デザインの梅干(新番組) 第1回「目印のデザイン」 2015.02.26


グラフィックデザインの仕事をしてます佐藤卓と申します。
この番組はデザインの番組です。
「デザインの梅干」というタイトルを付けさせてもらいました。
番組の講師を務める佐藤卓さん。
日本を代表するグラフィックデザイナーです
毎年日本一売れているガム。
食卓の定番となった牛乳。
そしてウイスキー。
飲んだあとの瓶の使い方も考慮されています。
奇抜ではないけれど人の目を引く。
流行とは違うけれど世の中に残っていく。
そのデザインは業界の垣根を越え称賛されています。
「デザインの梅干」は…
青かった梅が熟して更に梅干へと変わっていくように佐藤さんのデザイン哲学を通してあなたのデザインで考える力デザインマインドを養います
(2人)どうも〜。
そして皆さんと一緒に学ぶのはこちらのお二人
清水富美加で〜す。
お願いします。
そして私佐藤さんの助手を務めさして頂きますアンガールズ田中です。
(一同)よろしくお願いします。
早速ですがお二人に質問
ずばり高いものに施されてるもの。
ソファーとかも20万円とか30万とかそういうやつはデザインされてる。
デザイン料みたいな?じゃあ値段が高くないソファーというのはデザインがないっていう感じ?デザインがないですね。
ない!?ない!?デザインあるでしょ?一応。
ないないないない!えっない!?オシャレ感が少ないっていうか。
肘掛けが異常に広かったらデザインされてるみたいな?まあそうですね。
そこまでいったらデザインだけどその手前はデザインじゃない?デザインじゃないです。
僕は建築を大学で学んでたのでデザイナーズマンションとかね。
ちょっとコンクリート打ちっ放しですみたいな。
かっこいいイメージですよだから。
かっこいいオシャレ。
そうですよね。
でもねそれ以外のね今「そういうものはデザインじゃないよ」と。
もう大胆にもご発言を頂きましたけど。
いやそこにねもしかするとデザインが隠れてるかもしれない。
ウソ〜!例えば道路。
車が移動するとかね人の移動手段のためにどういうふうに道を通すかっていうのも都市計画というデザイン。
なるほど。
信号機もデザイン。
信号機もですか!?信号機デザイン!デザイン!?あれデザインなんですか?デザインですよ。
赤い円を見てみんな止まるっていうのは世界中のルールになっててそのルールと共にあれは目に見えるものでデザインされてるものなんですね。
どのぐらいの大きさにしようか。
だってあまりちっちゃかったら遠くから見て見えないし大きすぎたら今度ね邪魔になる。
佐藤さんが企画した子ども向けデザイン番組です。
子どもたちにデザインの視点でものを考える力を伝えています
ところで先生。
何だい?な〜んでこのストローは先がとがっているんですか?うんそうだね。
紙パックの飲み物などを飲む時とがってる方がほら刺しやすいだろう?本当だ。
ブスッと刺さりやすい。
それにこの部分が微妙に先細りになっている事で穴を開けた部分の切れ端が中に落ちないようになっているんじゃ。
あっ本当だ!
佐藤さんの考えるデザインとは暮らしの中で考えられてきたものや生活の工夫一つ一つを指す言葉
つまり皆さん全員がデザインと関わりながら生活をしているという訳です
実は私たちの生活ふだんの生活のそこここの中にデザインっていうのはね潜んでると思うんです。
…っていうか実際潜んでる訳。
へえ〜!それを自分なりにちょっと分析をしてみるとデザインマインドを育む事につながる。
さあここからは皆さんのデザインマインドを刺激するエクササイズを始めます
3つのステップで生活を豊かにするデザイン的な思考を活性化していきましょう。
スタジオに集まったのはさまざまなジャンルで活躍する20代の若者たち。
佐藤さんの生徒としてエクササイズに参加してもらいます
それでは佐藤さん最初の授業で扱うデザインは何でしょうか?
