きょうの健康「子どもの1型糖尿病」 2015.02.25


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糖尿病といいますとどんなイメージですか?甘い物を食べ過ぎるなどどちらかというと生活習慣に関わる大人の病気という気がしますけどね。
でもそうした生活習慣とは全く関係のない子どもの糖尿病があるんです。
どういう事なのか詳しく伺っていきましょう。
専門家をご紹介します。
お話を伺うのは…小児科で子どもの糖尿病の診療がご専門です。
どうぞよろしくお願いします。
浦上さんまず子どもの1型糖尿病どういう病気なんでしょうか?糖尿病には実際1型2型というのがあるんですが皆さんがよく知っていて数が多いのは2型糖尿病です。
この糖尿病は大人の人に多くて例えば体質であるとか肥満そして生活習慣というのが関係しましてインスリンというのがすい臓から出て血糖を下げるんですがその働きが悪くなったりもしくは高い血糖になった時にそれに見合うような分泌が悪くなったりとかして血糖が高くなります。
一方この1型糖尿病というのはそれと全く違う病態で何らかの原因でインスリンを出すすい臓の細胞が壊れてしまってインスリンを作る事ができなくなって不足欠乏してそして高血糖になってしまうというような病態です。
1型糖尿病での高血糖になるとどうなるんでしょうか?糖尿病といえば大人の人が例えばのどがかわいたり尿の量が多くなったりこういう事があるんですが子どもではなかなかそういう事に気付かない事があります。
例えば元気がなくなってしまうとか体重が減ってしまう。
そして分からないうちにどんどん症状が進んでしまって例えば気分が悪くなったり吐いちゃったりとかおなかが痛くなる。
そしてまた意識がはっきりしなくてぼ〜っとする。
こういうふうに進んだ状態で見つかる事も多いです。
従ってなかなか専門機関でないと診断ができないケースも多いというふうにも思います。
子どもが元気がなかったりおなかが痛かったりというと別な病気と思ってしまいますよね。
そうなんですよね。
例えばおなかが痛いとかそういう事があるとおなかの病気というふうに思ってしまったり意識がはっきりしなかったら神経の病気というふうに思ったりしてやっぱりなかなかうまく診断できない事もあります。
そしてまた1型糖尿病というのは日本では例えば欧米諸国よりもかなり数が少ないので病気の事を理解してもらったりとかなかなかできなくって誤解されたりとかしてそして困ってらしたり悩んだりしているご家族の方も多いんじゃないかと思います。
具体的にどんな誤解や無理解があるんでしょうか?やっぱり1型糖尿病というとすごく大変な病気だと…。
1型糖尿病になったら普通の生活ができないとこういうふうに思い込んでしまわれがちなんです。
これは別に一般の方々だけでなくて糖尿病になった時の家族の方もこういうふうに思ってしまうという事があると思います。
確かに大人がかかる糖尿病の場合ですと食事制限をしなきゃいけないとかとかく制限をするというイメージはありますよね。
それは大きな間違いなんです。
この1型糖尿病というのは普通の生活をするという事を目指していますので糖尿病自体とすごく上手につきあっていくと。
そういう事を身につけて頂くそういう技術を身につけて頂くというのが1型糖尿病の非常に大切な治療のポイントではないかと思います。
実際うまくつきあって活躍されてる方もいるんですか?はい。
そういう事で例えばプロ野球の選手であるとかエアロビックの選手とかそれからいろんなスポーツ界の選手でもそういう事を克服して活躍されてる方がたくさんいらっしゃいます。
それは大きな励みになりますよね。
では具体的にこの1型糖尿病どんな治療法があるんでしょうか?1型糖尿の場合はインスリンの注射というのが基本になります。
インスリンを出す力がほとんどゼロに近い訳ですからインスリンの注射というのが基本になります。
こうやって写真を見ますと実際にお子さんが今注射してますが子どもの場合は注射を嫌がるという事はありませんか?実際これ小学校の女の子なんですが実際今はインスリンを体の中に注入するこういう機械というのがすごくよくなりまして痛みというのはほとんどないと思って頂いて…。
ただうつのは怖いなというふうな気持ちがあると思いますのでそういう気持ちを払拭していく。
そういう事が大切だと思います。
注射以外の方法というのはないんでしょうか?注射以外の方法というのはなくて飲み薬というのはないんですが注射以外の方法としてはインスリンポンプというのがあります。
