拠は何もない。
(木田)司法解剖をしても車内の男女の遺体からは薬物など不審なものは何も出なかった。
葬式もすんでしまった。
つまり事件として立件できるには非常に難しい状況にある。
そんな時に保険調査員であるあんたがあの立待岬の件は事故だった事件性もなし自殺でもないと結論づけてさっさと本社に報告を出せば1億という巨額の保険金が臼井緑に渡る事になる。
そうでしょ。
それはそうです。
だから…。
それであの2人に高飛びでもされたらどうすんだ?いやあんたを入れて3人かも。
はっ?あんたいくら分け前もらえるの?そんな…。
あの赤村沙紀って女はね手当たり次第に男に言い寄っては体を使って高額の保険契約を結ぶ。
そういう手口を繰り返した女だって地元じゃ有名なんだよ!ああ。
金のためなら何でもする。
とんでもない食わせ者なんだよあの女は。
平気で嘘もつくって。

(ノック)
(橘)何だ?橘さんちょっと…。
すいません。
散々周りに迷惑かけてるのを棚に上げてよ。
ええっ?自分は一人でたくましく生きてますとか言って勘違いしてる女見てると張り倒したくなるんだよ!世の中なめてんだ…。
今日は泊まってってもらいますよ。
えっ?ちょっと…ちょっと待ってください。
あんたが共犯じゃないという確証はない。
そんなの…。
それにさっき公務執行妨害もしてくれたし。
あっいやあれは…。
主任。
転落した車で臼井竜次と一緒に死んだはずの女性の身元がわかりました。
わかったんですか?あんたはいいの。
(緑)もしもし私です。
ごめんなさい。
直接電話しちゃいけないってわかってます。
でも…。
ああーっ!ああ…あっ…。
あっあっ…!イヤーッ!ああっ…!?はあはあ…。
〔そもそもその長崎の件真相をつかみかけた保険調査員が犯人に殺されちゃったのがきっかけで事件が発覚したんだ〕冗談じゃないわよ。
誰かー!誰かいないの?ねえ何で私がこんなとこ入れられなきゃいけないのよ!早く出して!ねえ誰か…!あっ…。
静かにしなさい。
あっ…もう…。
やだやだ…もうやだもう…。
うわーんもう…!うう〜…。
(ため息)こんな時伸太郎さんがいてくれたらなぁ…。
〔したたかな女〕〔あんたにそれが言えんのかよ!えっ!?〕
(和枝)〔このあたりじゃ有名な話〕〔女の武器使って男を骨抜きにして〕〔なし崩しに判押させるの〕〔大変ねぇ母親って〕〔1億円なんてそんなとんでもない大金いりません〕〔あんたはね…時価一億円の女になったんだ〕〔真相をつかみかけた保険調査員が他殺体で発見〕あっ春菜…。
ママ。
失礼しまーす。
伸太郎さん。
おおっ!どうしたの?どうしたのじゃないよママ。
こっちの警察からうちに君の身元確認の電話入って。
ああ…。
ママ何したの?もうそれが訳わかんなくてさ…。
携帯貸して。
えっ?君が信頼のおける優秀な調査員だって事きちんと説明しといた。
刑事さん達の誤解は解いてもらったから。
どうも…。
ああ〜つながんないもう…。
あっそれよりあの外交員の赤村沙紀なんだけど刑事さん達も言ってた。
やっぱり相当うさんくさいね。
ああもう…!春菜いい加減にしなさいって!何してんの?小学生カリスマモデルとかのファッションショーがあるらしくってそのチケット予約の電話が全然つながんないんですよ。
じゃあ知り合いの代理店関係から手回そうか?ホントですか!ホント?やった。
あっいや…私的な事までは頼れませんから。
いいよ別にそんな…。
ダメです。
けじめは必要ですから。
何で?もういいじゃん頼めば。
ダメなものはダメなのよ。
諦めなさい!