バーバーサイン。
(2人)バーバーサイン?きれいにそろっちゃった。
セリフみたいにそろっちゃいましたけど。
デザインっていう言葉はラテン語でdesignareっていう言葉が語源なんですね。
それで計画を印とか記号にするっていう意味がデザインっていう言葉にあるんですよ。
今回は印目印っていう事をそのバーバーサインを通してちょっと考えてみようと。
そういう回にしたいなと思います。
Barber’spoleサインポールとも呼ばれています。
佐藤さんいわくバーバーサインはとても優れた目印。
「デザインの梅干」第1回目の授業はバーバーサインを入り口に目印のデザインを皆さんと一緒に考えていきます。
最初は…
デザインの解剖とはデザインのメスを使ってものを改めて見つめ直す佐藤さんのプロジェクトです。
医学解剖のように表面から内側へとアプローチしどんなデザインが潜んでいるのか分析していきます
さてバーバーサインを分析して見えてくる目印のデザインとは何でしょうか?
こちらはバーバーサインの解体図。
最も重要なパーツはモーターで回転する斜めのストライプ模様です。
3色のストライプをスライドさせバーバーサインのように長方形に切り取るとストライプが上に動いてるように見えます
人の目の錯覚を利用したデザインです
スピードも全然違いますね。
緩やかで。
本当だ。
すごくいいところに気が付いてくれました。
あのねこの回転こういうのを作る時はね例えばスピードをどのぐらいにするかって当然考えなきゃいけないでしょ。
その時に「あっ回転のスピードもデザインなんだ!」って気が付く訳ですよ。
なるほど。
これちょっと速いと落ち着かないなと。
あっせかせかして見えますね。
確かに!何かお店のご主人もそうなのかなって思いがちです。
ゆっくり切るのがいいかどうか分かんないですけどね穏やかな人がやってるのかなとか印象も出ますね。
いろいろ想像が…。
バーバーサインって外に立ってるじゃないですか。
部屋の中じゃないんですよね。
そうすると雨が降る風も吹く台風の時も立ってるみたいな。
だからこういう流線型にしてるのには意味があるんですね。
どっから風が来ても滑らかに風が通過するように。
あっ計算されてるんですか?なってる訳ですこう。
更に解剖していきます。
町でよく見かけるバーバーサイン。
実は世界中にあるのを知っていますか?
こちらはバルセロナのバーバーサイン。
オランダのロッテルダム。
ニューヨークのこのバーバーサインはちょっと変わっていますがすぐ分かりますよね。
3色のストライプは理容室の目印として世界中で知られています
壁につってあるのかっこいいですね何か。
ねえ!こういうグラフィックもいろいろ工夫してますね。
あ〜!ちょっと2本プラスされてて。
これなんかほら手で描いてる。
え〜!動かなくてもちゃんとサインって分かるってすごいよね。
動いてても分かるんだけど動かなくてもちゃんと分かる。
優れたサインですよね。
優れたサイン。
絵も結構ね上の方雑ですけどね。
いいデザインはなじむっていうのがまさにこの形になってるものだなというふうにまず思ったのとまた世界でいろんなデザインのバーバーサインがあってどれも分かるって事は大本のデザインがしっかりしていてそれをある程度崩しても意味が分かるっていうそのバランスがとてもとれてるんだなと思いますね。
それぞれの違いもあるしそれからみんなが共有している共通の部分もあるしね。
みんなが共有してる変わらない部分と変わってる部分はどこなんだろうかっていうのを見てったりするのもなかなか面白いかもしれないですね。