このインスリンポンプという機械はインスリンのポンプの機械からインスリンが出るんですがビニールの針を例えばお尻であるとかおなかのところに刺す注入するという形。
それでもって24時間ここからインスリンが流れるという事で何回も注射をする事はないですから小さいお子さんなんかには大変便利であると僕は思っています。
これは痛いという事はないんですか?ほとんどありません。
非常に便利なものだと思います。
体の中に入っているのは針じゃなくてビニールの管みたいなものです。
こうしたものを利用すれば自分が注射できなくても大丈夫なんでしょうか?それも少し違うんです。
この1型糖尿病のお子さんが普通の生活を送っていくという事に関してはここにあるように自分でおうちで血糖値を測ったりそして自分で注射をする。
そして上手に自分で血糖のコントロールができるようになる。
そういう事が非常に大切であると思います。
ただ一概に子どもといっても乳幼児から学童期からある訳で子どもの年齢によっても治療のやり方というのは変わってくる訳ですよね?はい。
例えばここにありますように年齢の低い乳幼児というのは生活であるとか食事の量というのがなかなか見分けがつく事が難しくてむらがあって非常に血糖値が変わりやすいんです。
そして治療の中心というのは保護者が中心になると思います。
そしてこのポイントとしては運動であるとかいろんな行事は制限せずに是非参加してほしいんです。
そういう意味で保育所や幼稚園の先生と我々は綿密に話し合いを持ったり常にコンタクトを持っておく。
これが大切だと思います。
例えばどんな事を事前に話し合っておくとよいんでしょうか?基本的には普通の生活をさせたいという事なんですが少し運動をしたりしたあとには血糖値が下がり過ぎてしまう事があります。
そういう時に例えば血糖を上げるためにブドウ糖の粒みたいなものとかゼリーを服用する事があり補食というんですがそういうふうにして頂くというような事を幼稚園や保育所の先生にお伝えするという事をさせています。
そうした話し合いを綿密にしておけば遠足などにも積極的に参加する事はできると…。
そのとおりです。
是非積極的に参加してほしいと思っています。
そして少し年齢が上がって学童期の子どもの場合にはどんな事が言えますでしょうか?学童期になってくると治療と管理の中心は子ども自身という事になるのでさっきお話ししました低血糖の時には自分で補食をとる。
そういうような技術というのを身につけて頂くというのが一番いいと思います。
保護者の方そして子ども自身も自分で今の状態というのを把握してインスリンをうまく利用していくと…。
そしてポイントとしては普通のお子さんと変わらない生活を送っていく。
こういう意味で小学校の頃から自分で注射をする自分で血糖を測るそういう技術を身につけるという事が非常に大切ではないかと思います。
そうすると小学生以上の場合ですと学校に行っている時も注射をうつというケースは出てくる訳ですか?もともとインスリンの分泌というのはごはんとは関係なく体の中に一定に流れている基礎分泌というのがあるんですがまたごはんを食べますと血糖がこういうふうに上がりますのでその血糖値の上昇に見合って追加分泌というのがあるんです。
インスリンの治療ではその2つの分泌を補っていくというふうになります。
そうしますと一日に大体どういうタイミングでどのくらい注射をうっていくという事になるんでしょうか?基礎の分泌というのを補うためには一日に1回か2回朝とか寝る前にインスリンをうつ。
そしてごはんを食べるごとに血糖値が上がるのを抑えるための追加のインスリンをうつという事になります。
従ってお昼学校に行ってる間もインスリンをうつという事が必要になります。
改めて学童期のポイントというのはどんな事になりますか?修学旅行であるとか部活動であるとかそういうなのも是非参加してほしい。
本当に基本というのは普通の子どもと変わらない生活を送ると。
そういう中で学校のスケジュールに応じてインスリンのうち方であるとかインスリンの量を一緒に決めていく。
そして自分の血糖値を自分でコントロールできるようにするというのをこの目標ポイントというふうにしております。
ただ実際に子どもが糖尿病になりますと食事運動どうすればよいのかという事を非常に不安にも思うと思うんですが何かアドバイスはありますか?まずいろいろ考え方を変えてほしいと思うんです。