(阿久津里子)ホントにどうしてなのか全然…。
函館には何かご縁があったんですか?亡くなった由香さんは。
全然…。
まあ鎌倉の家に嫁に来る前までの事は知りませんけど。
でも実家は東京の浅草だし…。
それじゃやはり家出をして何となく北海道に来てみたとそういう事ですか?さあ…。
あいつ…!あっじゃあどうも。
ちょっと…ちょっと待ちなさい!いいよ!いいよもう…。
いいって!やめなさい。
ちょっ…!もう悔しい…。
あのすいません。
湯の川プリンスホテルってどちらの方向のタクシー乗ったらよろしいでしょうか?湯の川プリンスホテルですか?私達も同じホテルです。
お送りしましょうか?ああ…あの…。
あの私コスモ生命審査調査部の山岡です。
どこいっちゃったんだろ…あれ?名刺どうしたの?早く。
持ってないの?すいません…。
あの私保険調査員の桃木と申します。
私阿久津由香の義理の母です。
里子と申します。
あの立待岬の事故で亡くなった…?あの立待岬ってここから遠いんですか?いやそんなに遠くありませんけどとりあえずタクシー拾いましょう。
ここから…。
でもどうして由香さんはこんなところに…。
由香さんは息子さんの?はい息子の嫁です。
彼女の両親は早くに亡くなってますので私が来るしかなくて…。
息子さんは?出張で秋田のほうに。
連絡はしましたからまもなく来ると思います。
ちなみに由香さんは生命保険には?はっ?いえ。
一応商売柄…。
確か5百万くらいの共済保険に。
嫁の由香はこのところ息子とはうまくいってなかったんです。
だからって家出なんてしなくったって…。
近頃の人は世間体ってものをまったく考えないっていうか。
揚げ句の果てにこんな…。
また圏外じゃん…。
お荷物お預かりします。
こちらになります。
パソコンお持ちになってるんですか?えっ!?ええまあ…。
ほらハナコも始めなよ便利だよ。
いやぁわかってんですけどね。
あれっ?えっ?春菜どこ行っちゃったんだろう?あっ春菜ちゃん君の携帯持ってたよねぇ。
ええ…。
春菜ー!ああ…どこ行っちゃったの?ハナコ!ダメだ。
電源切られてる。
はあ…。
こっち。
春菜ー!春菜!もう…。
春菜ー!・
(緑)離してください!
(阿久津良彦)おいっ待てよ!待てったらおいっ!どういう事なんだ?なっ。
誰?臼井緑さんです。
例の保険金の受取人の…。
そういう事だったのか!?最初からそういう事だったんだろう!
(緑)違います!違うんです!誰だろう?ああそれより春菜ちゃんを。
あっそうだ!春菜!春菜ー!もうどこ行っちゃったのかなぁ…。

(西崎)おいっ!ちょっとあんた何やってるんだよ!何だあんた!あんたは関係ないでしょう!おいっちょっと待てよ。
何やってんだよお前は!
(西崎)ちょっと待てよ。
ママ!春菜!ああ…。
どうも。
なっ何よ?何なの?暇そうだったからちょっとそのへん案内してあげてたの。
暇そうって…ちょっと春菜!こっちいらっしゃい。
早く早く。
春菜ちゃん電話してたんだよ。
携帯バッテリー切れちゃって。
あんなとこばっかかけてるからよ。
だって…。
じゃあね。
ああちょっと!ねえどういうつもり?どういうって…こういうとこ初めてだって言うし。
そうじゃなくて!私あなたのせいで警察には疑われるし散々な思いしたんだから!ごめん…。
えっ?あんたを味方につければいいかなってちょっと思って。
味方って…。
この土地のみんなはさぁ私の事色眼鏡で見てるから。
あんたは違うかなってちょっと思ったから。
ねえ…緑さんにさ保険金下りるようにしてあげてよ。
頼むから。
それは…。
あんた次第でどうにでもなるんでしょ!?どうしてそんなに緑さんの保険金にこだわるんですか?第一何で1億なんて大口に…?できないの?不審な点が多すぎます。
あっそう!あっそうって…。