動かなくても分かる特徴的な色合い。
しかしもともとは3色ではなく赤と白の2色だったそうです。
ここからはその歴史をひもときます
実ははっきりとした資料はなかなかね見つかってないようでいろんないくつかの説があったりするんだけどもまず赤は血液に関係しているっていわれています。
昔髪の毛を切るっていう仕事は医療と一緒だったんですね。
中世のヨーロッパでは瀉血と呼ばれる外科治療が広く行われていました
この役割を担っていたのが理容外科医と呼ばれる人々でした。
貴重な刃物を取り扱う専門家として散髪と瀉血2つの仕事を兼任していたのです。
そして瀉血の際に患者が体を支えるため使用していた棒。
これこそがバーバーサインの起源だと考えられています
血液を滴らせる時に棒を赤く塗ると血が目立たない。
患者さんが怖くないっていうそういう一つの説なんですけど。
その棒に包帯をらせんに巻いて乾かしてた。
もしくはこういう説もあるんですね。
包帯をぶら下げて乾かす。
そうすると風でらせんに包帯が絡みつく。
そういった事が結果として目印になっちゃった。
そうなりますね。
あれが干してあるからそうか髪切りに行こうっていう。
やがてその2色が看板として使われるうちに青色が加わったそうです。
血液の静脈を表したともフランス国旗に由来するともいわれています
こんなに人が世界中にいる中で何気ない行動。
棒に血が滴っててそこに包帯が巻きついててそれをみんながそれやってるから無意識のうちに共通の何か見た事あるものになってそれが広がってったっていうのがすごい面白いですよね。
面白い。
話として面白い。
もうずっと聞きたいです。
なかなかねそういうものってねないんですよ。
確かにそうか!肉屋で世界中で共通なね魚屋さんで世界中で共通なマークってないし。
う〜ん…。
誰もが知ってる目印バーバーサイン。
その起源は人々が勝手に目印にしていた医療道具の色でした。
でもだからこそ世界中に広まったのかもしれません。
この類いまれな目印に興味を引かれた佐藤さん。
自ら作ってしまいました。
スタジオに飾られたこちらのバーバーサインです。
佐藤さんは1996年から3回にわたりこのバーバーサインをさまざまな場所で写真や映像に収めるバーバーサイン・プロジェクトを行っています。
誰もが知っている目印を意外な場所に置き人がどんな印象を受けるのかを実験する試みです
みんなが分かるからこその不思議さ
環境に与える印象の強さ。
当たり前にあったものだからこそ改めて見つめ直す面白さがあります
日常のねちょっと気になるものから深く入っていくと隠れた情報がだんだん出てくるっていうかね。
それをだから解剖していく。
見える所から中になぜ。
なぜなんだろうなぜなんだろうって解剖していくとさまざまなものが見えてくる訳ですよ。
そういう視点っていうんですかね当たり前だって思ってるものが実は当たり前じゃないんだという事に気が付ける訳ですよね。
今すごいいい事言ってますよね?え?ずっといい事は言ってるけど。
急にいいじゃなくて。
でもまとめがすごいいい。
これからデザインというものをもっとね知っていくには今いいキャッチですよね。
いいキャッチです。
そういう目をね養っていくっていうね。
それも一つのデザインマインドを育むっていう事でもあると。
デザインマインドのエクササイズできてきましたか?次のステップは…
生徒のフィールドワークを基にデザインを考えます。