例えば糖尿病になって間もない方々というのは「運動してもいいの?」とかいっぱいごはん食べたいしおやつも食べたいんだけども「○○してもいいの?」というふうに言うんですがその考え方をちょっと変えていくという事が必要だと思います。
こういうふうになってくるとインスリンをうって血糖をコントロールしてるんじゃなくてインスリンによって自分の生活をコントロールされてるという事になるのでそういう考え方を変えていくという事が大切だと思います。
そうするとどんなふうに考え方を変えていけばいいんでしょうか?自分の「こういう事がしたい」。
運動もしたいし遊びたいしごはんも食べたい。
つまり「○○したい!」という事を思って頂いてその中でどういうふうにうまく糖尿病とつきあっていくか。
そういう技術を身につけるというのが一番だと思います。
「○○したい!」というふうに変えていく訳ですね。
具体的にはどうしていけばいいですか?例えば僕らもそうですがいっぱいごはんが食べたい…。
例えば誕生日にケーキなんかが食べたいと。
こういう時は我慢するんじゃなくて食べる量が多ければ少しインスリンを多くうつ。
ケーキが食べたければそれに見合うようなインスリンをまた注射する。
つまりスケジュールや希望に合わせて上手にインスリンのうつ量を変えていくというのがいいと思うんです。
インスリンをうつ量というのは変えてもいいのでしょうか?これはむしろ変えるべきなんです。
つまり毎日決まった量のインスリンをうつのではなくてここにもありますように自分のスケジュールいろんな希望に伴って上手にインスリンの量を変えていくというふうに今は変わってきております。
子どもは部活動などで体を活発に動かす事もあると思いますがこういった事はどう考えればいいですか?運動が多いとさっき少し申しました低血糖になる事がありますからそういう場合にはちょうど運動に関わってくるその時間のインスリンの量を減らすという事で低血糖を予防して運動もできるというふうになると思います。
運動を制限する必要はないと…?これは全くありません。
お話伺っていますと糖尿病というのはとかく制限制限という事を思うんですが1型糖尿病についてはきちんとインスリンの量を自分でコントロールできれば普通の生活が送れるという事なんですね。
そのとおりなんです。
1型糖尿病があるからできないという事はないんです。
何も…。
僕はよく思うんですが1型糖尿病を持っているお子さん患者さんのすい臓というのは頭にあると思うんです。
考え方として…。
はい。
…で頭の中で考えて自分の学校のスケジュールいろいろ生活に応じてインスリンの量を変えていく。
そういうふうな技術というのを身につけてもらうという事を我々も期待して指導してると思います。
そして周りの方々に自分の1型糖尿病という事の病気であるとか今こういうふうにコントロールしてる事を理解してもらって場合によってはみんなにサポートしてもらってそういう中で糖尿病を持ってる子どもたちが糖尿病を持ってない子どもたちと同じような生活が送れるようになる。
これを我々は非常に期待しておりますしみんなにも是非やってほしいというふうに思っています。
どうも今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/02/25(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「子どもの1型糖尿病」[解][字]

インスリンを分泌する「すい臓」の細胞が壊され、高血糖になる1型糖尿病。インスリンを自分の生活に合わせて上手に使うことで、糖尿病のない子どもと同様の生活が可能だ。

詳細情報
番組内容
子どもの頃に発症することが多い1型糖尿病。インスリンを分泌する「すい臓」の細胞が何らかの原因で壊され、高血糖になってしまう病気だ。1型糖尿病の患者数が少ない日本では、1型糖尿病の認知度が低く「糖尿病のために○○が出来ない」というような周囲の誤解や不理解が多い。しかし、インスリンを上手に使うことで糖尿病のない子どもと同様の生活が可能だ。子供と保護者が上手に1型糖尿病とつき合うためのポイントを紹介。
出演者
【講師】日本大学病院准教授…浦上達彦,【キャスター】久田直子,寺澤敏行

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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