うう〜ん!ママおいしいね!こんなの初めて食べたよ。
えへへ…よかったね。
うん?うう〜んおいしい!それにしてもやっぱりあの赤村沙紀の言動おかしいよ。
君も思うだろ?そりゃあそういう部分もあるとは思うけど…。
君だって彼女に関するいろんな噂とか耳にしたんだろ。
契約を取るために女の武器を使うとか住所不定だとかいい噂なんて何もないって。
噂は噂じゃないの。
みんながそういう目で彼女の事を見るからそういうふうに思えるだけなんじゃない。
あれっ!?どうしたのよ急に赤村沙紀の肩なんか持っちゃって。
どうして男の人はすぐそうやって女を決めつけんのよ!人間にはねぇいろんな顔があるんです!!ごめんなさい。
ったくもう…。
かっ…ざっ…。
ねえ…ごめん。
何かさっきはちょっと言い過ぎたみたいな…何か…。
機嫌直してよ。
(ため息)危ない!きゃあー!ああー!春菜!だっ大丈夫?ケガなかった?ねえ何か書くものない?書くもの。
ナンバープレート見た!早く忘れちゃうよ。
ちょっと待って。
知りませんよ!そりゃ私らだって捜査のために車で尾行したりもします。
しかし仮につけたとしても相手を跳ね飛ばしそうになるような事する訳がない!うんそれはそうでしょうけど…。
でも昨日だって私の事車でつけてきたじゃないですか!いやあれはですね…。
主任。
ナンバーから車が割れました。
市内のレンタカーから借り出されたものです。
借りたのは…赤村沙紀。
赤村さんが!?いよいよ邪魔になってきたという事じゃないですか?調査員のあんた達が。
何か妙な事になってきたね。
やっぱり赤村沙紀さんは何か隠してる。
それはそうだろう。
いや保険金殺人を計画したとかそういう事じゃなくて…。
どういう事?ああわかんないんだけど何かそんな気がして。
あの…。
ああこれはどうも。
息子が来ないんです。
連絡も取れなくて…。
えっ?それは変ですね。
秋田の出張先には?電話しました。
そしたら今朝一番にこっちに着く列車で向かったって。
あのちょっとよろしいですか?パソコンに詳しい方は…。
はっ?パソ…。
はあ…。
とりあえずキーロックはされてないね。
よかった。
私こういうものはサッパリで。
私も全然…。
てっきりご本人のものかと。
私がこっちに来る時に鎌倉の家から持って来てくれって息子が言うもんですから。
死んだ嫁が使っていたものだから何か残ってるかもしれないからって。
じゃあ警察に…。
いいえ。
警察の人には見せるなって息子が。
(2人)えっ?妻の恥をさらす事になるかもしれないからって。
恥…。
でも当の息子は現れないしもしかしたら由香さんが使ってたこの中に何か手がかりでもないかと思って。
ねえどうなのよ?春菜。
一応アクセス履歴を調べてみたけどこれ使ってた人出会い系サイトにハマッてるね。
出会い系ってあれ男と女の?由香さんが?まあいやらしい!いやらしいのばっかじゃないですよ。
ちょっと何であんたが知ってんのよ?ああ結構チャットしてるなぁ。
(ハナコ・里子)ちゃっと?パソコンでする文通みたいなもの。
へえ…。
文通…。
(春菜)ほらエリカさんとケント君でずいぶん話してる。
(里子)エリカって…?エリカっていうのが由香さんのハンドルネームでしょう。
ペンネームみたいなものです。
じゃ由香さんはエリカって名前を使って夫の良彦に隠れてこのケントとかっていう男性と話を?そういう事ですね。
まあ何て事…。
何かすごい映画好きねエリカさんとケント君て。
映画の話ばっかしてるこの2人。
主人が…好きでしたから。
由香さんが映画好きだったなんて知らなかった。
まっ普段からろくに話もしませんでしたけど。
あれ?見てこんな会話してるこの2人。
「近いうちに函館に行きます」「嬉しいです。