こちらは生徒たちに撮ってきてもらった写真。
テーマは…
身近な場所にどんな目印が潜んでいるのかデザインの視点で見ていきましょう
目印っていうのはね生活の中でどんなものなのかっていうのを意識しないじゃないですか。
それを一回ちょっと意識してみてどういうものが目印になってるのかというのを検証してみようと。
まあそういう事ですね。
一回みんなも考えたでしょう?じゃあ。
ちょっとね。
さあこれは?私ですね。
給湯室マーク?そうです。
何かうちの大学結構留学生とか多いせいかもしれないんですけど名前の看板よりこういう絵の標識みたいなのが多いんですよ。
これ大学の給湯識ですね。
分かりやすいですよね。
湯気が出るとか…。
まあでもデザイナーの人が何回も考えてるんでしょうね。
こういうのピクトグラムっていうんですけどね。
前回の東京オリンピックだいぶ前ですけどその時に競技ごとに分かるようにシンボルを作ろうといってピクトグラムっていうのを作ったのは東京オリンピックが初めてなのご存じですか?そうなんだ!えっあの運動のマークですか?そうです。
例えば水泳だとか。
そういうのをマークにして言葉が通じない人たちでもちゃんと見てパッと分かるようにして。
デザインっていう意味では以前の東京オリンピックっていうのは実は画期的なオリンピックだったんですね。
次回もそれを勝るようなオリンピックにしなきゃいけませんね。
さあこの辺はもうこれは男子のね。
撮ったの誰ですか?はい。
僕が酔っ払った時に先輩にトイレ連れてってもらって「そこ目がけてしろよ」みたいな。
これは女子は分かんないと思うけど今男子のここにシールとかついてるの結構多いのよ。
広島のマツダスタジアムとかだったらここキャッチャーミットみたいな…。
ちゃんと受け止めてくれる。
何かちょっとしたデザインがあると「お!」と思うんですよね。
これは男子のみの楽しみなんで。
楽しみ?いや楽しみですよ。
意外とね。
例えばこのみかんのアップって何の目印ですか?誰?は〜い!え!?私ですこれ。
何で?これ目印?目印!目印です!
みかんは目印としては作られていないですよね。
一体どういう事なのでしょうか
どれが目印かっていうとこれですね。
これカビです。
カビ!?これカビなんですけどどういう目印かというとこれをもう食べられませんよという目印な訳ですカビは。
目印?そう。
これも目印かまあ一つの。
思いがけない提案ですけど確かによくないものが口から入ってこないようにするために自然と印になっていく訳だよね。
だからそれはもうとても動物的とも言えて本能的。
そうじゃないと生き延びらんないからさ。
自然と印を求めてるって事もあるんじゃないでしょうかね。
目印ではないものの中にも人は目印を発見してしまうようです。
このビルの前を撮影した写真もその一例。
意外なものが目印として使われていました
通勤の途中にあるビルなんですけれどもちょっと並んでるの分かりますかね?人が。
多分このビル9時にならないとエレベーターが動かないビルなんですよ。
なので朝すごい並ぶんですねここに。
本当はもっとバ〜ッと並ぶんですけど。
大体55分ぐらいになると列がピークになるんですよ。
なので私はその横を通る時に列の長さで大体時間を把握する。
え〜面白〜い!列がすごい長いと「8時55分か。
急がなきゃ!」ってなるし短いと「まだ8時50分ちょい過ぎぐらいかな。
いける!」みたいな。
じゃあ時計?これ。
(藤原)時計。
時計だ!毎日通ってるうちに気付いて…。
気が付いたらなってた?
(藤原)そうです。
みかんも人の行列もふだんの習慣や経験から目印になったもの。
何だかバーバーサインの始まりと似ています
人の営みの中でデザインっていうものがどういうふうに生かされてるんだろうかっていう事がこういう目印を分析するだけでいろいろ分かってきますよね。
人っていろいろ応用する能力っていうのを誰でも持ってるので実は勝手に目印化しているっていう。
そうやって生活を営んでいる訳ですよね。
だから意図してデザインされた目印と自分が目印化するっていう事をうま〜く混ぜ合わせながら生活を営んでるという。
…とここで佐藤さん自分のオフィスの机を写した写真を取り出しました。
写真の中に佐藤さんが作った目印が隠れています。
どれが目印なのか一緒に探してみて下さい
雑多に置いてあるだけのように見えますけど分かりました?これ?まあそれもお茶をコーヒーを置く所。
ここコーヒー置くとこなんですね。
置く目印である事は間違いないんですけどもうちょっとこう…。
手帳ですか?手帳!手帳が?何かこれをベースにこっちでするみたいな。
最初にここ置いて。
斜めに置いてる?おっピンポンでございました!どういう事ですか?実は既に目を通して安心してやってるものは水平垂直なんです。
まだ見てないものを斜めに置いとくんですね。
だから僕のスタッフが書類を見て下さいと言って持ってきたらこのルールにのっとって斜めに置いてもらうんです。
さりげない事なんだけどね非常に情報量が多い所で目立たせるっていうね。
あるルールがあったらそのルールを崩すものを作ると目立つ訳ですよね。
目を通したものは垂直に置く。
佐藤さんの机の上にルールがあるからこそ斜めの角度が目印になりました。
この周りの環境を利用した目印の作り方商業デザインの中にも生かされています
佐藤さんが選んだグッドデザインを紹介します
あるお店の棚です。
この中にとても優れた目印があります。
こちらです。
1983年の発売以来全くデザインを変えていないというパッケージ。
ポイントは箱全体に使われた黄色です。
使用する色を絞り込み味の種類は文字の色で表現しています。
シンプルで目立たないようにも思えますが…
箱全体を黄色い箱っていう目印にしてる訳ですね。
並ぶともうそこにその商品群があるって事がパッと見て分かるようになってる訳ですね。
なるほど。
確かにこの黄色の固まりよ〜く目立ちますね
そしてもう一つの優れた目印はこちらのお店です。
目印としての工夫のポイントはこの大きな銀色の壁にあるそうです
ロゴマークの周りからほかの情報を遠ざける役割をしてる訳ですね。
目印だけがよければいいんじゃなくてそれを引き立たせるための背景をどうするか。
すばらしい見せ方の一つの例だと思いますね。
どちらも置かれる環境まで考え抜かれた梅干なデザインでした
さあここで一度あなたのデザインマインドを試してみましょう。
ビニール傘の目印をデザインします。
コンビニなどで販売されている大量生産品ビニール傘。
どれも似ているのでお店で取り間違えられる事よくありますよね。
そこでほかの人に持ち去られないためのビニール傘の目印を考えてみて下さい。
ただし使える道具は自分がその場に持っているものだけです
本当にふだんの状態を想定して何らかの形で自分のものだという印をつけてもらえないだろうかと。
そこであんまり時間をかけたくない。
どのぐらいをね想定しましょうかね。
5分!一応5分…。
でもね5分っていう時間はね傘立ての前では普通ないですよね。
ちょっと考えさして下さいよ。
何で本当に30秒でやんなきゃいけないの?佐藤さんの前でデザインを発表するこっちの気持ちも考えて下さいよ。
実際にその場でできる事。
想像して考えてみて下さい
おっちょっと!何やってんの?
果たしてどんな目印のデザインができたのでしょうか
清水さんの考えたデザインです。
なぜか目印が見当たりません
5振りぐらいしてるんですよ香水を。
香水?どれどれどれ?この匂いだずっとこの辺漂ってたのは。
あっちょっとクラッとしますね。
でもこの香りがここの中のどこから香ってるかというのは分か…どうだろうね?でも何かいい香り。
全然気持ちよく使っちゃう人もいるかも…。
このお題のポイントは他人と共有できる目印である事。
匂いだけでは気付いてはもらえなさそうです。
次はこちらのデザイン。
目印は傘に差し込まれたこの紙です
今ここにはこの紙があるんですけどこれを自分の名刺をここに入れてまあポンポンと置いといてこれは私のものです。
もしこれを使いたいならば後で返して下さいと周りに連絡先書いてはいどうぞと。
後で連絡くれれば取りに行きますんでと。
個人情報を犠牲にして私のものだと。
これもう挟んでるだけですよね?