待ってます」ちょっと待って!じゃもしかして立待岬で死んだ2人は行きずりでも何でもなくて…。
間違いないわ。
緑さんも言ってた。
ご主人映画が好きだったって…。
部屋にビデオもたくさんあったし。
ダブル不倫か…。
ちょっと春菜。
息子が言う妻の恥って…この事だったのね。
うわ〜この会話結構クッサクサ。
えっ?「明日は…二人の夢がかなう日」「決心は出来ています」明日って?この会話がされたのは12月6日。
えっ!?じゃあ立待岬の転落事故の前日!?臼井竜次と阿久津由香…あの2人ホントに心中なのかな?うん。
あのチャットの会話からするとそうも取れるね。
はあ…納得できない。
えっ?私がいろんな人から聞いてる臼井竜次っていう人はこんな小さな町でもとっかえひっかえ女を引っかけて遊び回ってギャンブルのためには平気で借金までして…。
自殺なんてするような人には…。
ましてや一人の女性と心中するってタイプじゃ…。
人間にはいろんな顔があるんだってカニをこ〜んなにほお張りながら怒ってたのは誰だっけ?そりゃあそうだけど…。

(船のエンジン音)あれっ?・
(春菜)ママ!大変!どうした?警察から電話あって!秋田の…男鹿の海岸に息子の遺体が打ち上げられたって。
ええっ!?息子さんにホントに間違いないんですか?持ち物とかから…間違いないだろうって。
とにかくお母さんは秋田に…。
良彦どうして…!こんな状態で1人で行かせるのは無理だ。
ついてってあげよ?一緒に。
ああさっ。
さあ。

(携帯電話)もしもし?私…。
赤村さん!?まいっちゃったわよ。
借りてたレンタカーを誰かに盗まれちゃって。
ねえ…会いたいんだけど。
2人っきりで。
どういう事?聞かせたい話とかもあるし…出て来れない?どうした?ああ…ちょっと待って。
赤村さん…。
えっ?私と2人っきりで会いたいって。
どうしよう?やめたほうがいいよ。
2人きりでなんて…。
もしもし。
ごめんなさい。
早く!私これからどうしてもちょっと行かなきゃいけないところがあって…。
(電話が切れる音)ええっもしもし?ああ…。
(船のエンジン音)
(電車の警笛)嫁の由香は買い物依存症だったんです。
カードを使って次から次へ。
結局支払いに追われて良彦が全部尻拭いして…。
800万からの借金をして。
秋田では嫁とのイザコザを忘れられたんだと思います。
(嗚咽)
(桑野弘)男鹿半島の入道崎というところの近くの海岸に打ち上げられていたのを釣り客が見つけまして。
あの…事故なんでしょうか?ご遺体は相当岩とかにぶつかって傷ついてたし…。
海水に浸ってた事もあって死因とか死後どれだけ時間が経っているかなどまだ結論は出ておりません。
(嗚咽)良彦…良彦…。
どうして…どうしてこんな事に…。
どうして…。
(三沢誠)良彦さんが亡くなったって?
(桑野)ああ…どうも。
地元のお仲間さんです。
(三沢)良彦さん仕事の後よく寝泊まりしてまで会の活動に積極的に参加してくれてました。
活動?この地方の民族行事である「なまはげ」の保存と伝承を町の有志で…。
なまはげ…。
(三沢)こっちがなまはげ館です。
でもどうして良彦が…秋田の生まれでもないのに。
時々一緒に見える奥様がこっちの出だと伺ってます。
えっ…?奥さんが見えればよく仲よさそうに朝まで飲んだりして。
うちの嫁お酒は1滴も…。
そうですか?よく楽しそうに飲まれてましたよ。
あれ…?これって…。
どうした?ハナコ。
うん…。
何ですか?お話って…。
うん…。
保険金の話ですか?それもそうなんだけど…。
実は私見たの。
見たって…何を?ああ…。
ああどうも。
ああ来てたの…。
うん。
またいい魚入ったから太郎にさばき方教えてやってたんだ。
なっ?
(臼井太郎)うん!沙紀さんちょっと…。
ねえ!見たって何を見たの?まあいいから。
ちょっと待ってよ!