(杉本)挟んでるだけです。
だから傘そのものには何か色をつけたりとか傷つけたりとかしないでまあ実に簡単な方法で。
続いては自分の手袋を傘の柄に片方だけかぶせた目印のデザインです
いいなと思ったのはこれ嫌ですよ。
あのね人の手袋を持っていきたいという気持ちにはちょっとならないのでまずちょっと僕はもう触らない。
ちょっと嫌。
いい意味で嫌だね。
ちょっとね嫌だねこれ。
パッと速いしね手袋外して…。
そうですね。
パッパッとやってすぐつけれるんで。
眞野君のアイデアには人の心理もデザインされています。
そして田中さんも同じポイントに目をつけていました
使用済みマスク。
嫌!もう嫌だ!嫌だよ!嫌だねえ!更にこれ中にパ〜ッと取ったらお守りが出てくる。
もう罪がね…。
とってったらやばいこれ。
神が見てたと思って…。
これ嫌だ。
とっても嫌だ。
傘立てがこんな嫌〜なものばっかりになっちゃったらどうしようかっていうのもありますけどね。
いやなかなか面白いですね。
特に日本は雨が。
梅雨時なんかもありますし多いですからスマートに何かね。
ちょっと持っていきたくもないしちゃんと自分も表してるみたいな印ってないかなってちょっと考えてもいいんじゃないでしょうかね。
デザインする事は人の生活を豊かにする事だと佐藤さんは言います。
皆さんも身の回りの目印をちょっと考えてみてはいかがでしょうか。
毎日の暮らしが楽しくなるかもしれません
それでは最後のエクササイズ
皆さんのデザインマインドに更に刺激を与えてくれる梅干な人にお話を伺います
今回の梅干な人は浜松医科大学の針山孝彦教授です。
お願いします。
(拍手)
(一同)よろしくお願いします。
こんにちは針山です。
よろしくお願いします。
針山孝彦教授。
動物の生態とバイオミメティクスの研究をされている動物行動学者です。
バイオミメティクスとは生物の生態を研究しその機能や構造を応用した技術開発です。
例えばカワセミのクチバシを模倣した新幹線のフォルム。
水の抵抗を抑える働きを騒音防止の技術に発展させました。
蚊の針の構造を利用して痛くない注射針なども開発されています
その生命は実は私たちもそうですけども生き死にを懸けて生き残ってきてる訳ですね。
その生き死にを懸けて生き残ってるっていうのはつまりは性能試験をしてる訳です。
性能試験をして生き残ってきているデザインですね。
形あるいは機能。
どうやって動くのかとかどうやって生き残ってるのかって。
そういうものを生物学者として調べてそれを工業利用しようというのがバイオミメティックスという分野なんです。
針山教授にお話し頂くのは研究中の昆虫たちの目印について。
どんな産業技術に生かす事ができるのか考えながらお話を聞いてみて下さい
これベニツチカメムシというカメムシです。
皆様カメムシ臭くて嫌でしょ?臭いですよもう。
何でいきなりこれなんですか?でもこれをよく知ると好きになるかもしれません。
ないですよ絶対!ウソウソ!
(一同)うわ〜!集まられるともっと嫌なんだよね。
(針山)でもよく見て下さい。
これ大きなのと小さいのがいるでしょ。
それがまた嫌なんだよな。
(針山)それがまた嫌?背中の印が違う?そうそうそうそうなんです。
早いですねさすが見つけるのが。
(針山)大きな4つのマークがついてる目印がついてるのはお母さんなんです。
下の小さな生き物たちは子どもなんですね。
昆虫が子育てするなんて知ってました?
(2人)え!?大抵産みっ放しで勝手に大人になってというふうに思いますけどこのカメムシは子育てをするんです。
え〜信じらんない!
(針山)赤い何か実みたいなのありますね。
あれはお母さんが子どものために運んできてるんです。
(2人)へえ〜!でもこの人たちは森の中に住んでるんですね。
こんなとこです。
これが森の中の彼らの巣です。
森の中に住んでたらどうやって取りに行ってどうやって帰ってきたらいいか分からないですよね。
人間でもここもう一回戻ってくるの難しいですよね。
難しいですよね。
そうするとやっぱり目印が必要なんです。
どうやって移動してるかっていうとグニャグニャグニャグニャグニャグニャグニャグニャ歩いていくんです。
なるべくいっぱいたくさん歩いてどこにあるかなって探しながら歩いてるんです。
ところが見つけました。
そうするとほとんどグジャグジャ回らないでまっすぐ帰ってくるんです。
(佐藤清水)本当だ!歩いてる時に実は何か目印を探してるんですね。
森の中の葉と葉が森だから重なってますけどもここの抜けてる所それを目印にしてるらしいという事が分かりました。
ベニツチカメムシが森の中を歩くために目印にしていたのは葉と葉の間にある隙間です。
専門用語でギャップといいます。
隙間に生まれるコントラストのパターンを目印にしているのです。
これはカメムシから見たギャップのイメージ。
この形を目で見て覚える事で自分の位置を識別しています
あんなふうにモヤッてしたもののパターンを見ておうちに帰る事ができる。
目を隠してやるともう帰れなくなってしまいます。
あっそうなんだ。
かわいい。
ようやくかわいくなってきてくれた。
かわいいかも。
そのギャップの形を時間軸で記憶してないとたどっていけないですよね。
という事はどういう順番で連続してるのかっていう事をデータ化してるって事ですか?うん。
データ化してるんですね。
それから明るさも変わってしまうんですね。
それも全部補正して帰っていく事ができる。
へえ〜!信じられない。
最後はちょっと迷うようですが自分の巣の匂いを頼りにちゃんと子どもたちのもとに帰れるそうです
もう一つ昆虫の目印についての実験です。
LEDパネルに向かって虫を飛ばしパネルのどの位置に虫が向かっていくのかを記録しています
世界中の人たちが昆虫は光に向かって飛んでくるって思ってた。
そうですよね。
そうですよ。
ところが明るいとこへ飛んでいくはずなんですけれども端に飛んでいきます。
本当だ。
(針山)あっち行ったりこっち行ったりしてるんですね。
実験の結果パネルのどの位置に虫が向かったのかを示した図です。
青い点が虫の位置。
パネルの端に向かって飛んでいます。
そしてこちらはパネルの半分を暗くした時の図です。
虫の位置が光と闇の境目に集中している事が分かります
生き物というのは端っこに行きたいという傾向があるんです。
さっきは白と黒の端っこでしたけどもコントラストの強い所を目印にするんです。
(一同)へえ〜!境目に来るんですか?境目に来るんです。
はあ〜!明るいのと濃いのの確かに端にいると全体が見渡せますもんね。
真ん中にいると周辺が見渡せないからちょっと不安になるっていうか。
虫から世の中を見た時にどう見えてんのかっていうのは全く違う世界でそれを知る事によって人の営みに生かす事ができるんじゃないかという。
本当に超ハイテクがそこで行われてる訳ですよね。
当たり前にそこにいるちっちゃな虫がそういう事をやってたりする訳ですね。
そうですね。
コントラストを目印に森を歩く技術。
いつか暮らしの中に生かされるかもしれません
科学者として注意しなければいけないのは研究する時に人間の視点で研究しちゃうんですねどうしても。
そうすると自分がやってる事は見つけられるんだけどそれ以上の所はなかなか見つけられない。
もしかしたらもっとすごい事を目印として使ってるかもしれない。
環世界という言葉があります。
自分たちは世界を全部知ってるだろうって思っちゃう訳ですね。
だけど実は自分勝手な自分が持ってる情報処理だけで世界を見てるんだ。
その上人間の場合種としての環世界だけじゃなくて育った環境あるいは文化の影響っていう事で自分なりの世界をまた作っちゃう訳ですね。
その延長上でいろんな事勝手な事やっちゃうと大変な事になるぞって。
こういうものを見てるとつい思ってしまう…。
という事で今日の梅干な人は針山孝彦教授でした。
ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
(拍手)今日はバーバーサインから入ってってね解剖してって目印っていうものをちょっといろいろ勉強してきましたけども。
すごいシンプルに言うと今からの人生が更に楽しくなったのかなと。
すごい新しい視点が得られてこういう見方をしたら昆虫だったらどうするんだろうとかこういう考え方とかしたらすごい面白いアイデアが浮かんだりとか。
そういう事を次から実践できるのかなと思って。
いろんな視点から見た方がね…。
楽しかったです。
町に携わる仕事をしている者としては逆に人が集まっている場所ってじゃあどういう目印があるんだろうとかほかの人がどういうものを目印にしているかっていうのをその人になりきって例えば自分も体験してみるとかってすると今までなかったものが見えてくるんじゃないかなと思ってちょっとやってみようかなと思いました。
ちょっとぶっ飛んだ話になるんですけど人の行列見て時間を計るって…。
例えば私たちよりすごい進化してる宇宙人がいたとするじゃないですか。
宇宙人が私たちの事虫みたいに見てたとするじゃないですか。
だとしたら「あいつら人間のくせに行列見て時間判断してやがるんだぜ。
すごくね?」みたいな感じで思うだろうなと思ったんですよ。
デザインする創造するって事はすばらしい事だし育てていけるものだしこれからいろんな可能性があるものなんだなって思いました。
俺はね今日はもう傘のデザインがめちゃめちゃ楽しくて。
自分でやってみるっていう瞬間どうするかと考えてたあの時間も楽しかったし。
あれが嫌なんですよ。
旅館とか行って大浴場行ってスリッパ履いていくじゃないですか。
お風呂から出たらどのスリッパか分かんなくなる。
あそこをうまくデザインしたいですね。
自分の個性を出して置いとくとか。
どうしたら自分のもう一回履けるだろうとか。
まあデザインの解剖っていう手法をある意味で使ってものを見る目を養っていくっていうね。
それをこれから続けていきたいと思いますけど。
実は日常生活ってほとんど身の回りの事はみんな知っているって思ってるんですよ。
でね知っていると思ったらそれ以上知りたいという気持ちはそこで無くなるんですね。
だけど知っていると思った事をいかに知らないかって事に気が付く。
既知の未知化っていう言い方をしますけど既に知っているっていう事を知らないっていう事にするという。
実は何一つ我々って日常生活の事を実は知らないっていうね。
そういう事に気が付くととても日常が豊かになる。
デザインからいろいろ世の中を見ていく。
読み解いていくっていう事を勉強という事ではなくてね楽しく習慣にするととても豊かなんじゃないか。
楽しくなりそうですもん何かもう今日から。
まあその解剖っていう視点でねいろんなものを見てこれからもいきたいと思いますので乞うご期待。
また次回もお楽しみ下さい。
どうもありがとうございました。
2015/02/26(木) 00:00〜00:45
NHKEテレ1大阪
デザインの梅干[新] 第1回「目印のデザイン」[字][再]

身近なテーマを題材として「デザインで考える力」をエクササイズする番組。五感を研ぎ澄まして、デザインマインドを活性化すれば、何の変哲も無い日常生活が楽しく変わる!

詳細情報
番組内容
講師は第一線で活躍するグラフィックデザイナーの佐藤卓さん。第1回目は、理容室を示す「バーバーサイン」を解剖し、目印の成り立ちと機能を考える。さらに、ビニール傘に自分の目印をデザインするワークショップでは、間違って持って行かれないようにするアイデアが次々に飛び出して…。ドキドキするような楽しい発見にめぐり合いたい!と願う全ての人に向けて、デザインマインドを養う五感を使ったエクササイズをお届けする。
出演者
【ゲスト】浜松医科大学教授…針山孝彦,【講師】グラフィックデザイナー…佐藤卓,【出演】田中卓志,清水富美加,【語り】BIKKE

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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