(三沢)あっあった。
ここさ写ってる。
このなまはげの衣装着てるのが良彦さんです。
嘘…?この人…。
あっ…!一体どういう事なんだよ?なあ?見たんです私達この人の事函館で。
えっ?どういう事…?じゃあやっぱり良彦は函館に。
あっこっちは打ち上げの写真。
奥さんも写ってる。
緑さん…?この人由香じゃない。
うちの嫁じゃないわ。
どういう事なんだ…。
わあー!よしなさい!どうした?えっ?ごめんね…。
よしじゃあ食べよう。
太郎小皿とはし持ってこい。
なっ?はーい!保険金の事なんか当てにしなくていい。
えっ?これからは…俺が君と太郎君を守るから。
一体どういう事なんだ。
パソコンのチャットをしてたエリカとケントっていうのは良彦さんの奥さんの由香と臼井緑の夫の竜次なんだろ?なのに何で良彦さんがここで緑さんと夫婦の振りなんか…。
大体何で緑さんがここに来てたの?ちょっともう黙ってて。
私も今考えてるんだから。
ああさっぱりわかんない。
どうなってんだ…。
中のほうで少し休まれますか?良彦は何で秋田の生まれでもないのに…。
別の地方の方でも結構いらっしゃるんですよ。
なまはげの荒っぽい男らしさにほれ込む男性って。
きゃーっ!やだやだ…!やっぱ男っぽいよね。
ちょっとあんたあんまりふざけねぇで!すみません…。
何だ女の子か。
(三沢)本来なまはげの格好をするのは男にしか許されてないんですがまあ観光客相手の体験という事で。
おかあさん行きましょう。
男の振り…?ハナコ?男の人だって思い込んでた…。
何?どしたの?チャットは顔が見えない会話よ。
つまり名前がケントでも男とは限らない。
エリカでも女とは限らない。
逆でも成立するって事よ。
じゃあエリカが男でケントが女?そう。
でもあのパソコンは由香さんのだよ?それはそう聞いてたからよ。
でもホントは良彦さんが使ってたものだとしたら…。
良彦が…エリカ?そして相手のケントが…。
臼井緑さん?2人はお互いの関係がバレないようにわざと男の名前と女の名前を逆にしてチャットの会話をしてた。
ねえ今度いつ行くの?秋田。
いつ行こっか?今度の日曜日行く?うん。
良彦が不倫を…?時々息子の太郎君を連れて函館の家を飛び出し古里の秋田になまはげを見に来ていた緑さんと出張の仕事をとおしてこの地方のなまはげに魅せられた良彦さんはごく自然にここで知り合ったんだと思います。
おおー!おおー!悪が子はいねが!2人はお互いの夫婦関係で悩んでた。
良彦が不倫を…。
里子さん気持ちが落ち着くまであそこの土地に残るって言うけど…。
私もつらかったなぁ…。
でも一緒に来たらもっとつらい思いさせちゃうと思うし。
ああどういう事?想像はついてるんじゃない?いつしか2人はお互いの連れ合いを邪魔に思えて仕方なくなった。
やっぱり竜次と由香…あの2人が乗った車が立待岬から転落したのは事故ではなかった。
竜次さんと由香さんは…殺されたのよ。
緑と良彦に…。
2人の夢と決心…。
それは殺人を決行する事だった。
でも…僕らが港で見た緑と良彦はえらく揉めてた。
夢がかなった2人にはとても…。
おいどういう事なんだ?イヤ…!どうしてあんなに…。
しかも良彦は男鹿の海岸で変死…。
誤算が生じたんだと思う。
誤算?誤算の原因は…赤村沙紀。
えっ?ああ…。
何?話って。
まあいいわ。
私もあなたに話があったし。
ああっ…!うう〜寒っ。
でも気持ちいいね。
ふふっ春菜よっぽど疲れたのね。
今日は起きられないみたい。
そのお陰でこうして2人きりで散歩できる。
えっ…?いや…ははっ。
ああ〜。
何で今日じゃダメなんだよ。
早く交換したいんだよエンジン。
金?大丈夫だよ。
金は入る当てがあるんだ。
伸太郎さん…伸太郎さん…!えっ?何?伸太郎さんはホテルに帰って春菜の面倒を見てて。
それから私が今から言う事を警察にお願いしてほしいの。
何なんですか?さっきから黙って。
緑さん…秋田の男鹿出身ですよね。
何でそれを?あれなまはげのお面でしょ。
よくご存知ですね。
緑さんにとっては本当にご主人の保険金は1千万でよかったんですよね。
良彦さんの奥さん…。
由香さんに掛けられていた共済保険も500万ていうごくありふれた額でしたし。
突然何を言い出すの?お互いの連れ合いが作った借金をお互いの連れ合いの生命保険できれいにできる。
それで2人は一からやり直せるはずだった。
ちょっと…訳わかんない。
緑さんもう全部わかっちゃってるんです。
でも誤算が生じたんですよね。
あなたのご主人の保険金はあなたが知らないうちに1億円になっていた。
あなたきっとそれを良彦さんには黙っていられないと思って知らせたんでしょう。
あなたに1億円が入るかもしれない。
それを知った良彦さんが豹変し秋田からここへ飛んできた。
良彦さんはあなたに騙されたと思ったのよね。
自分の妻が死んでも入ってくるのは共済保険の500万だけ。
あなたにも1千万だけだと思ってた。
もしそのとおりのままだったら私達調査員も警察も疑問を抱く事はなかったかもしれません。
でもあなたはあなたの意思とは裏腹に時価一億円の女になってしまった。
赤村さんのせいよ…。
1億円なんて私ホントに…望んでもいないのに…。

(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)赤…赤村さん!赤村さん!・
(橘)主任!大丈夫なんでしょうか?あの…どうしよう…。
こんな物が。
えっ?何だこの番号は。
何回も同じとこかけてるな。
ええ。
あの…ちょっといいですか?あれ!?この番号…。
うん…。
えっ?ふふっ。
あんなところに一晩中倒れてたのに奇跡的だって。
よっぽど生命力が強いのね。
私とした事が油断してたわ。
ごめんね。
2人っきりで話をしたいって電話もらった時私正直言ってあなたの事を警戒してた。
邪魔者として消されるとか思って?私の事何にも知らないくせに。
そうでもないわよ。
ほら。
あっ。
あなたの。
ふふっ私もさこの電話番号にはもうここ何日間かはうんざりだったわよ。
赤村さん…たぶん娘さんがいるんでしょ。
うちと同じくらいの。
バレたか!バレた。
ふふふっ!ああ大丈夫?うん。
母子家庭だって言うとさこれみよがしに同情されたり敬遠されたり。
そういうのうんざりだから。
わかる。
自分もそういう事で甘えそうになるけどそういうのはもっと嫌で。
だって子供がいるんだからしょうがないとか子供がいるのにこれだけやってんだとかつい言い訳しちゃうから。
赤村さんだったら再婚相手楽に見つかると思うんだけど。
私の旦那…行方不明なのよ。
もともと放浪癖のある人だったんだけど…。
今頃どっかで野垂れ死んでんのかもしれないけど。
そう…。
私は今でもあいつの女房だと思ってる。
お客にどんな色仕掛けしたって絶対指1本私の体には触れさせない。
ごちそうさま。
ふふっ。
ふふっ…。
私の旦那はね…死んじゃったの。
そうだったの…ごめん。
ふふ…。
同じ小さな町に住んでる緑さん見てたらさかわいそうでさ…。
毎日のように旦那に裏切られて子供にも暴力振るって。
だから私…。

(ノック)ママ!おお〜!こんにちは!あっこんにちは。
来てくれたか〜おお冷たい!うん冷たい!はい。
あっありがとう。
持って来てくれたの?うん。
重かったでしょう?ううん。
大丈夫!何?話って。
あの…私やっぱりあなたの気持ちには応えられない。
何で?俺の…俺の気持ちに嘘はない。
しばらく遠くに行く事になると思う。
どうして?あなたにはもう会わないほうがいい。
どうしたの?何があったの?君と一緒にいたいんだよ。
結婚したいんだよ!ごめんなさい。
おい!!待ってよおい!こんなに言ってんのに何で嫌なんだよ!西崎さん!君は俺と結婚するんだ。
俺には君が必要なんだよ!!本音を言ったらどうなの?西崎さん。
必要なのは緑さんじゃなくて1億円だって。
何…何言ってんだよ。
勘違いしないで。
その事は西崎さんは知らないわ。
ううん。
知ってる。
たぶんこの人は誰よりも先に知ってた。
あなたが時価一億円の女になるって事。
どういう事?先月…私がこの人の旦那に契約の変更をしてもらおうとしたらそれをエサに誘われて襲われそうになった。
その時…。
こら…おいこら!何やってんだよこら!てめぇ何やってんだよこら!ええ!あの夜のあなたはまさに正義の味方。
警察に突き出してやるって言ったあなたにあいつは見逃してくれと懇願した。
(臼井竜次)ごめんごめん!悪いっ勘弁してくれ!あの時は私も頭にきてて…。
1億の保険に入るんなら見逃してやるよ!わかった!入る入る。
入るから。
なっ?あいつはすんなり書類を書いて拇印を押した。
私とこの人の目の前で。
知ってたの…。
知ってて私に…。
金が必要なんだよ!あの船を漁師仲間と一緒に借金して買ったんだ。
そしたら仲間は金も払わずにこの町を捨てて逃げちまったんだよ!!8千万からの借金を俺一人が背負う事になっちまったんだよ!!本当に金が必要なんだよ!!まさか…まさか竜次さんが本当に死ぬなんて思ってなかったよ。
立待岬から落ちて死んだって聞いて…。
これは俺にもチャンスがめぐってきたって思った。
私はあんなふうに勢いで契約はさせたけどどうせ月々22万近い掛け金なんて払えるはずもないと思って緑さんのとこに行って事情を全部話して契約を元に戻すつもりだった。
そのつもりで会いに行こうとした時にあの夜の事を見ちゃったの。
もしかしたら…これでいいのかもって思った。
あれだけ毎日毎日毎日亭主に苦しめられてきた緑さんを見ててこれで人生取り戻させてあげられるんならそれはそれでいいじゃないかって…。
赤村さん…。
ずっと…黙っていようって決めてた。
そんな時に調査員のこの人が現れて調査に乗り出して。
でも結局一番あせったのはあんただったって事ね。
私のレンタカー盗んでこの人を襲ったのもあんたでしょ?私に罪をなすり付けようとして。
ついには私まで自殺に見せかけて殺そうとした。
何?話って。
まあいいわ。
私もあなたに話があったし。
きゃっ!!良彦さんを殺したのもあなたね。
えっ!?なっ何言ってんですか。
緑さんと良彦さんが揉めてるのを見て逃げる良彦さんを追いかけて…。
そこで恐らく良彦さんが緑さんと秋田の男鹿で愛を重ねてきた事や結婚するつもりだっていう事。
そして1億円の事も知ってるのを聞いてあなたは逆上して良彦さんを殺した。
何…何言ってるんですか。
あの人の遺体が見つかったのは秋田の男鹿なんですよ。
あなたがあの船で運んで捨てた。
ちょっと待ってください。
あの船のエンジンじゃ行けませんよ。
そう言ってたわよね。
エンジンを直さず沖へ出るのは命懸けだって。
そうですよ。
でも私見たの。
昨日の朝あなたがあの船で沖から帰ってくるの。
一晩かけてどこかへ行って帰ってきたのよね。
まさに命懸けでそれをするしかなかった。
良彦さんの死体を誰にも気づかれず男鹿まで捨ててくるにはそうするしか…。
あなたは命懸けで1億円に固執した!あなた同じこの町で緑さんと接していて彼女がどういう女性かよく知ってましたよね。
緑さんは一度愛した人にはどんなに裏切られても尽くそうとする人。
だから結婚さえしてしまえば緑さんに入る1億円を自分が夫だという事だけで自由にできると思ったんでしょう?結婚さえしてしまえばそれを許してくれる女だって。
その事が私には一番許せない!女を…女を何だと思ってんですか!!出ました。
(パトカーのサイレン)待て!待て!待てー!うわっ!あっ…。
この人に頼まれて船を調べたら血液反応が出たよ!ええ?いずれDNA鑑定の結果も出るしな。
おらっ立て!ほら!
(ため息)伸太郎さんかっこいい!えっ?すっごくかっこよかったよ!あっいやぁ…。
あんたも来て。
ねえ。
信じてもいい男って…きっといるよね。
いるわ。
きっと。
そういう事が…バカなのかな。
ふふっ…かもね。
ふふっ。
赤村沙紀さんは事情聴取だけで済みそうです
緑さんの息子さん太郎君はあの赤村さんの事ですきっと緑さんが帰るまで面倒をみる事でしょう
(パトカーのサイレン)春菜ちゃんさっき本当にかっこよかった?うん。
かっこよかったよ!ママもそう思ってるよ。
きっと。
本当?よし…。
今は近づかないほうがいいかも。
どうして?ママのああいう時はねパパの事を思い出してるとこだから。
私好きなんだ。
ママがパパの事思い出してる時の顔。
すっごいやさしい顔してんの。
どんな旦那さんだったのかな。
教えてあげてもいいけど…伸太郎さんきっと落ち込むよ。
どうする?聞く?やめとく。
行こう。
うん。
2015/02/25(水) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
時価一億円の女[再][字]

時価“一億円”の女連続不倫心中の秘密!函館〜秋田男鹿半島、“なまはげ”が見ていた秘密の会話!!

詳細情報
◇番組内容
時価“一億円”の女連続不倫心中の秘密!函館〜秋田男鹿半島、“なまはげ”が見ていた秘密の会話!!寒風吹きすさぶ男鹿半島、雪の函館で女二人の熱き戦いに乞うご期待!
◇出演者
斉藤慶子、有森也実、古尾谷雅人、大寶智子、唐沢亮、中原ひとみ、阿知波悟美、齋藤千晃

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:22508(0x57EC)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: